JPH06248347A - ベイナイト組織を呈し耐表面損傷性に優れた高強度レールの製造法 - Google Patents

ベイナイト組織を呈し耐表面損傷性に優れた高強度レールの製造法

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JPH06248347A
JPH06248347A JP5037959A JP3795993A JPH06248347A JP H06248347 A JPH06248347 A JP H06248347A JP 5037959 A JP5037959 A JP 5037959A JP 3795993 A JP3795993 A JP 3795993A JP H06248347 A JPH06248347 A JP H06248347A
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JP
Japan
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rail
cooling
steel
temperature
strength
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JP5037959A
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Masaharu Ueda
正治 上田
Hideaki Kageyama
英明 影山
Kazuo Sugino
和男 杉野
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レール頭表面でのころがり疲労損傷の発生を
防止し、高速鉄道および重荷重鉄道用レールの高寿命化
を図る。 【構成】 熱間圧延した高温度の熱を保有するレール、
あるいは熱処理する目的で高温に加熱したレールの頭
部、さらには底部をオーステナイト域温度から500〜
300℃の間を1〜10℃/secで加速冷却し、引き続き
常温までの間を1〜40℃/minで空冷することを特徴と
するベイナイト組織を呈した耐表面損傷性に優れた高強
度レールの製造法。 【効果】 本発明レールは、従来レールと比較して耐表
面損傷性に優れ、レールの使用寿命が大きく向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旅客鉄道の高速運転区
間、あるいは海外の鉱山鉄道のような重荷重条件下で要
求されるレール頭表面のころがり疲労損傷抵抗性の向上
に有効なベイナイト組織を有する高強度レールの製造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄道輸送の高効率化の手段とし
て、列車載荷重量の増加や列車運転速度の向上が図られ
ている。このような鉄道輸送の効率化はレール使用環境
の苛酷化を意味し、レール材質の一層の改善が要求され
るに至っている。具体的には、急曲線区間に敷設された
レールの摩耗が急激に増加し、また、レールと車輪の主
接触位置であるレールゲージ・コーナー(GC)部の内
部から発生する疲労損傷が頻発するようになり、この対
策として従来から下記に示す方法が採られてきた。 Cr,Moなどの合金元素を多量に添加した圧延まま
の合金鋼レール(特開昭50−140316号公報参
照)。 合金を添加せずに、レール頭部あるいは全体を加速冷
却することによって製造される熱処理レール(特開昭5
5−23885号公報参照)。 比較的低い含有量の合金を添加して、耐摩耗性、耐損
傷性ばかりでなく、溶接部の硬度低下を改善した低合金
熱処理レール(特公昭59−19173号公報参照)。 これらレールの特徴は、高炭素の含有鋼による微細パー
ライト組織を呈する高強度レールであり、その目的とす
るところは耐摩耗性を向上させ、かつ、耐内部疲労損傷
抵抗性を改善させるところにある。
【0003】一方、摩耗あるいは内部疲労損傷が問題と
ならない直線および緩曲線区間のレールでは、車輪とレ
ールの繰り返し接触によりレール頭表面にころがり疲労
損傷が発生し、剥離あるいはレール頭表面から生成した
疲労き裂がレール頭部内部で分岐し横裂損傷を引き起こ
す事例が散見される。この代表的な損傷が、新幹線など
の高速鉄道の主として直線区間に生成する「頭頂面シェ
リング」あるいは「ダークスポット損傷」と呼ばれる損
傷である。しかし、このような区間では、上記のような
損傷の発生が顕在化しているにもかかわらず、従来から
パーライト組織を呈した圧延ままレールが使用されてい
る。
【0004】主として旅客鉄道における直線あるいは緩
和曲線区間のレールには、ある特定期間(列車通過トン
数)経過後にレール頭表面を起点とするころがり疲労損
傷が生成する。本発明者らは上記損傷の発生原因を調査
した結果、この原因は、車輪とレールの繰り返し接触に
よってもたらされた疲労ダメージ層がレール頭表部に蓄
積するためであることを確認した。この対策としては、
定期的にレール頭表面をグラインダーなどで研削する方
法があるが、グラインディング研削車およびその作業費
が高価である点や列車運転間隔上研削時間が十分にとれ
ないといった問題点があった。また、もう一つの解決策
としてはレール頭表面の摩耗速度を向上させ、疲労ダメ
ージが蓄積する前に摩耗によりこの疲労層を除去する方
法が考えられる。レール鋼の摩耗特性はパーライト組織
の硬さによって支配されており、摩耗を促進させるため
にはレール鋼の硬さを低下させればよい。しかし、硬さ
を単純に低下させるとレール頭表部に塑性変形が生成
し、これにともなうき裂および剥離などのレール頭表面
損傷が多発するため、パーライト組織を呈するレール鋼
では上記損傷の発生を防止することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまで、レール鋼と
して用いられてきたパーライト組織は、硬さの低いフェ
ライト組織と板状の硬いセメンタイト組織の層状組織で
あり、車輪の通過する軌道面では柔らかなフェライト組
織が絞り出され、硬いセメンタイトのみが積み重なり、
加工硬化が加わって耐摩耗性が確保されている。しか
し、同時に軌道面ではレール内部方向に層状の組織の流
れ(メタルフロー)が生成し、これに沿ってき裂損傷が
発生するという問題点があった。
【0006】一方、パーライト組織より摩耗量が大きい
ベイナイト組織では、柔らかなフェライト組織地に粒状
の微細なセメンタイトが分散した組織であるために、車
輪の走行時にフェライト地と共にセメンタイトも簡単に
摘み取られ、摩耗促進によりレール頭表部での疲労ダメ
ージ層を除去させることが可能である。しかし、合金量
が少なく圧延ままで製造されるベイナイト鋼は、強度が
低く、フェライト地が大きく粒状のセメンタイトの分布
も粗いため、車輪の走行面直下のレール頭表面に列車進
行方向とは反対方向の連続した組織の流れ(メタルフロ
ー)が生成し、これに沿ってき裂損傷が発生するという
問題点があった。また、この問題点を解決する方法とし
て、合金をさらに添加し、圧延ままで高い強度が得られ
るベイナイト鋼を製造することも可能である。しかし、
高合金化はレール成分コストを向上させるばかりでな
く、同時に溶接性などのレールの基本特性を著しく低下
させるという問題点があった。
【0007】そこで、本発明者らはこの問題を解決する
ために、熱間圧延した高温度の熱を保有するレール、あ
るいは熱処理する目的で高温に加熱されたレールの頭
部、さらには底部をオーステナイト域温度から500〜
350℃間を加速冷却し、引き続き常温までの間を冷却
することにより低合金で、かつ、高い強度のベイナイト
組織を呈するレールによりこの問題が解決できることを
実験により確認した。すなわち本発明は、上記製造プロ
セスを用いて低コストで、かつ、溶接性なども具備した
耐表面損傷性に優れた高強度レールを提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するものであって、その要旨とするところは、重量%で
C:0.15〜0.45%、Si:0.15〜2.00
%、Mn:0.30〜2.00%、Cr:0.50〜
3.00%、Mo:0.10〜0.60%を含有し、あ
るいは必要に応じてNi:0.05〜4.00%、N
b:0.01〜0.05%、Cu:0.05〜0.50
%の一種または二種以上を含有して、残部が鉄および不
可避不純物からなる鋼を熱間圧延した高温度の熱を保有
するレール、あるいは熱処理する目的で高温に加熱され
たレールの頭部と底部をオーステナイト域温度から50
0〜350℃の間を1〜10℃/secで加速冷却し、引き
続き常温までの間を1〜40℃/minで冷却するベイナイ
ト組織を呈した耐表面損傷性に優れた高強度レールの製
造法である。
【0009】以下に本発明について詳細に説明する。ま
ず、レールの化学成分を上記のように定めた理由につい
て説明する。Cは一定の硬さを確保するための必須元素
であり、0.15%未満では、レール鋼としての耐摩耗
性を確保することが難しくなり、0.45%を超えると
表面損傷の発生に有害なパーライト組織が多く生成して
しまうため、0.15〜0.45%に限定した。Siは
ベイナイト組織中のフェライト素地に固溶することによ
って強度を向上させる元素であるが、0.15%以下で
は強度の向上が期待できない。また、2.00%を超え
るとレール製造時の表面きずの問題や、レール溶接時の
接合不良をもたらすばかりか、材質脆化も引き起こすた
め0.15〜2.00%に限定した。MnはC同様に鋼
の焼入れ性を高めフェライト粒を細かくし、強度と靭性
を同時に向上させる効果を持つが、0.30%未満では
その効果が少なく、また、2.00%を超えると、表面
損傷の発生に有害なパーライト組織が多く生成するた
め、0.30〜2.00%に限定した。
【0010】Crはベイナイト組織中のセメンタイトを
微細に分散させ強度を確保するために重要な元素である
が、0.50%未満ではベイナイト組織中のセメンタイ
トの分散が粗くなり、金属組織の塑性変形にともなう表
面損傷が発生し、同時に靭性も大きく低下する。また、
3.00%以上では、炭化物の粗大化が生じるばかり
か、硬度の上昇によりレールの加工性が大きく低下する
ため、1.00〜3.00%に限定した。Moはベイナ
イト組織の強化、安定化に欠くことができない元素であ
るが、0.10%未満ではその効果が十分でなく、0.
60%以上ではベイナイト組織中に硬くて脆いマルテン
サイト組織が生成してしまうため、0.10〜0.60
%に限定した。なお、Cr,Moは共にベイナイト組織
を安定に生成させ、強度を向上させる元素であるが、M
oはレール溶接施工などにおけるベイナイト組織焼き戻
し脆化防止元素として必須であるため、CrとMoを相
互に添加する方法を用いた。
【0011】また、上記の成分組成で製造されるレール
靭性、延性、さらには強度を向上させる目的で以下の元
素を必要に応じて一種または二種以上を添加する。 Ni:0.05〜4.00%、 Nb:0.01
〜0.05%、Cu:0.05〜0.50%、 次に、これらの化学成分を上記のように定めた理由につ
いて説明する。Niはオーステナイト粒安定化元素であ
り、ベイナイト変態温度を下げ、ベイナイト組織を微細
化させ、靭性を向上させる元素であるが、0.05%未
満ではその効果が著しく小さく、また、4.00%を超
える添加を行ってもその効果の向上が十分に期待できな
いために0.05〜4.00%の範囲に限定した。Nb
はオーステナイト結晶粒微細化元素であり、レール鋼の
靭性および延性を向上させることができるが、0.01
%以下ではその効果が十分でなく、0.05%以上では
Nbの金属間化合物が生成し脆化を引き起こすため、
0.01〜0.05%に限定した。Cuは鋼の靭性を損
なわず強度を向上させる元素である。その効果は0.0
5〜0.50%の範囲で最も大きく、また、0.50%
を超える添加は強度の向上が過大となり靭性の低下を招
くことから0.05〜0.50%の範囲に限定した。
【0012】上記のような成分組成で構成されるレール
鋼は、転炉、電気炉などの通常使用される溶解炉で溶製
を行い、この溶鋼を造塊・分塊法あるいは連続鋳造法、
さらに熱間圧延を経てレールとして製造される。前記の
ような成分組成で構成されるレールは、転炉、電気炉な
どの通常使用される溶解炉で溶製を行い、造塊・分塊あ
るいは連続鋳造法においてレール圧延用素材を熱間圧延
した高温度の熱を保有するレール、あるいは熱処理する
目的で高温に加熱されたレールの頭部、さらには底部を
オーステナイト域温度から500〜350℃の間を1〜
10℃/secで加速冷却し、引き続き常温までの間を1〜
40℃/minで冷却することによって製造されるレール
は、まず、加速冷却することによって低温度域でベイナ
イト変態を生じさせ、引き続き冷却することによって微
細で、かつ高強度のベイナイト組織を安定に生成させる
ことができるからである。
【0013】冷却範囲をオーステナイト域温度から50
0〜350℃の範囲に限定した理由は、上記成分系にお
いて微細で、かつ、強度が高いベイナイト組織が変態を
開始する温度が500〜350℃の範囲にあり、500
℃以上で冷却を停止すると、引き続く冷却領域で粗大な
ベイナイト組織が生成し、レールの強度・靭性が低下
し、また、表面損傷の発生に有害なパーライトなどの異
種組織が生成するため500℃以下に限定した。また、
350℃以下まで冷却すると、引き続く冷却領域でベイ
ナイト組織中に硬いマルテンサイト組織が生成し、レー
ルの靭性を著しく低下させるため、350℃以上に限定
した。
【0014】次に、加速冷却速度を1〜10℃/secの範
囲に限定した理由は、上記成分系において、1℃/sec以
下で冷却すると、高温度域でベイナイト変態が開始し、
このためベイナイト組織が粗大化し、レールの強度・靭
性が低くなるため、1℃/sec以上に限定した。また、1
0℃/sec以上で冷却すると、その後の冷却においてベイ
ナイト変態を完全に終了せずにマルテンサイト変態を引
き起こし、ベイナイト組織中にマルテンサイトが生成
し、レールの靭性に悪影響をおよぼすために10℃/sec
以上に限定した。すなわち、本発明においてオーステナ
イト域温度から1〜10℃/secで加速冷却し、加速冷却
停止温度を500〜350℃の範囲にすることによっ
て、その後の冷却において、微細でかつ高強度のベイナ
イト組織が得られる。
【0015】最後に、上記加速冷却後1〜40℃/minの
範囲で冷却する理由について説明する。1℃/min以下で
冷却すると、ベイナイト組織中に粗大な炭化物が析出
し、レールの強度・靭性が大きく低下するため1℃/min
以上に限定した。また、40℃/min以上で冷却すると、
ベイナイト変態を完全に終了せずにマルテンサイト変態
を引き起こし、ベイナイト組織中に硬いマルテンサイト
が生成し、レールの靭性に悪影響をおよぼすために40
℃/min以下に限定した。なお、この冷却領域ではレール
表面層における加速冷却後のレール内部からの復熱にと
もなう恒温変態的な温度変化も含んでいる。
【0016】加速冷却時の冷却媒体は、空気あるいはミ
ストなどの気液混合物を、また、冷却時の冷却媒体には
空気などを用い、加速冷却・冷却後のレール頭部もしく
は底部の強度が1100MPa 以上とすることが望まし
い。上記のような本発明法によって製造されたベイナイ
ト組織を呈するレールは、高速旅客鉄道用および重荷重
鉄道用の高強度レールとして要求される耐表面損傷性を
有している。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。表
1に、本発明鋼と比較鋼の化学成分および冷却条件を示
す。表2に本発明鋼と比較鋼の硬さ、西原式摩耗試験に
おける乾燥条件下での50万回繰り返し後の摩耗量測定
結果およびレールおよび車輪の形状を1/4に縮尺加工
した円盤試験片による水潤滑ころがり疲労試験の表面損
傷発生寿命を示す。なお、レールの構成材料の組織は以
下のとおりである。 ・本発明レール(10本) 符号A、符号B、符号C、符号D、符号E、符号F、符
号G、符号H、符号I、符号J:レール頭部および底部
を加速冷却し、その後冷却されることによって製造され
るベイナイト組織を呈するレール。 ・比較レール(3本) 符号K:圧延後自然放冷されたベイナイト組織を呈する
レール。 符号L:圧延終了直後の熱片状態あるいは、圧延終了後
再加熱することによってレール頭部のみを熱処理したパ
ーライト組織を呈するレール。 符号M:圧延後自然放冷されたパーライト組織を呈する
レール。 また試験条件は次のとおりとした。 摩耗試験条件(全試験レール共通) ・試験機 :西原式摩耗試験機 ・試験片形状:円盤状試験片(外径:30mm、内径:1
6mm、厚さ:8mm) ・試験荷重 :490N ・すべり率 :9% ・相手材 :焼き戻しマルテンサイト鋼(HV35
0) ・雰囲気 :大気中 ・繰返し回数:50万回 ころがり疲労試験 ・試験機 :ころがり疲労試験機 ・試験片形状:円盤状試験片(外径:200mm、レール
材断面形状:60Kレールの1/4モデル) ・試験荷重 :3トン(ラジアル荷重) ・回転数 :300rpm ・雰囲気 :水潤滑(60cc/min) ・繰返し回数:損傷発生まで
【0018】表2に本発明鋼と比較鋼の硬さ、西原式摩
耗試験における乾燥条件下での50万回繰り返し後の摩
耗量測定結果およびレールおよび車輪の形状を1/4に
縮尺加工した円盤試験片による水潤滑ころがり疲労試験
の表面損傷発生寿命を示す。表2で明らかなように、本
発明レールA,B,C,D,Eおよび、F,G,H,
I,Jは、従来のパーライト組織を呈するL,Mと比較
して、摩耗量が多く、ころがり疲労損傷発生寿命が大き
く改善する。また、圧延ままのベイナイト組織を呈する
Kと比較してもころがり疲労損傷発生寿命が大きく改善
する。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明によって得た
レールは従来のレールに比べて耐表面損傷性に優れ、レ
ールの使用寿命が大きく向上した。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】そこで、本発明者らはこの問題を解決する
ために、熱間圧延した高温度の熱を保有するレール、あ
るいは熱処理する目的で高温に加熱されたレールの頭
部、さらには底部をオーステナイト域温度から冷却停止
温度500〜350℃までの温度間を加速冷却し、引き
続き常温までの間を冷却することにより低合金で、か
つ、高い強度のベイナイト組織を呈するレールによりこ
の問題が解決できることを実験により確認した。すなわ
ち本発明は、上記製造プロセスを用いて低コストで、か
つ、溶接性なども具備した耐表面損傷性に優れた高強度
レールを提供することを目的とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するものであって、その要旨とするところは、重量%で
C:0.15〜0.45%、Si:0.15〜2.00
%、Mn:0.30〜2.00%、Cr:0.50〜
3.00%、Mo:0.10〜0.60%を含有し、あ
るいは必要に応じてNi:0.05〜4.00%、N
b:0.01〜0.05%、Cu:0.05〜0.50
%の一種または二種以上を含有して、残部が鉄および不
可避不純物からなる鋼を熱間圧延した高温度の熱を保有
するレール、あるいは熱処理する目的で高温に加熱され
たレールの頭部と底部をオーステナイト域温度から冷却
停止温度500〜350℃までの温度間を1〜10℃/s
ecで加速冷却し、引き続き常温までの間を1〜40℃/m
inで冷却するベイナイト組織を呈した耐表面損傷性に優
れた高強度レールの製造法である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】Crはベイナイト組織中のセメンタイトを
微細に分散させ強度を確保するために重要な元素である
が、0.50%未満ではベイナイト組織中のセメンタイ
トの分散が粗くなり、金属組織の塑性変形にともなう表
面損傷が発生し、同時に靱性も大きく低下する。また、
3.00%以上では、炭化物の粗大化が生じるばかり
か、硬度の上昇によりレールの加工性が大きく低下する
ため、1.00〜3.00%に限定した。Moはベイナ
イト組織の強化、安定化に欠くことができない元素であ
るが、0.10%未満ではその効果が十分でなく、0.
60%以上ではベイナイト組織中に硬くて脆いマルテン
サイト組織が生成してしまうため、0.50〜0.60
%に限定した。なお、Cr,Moは共にベイナイト組織
を安定に生成させ、強度を向上させる元素であるが、M
oはレール溶接施工などにおけるベイナイト組織焼き戻
し脆化防止元素として必須であるため、CrとMoを相
互に添加する方法を用いた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。表
1に、本発明鋼と比較鋼の化学成分および冷却条件を示
す。表2に本発明鋼と比較鋼の硬さ、西原式摩耗試験に
おける乾燥条件下での50万回繰り返し後の摩耗量測定
結果およびレールおよび車輪の形状を1/4に縮尺加工
した円盤試験片による水潤滑ころがり疲労試験の表面損
傷発生寿命を示す。なお、レールの構成材料の組織は以
下のとおりである。 ・本発明レール(7本符号B、符号C、符号E、符号F、符号G、符号I、符
号J :レール頭部および底部を加速冷却し、その後冷却
されることによって製造されるベイナイト組織を呈する
レール。 ・比較レール(3本) 符号K:圧延後自然放冷されたベイナイト組織を呈する
レール。 符号L:圧延終了直後の熱片状態あるいは、圧延終了後
再加熱することによってレール頭部のみを熱処理したパ
ーライト組織を呈するレール。 符号M:圧延後自然放冷されたパーライト組織を呈する
レール。 また試験条件は次のとおりとした。 摩耗試験条件(全試験レール共通) ・試験機 :西原式摩耗試験機 ・試験片形状:円盤状試験片(外径:30mm、内径:1
6mm、厚さ:8mm) ・試験荷重 :490N ・すべり率 :9% ・相手材 :焼き戻しマルテンサイト鋼(HV35
0) ・雰囲気 :大気中 ・繰返し回数:50万回 ころがり疲労試験 ・試験機 :ころがり疲労試験機 ・試験片形状:円盤状試験片(外径:200mm、レール
材断面形状:60Kレールの1/4モデル) ・試験荷重 :3トン(ラジアル荷重) ・回転数 :300rpm ・雰囲気 :水潤滑(60cc/min) ・繰返し回数:損傷発生まで
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】表2に本発明鋼と比較鋼の硬さ、西原式摩
耗試験における乾燥条件下での50万回繰り返し後の摩
耗量測定結果およびレールおよび車輪の形状を1/4に
縮尺加工した円盤試験片による水潤滑ころがり疲労試験
の表面損傷発生寿命を示す。表2で明らかなように、本
発明レールB,C,Eおよび、F,G,I,Jは、従来
のパーライト組織を呈するL,Mと比較して、摩耗量が
多く、ころがり疲労損傷発生寿命が大きく改善する。ま
た、圧延ままのベイナイト組織を呈するKと比較しても
ころがり疲労損傷発生寿命が大きく改善する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【表1】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【表2】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C :0.15〜0.45%、 Si:0.15〜2.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Cr:0.50〜3.00%、 Mo:0.10〜0.60% を含有して、残部が鉄および不可避不純物からなる鋼を
    熱間圧延した高温度の熱を保有するレール、あるいは熱
    処理する目的で高温に加熱されたレールの頭部と底部を
    オーステナイト域温度から500〜350℃の間を1〜
    10℃/secで加速冷却し、引き続き常温までの間を1〜
    40℃/minで冷却することを特徴とするベイナイト組織
    を呈し耐表面損傷性に優れた高強度レールの製造法。
  2. 【請求項2】 重量%で C :0.15〜0.45%、 Si:0.15〜2.00%、 Mn:0.30〜2.00%、 Cr:0.50〜3.00%、 Mo:0.10〜0.60% を含有し、さらに Ni:0.05〜4.00%、 Nb:0.01〜0.05%、 Cu:0.05〜0.50%の一種または二種以上 を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなる鋼を熱
    間圧延した高温度の熱を保有するレール、あるいは熱処
    理する目的で高温に加熱されたレールの頭部と底部をオ
    ーステナイト域温度から500〜350℃の間を1〜1
    0℃/secで加速冷却し、引き続き常温までの間を1〜4
    0℃/minで冷却することを特徴とするベイナイト組織を
    呈し耐表面損傷性に優れた高強度レールの製造法。
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