JPH0624742U - 非発塵性吸水性物品 - Google Patents

非発塵性吸水性物品

Info

Publication number
JPH0624742U
JPH0624742U JP3478691U JP3478691U JPH0624742U JP H0624742 U JPH0624742 U JP H0624742U JP 3478691 U JP3478691 U JP 3478691U JP 3478691 U JP3478691 U JP 3478691U JP H0624742 U JPH0624742 U JP H0624742U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
water
hydrophilic
water absorbent
absorbent article
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3478691U
Other languages
English (en)
Other versions
JP2530828Y2 (ja
Inventor
マリ 酒井
浩良 藤本
隆裕 大賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
W.L.Gore&Associates G.K.
W.L.Gore&Associates,Co.,LTD.
Japan Gore Tex Inc
Original Assignee
W.L.Gore&Associates G.K.
W.L.Gore&Associates,Co.,LTD.
Japan Gore Tex Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by W.L.Gore&Associates G.K., W.L.Gore&Associates,Co.,LTD., Japan Gore Tex Inc filed Critical W.L.Gore&Associates G.K.
Priority to JP1991034786U priority Critical patent/JP2530828Y2/ja
Publication of JPH0624742U publication Critical patent/JPH0624742U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2530828Y2 publication Critical patent/JP2530828Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クリーンルームや医療分野に用いて好適な発
塵を生じない吸水性物品の提供。 【構成】 平均細孔直径が10μm以下でかつ親水化さ
れた多数の細孔を有する多孔質フッ素樹脂フィルム1を
用いて吸水性材料3を被包した包装体からなる非発塵性
吸水性物品。この吸水性物品は、クリーンルーム内にお
ける水汚れの除去用ワイパーや、精度機械の水汚れ除去
用ワイヤー、医療分野における体液吸収体等として応用
される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、クリーンルームや医療分野において使用される非発塵性吸水性物品 に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその課題点】
クリーンルーム内における水汚れを除去するために、ナイロンや、ポリエステ ル、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、セルロース、レーヨン等のケバ立 ちのない高分子長繊維よりなる不織布が用いられている。しかし、このような不 織布の場合、その繊維から微小なリント(粉塵)が発生し、クリーンルーム内を 汚染するという問題があり、未だ満足すべきものではなかった。 一方、多孔質フッ素樹脂フィルムを用いてシリカゲル等の吸湿剤を被包した包 装体は知られている。しかし、この包装体の場合、そのフィルムが疎水性のため 、水蒸気の吸湿や、アルコール及びオイルの吸収は可能であるものの、水を吸収 させることはできない。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、非発塵性でかつ水を吸収し得る吸水性物品を提供することをその課 題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本考案を完成す るに至った。
【0005】 即ち、本考案によれば、平均細孔直径が10μm以下でかつ親水化された多数 数の細孔を有する多孔質フッ素樹脂フィルムを用いて吸水性材料を被包した包装 体からなる非発塵性吸水性物品が提供される。
【0006】 本考案で用いる吸水性材料は、水又は水溶液を容易に吸収し得る材料であれば よく、従来公知のものを用いることができる。このようなものとしては、各種の 吸水性ポリマー(デンプン系、セルロース系、ポリアクリル酸塩系、ポリビニル アルコール系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルピロリドン系、ポリオキシエ チレン系等の製品、増田房義著、共立出板株式会社発行、「高吸収性ポリマー」 を参照)の他、シリカゲル、ゼオライト、パルプ、吸水紙等が挙げられる。この 吸水性材料は、粉粒体状、繊維状、織物状、不織布状、シート状、ラミネート状 等の各種の形状であることができる。本考案では、特に、吸水性ポリマーで作ら れたフィルム、織物、繊維、不織布等の使用が好ましい。
【0007】 本考案で用いる包装材料は、平均細孔径が10μm以下の多数の細孔を有する 多孔質フッ素樹脂フィルムを基材フィルムとして用い、その細孔を親水化したも のである。 親水化処理用の基材フィルムとして用いる多孔質フッ素樹脂フィルムは、平均 細孔直径が10μm以下の連続した微細孔(透孔)を有し、フィルム全体として 連続微細孔構造を有するものであればよく、その細孔を形成させる手段も特に限 定されず、延伸や拡張、発泡、抽出等が採用される。また、フッ素樹脂の種類は 特に限定されず、各種のものが用いられる。本考案で用いる好ましいフッ素樹脂 は、ポリテトラフルオロエチレンであるが、その他、テトラフルオロエチレン/ ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン 等も使用し得る。 本考案においては、多孔質ポリテトラフルオロエチレン、特に延伸された多孔 質ポリテトラフルオロエチレンの使用が好ましい。 本考案で基材フィルムとして好ましく用いる多孔質フッ素樹脂フィルムは、ポ リテトラフルオロエチレンの延伸物からなり、平均細孔直径:10μm以下、好 ましくは1μm以下、空孔率:15〜95%、好ましくは50〜95%を有する ものである。このような基材フィルムについては、特公昭56−45773号、 特公昭56−17216号、米国特許第4187390号に詳述されている。
【0008】 本考案において用いる包装材料は、前記基材フィルムに対して、その細孔内に 、親水化剤を付着結合させることによって得ることができる。細孔内に付着結合 させる親水化剤としては、親水基を有する各種の界面活性剤やポリマー等の有機 物質を用いることができる。この場合、親水基としては、ヒドロキシル基、カル ボキシル基、スルホン基、シアノ基、ピロリドン基、イソシアネート基、イミダ ゾール基、リン酸基、N−置換されていてもよいアミド基、N−置換されていて もよいアミノ基、スルホンアミド基等を挙げることができる。また、またそれら の親水基の活性水素には、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシドやプロ ピレンオキシドが付加反応されていてもよい。
【0009】 本考案においては、親水化剤として、親水性高分子が有利に使用される。親水 性高分子は、水溶性を有していてもよいが、この場合には、基材フィルムの細孔 内に付着結合させた高分子が使用に際し、溶出し、その細孔内表面を十分な親水 性に保持させることができなくなるおそれがある。従って、本考案では、親水性 高分子としては、有機溶媒には可溶性を示し、水又は水溶液に対しては、幾分の 可溶性を示すもの、好ましくは実質的に水不溶性を示すものの使用が好ましい。 親水性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリ ロニトリル、ポリビニルスルホン、ポリウレタン、ポリエチレンオキシド、でん 粉、カルボキシルメチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ソーダ、グ ルテン、コラーゲン、カゼイン等の親水性を有する各種の合成及び天然高分子が 使用可能であるが、特に基材フィルムに対する付着結合性の点から、含フッ素親 水性高分子の使用が有利である。このような含フッ素親水性高分子は、フッ素含 有エチレン性不飽和モノマーと、フッ素を含まない親水基含有ビニルモノマーを 共重合化させることにより得ることができる。フッ素含有モノマーとしては、例 えば、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、モノクロロ トリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ ン等が挙げられる。含フッ素親水性高分子を用いるときには、耐熱性、耐薬品性 にすぐれた親水化包装材料を得ることができる。
【0010】 好ましいフッ素含有モノマーは、次の一般式で示すことができる。 CXY=CFZ (1) 前記式中、Zはフッ素又は水素を示し、X及びYは水素、フッ素、塩素及びト リフルオロメチル(−CF3)の中から選ばれる。 また、他の好ましいフッ素含有モノマーは、次の一般式で示すことができる。 CH2=CR | (2) COORf CH2=CR | (3) OCORf CH2=CR | (4) O=C−Rf CH2=CR | (5) O−Rf CH2=CR | (6) CONHRf 前記式において、Rは水素、フッ素、メチル基、エチル基、トリフルオルメチ ル基(CF3)又はペンタフルオルエチル(C25)である。Rfは炭素数4〜2 1のパーフルオロアルキル基を示す。
【0011】 一方、親水基含有モノマーとしては、前記した各種の親水基を有するビニルモ ノマー及びそれらの親水基の活性水素にアルキレンオキシド、例えばエチレンオ キシドやプロピレンオキシドを付加反応させたモノマーも好適のものである。酢 酸ビニルのように、共重合化後、加水分解することにより親水基含有コポリマー を与えるものも使用される。 親水性モノマーの具体例としては、ビニルアルコール、アクリル酸、メタクリ ル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸のような不飽和カルボン酸の他、以下 に示す如きアクリル酸やメタクリル酸のアルキレンオキシド付加体が挙げられる 。 CH2=CR | (7) COO(C24O)nH CH2=CR | (8) COO(C36O)nH CH2=CR | (9) COO(C36O)m(C24O)nH CH2=CR | (10) CONH(CH23NH2 前記式中、Rは水素又はメチル基であり、n及びmは1以上の整数である。 含フッ素モノマー及び親水基含有モノマーはいずれも一種又は二種以上であっ てもよい。また、前記含フッ素モノマーと親水基含有モノマーには、必要に応じ 、さらに、他のビニルモノマー、例えば、アクリル酸やメタクリル酸のアルキル エステル、トリメチロールプロパンの如き多価アルコールとアクリル酸又はメタ クリル酸とのエステル等を併用することができる。
【0012】 親水性高分子として好ましく用いられるビニアルコールとフッ素含有モノマー とのコポリマーは、ビニルアセテートとフッ素含有モノマーとのコポリマーをケ ン化し、コポリマーに含まれるアセテート基をヒドロキシル基に変換することに より得ることができる。この場合、コポリマーに含有されるアセテート基は、必 ずしもその全てをヒドロキシル基に変換させる必要はなく、アセテート基のヒド ロキシル基への変換はコポリマーが親水性を有する程度まで行えばよい。 本考案において親水化剤として好ましく使用される含フッ素親水性コポリマー のフッ素含有率量は、重量基準で、通常2%〜60%、好ましくは10%〜60 %、更に好ましくは20%〜60%である。含フッ素親水性コポリマーのフッ素 含有率が多すぎると、耐熱性は良くなるもののポリマーの親水性が低下する。一 方、フッ素含有率が少なすぎると含フッ素親水性コポリマーの基材フィルムに対 する接着性が小さくなり、耐熱性も小さくなる。 本考案で好ましく用いる含フッ素親水性コポリマーにおいて、その親水基当量 は、一般に、45〜700、好ましくは60〜500、更に好ましくは60〜4 50である。この親水基当量が45未満の場合、含フッ素親水性コポリマーの溶 解度が非常に大きくなり、そのコポリマーは水で基材フィルムから溶出されやす くなり、一方、親水基当量が700より大きくなると親水性が小さくなりすぎて 、基材フィルムの親水性化を達成できなくなる。
【0013】 表1〜表2にいくつかのコポリマーについて、そのコポリマー中の含フッ素モ ノマー単位のモル%、フッ素重量%(F−wt%)及び親水基当量(Eq−W) を示す。VOHはビニルアルコールである。 なお、本明細書における親水基当量(Eq−W)とは、コポリマーの分子量を 、親水基の数で割った値である。以下に示した親水基当量は、次式により算出さ れる。 A・x+B・y Eq−W=────────── y 式中、A・xは、含フッ素モノマーの分子量にそのモル数xをかけた値であり、 一方、B・yは親水基含有モノマーの分子量にそのモル数yをかけた値である。
【0014】
【表1】 コポリマー コポリマー中 コポリマー中の のモル比 含フッ素モノマー F-wt% Eq-W 単位のモル% (CF2=CF2)x/(VOH)y X=1, Y=40 2.4 4.2 45.5 1, 30 3.2 5.5 46.4 1, 20 4.8 7.9 48.0 1, 10 9.1 14.3 53 1, 4 20 27.5 68 1, 1 50 53.1 143 10, 1 91 72.8 1043 (CF2=CFH)x/(VOH)y X=1, Y=40 2.4 2.1 44.6 1, 30 3.2 2.8 45.2 1, 20 4.8 4.1 46.2 1, 10 9.1 7.5 49 1, 4 20 − − 1, 1 50 33.6 107 10, 1 91 55.6 683 (CFH=CH2)x/(VOH)y X=1, Y=40 2.4 1.1 44.2 1, 30 3.2 1.4 45.6 1, 20 4.8 2.1 45.3 1, 10 9.1 4.0 47.6 1, 4 20 − − 1, 1 50 21.3 89 10, 1 91 37.8 503
【0015】
【表2】 コポリマー コポリマー中 コポリマー中の のモル比 含フッ素モノマー F-wt% Eq-W 単位のモル% (CF2=CFCl)x/(VOH)y X=1, Y=40 2.4 3.1 46.0 1, 30 3.2 4.0 46.9 1, 20 4.8 5.8 48.9 1, 10 9.1 10.4 54.6 1, 4 20 − − 1, 1 50 35.8 159 10, 1 91 47.2 1208 (CF2=CCl2)x/(VOH)y X=1, Y=40 2.4 2.0 46.6 1, 30 3.2 2.7 47.7 1, 20 4.8 3.8 50.0 1, 10 9.1 6.7 57 1, 4 20 − − 1, 1 50 20.8 183 10, 1 91 26.3 1442 (CF2=CFCF3)x/(VOH)y X=1, Y=40 2.4 6.1 46.8 1, 30 3.2 7.9 48.0 1, 20 4.8 11.3 50.5 1, 10 9.1 19.6 58 1, 4 20 − − 1, 1 50 59.0 193 10, 1 91 73.9 1543
【0016】 基材フィルムの細孔内表面に親水性高分子を付着結合させるためには、例えば 含フッ素親水性コポリマーを、アルコール、ケトン、エステル、アミドあるいは 炭化水素のような有機溶媒中に溶解し、その溶液中に基材フィルムを浸漬するか 、あるいはその溶液をスプレー又はローラーを用いたコーティング法により基材 フィルムにその溶液を含浸させた後、乾燥させる。このようにして、親水性高分 子が内表面に付着し、水が微細孔内に浸入することが可能となる。基材フィルム に対する親水性高分子の付着量は、基材フィルムの親水性を高めるのに十分な量 であればよく、使用する基材フィルムの多孔性等により変化するが、通常、最終 生成物の重量に対して、1.5〜10重量%、好ましくは2〜6重量%である。
【0017】 また、親水性多孔質フッ素樹脂フィルムは、これに含フッ素モノマーと親水基 に変換可能な酢酸ビニルのような疎水性モノマーからなるコポリマーの有機溶媒 溶液を含浸させ、フィルムを乾燥し、次いでそのアセテート基の少なくとも一部 を親水基に変換することにより製造することもできる。
【0018】 前記のようにして得られる親水性多孔質フッ素樹脂フィルムは、親水性高分子 材料が細孔内表面に膜状又は粒子状に結合している構造を有する。これにより細 孔内には水及び各種の水溶液が浸入し、透過できるようになる。親水性高分子の 親水基当量を適度な範囲に規定し、高分子の水に対する溶解性をコントロールす ることにより、高分子そのものの基材フィルムからの溶離を防ぐことできる。含 フッ素親水性コポリマーの多孔質フッ素樹脂フィルムへの付着結合力は、他の親 水性高分子に比較して、そのコポリマー中のフッ素原子の作用によって強力なも のとなり、その耐久性も安定した状態で長期間にわたって維持される。 基材フィルムに対して、他の親水化剤、例えば、界面活性剤を付着結合させる 場合には、基材フィルムを界面活性剤溶液と接触させてその基材フィルムの細孔 内に界面活性剤を付着結合させた後、乾燥処理すればよい。
【0019】 本考案の吸水性物品は、前記のようにして形成された親水化細孔を有する多孔 質フッ素樹脂フィルムを包装材料として用いて、吸水性材料を被包し、包装体と したものであるが、その実施例を図1〜図3に示す。 図1〜図3において、1は親水化された多孔質フッ素樹脂フィルムからなる包 装材料を示し、2はその接合部(シール部)を示す。この接合部は、融着の他、 接着剤による接着により形成することができる。 図1において、3は粒状の吸水性材料を示す。図2において、4は、シート状 吸水性材料(例えば、吸水性ポリマーを用いて形成したシート、織物、不織布等 )を示す。図3において、5は吸水性高分子シート又は層状に形成された吸水性 高分子粒子を示し、6はその両面に被覆された吸水紙を示す。
【0020】
【考案の効果】
本考案の吸水性物品は、吸水性材料を親水化された非発塵性の多孔質フッ素樹 脂フィルムで被包した包装体としたことから、使用に際し、発塵を生じることは なく、しかも、その多孔質フッ素樹脂フィルムは、親水化されたもので、水及び 水溶液が透過することから、この包装体を水や水溶液と接触させることにより、 その水や水溶液をそのフィルムを通して吸水性材料に容易に吸収させることがで きる。 本考案の吸水性物品は、半導体製造用等のクリーンルーム内における水汚れの 除去用ワイパーや、精密機械の水汚れ除去用ワイパーとして用いられる他、医療 分野における体液吸収用物品等として用いられる。
【0021】 次に、親水化された多孔質フッ素樹脂フィルムの製造について詳細に説明する 。 (実験手順) (1)厚さ フィルム厚さは1/1000mmの精度を有するダイアル測厚ゲージにて測定 した。 (2)エタノールあわだち点(EBP) フィルムの表面にエタノールを広げ、そのフィルムを固定装置に水平におき、 EBPを評価した。この場合、空気を底面から吹きつけた。EBPは、空気泡が 反対側の表面から連続して出た際の初期圧力(kg/cm2)である。 (3)空孔率 親水化以前のフィルムの空孔率は材料の密度を測定して得た。フィルム(ポリ テフトラフルオロエチレン)の密度は2.2g/cm3である。空孔率は以下の 式を用いて算出した。 空孔率=(2.2−サンプル密度)÷2.2×100 親水化後のフィルムの空孔率の計算においては、密度として2.2g/cm3 の替りに2.1g/cm3を採用した。 (4)流れ時間 流れ時間は、200mlの水を1気圧真空下で35mm厚のフィルムを通して 通過させるに必要な時間である。フィルムを水平に固定し、水を上から注ぐ。次 いで下部から吸引する。親水化前のフィルムの測定の場合には、フィルムを先ず エタノールで含浸してフィルムに親水性を付与する。 (5)耐久性 親水化処理後のフィルムの耐久性は、5回の流れ時間試験(1回毎に乾燥)後 、又は流れ試験機及び方法を用いて10リットルの水の流通後の親水性で示され る。 (6)フッ素及び水酸基含量 フッ素含量及び水酸基含量は計算で求める。 (7)水透過性(WP) WPは次式により求める。 WP=200÷(流れ時間−60×(1.75)2×3.14) (8)耐熱性 耐熱性はフィルムを枠に固定した後、フィルムを試験温度に制御した空気オー ブン中に所定時間置いた後、親水性を下記に従って測定することにより求める。 (9)ガーレイ値(GN) GNは、100cm3の空気が6.45cm3のフィルム面積を12.4cm 水圧下で通過するに必要な時間を測定することにより求める。 (10)耐酸、耐アルカリ及び耐溶剤性 フィルムを所定時間液中に浸漬、乾燥後親水性を下記に従って測定し、この測 定値によって評価する。 (11)親水性 初期親水性は高さ5cmのところから水滴をフィルム表面に落し、水滴が吸収 されるまでにかかる時間を測定することにより求める。親水性は次のように評価 する。 A:1秒以内に吸収 B:自然に吸収 C:加圧してのみ吸収 D:吸収されないが接触角は減少 E:吸収されない。即ち、水を撥ねる。このE評価は多孔性フッ素樹脂フィル ムに特有である。
【0022】 親水性フィルムの製造例1 テトラフロロエチレン/ビニルアルコール共重合体(テトラフロロエチレン/ ビニルアルコール共重合体のケン化合物;ケン化度100%;フッ素含量27重 量%;水酸基含量14.5ミリモル/g)を1リットルのメタノールに溶かし、 0.2重量%メタノール溶液を調製した。厚さ40μm、空孔率80%の多孔質 フッ素樹脂フィルムを上記メタノール溶液中に浸漬して含浸した後、枠に固定し 、50℃で5分間乾燥した。同様な工程を5回繰返し、親水性がA評価で、流れ 時間が60秒の親水性多孔質フィルムを得た。このものの厚さは30μmで、空 孔率は70%、細孔直径は0.2μm、WPは20cm3/cm2・分であった。 耐熱温度120℃において、この良好な親水性は24時間後も維持された。 また、このフィルムを水中に浸漬したところ、水中への物質の溶解は起らなか った(コポリマーの溶出なし)。沸騰水中に浸漬した場合も変化は見られなかっ た。上記のフィルムは、12規定塩酸(室温)や1規定塩酸(80℃)などの酸 に対し高い耐酸性を示し、また、5規定水酸化ナトリウム(室温)や1規定水酸 化ナトリウム(80℃)などのアルカリに対しても高い耐アルカリ性を示した。 親水化フィルム製造例2 テトラフロロエチレン/酢酸ビニルコポリマーをメチルエチルケトンに溶かし 、0.3重量%溶液を調製した。厚さ40μm、空孔率80%の多孔質ポリテト ラフロロエチレンフィルムを上記溶液で含浸した後枠に固定し、60℃で5分間 乾燥した。同様な工程を5回繰返した。得られたフィルムをナトリウムメトキシ ド含有エタノール中に浸漬して30分加熱処理してケン化を行ったケン化処理し た親水化フィルムを水洗した。このフィルムは前記製造例1のフィルムと同様な 特性を示した。
【0023】 親水化フィルム製造例3 厚さ48μm、GN6.1秒、EBP1.15kg/cm2、空孔率76%、 流れ時間36秒の多孔質ポリテトラフロロエチレンフィルムを、前記製造例1で 用いた共重合体の1%メタノール溶液中に30秒間浸漬し、取り出してから枠に 固定した後、室温で1時間乾燥した。得られたフィルムの物性は次の通りであっ た。フィルムのコポリマー含量:0.75kg/m2、膜厚:39μm、GN: 10.4秒、EBP:1.2kg/cm2、空孔率:71%、流れ時間:56秒 、WP速さ:20cm3/m2・分。
【0024】 また、フィルムの耐久性、耐熱性、耐酸化性、耐アルキリ性、耐溶剤性につい て以下のようにしてその試験を行った。 (耐久性試験) 親水化フィルムに200mlの水を5回通じ(1回毎に乾燥)るか(方法1) 、又は10リットルの水を連続して通じた(方法2)後、親水性試験を行った。 結果は次の通りである。 耐久性試験条件 親水性試験結果 方法1 A 方法2 A 親水化フィルムを5回流れ時間試験に供した。尚、各試験毎に乾燥を行った。 次いで、このフィルムについて親水性試験を行ったところ、Aの評価が得られた 。また、別の親水化フィルムについて、流れ時間試験機及び試験法を用いて、1 0リットルの水を連続して通じた。このフィルムの親水性試験結果はAであった 。
【0025】 (耐熱性) 親水化フィルムを次下の温度、時間で加熱処理した後、親水性試験を行ったと ころ、次の結果を得た。 温度 時間 親水性試験結果 100℃ 30時間 A 120℃ 5時間 B(60秒後に吸収) 120℃ 24時間 B(60秒後に吸収) 120℃ 48時間 B(120秒後に吸収) 120℃ 2時間 C又はD 150℃ 24時間 D 200℃ 1時間 D (耐酸化性) 親水化フィルムを以下に示す酸化条件下に以下に示す時間浸漬した後、親水性 試験を行ったとろ、次の結果を得た。 酸化剤 温度 時間 親水性試験結果 1N塩酸 80℃ 2時間 A 3N硝酸 室温 350時間 A 12N硝酸 室温 1時間 A (耐アルカリ性) 親水化フィルムを以下に示すアルカリ性条件下で以下に示す時間浸漬した後、 親水性試験を行ったところ、以下の結果を得た。 アルカリ 温度 時間 親水性試験結果 1N水酸化ナトリウム 80℃ 1時間 A 1N水酸化ナトリウム 80℃ 5時間 D 6N水酸化ナトリウム 室温 36時間 A (耐有機溶剤性) 親水化フィルムを以下に示す溶剤を通じた後、親水性試験を行ったところ、次 の結果を得た。 溶剤 流通量 親水性試験結果 メタノール 300ml A エタノール 2000ml A アセトン 5000ml A メタノールは、コポリマーの良好な溶剤であるにも拘らず、300mlのメタ ノール流通後の親水性はAであった。なお、エタノール及びアセトンは上記コポ リマーの良好な溶剤ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸水性物品の1つの実施例についての説明断面
図を示す。
【図2】吸水性物品の他の実施例についての説明断面図
を示す。
【図3】吸水性物品のさらに他の実施例についての説明
断面図を示す。
【符号の説明】
1 親水化多孔質フッ素樹脂フィルム 2 接合部 3 粒子状吸水性材料 4 シート状吸水性材料 5 シート状吸水性材料又は層状吸水性材料 6 吸水紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27:12

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均細孔直径が10μm以下でかつ親水
    化された多数の細孔を有する多孔質フッ素樹脂フィルム
    を用いて吸水性材料を被包した包装体からなる非発塵性
    吸水性物品。
  2. 【請求項2】 該多孔質フッ素樹脂フィルムの細孔内の
    親水化のために、該細孔内に親水性高分子が付着結合さ
    れている請求項1の吸水性物品。
  3. 【請求項3】 該親水性高分子がフッ素を含有する高分
    子である請求項2の吸水性物品。
  4. 【請求項4】 該親水性高分子がテトラフルオロエチレ
    ンとビニルアルコールとの共重合体である請求項2の吸
    水性物品。
  5. 【請求項5】 該フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチ
    レンである請求項1〜4のいずれかの吸水性物品。
JP1991034786U 1990-05-18 1991-04-17 非発塵性吸水性物品 Expired - Lifetime JP2530828Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1991034786U JP2530828Y2 (ja) 1990-05-18 1991-04-17 非発塵性吸水性物品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12867790 1990-05-18
JP2-128677 1990-05-18
JP1991034786U JP2530828Y2 (ja) 1990-05-18 1991-04-17 非発塵性吸水性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0624742U true JPH0624742U (ja) 1994-04-05
JP2530828Y2 JP2530828Y2 (ja) 1997-04-02

Family

ID=26373631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1991034786U Expired - Lifetime JP2530828Y2 (ja) 1990-05-18 1991-04-17 非発塵性吸水性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2530828Y2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2530828Y2 (ja) 1997-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3300361B2 (ja) 増大した熱及び溶剤抵抗性を有する親水性構造体
JP3075421B2 (ja) 分離膜を含む複合膜
US4713069A (en) Baffle having zoned water vapor permeability
JP3149970B2 (ja) 散気材及びそれを用いたガスの散気方法
JP3682897B2 (ja) 高強度親水性ポリフッ化ビニリデン多孔質膜及びその製造方法
US4413074A (en) Hydrophilic surfaces and process for making the same
EP0095922B1 (en) Silica-coated absorbent fibers and processes for their manufacture
JP2005512685A (ja) 吸収性衛生製品
JPH05148759A (ja) 液体忌避処理及びバリア塗布を施した不織ウエブ
US5352511A (en) Hydrophilic compositions with increased thermal resistance
JPH0687874B2 (ja) 吸収性物品
JP6607874B2 (ja) 吸収性物品及び製造方法
CN101492546A (zh) 在基质上形成永久亲水性多孔涂层的方法及其多孔膜
US3833457A (en) Polymeric complex composite
CN107974831B (zh) 一种海藻酸钙改性的丙纶非织造布及其制备方法
JP2007514563A (ja) 繊維性サポート及び親水性及び/又は浸透化コーティングを含む製品、その製造方法並びにその使用
JP7265835B2 (ja) 吸収性物品及び製造方法
WO2000037736A2 (en) Method of coating hydrophobic polymer fibers with poly(vinyl alcohol)
JPH0624742U (ja) 非発塵性吸水性物品
JPH08283447A (ja) 親水性四弗化エチレン樹脂多孔質膜及びその製造方法
JP3041653B2 (ja) アノードバッグ及びそれを用いた電気メッキ方法
JPS6224550B2 (ja)
JP3758693B2 (ja) 加湿膜及びその製法
JP2623493B2 (ja) pH緩衝性繊維構造物及びその製造方法
KR102395825B1 (ko) 다층형 복합나노섬유막 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960910