JPH06247961A - パントテン酸アセトナイドの製造方法 - Google Patents

パントテン酸アセトナイドの製造方法

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JPH06247961A
JPH06247961A JP5632493A JP5632493A JPH06247961A JP H06247961 A JPH06247961 A JP H06247961A JP 5632493 A JP5632493 A JP 5632493A JP 5632493 A JP5632493 A JP 5632493A JP H06247961 A JPH06247961 A JP H06247961A
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博 伊川
Hajime Matsumoto
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であ
る。)で表わされるパントテン酸化合物と、 (式中、R1 は炭素数1〜3のアルキル基である。)で
表わされるジアルコキシプロパン誘導体又は で表わされるアルコキシプロペン誘導体とを反応させ、 で表わされるパントテン酸アセトナイドを製造する。 【効果】 パントテン酸誘導体製造原料である式(I)
のパントテン酸アセトナイドを簡便に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は構造式
【化7】 で表わされるパントテン酸アセトナイドの製造方法に関
する。前記構造式(I)で表わされるパントテン酸アセ
トナイドは、例えばアシルCoA−コレステロール−ア
シル転位酵素(Acyl CoA−Cholester
ol−Acyltransferase−以下ACAT
という)の阻害活性に優れた血中脂質低下作用を有する
パントテン酸誘導体(特開平3−218340号参照)
を製造する際の原料として用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来、前記構造式(I)で表わされるパ
ントテン酸アセトナイドはパントテン酸カルシウムを出
発原料として用い、まずカルボキシル基をベンジル化し
てパントテン酸ベンジルエステルとした後、酸性条件下
アセトンと反応させてパントテン酸アセトナイドベンジ
ルエステルとし、次いでベンジル基を加水分解もしくは
加水素分解して得る方法が知られている(特開平3−2
18366号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た製造方法は、カルボキシル基の保護と脱保護との反応
を含み工程が煩雑なこと、収率が低いこと、多量の副生
成物を除去する作業が必要なこと等工業的な方法して採
用するには多くの問題点を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の欠
点を解決すべく検討した結果、簡便且つ効率のよい前記
構造式(I)で表わされるパントテン酸アセトナイドの
製造方法を見い出し本発明を完成した。
【0005】本発明は、一般式
【化8】 (式中、Mは水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類
金属である。)で表わされるパントテン酸化合物と、一
般式
【化9】 (式中、R1 は炭素数1〜3のアルキル基である。)。
で表わされるジアルコキシプロパン誘導体、又は一般式
【化10】 (式中、R1 は前記と同じである。)で表わされるアル
コキシプロペン誘導体とを混合し、反応させることによ
り前記構造式(I)で表わされるパントテン酸アセトナ
イドを製造する方法である。
【0006】本反応の原料である前記一般式(II)で表
わされるパントテン酸化合物は、工業的に入手可能な化
合物であり、例えばパントテン酸カルシウム、パントテ
ン酸ナトリウム、パントテン酸カリウム、パントテン酸
バリウム等を使用することができる。もう一方の原料化
合物である前記一般式(III)で表わされるジアルコキシ
プロパン誘導体は工業的に入手可能な化合物であり、例
えばジメトキシプロパン、ジエトキシプロパン、ジプロ
ポキシプロパン等を使用することができる。
【0007】前記一般式(II)で表わされるパントテン
酸化合物と前記一般式(III)で表わされるジアルコキシ
プロパン誘導体との反応は両者を混合することにより目
的とする生成物を得ることができる。反応は、溶媒中行
うことが望ましく、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素類、エチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、
ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等を単独又は混
合して用いることができる。反応は、0〜120℃で進
行するが、効率よく反応を行うには20〜90℃で行う
ことが望ましい。
【0008】この反応を効率よく行うには、酸を添加す
ることが好ましく、例えばシュウ酸、マロン酸、酢酸、
プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、安息香酸等を挙げることができる。この酸は単
独又は混合して用いることができ、その使用量は、原料
の前記一般式(II)で表わされるパントテン酸化合物に
対して0.1〜2.2当量である。
【0009】さらに、反応を効率よく行うには、反応に
より生成するアルコールを反応溶媒から除去することが
好ましく、例えばモレキュラーシーブを入れたソックス
レー抽出器等を反応容器に接続し行うことができる。
【0010】また、さらに前記反応において前記一般式
(III)で表わされるジアルコキシプロパン誘導体のかわ
りに前記一般式(IV)で表わされるアルコキシプロペン
誘導体を用い同じ反応を行うことにより、前記構造式
(I)で表わされるパントテン酸アセトナイドを製造す
ることができる。この原料化合物である前記一般式(I
V)で表わされるアルコキシプロペン誘導体は、工業的
に入手可能な化合物であり、例えば2−メトキシプロペ
ン、2−エトキシプロペン、3−プロポキシプロペン等
を使用することができる。
【0011】以上に示す方法により製造された前記構造
式(I)で表わされるパントテン酸アセトナイドは、例
えばアルコール誘導体を反応させ前記したACAT阻害
作用を有するパントテン酸誘導体を製造することができ
る。
【0012】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。 実施例 パントテン酸アセトナイドの製造
【化11】 パントテン酸カルシウム(3−[N−(2,4−ジヒド
ロキシ−3,3−ジメチル−1−オキソブチル)アミ
ノ]プロピオン酸カルシウム)23.8g(0.05m
ol)、シュウ酸4.5g(0.05mol)、2,2
−ジメトキシプロパン15.6g(0.15mol)、
p−トルエンスルホン酸・一水和物1.9g(0.01
mol)をアセトン250mlに懸濁させ、ソックスレ
ーの抽出器にモレキュラーシーブス4Aを入れたものを
接続し、発生するメタノールを除きながら16時間加熱
還流した。反応終了後固体を除き、溶媒を減圧で留去し
た。残渣を酢酸エチルに溶解し、水、飽和食塩水で順次
洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒
を留去した残渣を酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒から
再結晶してパントテン酸アセトナイド(3−[N−
(2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキサン
−4−カルボニル)アミノ]プロピオン酸)の結晶を1
9.0g(収率73%)得た。
【0013】融点:110.2−111.4℃1 H−NMR(δ,CDCl3 ):0.98(3H,
s),1.04(3H,s),1.43(3H,s),
1.46(3H,s),2.62(2H,t,J=7H
z),3.29(1H,d,J=12Hz),3.68
(1H,d,J=12Hz),3.43−3.66(2
H,m),4.11(1H,s),6.90−7.10
(1H,m). IR(ν,KBr):3420,1734,1636c
-1 質量分析:分子式C1221NO5 として 計算値 259.1419 実測値 259.1425
【0014】
【発明の効果】本発明は、簡便且つ効率のよい前記構造
式(I)で表わされるパントテン酸アセトナイドの製造
方法である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 で表わされるパントテン酸化合物と一般式 【化2】 で表わされるジアルコキシプロパン誘導体とを反応させ
    ることからなる構造式 【化3】 で表わされるパントテン酸アセトナイドの製造方法(式
    中、Mは水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属
    であり、R1 は炭素数1〜3のアルキル基である。)。
  2. 【請求項2】 一般式 【化4】 で表わされるパントテン酸化合物と一般式 【化5】 で表わされるアルコキシプロペン誘導体とを反応させる
    ことからなる構造式 【化6】 で表わされるパントテン酸アセトナイドの製造方法(式
    中、M及びR1 は前記と同じである。)。
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