JPH06248121A - ヒートシール性フィルム - Google Patents

ヒートシール性フィルム

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JPH06248121A
JPH06248121A JP3316893A JP3316893A JPH06248121A JP H06248121 A JPH06248121 A JP H06248121A JP 3316893 A JP3316893 A JP 3316893A JP 3316893 A JP3316893 A JP 3316893A JP H06248121 A JPH06248121 A JP H06248121A
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Kenji Miyagawa
健志 宮川
Mikio Shimizu
美基雄 清水
Hiroshi Hirokawa
裕志 広川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 IC・電子部品などの包装容器の蓋材用フィ
ルムとして、ベーキング用包装容器等に使用可能な、イ
ージーピール性を有するヒートシール性フィルムを得
る。 【構成】 A成分としてポリフェニレンエーテル樹脂、
B成分としてポリスチレン系樹脂及びC成分としてオレ
フィン系樹脂からなり、A成分28〜86重量部とB成
分72〜14重量部の総量100重量部に対し、C成分
を5〜35重量部の比率で含有する樹脂組成物からなる
ことを特徴とするヒートシール性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂、ポリスチレン系樹脂及びオレフィン系樹脂を特
定比率で含有する樹脂組成物からなり、IC・電子部品
などの包装容器の蓋材用フィルムとして、ベーキング用
包装容器等に使用可能なヒートシール性フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ICやICを用いた電子部品の包
装容器として、ソフトトレー、エンボスキャリアテープ
などが使用されている。エンボスキャリアテープを用
い、ICを包装する場合、蓋材はイージーピール性を有
する粘着テープ若しくはヒートシール性フィルムが使用
されている。一方、IC封止材が樹脂化し、ICモール
ドの吸湿量が増加すると共に、ICを基板面にボンディ
ングする際に発生する急激な脱湿により、IC機能の劣
化や配線腐食などの事故が多発している。これを防止す
る為ICを基板面にボンディングする前に、ベーキング
処理と呼ばれる125℃〜150℃での予備乾燥が一般
的に行われている。
【0003】従来のエンボスキャリアテープは、汎用樹
脂で構成されているため、耐熱性が低く、ベーキング用
包装容器として使用することが困難であったが、近年、
ベーキング用包装容器として使用可能なエンボスキャリ
アテープの要求が高まり開発も進んでいる。また、従来
の蓋材に使用されている粘着剤やヒートシール性フィル
ムは耐熱性が低く、125℃〜150℃でのベーキング
処理時に、ICなどのデバイスとの熱融着を生じたり、
イージーピール性を損なったり等の不具合を発生するこ
とが予想される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる欠点
を解決するものであり、ポリフェニレンエーテル樹脂、
ポリスチレン系樹脂及びオレフィン系樹脂を特定比率で
含有する樹脂組成物からなり、IC・電子部品などの包
装容器の蓋材用フィルムとして、ベーキング用包装容器
等に使用可能なフィルムで、ベーキング処理後において
もイージーピール性を有するヒートシール性フィルムを
提供するものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】すなわち、本発明は、A
成分としてポリフェニレンエーテル樹脂、B成分として
ポリスチレン系樹脂及びC成分としてオレフィン系樹脂
からなり、A成分28〜86重量部とB成分72〜14
重量部の総量100重量部に対し、C成分を5〜35重
量部の比率で含有する樹脂組成物からなることを特徴と
するヒートシール性フィルムである。
【0006】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明でA成分として使用するポリフェニレンエーテル樹脂
とは、米国特許3383435号に記載されているホモ
ポリマーあるいは共重合体を示す。本発明でB成分とし
て使用するポリスチレン系樹脂としては、一般的な透明
ポリスチレン樹脂のほか、耐衝撃の補強効果のため、ゴ
ム成分を1〜10重量%含有する耐衝撃性ポリスチレン
樹脂又は該耐衝撃性ポリスチレン樹脂と透明ポリスチレ
ン樹脂との混合物を使用する事ができる。A成分とB成
分の総量100重量部における比率は、A成分28〜8
6重量部及びB成分72〜14重量部からなり、A成分
の含量が28重量部未満では十分な力学特性が得られ
ず、86重量部を越えると押出機による加工が困難とな
る。特に好ましくはA成分の含量が32〜77重量部で
ある。
【0007】本発明でC成分として使用するオレフィン
系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ア
クリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体樹脂、ポリオレフィン樹脂へスチレンをグ
ラフトした共重合体樹脂及びスチレン−ジエン−スチレ
ンブロック共重合体を水素添加した樹脂等を使用するこ
とができ、これらを併用することも可能である。
【0008】オレフィン系樹脂を添加することでヒート
シールフィルムにイージーピール性を付加できる。C成
分のオレフィン系樹脂の添加量は、A成分とB成分の総
量100重量部に対して、5〜35重量部である。5重
量部未満では、オレフィン系樹脂の添加効果が十分得ら
れず、35重量部を越えると、押出機による加工不良が
発生するとともに、フィルムのヒートシール強度が低下
する。
【0009】ポリエチレン樹脂としては、密度が0.9
4g/cm3以下の低密度ポリエチレン樹脂が好まし
い。ポリプロピレン樹脂としては、1kg荷重下の熱変
形温度が125℃〜160℃のものを使用することが好
ましい。125℃未満では耐熱性が不足し、160℃を
越えるとポリプロピレン樹脂添加の効果が十分に得られ
ない。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂としては酢酸
ビニル含有量が4〜48重量%のものが好ましく、4重
量%未満では添加の効果が十分に得られず48重量%を
越えると耐熱性が不足する。エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体樹脂ではアクリル酸エステル含有量が5〜
50重量%のものが好ましく、5重量%未満では添加の
効果が十分に得られず50重量%を越えると耐熱性が不
足する。エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂では1
90℃下でのメルトフローレートが2.5〜23g/1
0分のものが好ましい。
【0010】ポリオレフィン系樹脂へスチレンをグラフ
トした共重合体樹脂ではオレフィン樹脂としてポリエチ
レン若しくはエチレン−酢酸ビニル共重合体が好まし
く、グラフトされたスチレン重合体量は10〜70重量
%が好ましく、特に好ましくは15〜55重量%であ
る。スチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体を水
素添加した樹脂としては、ジエン成分としてブタジエ
ン、イソプレンを用いたブロック共重合体の水素添加物
が好ましい。該ブロック共重合体の水素添加物は、オレ
フィン系樹脂と類似の性質を示すものである。共重合体
中のスチレン重合体ブロックは5〜70重量%が好まし
く、特に好ましくは、15〜55重量%である。
【0011】また、顔料、酸化防止剤及び滑剤などの各
種添加剤を必要に応じて添加することができ、更に力学
特性を著しく低下させない程度に、炭酸カルシウム、タ
ルク、マイカなどの無機フィラーを添加することができ
る。
【0012】本発明のフィルムを製造する方法は、上記
のA〜C成分を所定の割合で配合して、一般的に使用さ
れているヘンシェルミキサー、タンブラーのような混合
機を用いてドライブレンドしてもよく、あるいはスクリ
ュー押出機などにより混して、ペレット状コンパウンド
にしてもよい。また、樹脂組成物の製造においては、A
〜C成分の添加順序等に特別な制限はない。
【0013】フイルムの成型方法としては、例えば、T
ーダイ法、インフレーション法、キャスト法及び押出コ
ーティング法等が使用できる。さらに、フイルム性能向
上のために、一軸又は多軸延伸成形法を使用することが
できる。
【0014】本発明のヒートシールフィルムは、安定し
たシール強度を得るために、フィルム厚さ1〜500μ
mの範囲が好ましい。本発明のフィルムは、ICなどの
電子部品の包装容器の蓋材、例えば、キャリアテープ及
びソフトトレーの蓋材等に使用される。また、本発明の
フィルムは、熱可塑性ポリエステル、ナイロン、延伸ポ
リプロピレン等、加熱時のブロッキング性の少ないプラ
スチックフィルムやアルミ蒸着プラスチックフィルム及
び金属泊等と共押出し、押出ラミネート、ドライラミネ
ート、ウエットラミネート及び熱ラミネート等の方法に
より積層して用いることができる。
【0015】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。 実施例1 表1に示す通り、ポリフェニレンエーテル樹脂40重量
部、耐衝撃性ポリスチレン樹脂60重量部及びエチレン
ーエチルアクリレート共重合体樹脂10重量部を、高速
混合機により均一に混合した後、φ45mmベント式二
軸押出機を用い、ストランドカット法によりペレット化
した。次に、ペレット化した樹脂組成物をφ65mm押
出機(L/D=28)を用い、温度240〜300℃
で、φ200mmのインフレーションダイにより押出
し、折径800mm、厚さ30μのフィルムを得た。フ
ィルムの各種物性測定結果を表2に示す。
【0016】実施例2 実施例1において、耐衝撃性ポリスチレン樹脂を透明ポ
リスチレン樹脂に変更した以外は同様に行った。配合組
成を表1にフィルムの各種物性測定結果を表2に示す。
【0017】実施例3 実施例1において、エチレン−エチルアクリレート共重
合体樹脂を低密度ポリエチレン樹脂に変更した以外は同
様に行った。配合組成を表1にフィルムの各種物性測定
結果を表2に示す。
【0018】実施例4 実施例1において、エチレン−エチルアクリレート共重
合体樹脂をポリプロピレン樹脂に変更した以外は同様に
行った。配合組成を表1にフィルムの各種物性測定結果
を表2に示す。
【0019】実施例5 実施例1において、エチレン−エチルアクリレート共重
合体樹脂をエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂に変
更した以外は同様に行った。配合組成を表1にフィルム
の各種物性測定結果を表2に示す。
【0020】実施例6 実施例1において、エチレン−エチルアクリレート共重
合体樹脂をエチレン−スチレングラフト共重合体樹脂に
変更した以外は同様に行った。配合組成を表1にフィル
ムの各種物性測定結果を表2に示す。
【0021】実施例7 実施例1において、エチレン−エチルアクリレート共重
合体樹脂を水素化ブロック共重合体樹脂に変更した以外
は同様に行った。配合組成を表1にフィルムの各種物性
測定結果を表2に示す。
【0022】比較例1 実施例1において、エチレン−エチルアクリレート共重
合体樹脂の配合量を変更した以外は同様に行った。配合
組成を表1にフィルムの各種物性測定結果を表2に示
す。
【0023】比較例2 実施例1において、エチレン−エチルアクリレート共重
合体樹脂の配合量を変更した以外は同様に行った。配合
組成を表1にフィルムの各種物性測定結果を表2に示
す。
【0024】比較例3 実施例1において、エチレン−エチルアクリレート共重
合体樹脂を低密度ポリエチレン樹脂に変更し、配合組成
を変更した以外は同様に行った。配合組成を表1にフィ
ルムの各種物性測定結果を表2に示す。
【0025】比較例4 実施例1において、エチレン−エチルアクリレート共重
合体樹脂を低密度ポリエチレン樹脂に変更し、配合組成
を変更した以外は同様に行った。配合組成を表1にフィ
ルムの各種物性測定結果を表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】1.使用した原材料のメーカー及び商品名 ポリフェニレンエーテル樹脂:三菱瓦斯化学(株)、
YPX−100L 耐衝撃性ポリスチレン樹脂:電気化学工業(株)、デ
ンカスチロールHI−RQB 透明ポリスチレン樹脂:電気化学工業(株)、デンカ
スチロールGP−1B エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂:日本ユ
ニカー(株)NUC−6169 低密度ポリエチレン樹脂:三井石油化学(株)、B−
319 ポリプロピレン樹脂:三井石油化学(株)、J400
P エチレン−α−オレフィン共重合体樹脂:三井石油化
学(株)タフマーA−4085 エチレン−スチレングラフト共重合体樹脂:三菱油化
(株)VMX−AN−50F、スチレン重合体の含量5
0重量% 水素化ブロック共重合体樹脂:スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体を水素添加した樹脂、クラ
レ(株)、セプトンK2105、スチレン重合体ブロッ
クの含量30重量%
【0029】2.フイルム評価方法 製膜性 インフレーション法によりフィルム化できるものを○と
し、ブロッキング等によりフィルム化できないものを×
とした。 物性 フィルム強度が弱く、層状剥離等を生じ実用に供しない
ものを×、実用的に使用できる範囲ものを○とした。 熱融着性 ポリフェニレンエーテル系樹脂シートの上にフィルムを
乗せ、130℃のギアオーブンで24時間加熱し、シー
トと熱融着の見られるものを×、熱融着を生じないもの
を○とした。尚、ポリフェニレンエーテル系樹脂シート
としては、ポリフェニレンエーテル樹脂50重量部、耐
衝撃性ポリスチレン樹脂50重量部及びエチレン−エチ
ルアクリレート共重合体樹脂7重量部からなる厚さ30
0μmのシートを使用した。 シール性 ポリフェニレンエーテル系シートに対し、ヒートシール
温度130〜300℃の範囲にて、フィルムをヒートシ
ールし、イージーピール性を有する温度条件の範囲を測
定した。イージーピール性については180度剥離、剥
離速度200mm/分において30〜70g/2mmの
シール強度をもつ温度範囲が20℃以上あることが好ま
しい。 耐熱性 ポリフェニレンエーテル系シートに対しヒートシールに
よってフィルムをシールし、180度剥離、剥離速度2
00mm/分において30〜70g/2mmの範囲のも
のを130℃のギアオーブンで24時間加熱した後、剥
離強度が100g/2mm以下のものを○、100g/
2mmを越えるものを×とした。
【0030】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、ポ
リフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン系樹脂及びオ
レフィン系樹脂を特定比率で含有する樹脂組成物からな
る、IC・電子部品などの包装容器の蓋材用フィルムと
して、ベーキング用包装容器等に使用可能なヒートシー
ル性フィルムヒートシール性フィルムを得ることが可能
になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25/02 LED 9166−4J 71/12 LQP 9167−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A成分としてポリフェニレンエーテル樹
    脂、B成分としてポリスチレン系樹脂及びC成分として
    オレフィン系樹脂からなり、A成分28〜86重量部と
    B成分72〜14重量部の総量100重量部に対し、C
    成分を5〜35重量部の比率で含有する樹脂組成物から
    なることを特徴とするヒートシール性フィルム。
JP03316893A 1993-02-23 1993-02-23 ヒートシール性フィルム Expired - Fee Related JP3449424B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012214783A (ja) * 2011-03-30 2012-11-08 Sumitomo Bakelite Co Ltd フィルム及び包装体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012214783A (ja) * 2011-03-30 2012-11-08 Sumitomo Bakelite Co Ltd フィルム及び包装体

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