JPH06247697A - 建設機械の載置部水平制御装置 - Google Patents

建設機械の載置部水平制御装置

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JPH06247697A
JPH06247697A JP3358593A JP3358593A JPH06247697A JP H06247697 A JPH06247697 A JP H06247697A JP 3358593 A JP3358593 A JP 3358593A JP 3358593 A JP3358593 A JP 3358593A JP H06247697 A JPH06247697 A JP H06247697A
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JP
Japan
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fork
horizontal
cylinder
tilt
boom
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JP3358593A
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Inventor
Koji Sawa
幸次 佐波
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Sakai Heavy Industries Ltd
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Sakai Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フォーク等の載置部の動きを妨げることがな
く,自動水平調整制御を可能とする建設機械の載置部水
平制御装置を提供する。 【構成】対地面に設定されるスエイ軸及びチルト軸の二
軸回りの夫々にフォーク5を回動するためのスエイシリ
ンダ1とチルトシリンダ3に対して、フォークを支持す
るブラケット6に設けた傾斜センサ10及びセンサ駆動
装置11でフォークの傾斜角度を検出し、この検出信号
をフォーク側に独立して設けた無線送受信機12で送信
し、これを車体側に個別に設けた無線送受信機14で受
信し、コントローラ20がフォーク5が水平に対してい
ずれの方向に傾斜しているかを判断して,フォーク5を
水平補正する制御信号を各シリンダ1,3の制御弁1
6,18に向けて送出し、フォーク5の傾斜角度が水平
許容角度範囲内になると水平表示ランプ13を点灯する
構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建設機械に設けられ
た,人や荷物の載置部の水平位置制御を行う装置に関す
るものであり、特に荷役車両等のように,対地面の二軸
回りで回動可能なフォークの自動水平位置制御に適する
ものである。
【0002】
【従来の技術】荷役車両等のように,荷物を載置するフ
ォークを車体から数mの高さ(具体的には5〜6m)ま
でリフトしてパレット等の荷役移載作業を行う場合に
は、落下や転落の危険性を回避するために,フォークを
少なくとも±1°範囲内に水平位置制御することが要求
される。
【0003】このフォークの水平調整,並びにフォーク
の昇降,ブームの伸縮等のために、荷役車両等の建設機
械には多数の油圧シリンダが設けられている。そのうち
の図5に示す主なものについて説明する。まず、リフト
シリンダ4は,例えば図6に示すように車両幅方向に軸
線を有する車体8上の支軸aを中心としてブーム7を回
動し、フォーク5を昇降制御するためのものである。こ
のリフトシリンダ4はブーム7に対して車両幅方向両側
に配設されている。
【0004】また、チルトシリンダ2は,例えば図6に
示すように車両幅方向に軸線を有するブーム7上の支軸
bを中心としてフォーク5を回動する,所謂首振りを行
い、フォーク5の車両幅方向軸回りの上下傾斜角度を制
御するためのものである。また、スエイシリンダ1は,
例えば図7に示すように車体8と車軸9との間で車両前
後方向に軸線を有する支軸cを中心として相対的に車体
8を回動し、車体8から上方,即ちブーム7やフォーク
5の,車両前後軸回りの上下傾斜角度を制御するための
ものである。
【0005】なお、図5,図6に示す水平保持シリンダ
3は,前記リフトシリンダ4の作動に伴って変化するフ
ォーク5の傾斜角度を補正して、一度設定されたフォー
ク5の水平位置が変化しないように補償するためのもの
である。具体的には,リフトシリンダ4の作動によって
回動されるブーム7がこの水平保持シリンダ3のシリン
ダロッドを同期伸縮し、この伸縮に伴って発生する水平
保持シリンダ3の油圧をチルトシリンダ2に供給して,
ブーム7の傾斜回動角度と逆位相にフォーク5の傾斜角
度補正を行う。
【0006】また、これらの図には図示されていない
が,前記ブーム7には例えば図8に示すようなブームシ
リンダ27が内装されており、このシリンダ27を伸縮
することによってブーム7が伸縮し、これに伴ってフォ
ーク5の位置はそのときのブーム7の長手方向に移動さ
れる。これらの各シリンダ1〜4,27を制御する制御
弁及び油圧回路は、例えば図8に示すように構成されて
いる。各シリンダ1〜4,27とポンプ30との間に介
装された各制御弁100〜103はレバー操作式の6ポ
ート3位置切換え弁から構成されており、各操作レバー
104〜107は図示されないキャビン内の運転席近傍
に配設されている。なお、各6ポート3位置切換え弁
は,通常の油圧補償回路的に使用されており、ノーマル
センターポジションで供給圧はタンク31に無負荷状態
のままリターンされる。
【0007】ここで例えばスエイ操作レバー104を操
作してスエイ制御弁100を左オフセット位置にオフセ
ットすると,スエイシリンダ1の伸長側油室1bに油圧
が供給され、これにより図7に示すスエイシリンダ1の
シリンダロッド1aが伸長して,車体8は車両の右上り
方向に回動され、従ってブーム7やフォーク5は左下り
となる。一方、スエイ操作レバー104を操作してスエ
イ制御弁100を右オフセット位置にオフセットする
と,図7に示すスエイシリンダ1のシリンダロッド1a
が収縮して,車体8は車両の右下り方向に回動され、従
ってブーム7及びフォーク5も右下りとなる。
【0008】また、ブーム操作レバー105を操作して
ブーム制御弁101を左オフセット位置にオフセットす
ると,ブームシリンダ27の伸長側油室27bに油圧が
供給され、ブームシリンダ27のシリンダロッド27a
の伸長に伴ってブーム7が伸長する。一方、ブーム操作
レバー105を操作してブーム制御弁101を右オフセ
ット位置にオフセットすると,ブームシリンダ27のシ
リンダロッド27aの収縮に伴ってブーム7が収縮す
る。
【0009】一方、リフト操作レバー107を操作して
リフト制御弁103を左オフセット位置にオフセットす
ると,両リフトシリンダ4の収縮側油室4cに油圧が供
給され、リフトシリンダ4のシリンダロッド4aの収縮
に伴ってブーム7が下降する。このとき,前記水平保持
シリンダ3は強制的に伸長され,当該水平保持シリンダ
3の収縮側油室3cに発生する油圧はチルトシリンダ2
の収縮側油室2aに供給され、もってチルトシリンダ2
が収縮してフォーク5はブーム7の傾斜回動角度と逆位
相,即ち上向きに回動してフォーク5の水平が保持され
る。逆にリフト操作レバー107を操作してリフト制御
弁103を右オフセット位置にオフセットすると,両リ
フトシリンダ4のシリンダロッド4aの伸長に伴ってブ
ーム7が上昇する。このときは水平保持シリンダ3の収
縮及びチルトシリンダ2の伸長に伴って,フォーク5は
下向きに回動してフォーク5の水平が保持される。単純
に,後述するチルト操作レバー106を操作していない
場合には、チルトシリンダ2及び水平保持シリンダ3は
ポンプ30又はタンク31と接続されていないので、前
記水平保持のための両シリンダ間の油圧の授受は両シリ
ンダ油室内の内圧のやりとりで行われる。
【0010】また、チルト操作レバー106を操作して
チルト制御弁102を左オフセット位置にオフセットす
ると,チルトシリンダ2の伸長側油室2bに油圧が供給
され、チルトシリンダ2のシリンダロッド2aの伸長に
伴ってフォーク5は下向きに回動する。このとき、前記
チルトシリンダ2と並列に接続されている水平保持シリ
ンダ3の伸長側油室3bにも油圧が供給され,これに伴
ってブーム7を下降させようとするが、単純にリフト操
作レバー107が操作されていない状態では前記リフト
シリンダ4はポンプ30又はタンク31に接続されてお
らず,従ってブーム7は回動不可能であるために実質的
に水平保持シリンダ3のシリンダロッド3aは伸長され
ない。逆にチルト操作レバー106を操作してチルト制
御弁102を右オフセット位置にオフセットすると,チ
ルトシリンダ2のシリンダロッド2aの収縮に伴ってフ
ォーク5は上向きに回動される。このときも,リフト操
作レバー107が操作されない限り,水平保持シリンダ
3は収縮せず、もってブーム7は回動されない。
【0011】以上の構成から、例えば図7に示すように
斜面に車両を停止した状態で荷役移載作業を行う場合に
は,まずスエイ操作レバー104の操作に伴うスエイシ
リンダ1の伸縮によって車体8の水平出しを行うことに
より、ブーム7及びフォーク5を車両前後方向鉛直面内
でのみ回動可能とし、次いでチルト操作レバー106の
操作に伴うチルトシリンダ2の伸縮によってフォーク5
自体の水平出しを行う。このようにすれば,車両前後方
向鉛直面内でのみ回動するブーム7を昇降しても水平保
持シリンダ3及びチルトシリンダ2の水平保持機能によ
ってフォーク5は一定の水平許容角度範囲内に保持され
ることになる。従って、従来は作業者(運転者)が荷役
移載作業を行う前にこのフォーク水平位置制御を各操作
レバー104〜107の操作によって行っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記手動
によるフォーク水平位置制御では,前述のように厳しい
水平度を要求される荷役車両等の場合、その水平度を出
すために運転者の目測と勘に頼る部分が多く,しかも微
調整を強いられるために、熟練を必要とする。この問題
に対して,例えばフォーク部位に傾斜計等の傾斜角度検
出手段を設け、フォークの傾斜角度が水平許容角度範囲
内でランプ等の表示手段によりこれを表示しようとする
提案もある。この水平位置制御では,運転者の目測や勘
に頼る部分は少なくなるが、微調整を行わなければなら
ない点は未だ解決されず,いまなお問題が多い。
【0013】更に、前記傾斜角度検出手段からの検出信
号に応じてフォークの水平補正を自動的に行うためにこ
れらの制御を電気的に行うことも考えられる。しかし、
単にフォーク部位に設けられた傾斜角度検出手段と車体
側の各油圧制御弁とを有線で電気的に接続したのでは,
荷役移載作業に伴って移動されるフォークの動きを妨げ
る虞れがある。
【0014】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、移動されるフォーク等の載置部の動きを
妨げることがなく,自動水平調整制御を可能とする建設
機械の載置部水平制御装置を提供することを目的とする
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1に
係る建設機械の載置部水平制御装置は、建設機械に設け
られた載置部を,対地面の二軸回りに回動する駆動手段
を備えた建設機械の載置部水平制御装置であって、少な
くとも前記駆動手段によって回動される載置部の二軸回
りで,当該載置部の傾斜している角度を検出する傾斜角
度検出手段と、少なくとも前記傾斜角度検出手段からの
検出信号を無線信号として送信する機能を有して,前記
載置部側に独立して設けられた載置部側送受信手段と、
少なくとも前記載置部側送受信手段からの無線信号を受
信して検出信号を出力する機能を有して,前記載置部側
とは個別に設けられた本体側送受信手段と、前記本体側
送受信手段からの出力信号に基づいて,前記載置部の傾
斜角度が予め設定された水平許容角度範囲内にあるか否
かを判別する判別手段と、前記載置部の傾斜角度が前記
水平許容角度範囲外であるときに,その傾斜角度を補正
して水平許容角度範囲内になるように前記駆動手段を制
御する制御手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0016】本発明のうち請求項2に係る建設機械の載
置部水平制御装置は、前記載置部の傾斜角度が水平許容
角度範囲内であるときに,これを表示する表示手段を設
けたことを特徴とするものである。
【0017】
【作用】本発明のうち請求項1に係る建設機械の載置部
水平制御装置では,前記傾斜角度検出手段により少なく
とも載置部の二軸回りの傾斜角度を検出し、この検出信
号を載置部側送受信手段によって無線信号として送信
し、この無線信号を本体側送受信手段によって受信して
検出信号を出力し、この出力信号に基づいて前記判別手
段によって載置部の傾斜角度が水平許容角度範囲内であ
るか否かを判別し、傾斜角度が水平許容角度範囲外であ
る場合には,前記制御手段により駆動手段を制御して載
置部の傾斜角度が水平許容角度範囲内になるように補正
する構成としたために、例えば前記傾斜角度検出手段か
ら制御手段及び駆動手段までの一連の作用をフィードバ
ック制御することで,自動水平調整制御を行うことも可
能となる。また、前記載置部側送受信手段は載置部側に
独立して設け、本体側送受信手段は車体やキャビン等
に,載置部とは個別に設ける構成としたために、フォー
ク等の載置部の移動を妨げることがない。
【0018】本発明のうち請求項2に係る建設機械の載
置部水平制御装置では,前記表示手段によって,前記載
置部の傾斜角度が水平許容角度範囲内であることが表示
されるために、例えば自動水平調整制御時に運転者等の
作業者はこれを容易に認識することができ、この時点で
確実に荷役移載作業を開始することができるから、目測
や勘に頼ることがなく,特に熟練を必要としない。
【0019】
【実施例】図1〜図4は本発明の建設機械の載置部水平
制御装置の一実施例を示すものであり、前記図5に示す
ような荷役車両に適用されたものである。ここで、図5
に示す荷役車両と同様の荷役車両に展開された本実施例
の建設機械の載置部水平制御装置では、前述した既存の
荷役車両と同様の駆動用油圧シリンダが用いられてい
る。この概要は前述した通りであるが、本実施例の載置
部水平制御装置の構成及びその作用を明確にするため
に,いま一度それら駆動油圧シリンダの配設状態につい
て詳述する。
【0020】まず、車両の構成概要について説明する。
車輪を支持する各車軸9は,前輪側と後輪側とで夫々一
体のリジット状態に配設されている。そして、車体8は
これらの各車軸9のほぼ中央部に設けられた支軸cを中
心として車両幅方向,即ち左右方向に揺動可能なように
連結されている。一方、車両のほぼ中央部に車両前後方
向に向けて配設されたブーム7は、車体8後部上方で車
両の幅方向に軸線を有する支軸aを中心として,車体前
後垂直面内の上下方向に回動自在に支持されている。ま
た、フォーク5は,そのブラケット6からブーム7先端
部に貫通された支軸bを中心として、車体前後垂直面内
の上下方向に回動自在に支持されている。なお、前記フ
ォークブラケット6のうち,前記支軸bの上方にはブー
ム7側に突出する回動アーム29が回動自在に連結さ
れ、更に当該回動アーム29の長手方向ほぼ中央部とブ
ーム7先端部とはリンクアーム28で回動自在に連結さ
れており、従ってフォーク5ブラケット,ブーム7先端
部,回動アーム29,リンクアーム28によって、所謂
リンク機構が構成されている。
【0021】本実施例のリフトシリンダ4は、図4に示
すように前記ブーム7のうち,車体8後部上方の支軸a
より車両前方部位にシリンダロッド4aの先端部が回動
自在に連結され、シリンダ本体の尾端部が車体8側に回
動自在に連結されている。これによりリフトシリンダ4
のシリンダロッド4aを伸長するとブーム7の車両前方
部位が車体垂直面内で上昇し,当該シリンダロッド4a
を収縮するとブーム7の車両前方部位が下降してブーム
7の昇降を行うことができる。なお、ブーム7のうち,
前記支軸aより車両後方部位は、当然のことながら,ブ
ーム7の昇降と逆方向に下降したり上昇したりする。な
お、図に明示されていないがこのリフトシリンダ4は,
ブーム7に対して車両幅方向両側に設けられている。
【0022】また、本実施例の水平保持シリンダ3は、
図4に示すように前記ブーム7のうち,車体8後部上方
の支軸aより車両後方部位に,そのシリンダロッド3a
の先端部が回動可能に連結され、シリンダ本体の尾端部
が車体8側に回動自在に連結されている。従って前記リ
フトシリンダ4により、ブーム7の車両前方部位を上昇
させると水平保持シリンダ3は収縮されて伸長側油室3
bの油圧が高まり,ブーム7の車両前方部位を下降させ
ると伸長されて収縮側油室3cの油圧が高まる。
【0023】また、本実施例のチルトシリンダ2は,図
4に示すように前記回動アーム29のブーム7側先端部
に,そのシリンダロッド2aの先端部が回動自在に連結
され、シリンダ全体がブーム7の長手方向に沿うように
して,シリンダ本体の尾端部がブーム7の中央部寄りに
回動自在に連結されている。従って、チルトシリンダ2
のシリンダロッド2aを伸長すると回動アーム29等か
ら構成される前記リンク機構を前傾させ、これによりフ
ォークブラケット6及びフォーク5は車体前後方向垂直
面内で下向きに回動される。逆に、チルトシリンダ2の
シリンダロッド2aを収縮すると,前記リンク機構が後
方に引き起こされ、これに伴ってフォークブラケット6
及びフォーク5が車体前後方向垂直面内で上向きに回動
される。これにより,フォーク5及びブラケット6は地
面に対して車両幅方向の前記支軸回りに傾斜角度が制御
される。従ってこの軸を、以後,チルト軸bと記す。な
お、前記フォーク5とブラケット6とは,手動による直
接操作がない限り,常時一定の角度に保持される。
【0024】また、本実施例のスエイシリンダ1は,図
7に示すように前側車軸9の車両幅方向右方寄りに,そ
のシリンダロッド1aの先端部が回動自在に連結され、
シリンダ本体の尾端部が車体8側に回動自在に連結され
ている。従って、スエイシリンダ1のシリンダロッド1
aを伸長すると,前側車軸9に対して車体8の車両幅方
向右側が上がり,相対的に左側が下がってブーム7及び
フォーク5,ブラケット6は左下がりとなり、スエイシ
リンダ1のシリンダロッド1aを収縮すると車体8の車
両幅方向右側が下ってブーム7及びフォーク5,ブラケ
ット6は右下がりとなる。これにより,フォーク5及び
ブラケット6は地面に対してほぼ車両前後方向の前記連
結支軸回りに傾斜角度が制御される。従ってこの軸を、
以後,スエイ軸cと記す。
【0025】なお、前記水平保持シリンダ3も従来と同
様に,前記リフトシリンダ4の作動に伴って変化するフ
ォーク5の傾斜角度を補正して、一度設定されたフォー
ク5の水平位置が変化しないように補償するためのもの
であり、その具体的な作用については後段に詳述する。
また、これらの図には図示されていないが,前記ブーム
7には図2に示すブームシリンダ27が内装されてお
り、このシリンダ27を伸縮することによってブーム7
が伸縮し、これに伴ってフォーク5の位置はそのときの
ブーム7の長手方向に移動される。
【0026】更に、本実施例の荷役車両では,車体を固
定するためのアウトリガを駆動するアウトリガシリンダ
や、車両の後部で牽引物を係合するためのフックを駆動
するフックシリンダ等が設けられているが、ここではそ
の詳細な構造の説明は割愛する。それに伴って,これら
のシリンダの油圧駆動回路の説明も省略する。本実施例
では前記フォークブラケット6に、傾斜センサ10,セ
ンサ駆動装置11,無線送受信機12,水平表示ランプ
13,図示されないバッテリ等が,車体8側とは独立し
て設けられている。
【0027】前記傾斜センサ10にはポテンショメータ
式の傾斜角度検出器等が用いられるが、本発明では前記
フォーク5及びブラケット6の回動制御二軸,即ち前記
スエイ軸c及びチルト軸b回りにそれらの傾斜角度を検
出する必要があるため、より正確を期すなら傾斜角度検
出器の傾斜角度検出方向を前記フォーク5及びブラケッ
ト6の各回動軸回りに設定するようにして適宜組合わせ
て使用する必要がある。勿論,傾斜角度検出器の傾斜角
度検出方向を前記回動制御二軸回りの中庸に設定し、検
出信号の軸回り方向成分の比からフォーク5及びブラケ
ット6の各制御軸回りの傾斜角度を算出できるようにす
ることも可能ではある。
【0028】前記センサ駆動装置11は、具体的に傾斜
センサ10の検出信号を取出すトランスデューサでもあ
り、後述するコントローラからの要請信号に応じて,傾
斜センサ10の検出信号を出力するインターフェースで
もある。このフォークブラケット6に独立して設けられ
た無線送受信機12は,車体8側に個別に設けられた後
述する無線送受信機14と無線信号の授受を行うもので
あり、具体的には前記傾斜センサ10で検出され,セン
サ駆動装置11から出力されるフォーク5及びブラケッ
ト6の傾斜角度検出信号を無線信号に変換して送信した
り、前記車体側無線送受信機14で無線信号に変換され
たコントローラからの要請信号を受信したりするための
ものである。
【0029】前記水平表示ランプ13はフォーク5の傾
斜角度が予め設定された水平許容角度範囲内である場合
に点灯されるものであり、具体的には後述するコントロ
ーラが,フォーク5の傾斜角度が前記水平許容角度範囲
内であると判断した場合に送出される点灯信号に基づい
て点灯される。前記バッテリは前記傾斜センサ10及び
センサ駆動装置11,無線送受信機12,水平表示ラン
プ13等の電気回路に電力を供給するためのものであ
る。本発明ではフォーク5の移動を妨げることがないよ
うにフォーク5の傾斜角度検出信号の授受を無線信号に
よって行い、また同じ目的から、これらの装置を,車体
8側とは独立してフォーク5及びブラケット6に設ける
必要がある。そのためにこれらの装置に電力を供給する
バッテリが独立して必要となる。このバッテリとしては
再充電可能な二次蓄電池が最も一般的ではあるが、装置
の駆動に必要な電力が比較的小さいことを鑑みれば太陽
電池等を使用することも可能であり、また二次蓄電池の
充電手段としてこれを用いることも有用である。
【0030】これらのフォーク側装置と信号の授受を行
い且つフォークの傾斜角度に応じて前記各駆動用油圧シ
リンダを駆動するための油圧電気回路を図2に示す。本
実施例で使用に供される油圧回路は前述した既存の油圧
回路とほぼ同様ではあるが,各駆動シリンダへの油圧供
給制御を電気的に行うために、前記四つの6ポート3位
置切換え弁には夫々,比例電磁弁15a〜15dが使用
されている。この実施例ではセンタポジションをノーマ
ル位置とするために弁の切換え方向両側,即ち左右にリ
ターンスプリング32が設けられ、左右両オフセット位
置にオフセット制御するために,同じく弁の左右には電
磁ソレノイド33a,33bが設けられている。なお、
リターンスプリング32の設定や電磁ソレノイド33
a,33bの構造並びに駆動・効果は従来,既存のもの
と同じであるからここでは詳述しない。
【0031】各6ポート3位置切換え電磁弁15a〜1
5dでは、ノーマルセンタ位置で,油圧ポンプ30に接
続されたPポートがRポートに連通されて油圧は次の電
磁弁のPポートに供給され、これを順次繰り返して,最
終的にオイルフィルタ34及び目詰まり対策用チェック
弁35から構成されるフィルタ回路36を通じてタンク
31に還元される。このとき、各6ポート3位置切換え
電磁弁15a〜15dのうち,チェック弁37を介して
油圧ポンプ30の分岐路に接続されたP’ポート,前記
Rポートからのリターン路に接続されたR’ポート,並
びに作動ポートとなるA・Bポートは夫々遮断されてい
る。この状態から左方電磁ソレノイド33aを励磁して
左オフセット位置にオフセットすると,前記Pポート及
びRポートが遮断され、同時に前記ポンプ30から分岐
されたP’ポートはAポートに,BポートはR’ポート
に接続される。逆に右方電磁ソレノイド33bを励磁し
て右オフセット位置にオフセットすると,前記Pポート
およびRポートが遮断され、前記P’ポートはBポート
に,AポートはR’ポートに接続される。これらのと
き,前記ポンプ流出路とリターン路との間に設けられて
いるメインリリーフ弁38によって制御された所定の供
給油圧が各電磁弁15a〜15dのP’ポートに供給さ
れるから、各6ポート3位置切換え電磁弁は制御圧補償
回路的に使用されていることがわかる。
【0032】また、各電磁弁15a〜15dのAポート
−R’ポート間及びBポート−R’ポート間には,チェ
ック弁40と設定圧可変リリーフ弁41とで構成される
補助リリーフ弁42が設けられている。これらの補助リ
リーフ弁42は、各作動A・Bポートの油圧が外部の荷
重により所定値以上に高まって,油圧装置が破損するの
を防止するために、所定値以上にかかる油圧をリリーフ
するものである。本実施例では、前記メインリリーフ弁
38,3位置切換え電磁弁15a〜15d,補助リリー
フ弁42までを含めて制御弁ユニットとして構成してあ
る。
【0033】前記四つの3位置切換え電磁弁のうち,図
2の最上方の電磁弁15aのAポートは、機械式2位置
切換え弁43,姿勢変化緩衝弁44,姿勢保持弁45を
介してスエイシリンダ1の伸長側油室1bに接続され、
Bポートは、姿勢変化緩衝弁44,姿勢保持弁45のみ
を介してスエイシリンダ1の収縮側油室1cに接続され
ている。従って、以下この3位置切換え電磁弁15aを
スエイ制御弁16と記す。
【0034】前記姿勢保持弁45は文字通り,スエイシ
リンダ1の伸長側・収縮側油室1b,1cからの油圧の
抜けを抑制し且つ互いの供給側油圧をパイロット圧とす
るパイロットチェック弁47で構成されている。つま
り、この姿勢保持弁45によって各油室に油圧がかから
ない限り姿勢が保持され、いずれかの油室への供給油圧
が他方の油室内の油圧以上にならないとスエイシリンダ
1を伸縮することができない。
【0035】前記姿勢変化緩衝弁44は夫々,絞り弁付
きチェック弁48で構成されており、具体的には前記各
パイロットチェック弁47から流出する油圧を絞ってシ
リンダの伸縮速度,即ちスエイ方向への姿勢変化を緩衝
するためのものである。前記機械式2位置切換え弁43
は車体8側に設けられており、前記ブーム7に設けられ
た図示されないドグによって操作され、このドグはブー
ム7が水平位置以上である場合に当該切換え弁43のア
ーム43aに押当してオフセット位置に切換える。この
実施例では左ノーマル位置でPポートがBポートに接続
され,Aポートは遮断され、右オフセット位置でPポー
トがAポートに接続され,Bポートが遮断される。そし
て、この切換え弁43のPポートは,前記スエイ制御弁
16のAポートに接続され、Aポートは,スエイシリン
ダ1の収縮側油室1cとスエイ制御弁16との油路に接
続され、Bポートは,スエイシリンダ1の伸長側油室1
bに接続されている。従って、前記スエイ制御弁16が
左オフセット位置にオフセットされると当該制御弁16
のAポートからスエイシリンダ1の伸長側油室1bに油
圧が供給され、これによりスエイシリンダ1のシリンダ
ロッド1aが伸長して車体8が車軸9に対して相対的に
傾斜するが、ブーム7が水平位置以上であると2位置切
換え弁43のアーム43aがドグにヒットされて当該切
換え弁43は右オフセット位置にオフセットされるた
め、2位置切換え弁43のPポートに供給された油圧は
そのままリターン路にリターンされ、これによりスエイ
シリンダ1は操作されない。
【0036】以上より前記2位置切換え弁43がノーマ
ル位置である場合に、スエイ制御弁16の左方電磁ソレ
ノイド33aを励磁するとスエイシリンダ1が伸長し
て,図7に示すように車体8は車軸9に対して相対的に
車両幅方向左方が下がり、スエイ制御弁16の右方電磁
ソレノイド33bを励磁するとスエイシリンダ1が収縮
して,車体8は車両幅方向右方が下がる。従って、以
下、スエイ制御弁16の左方電磁ソレノイド33aを励
磁する信号を左下り信号SLD,右方電磁ソレノイド33
bを励磁する信号を右下り信号SRDと記す。なお、この
スエイ制御弁16がノーマルセンタ位置にあるときはス
エイシリンダ1の各油室は遮断され、内部圧が保持され
て姿勢はその位置に保持される。
【0037】図2のうち,上方から2番目の3位置切換
え電磁弁15bのAポートは作動停止弁49を介してブ
ームシリンダ27の伸長側油室27bに接続され、Bポ
ートはブームシリンダ27の収縮側油室27cに接続さ
れている。従って、以下この3位置切換え電磁弁15b
をブーム制御弁17と記す。前記作動停止弁49はリリ
ーフ弁50とチェック弁51とで構成される,一種の安
全弁である。このリリーフ弁50はブームシリンダ27
の伸長側油室27bからの油圧をリリーフするが,その
パイロット圧は当該ブームシリンダ27の収縮側油室2
7cからもとられている。前記チェック弁51はブーム
シリンダ27の伸長側油室27bからの油圧を逆止す
る。従って、油路の破裂などによっていずれかの油室へ
の油圧が落ちると,リリーフ弁50へのパイロット圧が
減少して各油室からの油路が遮断され、例えばブーム7
の自重や荷物の重量で収縮しようとするブーム7の姿勢
(長さ)を保持して危険を回避することを可能とする。
【0038】以上よりブーム制御弁17の左方電磁ソレ
ノイド33aを励磁するとブームシリンダ27が伸長
し、ブーム制御弁17の右方電磁ソレノイド33bを励
磁するとブームシリンダ27が収縮するから、以下、ブ
ーム制御弁17の左方電磁ソレノイド33aを励磁する
信号を伸び信号SBE,右方電磁ソレノイド33bを励磁
する信号を縮み信号SBSと記す。なお、このブーム制御
弁17がノーマルセンタ位置にあるときはブームシリン
ダ27の各油室は遮断され、内部圧が保持されて姿勢は
その位置に保持される。
【0039】図2のうち,上方から3番目の3位置切換
え電磁弁15cのAポートはチルトシリンダ2及び水平
保持シリンダ3の伸長側油室2b,3bに接続され、B
ポートはチルトシリンダ2の収縮側油室2cに直接接続
されると共に,作動停止弁52を介して水平保持シリン
ダ3の収縮側油室3cにも接続されている。前述したよ
うに水平保持シリンダ3はリフトシリンダ4のブーム昇
降に伴ってチルトシリンダ2と共にフォーク5の水平を
保持するためのものであって,積極的な駆動制御のため
のものではないから、以下、この3位置切換え電磁弁1
5cをチルト制御弁18と記す。
【0040】前記作動停止弁52は,前述と同様の構成
であるが、この場合は水平保持シリンダ3の伸縮を防止
してブーム7の姿勢を保持し、落下や転落の危険を回避
することを可能とするものである。以上よりチルト制御
弁18の左方電磁ソレノイド33aを励磁するとチルト
シリンダ2のシリンダロッド2aが伸長して,フォーク
5及びブラケット6が下方に傾斜するように回動し、チ
ルト制御弁18の右方電磁ソレノイド33bを励磁する
とチルトシリンダ2が収縮してフォーク5及びブラケッ
ト6は上方に傾斜するように回動する。従って、以下、
チルト制御弁18の左方電磁ソレノイド33aを励磁す
る信号を下向き信号STD,右方電磁ソレノイド33bを
励磁する信号を上向き信号STUと記す。なお、このチル
ト制御弁18がノーマルセンタ位置にあるときはチルト
シリンダ2の各油室は遮断され、内部圧が保持されて姿
勢はその位置に保持される。
【0041】図2の最下方の3位置切換え電磁弁15d
のAポートは二本のリフトシリンダ4の各収縮側油室4
cに接続され、Bポートは二本のリフトシリンダ4の各
伸長側油室4bの夫々に作動停止弁53を介して接続さ
れている。従って、以下、この3位置切換え電磁弁15
dをリフト制御弁19と記す。前記作動停止弁53は,
前述と同様の構成であるが、この場合はリフトシリンダ
4の伸縮を防止してブーム7の姿勢を保持し、落下や転
落の危険を回避することを可能とするものである。
【0042】また、この実施例ではリフトシリンダ4の
収縮側油室4cとチルトシリンダ2及び水平保持シリン
ダ3の収縮側油室2c,3cとの間には,直列に接続さ
れたチェック弁54と絞り55とで構成される水平保持
緩衝弁56が設けられている。以上より、リフト制御弁
19の左方電磁ソレノイド33aを励磁するとリフトシ
リンダ4のシリンダロッド4aが収縮して,ブーム7が
前記支軸aを中心として回動しながら下降し、リフト制
御弁19の右方電磁ソレノイド33bを励磁するとリフ
トシリンダ4が伸長してブーム7は上昇する。従って、
以下、リフト制御弁19の左方電磁ソレノイド33aを
励磁する信号を下降信号SLD,右方電磁ソレノイド33
bを励磁する信号を上昇信号SLUと記す。なお、このリ
フト制御弁19がノーマルセンタ位置にあるときはリフ
トシリンダ4の各油室は遮断され、内部圧が保持されて
姿勢はその位置に保持される。
【0043】また、ブーム7の下降に伴って前記水平保
持シリンダ3は強制的に伸長され,当該水平保持シリン
ダ3の収縮側油室3cに発生する油圧はチルトシリンダ
2の収縮側油室2cに供給され、もってチルトシリンダ
2が収縮してブラケット6はブーム7の傾斜回動角度と
逆位相,即ち上向きに回動して,フォーク5の水平が保
持される。逆に、ブーム7の上昇に伴って水平保持シリ
ンダ3及びチルトシリンダ2が伸縮され、フォーク5は
下向きに回動してブラケット6の水平が保持される。
【0044】なお、チルト制御弁18を作動すると水平
保持シリンダ3にも油圧が供給されるが、前記リフト制
御弁19を作動しない限り,ブーム7は可動状態となら
ないので実質的に水平保持シリンダ3は伸縮しない。本
実施例では前記各制御弁制御信号を送出するコントロー
ラ20が車体8側に設けられている。このコントローラ
20はCPU,ROM,RAM等を備えたマイクロコン
ピュータ等で構成されている。
【0045】一方、このコントローラ20には,前記フ
ォーク側無線送受信機12とは個別に,車体8側に設け
られた無線送受信機14が接続されている。従って、前
記フォーク側無線送受信機12から送信された無線信号
は,この車体側無線送受信機14で受信されてコントロ
ーラ20に読込まれ、コントローラ20から送出される
要請信号は車体側無線送受信機14で無線信号に変換さ
れ,フォーク側無線送受信機12で受信されて前記セン
サ駆動装置11等に出力される。
【0046】また、各油圧シリンダ1〜5の操作レバー
104〜107は従来と同様にキャビン内の運転席近傍
に配設されているが、従来のように直接,前記各制御弁
16〜19を操作するのではなく、操作レバー104〜
107の回動中心に設けられたポジショナ57によって
電気的操作角度信号に変換され、この操作角度信号がコ
ントローラ20に読込まれてコントローラ20からの制
御信号によって各制御弁16〜19が駆動される。
【0047】このコントローラ20は種々の機能を併せ
持つが、本実施例の最も特徴とする機能はフォーク5の
自動水平調整機能である。そのために、キャビン内の運
転席近傍,例えばインストゥルメントパネル等に自動水
平調整スイッチが配設され、このスイッチを操作すると
自動水平調整信号がコントローラ20に向けて送出され
る。また、同じく運転席近傍には,全ての自動水平調整
が終了したと運転者が判断したときに操作する自動水平
調整終了スイッチも配設されており、このスイッチを操
作すると前記自動水平調整スイッチが解除されて自動水
平調整信号の送出が終了すると共に,自動水平調整終了
信号がコントローラ20に向けて送出される。また、前
記フォーク5の傾斜角度が水平許容角度範囲内にある場
合にそれを表示する水平表示ランプはこの運転席近傍に
も設けられている。
【0048】この自動水平調整信号を読込んだ時点で行
われる自動水平調整の制御ロジックを,コントローラ2
0に予め記憶された図3に示すフローチャートに基づい
て説明する。この制御ロジックは前記自動水平調整信号
が入力されている間,所定時間毎にタイマ割込みで繰り
返し行われる。まず、ステップS1で自動水平調整スイ
ッチによる自動水平調整信号を読込む。
【0049】次にステップS2に移行して、フォーク側
無線送受信機12,傾斜センサ10及びセンサ駆動装置
11の電源ON信号を送出する。この電源ON信号は、
前記車体側無線送受信機14から無線信号で送信され、
フォーク側無線送受信機12がこれを受信して自己の電
源をONした後,センサ駆動装置11の電源がONされ
て更に傾斜センサ10の電源がONされる。
【0050】次にステップS3に移行して、水平表示ラ
ンプ13回路の電源ON信号を送出する。この電源ON
信号は、前記水平表示ランプ13回路の電源をONする
が,具体的に回路電源が入るだけで水平表示ランプ13
は点灯されない。次にステップS4に移行して、フォー
ク5の傾斜角度検出要請信号を送出する。この傾斜角度
検出要請信号は、車体側無線送受信機14からフォーク
側無線送受信機12を経てセンサ駆動装置11に入力さ
れ、このセンサ駆動装置11の作用によって傾斜センサ
10からの傾斜角度検出信号が出力される。
【0051】次にステップS5に移行して、前記傾斜角
度検出信号をフォーク側無線送受信機12により無線信
号に変換して送信する。次にステップS6に移行して、
前記無線信号を車体側無線送受信機14で受信する。次
にステップS7に移行して、前記車体側無線送受信機1
4で受信された傾斜角度検出信号からフォーク5の傾斜
角度を読込む。
【0052】次にステップS8に移行して、前記フォー
ク5の傾斜角度から前記チルト軸b回り及びスエイ軸c
回りの傾斜角度を算出する。次にステップS9に移行し
て、まず前記チルト軸b回りのフォーク5の傾斜角度が
予め設定された水平許容角度範囲内であるか否かを判別
し、この傾斜角度が水平許容角度範囲内である場合には
ステップS10に移行し、そうでない場合にはステップ
S11に移行する。
【0053】前記ステップS11では、チルト軸b回り
のフォーク5の傾斜角度が水平に対して上向きから否か
を判別し、この傾斜角度が水平より上向きである場合に
はステップS12に移行し、そうでない場合にはステッ
プ13に移行する。前記ステップS12では、フォーク
5をチルト軸b回りに下向き制御するチルトシリンダ2
下向き制御信号STDを前記チルト制御弁18に向けて出
力し、前記ステップS4に移行する。
【0054】前記ステップS13では、フォーク5をチ
ルト軸b回りに上向き制御するチルトシリンダ2上向き
制御信号STUを前記チルト制御弁18に向けて出力し、
前記ステップS4に移行する。一方、前記ステップS1
0では、前記スエイ軸c回りのフォーク5の傾斜角度が
予め設定された水平許容角度範囲内であるか否かを判別
し、この傾斜角度が水平許容角度範囲内である場合には
ステップS14に移行し、そうでない場合にはステップ
S15に移行する。
【0055】前記ステップS14では、フォーク5をス
エイ軸c回りに左下り制御するスエイシリンダ右下り制
御信号SRDを前記スエイ制御弁16に向けて出力し、前
記ステップS4に移行する。前記ステップS13では、
フォーク5をスエイ軸c回りに右下り制御するスエイシ
リンダ左下り制御信号SLDを前記スエイ制御弁16に向
けて出力し、前記ステップS4に移行する。
【0056】前記ステップS14では、前記チルト軸b
回りの傾斜角度もスエイ軸c回りの傾斜角度も夫々水平
許容角度範囲内であるとして,水平表示ランプ13の点
灯信号を送出する。この点灯信号は,前記車体側無線送
受信機14,フォーク側無線送受信機12を経て水平表
示ランプ13回路を閉じ,これにより水平表示ランプ1
3が点灯される。同時に前記運転席近傍の水平表示ラン
プも点灯される。
【0057】次にステップS18に移行して、前記自動
水平調整終了信号を読込む。次にステップS19に移行
して、前記自動水平調整終了信号が入力されるか否かを
判別し、当該終了信号が入力される場合にはステップS
20に移行し、そうでない場合には前記ステップS4に
移行する。前記ステップS20では、特にフォーク5側
の各装置並びに回路の電源をOFFする電源OFF信号
を送出して制御ロジックを終了する。この電源OFF信
号により、傾斜センサ10,センサ駆動装置11,水平
表示ランプ13回路,フォーク5側無線送受信機12の
各電源がOFFされ、当然のことながら水平表示ランプ
13も消灯される。
【0058】次にこの制御ロジックの作用について説明
する。まず、ステップS1〜S3で電源ONされたフォ
ーク5側の各装置は、ステップS4,S5でフォーク5
の傾斜角度を検出して車体8側に無線送信する。次にス
テップS6〜S8でフォーク5のチルト軸b回り,スエ
イ軸c回りの傾斜角度、即ち対地面のフォーク5の傾斜
角度制御二軸回りの傾斜角度を検出する。
【0059】そしてステップS9〜S17では、各制御
二軸回りの傾斜角度を水平許容角度範囲内におさまるよ
うに補正制御し、両制御軸回りの傾斜角度が水平許容角
度範囲内となった時点で水平表示ランプ13を点灯す
る。これを認識した運転者が,この時点で前記自動水平
調整終了スイッチを操作すると、ステップS18〜S2
0で自動水平調整が終了されるが、運転者が自動水平調
整を続行したい,或いは完全に自動水平調整が終了して
いないと判断して前記自動水平調整終了スイッチを操作
しない場合には、前記ステップS4〜S17を繰り返し
て自動水平調整制御が継続され、フォーク5の傾斜角度
が水平許容角度範囲内にある限り水平表示ランプ13も
点灯され続けるから,運転者はフォーク5の水平を認識
し続けることができ、万が一,水平表示ランプ13が消
灯した場合には,一時,荷役移載作業を中断すれば再び
自動水平調整制御が行われて、水平表示ランプ13が点
灯した時点で作業を再開すればよい。
【0060】なお、水平という基準に対して対地面の二
軸回りの補正制御を行う本発明の水平制御装置では,制
御のハンチングを抑制するために水平に対してある程度
の許容幅を持たせた水平許容角度範囲を予め設定する。
これは特に油圧シリンダ等のように所定の制御量の通り
に制御を実行することが困難で,且つ制御量と実行量と
のフィードバック制御に時間を要する場合には当然のこ
とと言える。逆に言えば、この水平許容角度範囲は制御
速度,応答速度,応答時間等から適宜選定すべきであ
る。
【0061】一方で、載置部の駆動手段にサーボモータ
等,制御量制御が可能で且つフィードバック制御がリア
ルタイムに行えるものを使用する場合には、この水平許
容角度範囲を極めて小さくすることができ、原理的には
“±0”という制御も可能ではある。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明の建設機械の
載置部水平制御装置によれば、載置部の二軸回りの傾斜
角度検出検出信号を無線信号として送信し、この無線信
号を受信して載置部の傾斜角度が水平許容角度範囲内で
あるか否かを判別し、傾斜角度が水平許容角度範囲外で
ある場合には,載置部の傾斜角度が水平許容角度範囲内
になるように補正するために、自動水平調整制御を可能
とし、しかもフォーク等の載置部の移動を妨げることが
ない。また、前記載置部の傾斜角度が水平許容角度範囲
内であることを表示すれば,運転者等はこれを容易に認
識することができるから、特に熟練を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建設機械の載置部水平制御装置のクレ
ーム対応図である。
【図2】本発明の建設機械の載置部水平制御装置の一実
施例を示すシリンダ駆動電気油圧回路のブロック図であ
る。
【図3】図2のコントローラで行われる制御ロジックの
フローチャート図である。
【図4】図2及び図3に示す載置部水平制御装置を用い
た荷役車両の概略側面図である。
【図5】荷役車両の駆動装置の配設状態を示す説明図で
ある。
【図6】従来の荷役車両の概略側面図である。
【図7】荷役車両の概略正面図である。
【図8】従来の荷役車両におけるシリンダ駆動油圧回路
の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1はスエイシリンダ 2はチルトシリンダ 3は水平保持シリンダ 4はリフトシリンダ 5はフォーク 6はブラケット 7はブーム 8は車体 9は車軸 10は傾斜センサ 11はセンサ駆動装置 12はフォーク側無線送受信機 13は水平表示ランプ 14は車体側無線送受信機 15a〜15dは3位置切換え電磁弁 16はスエイ制御弁 17はブーム制御弁 18はチルト制御弁 19はリフト制御弁 20はコントローラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建設機械に設けられた載置部を,対地面
    の二軸回りに回動する駆動手段を備えた建設機械の載置
    部水平制御装置であって、少なくとも前記駆動手段によ
    って回動される載置部の二軸回りで,当該載置部の傾斜
    している角度を検出する傾斜角度検出手段と、少なくと
    も前記傾斜角度検出手段からの検出信号を無線信号とし
    て送信する機能を有して,前記載置部側に独立して設け
    られた載置部側送受信手段と、少なくとも前記載置部側
    送受信手段からの無線信号を受信して検出信号を出力す
    る機能を有して,前記載置部側とは個別に設けられた本
    体側送受信手段と、前記本体側送受信手段からの出力信
    号に基づいて,前記載置部の傾斜角度が予め設定された
    水平許容角度範囲内にあるか否かを判別する判別手段
    と、前記載置部の傾斜角度が前記水平許容角度範囲外で
    あるときに,その傾斜角度を補正して水平許容角度範囲
    内になるように前記駆動手段を制御する制御手段とを備
    えたことを特徴とする建設機械の載置部水平制御装置。
  2. 【請求項2】 前記載置部の傾斜角度が水平許容角度範
    囲内であるときに,これを表示する表示手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の建設機械の載置部水平
    制御装置。
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