JPH06249150A - 油圧ポンプ装置 - Google Patents

油圧ポンプ装置

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Publication number
JPH06249150A
JPH06249150A JP3052593A JP3052593A JPH06249150A JP H06249150 A JPH06249150 A JP H06249150A JP 3052593 A JP3052593 A JP 3052593A JP 3052593 A JP3052593 A JP 3052593A JP H06249150 A JPH06249150 A JP H06249150A
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JP
Japan
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engine
hydraulic pump
clutch
casing
oil
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Application number
JP3052593A
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English (en)
Inventor
Atsushi Ide
温 井出
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧ポンプを駆動するエンジンの始動時及び
始動直後の負荷を軽減する。 【構成】 リザーバタンク80からオイルを汲み上げて
アクチュエータ11L ,11R ;45L ,45R に供給
する油圧ポンプ74の吐出油路L1 は、アンロードバル
ブ75及びバイパス油路L3 を介して前記リザーバタン
ク80に接続される。油圧ポンプ74を駆動するエンジ
ンのクランキング中には、アンロードバルブ75を開弁
して油圧ポンプ74の吐出油をバイパス油路L3 からリ
ザーバタンク80に還流させ、油圧ポンプ74の負荷を
軽減する。エンジンの始動後も低温時には10秒間、高
温時には2秒間だけアンロードバルブ75を開弁状態に
保持して負荷を軽減し、その後アンロードバルブ75を
閉弁して油圧ポンプ74の吐出油を吐出油路L1 に供給
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンにより駆動さ
れる油圧ポンプの吐出油で油圧アクチュエータを作動さ
せる油圧ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンに接続された油圧ポンプの吐出
油をアキュムレータに蓄え、その油圧でエンジンの駆動
力を左右の後輪に分配する油圧クラッチを作動させるも
のが知られている(例えば、特開平2−286429号
公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記油圧ポ
ンプはエンジンに接続されて駆動されるため、エンジン
の始動時に油圧ポンプの駆動負荷によって始動性が低下
したり、始動後もエンジンの回転がスムーズに上昇せず
に回転が安定しない状態が長く続くという問題がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、エンジンの始動時及び始動直後における油圧ポンプ
の駆動負荷を軽減することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、エンジンにより駆動される油圧ポンプの
吐出油で油圧アクチュエータを作動させる油圧ポンプ装
置において、油圧ポンプの吐出油を該油圧ポンプの吸入
側に還流させるアンロード手段と、エンジン始動時及び
エンジン始動後所定時間が経過するまでの間、前記アン
ロード手段を作動させる制御手段とを備えたことを第1
の特徴とする。
【0006】また本発明は前述の第1の特徴に加えて、
前記制御手段が、エンジン回転数検出手段により検出し
たエンジンの回転数が所定値に達するまでの間を前記エ
ンジン始動時と判定することを第2の特徴とする。
【0007】また本発明は前述の第1又は第2の特徴に
加えて、前記制御手段が、冷却水温センサにより検出し
たエンジンの冷却水温に基づいて前記エンジン始動後所
定時間を変更することを第3の特徴とする。
【0008】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例について説
明する。
【0009】図1に示すように、4輪駆動車両の車体前
部にはエンジン1及びトランスミッション2が搭載され
ており、トランスミッション2の出力軸に、主駆動輪で
ある左右の前輪WFL,WFRに駆動力を分配するフロント
ディファレンシャル3が接続される。フロントディファ
レンシャル3は方向変換用のギヤ機構4を介して車体前
後方向に延びるプロペラシャフト5に接続されており、
プロペラシャフト5の後端にジョイントを介して接続さ
れた入力軸6が、一対のベベルギヤ7,8を介してリヤ
ディファレンシャル9に接続される。リヤディファレン
シャル9は、その内部にプラネタリギヤ式変速機構10
及び左右一対の可変容量型の主油圧クラッチ11L ,1
R を備えており、従駆動輪である左右の後輪WRL,W
RRの出力軸12L ,12R に駆動力を分配する。
【0010】図2及び図3に示すように、リヤディファ
レンシャル9はリヤフロアパネルPの下面に設けられて
おり、燃料タンクTとスペアタイヤSとに前後から挟ま
れた位置に配設される。
【0011】図6〜図8に示すように、リヤディファレ
ンシャル9は、センターケーシング13と、センターケ
ーシング13の左端面に結合される中間ケーシング14
と、中間ケーシング14の左端面に結合される左ケーシ
ング15と、センターケーシング13の右端面に結合さ
れる右ケーシング16とを備える。
【0012】センターケーシング13には前後一対のロ
ーラベアリング17,17を介して前記入力軸6が支持
されており、その後端に前記ベベルギヤ7が一体に形成
されるとともに、その前端にプロペラシャフト5に接続
するためのジョイント18が設けられる。入力軸6によ
って駆動される潤滑用のオイルポンプ19はトロコイド
ポンプよりなり、センターケーシング13の前端にボル
ト20で共締めされた一対のポンプハウジング21,2
2と、ポンプハウジング21,22の内部に回転自在に
支持されたアウタロータ23と、入力軸6に結合されて
前記アウタロータ23と共に回転するインナロータ24
とを備える。オイルポンプ19で加圧されたオイルは、
センターケーシング13に形成した潤滑油路132 を介
して供給され、リヤディファレンシャル9の各部を潤滑
する。
【0013】センターケーシング13の内部に収納され
るプラネタリギヤ式変速機構10は、外周に前記ベベル
ギヤ8がボルト25で固着されたドラム状のギヤケース
26を備える。ギヤケース26の左端は、前記中間ケー
シング14にローラベアリング27を介して支持され
る。またセンターケーシング13の右端開口には、後述
するワンウェイクラッチ28の内輪部材29が嵌合し、
センターケーシング13にボルト30で結合された支持
板31によって固定される。そして、前記ギヤケース2
6の右端が、ワンウェイクラッチ28の内輪部材29に
ローラベアリング32を介して支持される。而して、プ
ラネタリギヤ式変速機構10のギヤケース26は、左右
一対のローラベアリング27,32によって、中間ケー
シング14及びセンターケーシング13に回転自在に支
持される。
【0014】ギヤケース26の内部を左右方向に貫通す
る伝達軸33の中央には、該ギヤケース26の内部に位
置するようにプラネタリギヤキャリヤ34がスプライン
結合される。プラネタリギヤキャリヤ34の外周を円周
方向に90°ずつ離間して左右方向に貫通する4本のプ
ラネタリギヤ軸35…は、その中央部がピン36…によ
ってプラネタリギヤキャリヤ34に固定される。各プラ
ネタリギヤ軸35…の左端及び右端には、それぞれニー
ドルベアリングを介してプラネタリギヤ37L…,37
R …が回転自在に支持される。
【0015】左側のプラネタリギヤ37L …は、ギヤケ
ース26の内周に形成したリングギヤ38L と、伝達軸
33の外周にブッシュ39を介して相対回転自在に支持
したスリーブ40L に一体に形成したサンギヤ41L
に噛合する。一方、右側のプラネタリギヤ37R …は、
ギヤケース26の内周に形成したリングギヤ38R と、
伝達軸33の外周に相対回転自在に支持したスリーブ4
R に一体に形成したサンギヤ41R とに噛合する。前
記右側のスリーブ40R の外周には、前記ワンウェイク
ラッチ28の外輪部材42がスプライン結合されてお
り、この外輪部材42と前記内輪部材29との間にワン
ウェイクラッチ28のローラ43…及びニードルベアリ
ング44を設けることにより、スリーブ40R がセンタ
ーケーシング13に回転自在に支持される。前記ニード
ルベアリング44は、ワンウェイクラッチ28の内輪部
材29及び外輪部材42を同芯に保持する機能を併せ持
っており、これによりワンウェイクラッチ29のスプラ
グ反転を確実に防止することができる。
【0016】左右のサンギヤ41L ,41R をそれぞれ
支持する左右のスリーブ40L ,40R を伝達軸33の
外周との間に僅かな隙間(1mm程度)を介在させてフ
ローティング支持したことにより、サンギヤ41L ,4
R はプラネタリギヤ37L…,37R …との噛み合い
に応じて、収まりの良い位置へと半径方向に移動するこ
とができる。
【0017】ワンウェイクラッチ28を示す図9から明
らかなように、外輪部材42は内周円筒部421 と、外
周円筒部422 と、両円筒部421 ,422 を半径方向
に接続するフランジ部423 とを備えており、その内周
円筒部421 においてスリーブ40R の外周にスプライ
ン結合される。一方、内輪部材29は内周円筒部29 1
と、外周円筒部292 と、両円筒部291 ,292 を半
径方向に接続するフランジ部293 とを備えており、そ
の外周円筒部292 によってセンターケーシング13に
嵌合保持される。そして内輪部材29の内周円筒部29
1 は外輪部材42の両円筒部421 ,422 の内部に入
り込んでおり、その内輪部材29の内周円筒部291
外輪部材42の内周円筒部421 との間にニードルベア
リング44が配設されるとともに、外輪部材42の外周
円筒部422 との間にワンウェイクラッチ28のローラ
43…が配設される。
【0018】サンギヤ41L を一体に有して伝達軸33
に回転自在に支持された左側のスリーブ40L は、拘束
用クラッチ45L を介して左ケーシング15に結合され
る。図10を併せて参照すると明らかなように、スリー
ブ40L の外周にスプライン結合されたクラッチハブ支
持部材46の外周には、クラッチハブ47L が一体に結
合される。クラッチハブ47L の外周に形成したセレー
ション471 (図7参照)に軸方向摺動自在に嵌合する
複数の摩擦板48…と、左ケーシング15の内面に形成
したセレーション151 (図10参照)に軸方向摺動自
在に嵌合する複数の摩擦板49…とが、相互に接触し得
るように交互に重ね合わされる。中間ケーシング14に
形成したシリンダ141 には環状のピストン50L が軸
方向摺動自在に嵌合しており、その左端面は最も右側に
配設された前記摩擦板49の右端面に当接する。
【0019】そして、左ケーシング15とピストン50
L との間に、該ピストン50L を後退方向に付勢する皿
バネ51L が装着される。皿バネ51L は切欠きの無い
内周縁及び外周縁を有する環状のもので、その外周縁は
左ケーシング15のセレーション151 の右端に係合す
るとともに、その内周縁はピストン50L に形成した段
部501 に係合する。
【0020】従って、シリンダ141 に油圧を加えると
ピストン50L が前進して両摩擦板48…,49…を相
互に密着させ、クラッチハブ47L 即ちスリーブ40L
を左ケーシング15に結合する。そして前記油圧を解除
すると、皿バネ51L の弾発力によって両摩擦板48
…,49…が相互に離間し、クラッチハブ47L 即ちス
リーブ40L は自由に回転し得る状態となる。
【0021】サンギヤ41R を一体に有して伝達軸33
の外周に回転自在に嵌合する右側のスリーブ40R は、
拘束用クラッチ45R を介して右ケーシング16に結合
される。右側の拘束用クラッチ45R は前述した左側の
拘束用クラッチ45L と実質的に同一の構造を有してい
るため、その重複する説明を省略する。但し、右側の拘
束用クラッチ45R のクラッチハブ47R は、クラッチ
ハブ支持部材46ではなく、ワンウェイクラッチ28の
外輪部材42に固着される。
【0022】左側の拘束用クラッチ45L の皿バネ51
L は左ケーシング15と中間ケーシング14との接合面
に臨むように配設されており、また右側の拘束用クラッ
チ45R の皿バネ51R は右ケーシング16とセンター
ケーシング13との接合面に臨むように配設されてい
る。従って、両皿バネ51L ,51R は、左ケーシング
15及び右ケーシング16のセレーション151 ,16
1 を通過させることなく、両ケーシング15,16の開
口端から直接組み付けることが可能である。
【0023】而して、左側の拘束用クラッチ45L をO
N(締結)することによりスリーブ40L を介してサン
ギヤ41L を固定すると、プラネタリギヤ式変速機構1
0のギヤケース26に入力された駆動力は、左側のリン
グギヤ38L 及びサンギヤ41L に噛合するプラネタリ
ギヤ37L から、そのプラネタリギヤ37L を支持する
プラネタリギヤキャリヤ34を介して伝達軸33に伝達
される。このとき、前記プラネタリギヤ式変速機構10
は、ギヤケース26の回転数を減速して伝達軸33に伝
達する。
【0024】一方、右側の拘束用クラッチ45R をON
することによりスリーブ40R を介してサンギヤ41R
を固定すると、プラネタリギヤ式変速機構10のギヤケ
ース26に入力された駆動力は、右側のリングギヤ38
R 及びサンギヤ41R に噛合するプラネタリギヤ37R
からプラネタリギヤキャリヤ34を介して伝達軸33に
伝達され、このとき、プラネタリギヤ式変速機構10
は、左側の拘束用クラッチ45L をON(締結)する上
述の場合よりも大きい減速比でギヤケース26の回転数
を減速して伝達軸33に伝達する。
【0025】上述のように右側のスリーブ40R は拘束
用クラッチ45R をONしたときに右ケーシング16に
固定されるが、それ以外に車両の運転状態に応じて前記
ワンウェイクラッチ28によってセンターケーシング1
3に固定される。即ち、エンジン1のトルクが後輪
RL,WRRに伝達されている場合には、ワンウェイクラ
ッチ28がONすることにより右側のスリーブ40R
センターケーシング13に固定され、逆に駆動輪WFL
FRのトルクがエンジン1に伝達されている場合には、
ワンウェイクラッチ28がOFF(締結解除)すること
により自由に回転し得る状態となる。
【0026】伝達軸33の回転は、左右の一対の主油圧
クラッチ11L ,11R を介して対応する出力軸1
L ,12R に伝達される。左右の主油圧クラッチ11
L ,11 R は実質的同一構造であるため、以下、主とし
て左側の主油圧クラッチ11L についてその構造を説明
する。
【0027】出力軸12L は伝達軸33の左側に該伝達
軸33と同軸に配設され、その外周にスプライン結合さ
れたクラッチハブ52L を介して、左ケーシング15に
ボールベアリング53で支持される。一方、伝達軸33
の左端にはクラッチガイド54L がインロー部を有する
スプラインによって軸方向及び回転方向に結合されてお
り、クラッチハブ52L の外周に形成したセレーション
521 (図11参照)に軸方向摺動自在に支持した複数
の摩擦板55…と、クラッチガイド54L の内周に形成
したセレーション541 (図11参照)に軸方向摺動自
在に支持した複数の摩擦板56…とが、相互に当接可能
に重ね合わされる。クラッチハブ52Lの外周に軸方向
摺動可能にスプライン結合されたプレッシャプレート5
L は、左端に位置する摩擦板55の左端面に当接可能
に対向する。そして、プレッシャプレート57L はクラ
ッチハブ52L との間に縮設した戻しバネ58L によっ
て左方向、即ち主油圧クラッチ11L の締結を解除する
方向に付勢される。
【0028】図11を併せて参照すると明らかなよう
に、左ケーシング15の内部に突出する円筒状ボス部1
2 の内周には、連れ回り防止部材59L が軸方向摺動
自在にスプライン結合される。円筒状ボス部152 と連
れ回り防止部材59L とはインロー部60において摺動
自在に嵌合しており、このインロー部60に案内された
連れ回り防止部材59L は、円筒状ボス部152 に対し
てガタつくことなく軸方向にスムーズに摺動することが
できる。
【0029】左ケーシング15に形成したシリンダ15
3 には、その内周及び外周にシール部材61,61を備
えた環状のピストン62L が軸方向摺動自在に嵌合す
る。ピストン62L は、前記連れ回り防止部材59L
インロー部63を介して嵌合する。そして、連れ回り防
止部材59L とプレッシャプレート57L との間に、両
者の相対回転を許容し、且つ軸方向の荷重を伝達するス
ラストベアリング64が設けられる。
【0030】上述のように、連れ回り防止部材59L
左ケーシング15の円筒状ボス部152 にインロー部6
0を介して半径方向に精密に位置決めされているため、
この連れ回り防止部材59L にインロー部63を介して
支持されたピストン62L も半径方向に精密に位置決め
される。その結果、ピストン62L はシリンダ153
対して半径方向に正しくセンタリングされ、そのシール
部材61,61のシール性及び耐久性を向上させること
ができる。
【0031】図7から明らかなように、左ケーシング1
5に外輪を固定したボールベアリング65の内輪がクラ
ッチガイド54L の外周に形成した段部542 に係合
し、またクラッチガイド54L の中心に溶接したキャッ
プ66が伝達軸33の左端に当接する。更に、クラッチ
ガイド54L はスラストベアリング67を介してクラッ
チハブ52L に当接する。その結果、クラッチガイド5
L はボールベアリング65を介して左ケーシング15
に対して回転自在に支持されるとともに、ボールベアリ
ング65及びスラストベアリング67に挟まれて軸方向
に位置決めされる。
【0032】図8から明らかなように、右側の主油圧ク
ラッチ11R のクラッチガイド54 R の段部542 も、
ボールベアリング65を介して右ケーシング16に回転
自在に支持される。従って、伝達軸33は、その左右両
端にスプライン結合したクラッチガイド54L ,54R
及びボールベアリング65,65を介して、左ケーシン
グ15及び右ケーシング16に支持される。
【0033】上述のように、伝達軸33の両端を一対の
ボールベアリング65,65を介して左ケーシング15
及び右ケーシング16に支持したことにより、伝達軸3
3の支持スパンを大きく確保してその傾きを防止するこ
とができる。しかも、伝達軸33をサンギヤ41L ,4
R のスリーブ40L ,40R に支持するためのベアリ
ングが不要になるため、このベアリングに給油するため
の半径方向の潤滑油路を伝達軸33に形成する必要もな
くなり、伝達軸33の直径を増加させることなく充分な
強度を確保することができる。
【0034】また、クラッチガイド54L を左ケーシン
グ15に支持するボールベアリング65は、ピストン6
L によって駆動されるプレッシャプレート57L が摩
擦板55…,56…を介してクラッチガイド54L に伝
達する軸方向荷重を受止するように機能する。これによ
り、クラッチガイド54L の剛性を低下させることがで
き、重量の軽減と生技性の向上が達成される。しかも、
プレッシャプレート57L はシリンダ153 の外部に設
けられるため、その組み付けを容易に行うことができ
る。上記効果は、右側の主油圧クラッチ11R について
も同様に達成される。
【0035】更に、クラッチガイド54L を支持するボ
ールベアリング65が左ケーシング15に設けられてい
るので、この左ケーシング15の内部に戻しバネ58L
や摩擦板55…,56…を含む主油圧クラッチ11L
アセンブリとして予め組み付けておくことが可能にな
る。従って、主油圧クラッチ11L をアセンブリとして
組み付けた左ケーシング15を中間ケーシング14に結
合することにより、組付作業性を大幅に向上させること
ができる。この効果は右側の主油圧クラッチ11 R につ
いても同様に達成される。しかもその際に、伝達軸33
の左右両端部に、左側の主油圧クラッチ11L のクラッ
チガイド54L の中心に固着したキャップ66と、右側
の主油圧クラッチ11R のクラッチガイド54R の中心
に固着したキャップ66とが当接することにより、伝達
軸33を軸方向に位置決めすることができる。
【0036】而して、左側の主油圧クラッチ11L のシ
リンダ153 に油圧を加えることによりピストン62L
及び連れ回り防止部材59L を右方向に移動させ、スラ
ストベアリング64を介してプレッシャプレート57L
を左端の摩擦板55に押し付けることにより、主油圧ク
ラッチ11L がON(締結)して伝達軸33の回転が出
力軸12L に伝達される。このとき、クラッチハブ52
L にスプライン結合されたプレッシャプレート57L
回転すると、このプレッシャプレート57L にスラスト
ベアリング64を介して当接する連れ回り防止部材59
L がクラッチハブ52L に引きずられて連れ回りしよう
とする。しかしながら、連れ回り防止部材59L は左ケ
ーシング15にスプライン結合されて回転を規制されて
いるため、連れ回り防止部材59L に接触するピストン
62L にはクラッチハブ52L 及びプレッシャプレート
57L の回転力が全く伝達されず、その連れ回りを確実
に防止することができる。この効果は右側の主油圧クラ
ッチ11R についても同様に達成される。
【0037】以上説明した左右の主油圧クラッチ1
L ,11R は、そのシリンダ153 ,163 に加える
油圧の大きさを制御することにより、伝達軸33から左
右の出力軸12L ,12R に伝達されるトルクの大きさ
をそれぞれ別個に調整することができる。
【0038】次に、前記リヤディファレンシャル9の各
部の潤滑構造について説明する。
【0039】オイルポンプ19(図6参照)から潤滑油
路132 に吐出されたオイルは、該潤滑油路132 の末
端からワンウェイクラッチ28の内輪部材29に形成し
た切欠き294 (図8参照)に流入し、そのオイルの一
部は内輪部材29と外輪部材42との間に設けたワンウ
ェイクラッチ28を潤滑する。前記切欠き294 に流入
したオイルの残部は外輪部材42の外周を通って半径方
向外側に流れ、拘束用クラッチ45R 及びボールベアリ
ング65を潤滑する。図9から明らかなように、ワンウ
ェイクラッチ28を潤滑したオイルの一部は内輪部材2
9と外輪部材42との間に設けたニードルベアリング4
4と、内輪部材29とギヤケース26との間に設けたロ
ーラベアリング32とを潤滑し、そのオイルの残部は外
輪部材42のフランジ部423 に形成した通孔424
通って伝達軸33の外周に達し、そこから左右に分流す
る。
【0040】図7及び図8から明らかなように、伝達軸
33の外周と右側及び左側のスリーブ40R ,40L
内周との間隙を左向きに流れるオイルは、前記両スリー
ブ40R ,40L に形成した通孔401 ,402 を介し
てギヤケース26の内部に流入し、プラネタリギヤ式変
速機構10を潤滑する。一方、伝達軸33の外周と右側
のスリーブ40R の内周との間隙を右向きに流れるオイ
ルは、伝達軸33の右端に形成した通孔331 …、キャ
ップ66に形成した通孔661 及びクラッチハブ52R
に形成した通孔522 を通って右ケーシング16の内部
に流入し、そこに収納された右側の主油圧クラッチ11
R 、スラストベアリング64,67及びボールベアリン
グ53を潤滑する。
【0041】通孔331 …から伝達軸33の内部に流入
して左向きに流れるオイルは、その長手方向中央部に形
成した通孔332 …、プラネタリギヤキャリヤ34に形
成した通孔341 …及びプラネタリギヤ軸35…に形成
した通孔351 …を通って該プラネタリギヤ軸35…の
内部に流入し、その外周にプラネタリギヤ37L …,3
R …を支持するニードルベアリングを潤滑する。伝達
軸33の左端に達したオイルは通孔333 …を通過し、
伝達軸33の外周と左側のスリーブ40L の内周との間
隙を右向きに流れ、拘束用クラッチ45L 及びボールベ
アリング65を潤滑する。伝達軸33の左端を閉塞する
キャップ66の通孔662 を通過して左ケーシング15
に流入したオイルは、クラッチハブ52L の通孔523
を通って左側の主油圧クラッチ11L 、スラストベアリ
ング64,67及びボールベアリング53を潤滑する。
【0042】上述のようにしてリヤディファレンンシャ
ル9の各部を潤滑したオイルはセンタケーシング13の
底部に集合し、そこから図示せぬフィルタを通過してオ
イルポンプ19に戻される。
【0043】次に、主油圧クラッチ11L ,11R 及び
拘束用クラッチ45L ,45R の制御装置を詳述する。
【0044】図4及び図5に示すように、リヤディファ
レンシャル9のセンターケーシング13の上面に、前記
主油圧クラッチ11L ,11R 及び拘束用クラッチ45
L ,45R を制御するバルブブロック71が着脱自在に
支持される。
【0045】図12から明らかなように、左ケーシング
15及び右ケーシング16に収納した主油圧クラッチ1
L ,11R のシリンダ153 ,163 は、油路7
L ,72R を介してバルブブロック71に接続される
とともに、中間ケーシング14及びセンターケーシング
13に収納した拘束用クラッチ45L ,45R のシリン
ダ141 ,131 は、油路73L ,73R を介してバル
ブブロック71に接続される。
【0046】図13はバルブブロック71を含む油圧回
路を示すもので、その油圧回路は、リザーバタンク80
から延びる吐出油路L1 に油圧ポンプ74、アンロード
バルブ75、フェイルセイフバルブ76、3つの圧力制
御弁77,78L ,78R 及びシフトバルブ79を接続
してなり、油圧ポンプ74が吐出する圧油をアンロード
バルブ75及びフェイルセイフバルブ76を介し圧力制
御弁78L ,78R でそれぞれ調圧して左右の主油圧ク
ラッチ11L ,11R のシリンダ153 ,16 3 に導
き、また同様に、圧力制御弁77で調圧してシフトバル
ブ79により左右の拘束用クラッチ45L ,45R のシ
リンダ141 ,131 に択一的に供給する。前記各バル
ブ76,77,78L ,78R ,79からの戻り油は、
戻り油路L 2 を介してリザーバタンク80に還流する。
【0047】油圧ポンプ74は周知のベーンポンプ等か
ら成り、エンジン1のクランク軸に接続されて駆動さ
れ、リザーバタンク80内のオイルを加圧して吐出す
る。アンロードバルブ75はソレノイド103で開閉駆
動されるもので、アキュムレータ85が充分に蓄圧され
て油圧ポンプ74の吐出圧が所定圧力を越えた場合に開
弁し、また後から詳述するようにエンジン1の始動時及
び始動後所定時間が経過するまで開弁する。アンロード
バルブ75が開弁すると油圧ポンプ74の吐出油はバイ
パス油路L3 を介してリザーバタンク80に直接還流
し、油圧ポンプ74は無負荷運転状態となる。
【0048】フェイルセイフバルブ76は、アンロード
バルブ75に連絡されたインレットポート、リザーバタ
ンク80に連絡されたドレンポート及び各圧力制御弁7
7,78L ,78R に並立的に連絡されたアウトレット
ポートを形成されたハウジング81内にスプール82が
収容され、ハウジング81の一側にスプール82を一方
へ付勢するリターンスプリング83が、ハウジング81
の他側にスプール82をリターンスプリング83の弾性
力に抗して付勢するソレノイド84が設けられている。
このフェイルセイフバルブ76は、ソレノイド84が後
述の電子制御ユニット104に結線されて制御され、故
障等の異常時において、アンロードバルブ75に連絡さ
れたインレットポートを圧力制御弁77,78L ,78
R に連絡されたアウトレットポートから遮絶し、リザー
バタンク80に連絡されたドレンポートと連通する。
【0049】85は周知のアキュムレータであり、該ア
キュムレータ85が充分に蓄圧されて油圧ポンプ74の
吐出圧が所定値を越えて上昇すると、アンロードバルブ
75が開弁して油圧ポンプ74の吐出油がリザーバタン
ク80に還流する。図4及び図5から明らかなように、
アキュムレータ85はセンターケーシング13の後部外
壁にバルブブロック71と分離して設けられており、こ
れによりバルブブロック71の設計自由度を増すことが
できる。また、入力軸6に対向し且つ左右の拘束用クラ
ッチ45L ,45R 間に挟まれたセンターケーシング1
3の後壁は凹形状とされており、そこにアキュムレータ
85を装着することにより、デッドスペースを有効利用
して周辺車体構造への影響を極力小さくすることができ
る。
【0050】圧力制御弁77は、ハウジング86に形成
された収容孔内にスプール87が摺動自在に収容され、
ハウジング86の一側にスプール87を一方に付勢する
リターンスプリング88が縮装され、またハウジング8
6の他側にスプール87をリターンスプリング88の弾
性力に抗して付勢するソレノイド89が設けられてい
る。ハウジング86には、フェイルセイフバルブ76に
連絡されたインレットポート90、シフトバルブ79に
連絡されたアウトレットポート91、リザーバタンク8
0に連絡されたドレンポート92、アウトレットポート
91に連通する第1のコントロールポート93a及びア
ウトレットポート91に絞り94を介して連通する第2
のコントロールポート93bが形成され、またスプール
87には、条溝871 及び収容孔の周壁面との間に微少
の間隙を形成する浅溝872 が形成され、スプール87
と条溝871 によってインレットポート90とアウトレ
ットポート91との間に可変絞り95aが、スプール8
7の浅溝872 によって各コントロールポート93a,
93bとドレンポート92との間に可変絞り95bが構
成される。
【0051】この圧力制御弁77は、ソレノイド89が
電子制御ユニット104に結線されて該電子制御ユニッ
ト104から通電される電流値に応じた付勢力でスプー
ル87を付勢し、ソレノイド89の付勢力によるスプー
ル87の変位で各可変絞り95a,95bの抵抗が逆特
性で変化してアウトレットポート91から出力する油圧
を調圧する。
【0052】尚、後述するように、この圧力制御弁77
はソレノイド89への通電がシフトバルブ79の切換作
動に同期しており、シフトバルブ79の切換作動時にア
ウトレットポート91から出力する油圧を小さくするよ
うに制御される。
【0053】シフトバルブ79は、ハウジング96内に
スプール97が摺動自在に収容され、ハウジング96の
一側にスプール97を一方に付勢するリターンスプリン
グ98が縮設され、ハウジング96の他側にスプール9
7をリターンスプリング98の弾性力に抗して付勢する
ソレノイド99が設けられている。ハウジング96に
は、上記圧力制御弁77に連絡したインレットポート1
00、左側の拘束用クラッチ45L に連絡されたアウト
レットポート101a、右側の拘束用クラッチ45R
連絡されたアウトレットポート101b及びリザーバタ
ンク80に連絡された2つのドレンポート102a,1
02bが形成され、またスプール97には各アウトレッ
トポート101a,101bをそれぞれインレットポー
ト100又はドレンポート102a,102bに選択的
に連通する条溝971 ,972 ,973 が形成されてい
る。
【0054】ソレノイド99は電子制御ユニット104
に結線され、電子制御ユニット104から通電されてス
プール97を付勢する。このシフトバルブ79は、ソレ
ノイド99の非通電時(図示状態)においてインレット
ポート100とアウトレットポート101aとの間及び
ドレンポート102aとアウトレットポート101bと
の間を連通して左側の拘束用クラッチ45L 油圧を導
き、またソレノイド99の通電時においてインレットポ
ート100とアウトレットポート101bとの間及びド
レンポート102bとアウトレットポート101aとの
間を連通して右側の拘束用クラッチ45R に油圧を導
く。
【0055】圧力制御弁78L ,78R は前述した圧力
制御弁77と同一構成を有し、圧力制御弁78L はアウ
トレットポート91が左側の主油圧クラッチ11L に連
絡され、該主油圧クラッチ11L に供給する油圧を電子
制御ユニット104からソレノイド89に通電される電
流値に応じて調圧し、また同様に、圧力制御弁78R
アウトレットポート91が右側の主油圧クラッチ11R
に連絡されて油圧を供給する。尚、これら圧力制御弁7
L ,78R については、前述の圧力制御弁77と同一
部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0056】電子制御ユニット104にはアンロードバ
ルブ75、フェイルセイフバルブ76、3つの圧力制御
弁77,78L ,78R 及びシフトバルブ79のソノイ
ド103,84,89…,99が接続されるとともに、
エンジン1の回転数を検出するエンジン回転数センサ1
05、エンジン1の冷却水温を検出する冷却水温センサ
106及びカウントダウン型のタイマ107が接続され
る。電子制御ユニット104は、前記エンジン回転数セ
ンサ105、冷却水温センサ106及びタイマ107の
出力に基づいてアンロードバルブ75のソレノイド10
3への通電を制御する。尚、電子制御ユニット104に
は、図示せぬ車速センサ、ブレーキセンサ、舵角センサ
等が更に接続されており、前記エンジン回転数センサ1
05と協働してアンロードバルブ75以外の各バルブへ
の通電を制御するが、その詳細は省略する。
【0057】図2、図4及び図5から明らかなように、
バルブブロック71をリヤディファレンシャル9に着脱
自在に設けたことにより、そのバルブブロック71をリ
ヤディファレンシャル9から取り外して機能確認や修理
を容易に行うことができるばかりか、リヤディファレン
シャル9の内部に収納した主油圧クラッチ11L ,1 R
及び拘束用クラッチ45L ,45R に接続する油路を可
及的に短縮することが可能となる。
【0058】また、バルブブロック71をリヤディファ
レンシャル9の上面に載置したので、燃料タンクTとス
ペアタイヤSとによって前後から挟まれるデッドスペー
スにバルブブロック71を収めることができ、これによ
りバルブブロック71の装着による車体構造の変更を最
小限に抑えることができる。しかも、バルブブロック7
1がリヤフロアパネルPに近づくことにより、バルブブ
ロック71に収納された前記各ソレノイドバルブと車体
側の電気配線との接続が容易に行われるばかりか、飛石
をリヤディファレンシャル9で遮ることによりソレノイ
ドバルブや電気配線の損傷を効果的に防止することがで
きる。
【0059】次に、前述の構成を備えた本実施例の作用
を説明する。
【0060】上述したリヤディファレンシャル9を備え
た4輪駆動車両にあっては、左右の主油圧クラッチ11
L ,11R の締結力を同時に変化させることで前輪
FL,W FRと後輪WRL,WRRとの駆動力配分比の調節が
行え、左右の主油圧クラッチ11 L ,11R の締結力の
比率を変化させることで左右の後輪WRL,WRRの駆動力
配分比の調節、即ち差動制限を行うことができる。そし
て各主油圧クラッチ11L,11R のシリンダ153
163 に圧力制御弁78L ,78R から車両の舵角等に
応じ調圧された油圧を供給することにより、車両の運動
性能の向上が図られる。
【0061】一方、この車両にあっては、プラネタリギ
ヤ式変速機構10の左側のサンギヤ41L が固定される
と後輪WRL,WRRへの伝達動力が増速され、また右側の
サンギヤ41R が固定されると後輪WRL,WRRと前輪W
FL,WFRとが前述した約1の変速比で連結される。そし
て、左側のサンギヤ41L は拘束用クラッチ45L がO
Nしたときに固定され、右側のサンギヤ41R は後輪W
RL,WRRへ動力が伝達されている場合にワンウェイクラ
ッチ28によって固定されるとともに、後輪W RL,WRR
への動力伝達の如何にかかわらず、拘束用クラッチ45
R がONしたときに固定される。
【0062】ここで、各拘束用クラッチ45L ,45R
のシリンダ141 ,131 には圧力制御弁77により調
圧された油圧をシトフバルブ79により切り換えて択一
的かつ選択的に導くが、これら圧力制御弁77及びシフ
トバルブ79を制動あるいは旋回等の車両の状態により
制御し、更にシフトバルブ79の切換作動時に圧力制御
弁77をシフトバルブ79に供給する油圧が小さくなる
ように制御する。即ち、例えばシフトバルブ79は車両
の旋回時等において左側の拘束用クラッチ45 L をON
して後輪WRL,WRRを増速し、また後退時及びエンジン
ブレーキによる制動時等において右側の拘束用クラッチ
45R をONして後輪WRL,WRRを前輪WFL,WFRに直
結し、更に後輪WRL,WRRへエンジン1から動力が伝達
される通常の直進走行時等において各拘束用クラッチ4
L ,45R を共にリザーバタンク80に連通させてワ
ンウェイクラッチ28によってサンギヤ41R を拘束
し、後輪WRL,WRRを前輪WFL,WFRに直結する。そし
て、圧力制御弁77はフットブレーキによる制動時にお
いて圧油をリザーバタンク80に還流させて各拘束用ク
ラッチ45L ,45R をOFFし、またシフトバルブ7
9の切換作動に同期して一時的にシフトバルブ79へ供
給する油圧を低下させる。これにより、車両は直進安定
性を損うことなく旋回時に後輪WRL,WRRへの伝達動力
を増速させて高い旋回性能を得ることができ、またフッ
トブレーキによる制動時には前輪WFL,WFR及び後輪W
RL,WRRを分離して前輪WFL,WFRと後輪WRL,WRR
の制動力配分の変化を防止でき、更にエンジンブレーキ
による制動時には大きな制動効果を得られ、更にまた変
速ショックの低減を図ることができる。
【0063】続いて、エンジン1の始動時におけるアン
ロードバルブ75の開閉制御について説明する。
【0064】先ず、図14のフローチャートに基づいて
エンジン1が始動モードにあるか、基本モードにあるか
が判定される。即ち、プログラムの開始時にエンジン1
は停止しているためにステップS1の答はYESにな
り、ステップS2に移行してエンジン1が始動モードに
あると判定される。スタータモータによるクランキング
が開始されるとステップS1の答がNOになってステッ
プS3に移行する。クランキング開始後の最初のループ
ではエンジン1が始動モードにあるため、ステップS3
の答はYESになってステップS4に移行し、そこでエ
ンジン回転数センサ105で検出したエンジン回転数N
Eが予め設定した基準回転数NECR(例えば400r
pm)と比較される。ステップS4の答がYESでNE
がNECRよりも小さいとき、即ちエンジン1が始動せ
ずにクランキングが継続されているときには、ステップ
S2で未だ始動モードにあると判定される。一方、ステ
ップS4の答がNOでNEがNECR以上になったと
き、即ちエンジン1が始動した後には、ステップS5で
エンジン1が基本モードに入ったと判定される。
【0065】続いて、図15のフローチャートに基づい
てアンロードバルブ75の開閉が制御される。先ずプロ
グラムの開始時には始動モードにあるためにステップS
11の答はYESになり、ステップS12に移行して冷
却水温センサ106で検出した冷却水温TWが予め設定
した基準温度TWUNL(例えば−10℃)と比較され
る。TW≦TWUNLである低温時には、ステップS1
3に移行してタイマ107のカウント時間tmUNLが
tmUNL1(10秒)に設定され、続くステップS1
4でアンロードフラグFUNLが1に設定される。一
方、前記ステップS12でTW>TWUNLである高温
時には、ステップS15に移行してタイマ107のカウ
ント時間tmUNLがtmUNL2(2秒)に設定さ
れ、続くステップS14でアンロードフラグFUNLが
1にセットされる。而して、アンロードフラグFUNL
が1にセットされると、電子制御ユニット104によっ
てソレノイド103への通電が制御され、アンロードバ
ルブ75が開弁する。その結果、油圧ポンプ74の吐出
油はバイパス油路L3 を介してリザーバタンク80に還
流し、油圧ポンプ74は無負荷運転状態となる。
【0066】ステップS11の答がNOになった後、即
ちエンジン1が始動して基本モードに移行した後、ステ
ップS16においてタイマ107がタイムアップしてお
らずにカウント時間tmUNLが0になっていなけれ
ば、ステップS17でアンロードフラグFUNLを1の
ままにしてアンロードバルブ75を開弁状態に保持す
る。そして、ステップS16においてタイマ107がタ
イムアップしてカウント時tmUNLが0になると、ス
テップS18でアンロードフラグFUNLを0にセット
してアンロードバルブ75を閉弁する。その結果、バイ
パス油路L3 が閉塞され、油圧ポンプ74の吐出油が吐
出油路L1 に供給される。
【0067】これを図16のタイムチャートに基づいて
更に説明する。始動モード中にはアンロードフラグFU
NLは1にセットされており、アンロードバルブ75は
開弁状態にあって油圧ポンプ74は無負荷運転される。
エンジン1が始動して基本モードになると、タイマ10
7のカウントダウン中(10秒又は2秒)だけアンロー
ドフラグFUNLは1に保持され、アンロードバルブ7
5は引き続き開弁状態にある。そしてタイマ107がタ
イムアップすると、アンロードフラグFUNLが0にセ
ットされてアンロードバルブ75が閉弁状態に移行し、
油圧ポンプ74の吐出油が吐出油路L1 に供給される。
【0068】而して、エンジン1を始動するためのクラ
ンキング中には、油圧ポンプ74を無負荷運転して始動
性を向上させることができる。エンジン1の始動後に
は、冷却水温即ちオイル温度が低い場合には油圧ポンプ
74の無負荷運転を長時間継続し、また冷却水温即ちオ
イル温度が比較的高い場合には油圧ポンプ74の無負荷
運転を短時間継続することにより、エンジン1の冷機時
の運転状態を適切に安定させることができる。
【0069】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものでなく、種々の設計変
更を行うことが可能である。
【0070】例えば、油圧ポンプ74によって駆動され
る油圧アクチュエータは4輪駆動車両のリヤディファレ
ンシャル9の主油圧クラッチ11L ,11R 及び拘束用
クラッチ45L ,45R に限定されず、アクティブサス
ペンション装置、4輪操舵装置、パワーテイクアウト装
置等の油圧アクチュエータであっても良い。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、エンジン始動時及びエンジン始動後所定時間が経過
するまでの間、制御手段がアンロード手段を作動させて
油圧ポンプの吐出油を該油圧ポンプの吸入側に還流させ
ることにより、油圧ポンプの駆動負荷を軽減してエンジ
ンの始動性を向上させるとともに、始動直後のエンジン
の回転を安定させることができる。
【0072】また本発明の第2の特徴によれば、エンジ
ンの回転数が所定値に達するまでの間をエンジン始動時
と判定してアンロード手段を作動させることにより、ス
タータモータを使用しないエンジンの押し掛け始動時に
も、油圧ポンプを駆動負荷を軽減してエンジンの始動性
を向上させることができる。
【0073】また本発明の第3の特徴によれば、エンジ
ンの冷却水温に基づいてエンジン始動後所定時間を変更
することにより、油の粘性が高い低水温時にアンロード
手段を長時間作動させて油圧ポンプの駆動負荷を効果的
に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4輪駆動車両の動力伝達系を示すスケルトン図
【図2】4輪駆動車両の概略側面図
【図3】図2の3方向矢視図
【図4】図3の4−4線拡大矢視図
【図5】図4の5方向矢視図
【図6】図5のA部拡大断面図
【図7】図5のB部拡大断面図
【図8】図5のC部拡大断面図
【図9】図8の要部拡大図
【図10】図7の要部拡大図
【図11】図7の要部拡大図
【図12】バルブブロックとリヤディファレンシャルと
の結合部の断面図
【図13】油圧回路図
【図14】モード判定ルーチンのフローチャート
【図15】アンロード制御ルーチンのフローチャート
【図16】アンロード制御のタイムチャート
【符号の説明】
1 エンジン 11L ,11R 主油圧クラッチ(油圧アクチュ
エータ) 45L ,45R 拘束用クラッチ(油圧アクチュ
エータ) 74 油圧ポンプ 75 アンロードバルブ(アンロード手段) 104 電子制御ユニット(制御手段) 105 エンジン回転数センサ 106 冷却水温センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1)により駆動される油圧ポ
    ンプ(74)の吐出油で油圧アクチュエータ(11L
    11R ;45L ,45R )を作動させる油圧ポンプ装置
    において、 油圧ポンプ(74)の吐出油を該油圧ポンプ(74)の
    吸入側に還流させるアンロード手段(75)と、エンジ
    ン始動時及びエンジン始動後所定時間が経過するまでの
    間、前記アンロード手段(75)を作動させる制御手段
    (104)とを備えた油圧ポンプ装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段(104)が、エンジン回
    転数検出手段(105)により検出したエンジン(1)
    の回転数が所定値に達するまでの間を前記エンジン始動
    時と判定する、請求項1記載の油圧ポンプ装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段(104)が、冷却水温セ
    ンサ(106)により検出したエンジン(1)の冷却水
    温に基づいて前記エンジン始動後所定時間を変更する、
    請求項1又は2記載の油圧ポンプ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1666725A3 (de) * 2004-12-03 2008-01-02 Kässbohrer Geländefahrzeug AG Antriebssystem für ein Fahrzeug
KR101252898B1 (ko) * 2007-10-18 2013-04-09 현대자동차주식회사 차량용 오일펌프의 오일압력 상승 방지장치
JP2014155468A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Iseki & Co Ltd 作業車両
JP2015062393A (ja) * 2013-09-26 2015-04-09 井関農機株式会社 作業車両

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