JP3758693B2 - 加湿膜及びその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は加湿器用加湿膜及びその製法に係る。
【0002】
【従来の技術】
居住空間の湿度コントロールの手段として一般に加湿器が使用されている。この加湿器としては、超音波方式、スプレー方式、自然蒸発方式等種々のものが実用化されているが、ランニングコストが低いこと、白粉の発生が無くて清潔であること等の理由から、疎水性の高分子多孔質膜を用いた膜式加湿器が近時注目を集めている。これは、疎水性の高分子多孔質膜の、水蒸気を透過させるが水を透過させないという特性を利用したもので、この多孔質膜を境界面として、一方の領域に水を設け、他方の領域に空気を送ることにより、この多孔質膜を経由して水蒸気を移動させ、空気側を加湿するものである。この膜式加湿器は、特開昭50−58852号公報、実開昭54−56963号公報、特開昭60−171337号公報、特開昭61−27434号公報等にその具体的な考え方が示されている。
【0003】
また、疎水性高分子多孔質膜に通気性布を重ねて補強した複合シートで中空構造体を構成することも開示されている(特公平3−61096号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記疎水性多孔質材料から成る加湿膜を用いた加湿器は、加湿用水に油性成分例えば配管工事等で用いられ切削油等が混入した場合、この油性成分が膜表面に付着した後膜内部に侵入し、加湿用水は、この侵入した部分から膜を透過し、漏れ出すようになる。また、長期間の使用により、加湿用水中に含まれる有機性、無機性の不純物がこの加湿膜の表面に付着し、この汚れにより加湿膜の撥水性が低下し、所定の耐水圧を維持出来なくなって加湿用水が漏れ出すようになる。このような加湿器からの水のリークは、加湿空気に水滴が混じり合い、室内を漏らすことになる。併せて、カルシウム等の成分を含んだ加湿用水が室内に飛散することとなり、飛散した水が乾燥すると、後に白粉が残り、白粉公害となる。
【0005】
このように、従来の加湿膜は耐切削油性、耐汚染性等に欠けるため、このような加湿膜を用いた加湿器を運転する場合は、加湿用水を前処理し、これらの不純物を除去する必要があったが、この前処理は、設備的にも大がかりとなり、コスト高となり実用的ではなかった。従って、切削油による汚染、加湿用水中の不純物による汚染が発生すると、加湿膜の全面交換が必要であった。
【0006】
以上の様な問題を解決するために、特開平5−18572号公報には、多孔質疎水性高分子材料に親水性樹脂の連続被膜を設けた加湿膜を用いることが提案されている。しかしながら、この加湿膜は、多孔質材料を無孔質としたもので、透湿度の低下は避けられず、加湿能力の低下は、装置の大型化につながっていた。また、この加湿膜は無孔質である為に通気性が無く、加湿器内に加湿用水を導入する際、空気を排除する為の手段が別途必要であるという煩わしさがあった。
【0007】
以上のことから、耐汚染性を有し、透湿度の大きい加湿膜の出現が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンからなる多孔質高分子基材がフィブリルとノードから成る連通多孔質構造を有し、連通多孔質構造の平均孔径が0.01〜10μmであり、該多孔質高分子基材のフィブリルとノードから成る骨格が撥水性及び撥油性を有する有機ポリマーで被覆され、かつ前記多孔質高分子基材の連通多孔質構造が維持されており、水不透過性、水蒸気透過性、耐汚染性を有する連通多孔質膜であることを特徴とする加湿器用加湿膜を提供する。
【0009】
この有機ポリマーは、疎水性、疎油性を有するので耐汚染性を有し、かつ超微粒子状の水性ラテックスを多孔質高分子基材の骨格に被覆する方法により連続孔構造を有する疎水性疎油性の多孔質膜を提供することができる。
従って、本発明のもう1つの側面によれば、多孔質基材に、撥水性及び撥油性を有する有機ポリマー、好ましくは繰り返し表われるペンダント基としてフッ素化有機側鎖を有する有機ポリマーの粒子が存在しかつその粒子が0.01〜0.5μmの平均粒径を有する水性ラテックスを塗布した後、存在する水及び界面活性剤を除去してから、ポリマーを溶融させて基材骨格を被覆する工程を含むことを特徴とする加湿器用加湿膜の製法も提供される。
【0010】
本発明に用いる多孔質高分子基材は、基材の表面から裏面にかけて連通する多数の微細孔を有する高分子材料からなる。具体的には、耐熱性、耐腐食性を有するものが好ましくポリテトラフルオロエチレンを延伸処理して得られる多孔質材料は、フィブリルと呼ばれる小繊維とノードと呼ばれる結節から構成された独特の連通多孔質構造を有しており、本発明で用いる有機ポリマーの微細粒子を安定してその構造体に取り込むことが出来、撥水性、耐熱性、耐薬品性にも優れている。
【0011】
多孔質高分子材料の孔径としては、本発明の有機ポリマーの粒子が入り込むことが必要であり、通常0.01〜10μm、特に0.1〜1μmの平均孔径のものが好ましい。この孔径が大きすぎると、耐水圧の低下をもたらし良くない。空孔率は、5〜95%、特に60〜95%のものが好ましい。空孔率が小さすぎると透湿度が小さくなって加湿効率が低下する。また大きすぎると多孔質材料の強度が低下する。厚みについては5〜1000μm、特に30〜100μmのものが好ましく、厚すぎると、透湿度が低下し、逆にあまり薄いものでは強度的に問題がある。
【0012】
本発明の多孔質高分子基材の骨格を被覆する有機ポリマーは撥水性及び撥油性を有する有機ポリマーであれば特に限定されないが、フッ素化有機側鎖を繰り返し表われるペンダント基として有するポリマーが好適である。この有機ポリマーは、ポリマー鎖のペンダント基が高くフッ素化されているので、基材である多孔質高分子材料の撥水性および撥油性を増大させる働きがある。
【0013】
フッ素化有機側鎖を繰り返して有する有機ポリマーとしては、具体的には、式
【0014】
【化1】
Figure 0003758693
【0015】
(式中、nは3〜13の基数であり、RはH又はCH3 である)
のフルオロアルキルアクリレート及びフルオロアルキルメタクリレート、フルオロアルキルアリールウレタン、例えば
【0016】
【化2】
Figure 0003758693
【0017】
フルオロアルキルアリルウレタン、例えば
【0018】
【化3】
Figure 0003758693
【0019】
フルオロアルキルマレイン酸エステル、例えば
【0020】
【化4】
Figure 0003758693
【0021】
フルオロアルキルウレタンアクリレート、フルオロアルキルアミド、フルオロアルキルスルホアミドアクリレート、などのモノマーを重合して得られるものが好適である。フッ素化アルキル部分は6〜16個の炭素原子を有することが好ましく、6〜12個の炭素原子を有することが最も好ましい。
撥水性及び撥油性を有するその他の有機ポリマーとして主鎖に脂肪族環構造を有するものもある。具体的には、次の一般式で示されるものなどを挙げることができる。
【0022】
【化5】
Figure 0003758693
【0023】
(ただし、R1 はFまたはCF3 ,R2 はFまたはCF3
【0024】
【化6】
Figure 0003758693
【0025】
(ただし、1は0〜5、mは0〜4、nは0〜1、1+m+nは1〜6、RはFまたはCF3
【0026】
【化7】
Figure 0003758693
【0027】
(ただし、o,p,qは0〜5、o+p+qは1〜6)
これら一般式で示される含フッ素重合体の中でも、特に次のような環構造を有するものが好適に用いられる。
【0028】
【化8】
Figure 0003758693
【0029】
【化9】
Figure 0003758693
【0030】
また、撥水性及び撥油性を有する含フッ素有機ポリマーとして市販されている「AFポリマー」(デュポン社の商品名)、「サイトップ」(旭硝子の商品名)などもポリマーの種類としては使用可能である。
また、上記の如きポリマーの撥水性及び撥油性を失なわない限り共重合体も使用できることはもちろんである。
【0031】
ここで、共重合させる単量体としては、特に限定はされないが、フルオロオレフィン、フルオロビニルエーテルなどの含フッ素モノマーが望ましく、例えば四フッ化エチレン、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル、あるいはカルボン酸基やスルホン酸基のような官能基を有するパーフルオロビニルエーテルなどが好適であり、さらにフッ化ビニリデン、フッ化ビニル、三フッ化塩化エチレンなども使用可能である。
【0032】
通常のフッ素化モノマーの水性エマルジョン重合で得られる重合物の粒子は、0.1〜10μm程度の粒径となり、サブミクロンの多孔構造を持つ基材を均一に被覆することは困難であるが、本発明では、有機ポリマーを平均粒径が0.01〜0.5μmの微細な粒子とすることにより、多孔質高分子材料の微細構造によく入り込み、この骨格組織に均一な厚みの被覆を形成するようにすることが出来る。
【0033】
このような微細なポリマー粒子を含む水性ラテックスは、モノマーのマイクロエマルジョンを注意深く選択することにより可能にされた(PCT/US93/08884)。即ち、このモノマーマイクロエマルジョンは水、フルオロアルキル基を有する不飽和有機モノマー、フルオロ界面活性剤、及び任意に補助溶剤又は無機塩を混合して調製する。用いる量はフッ素化モノマー1〜40重量%、好ましくは5〜15重量%、界面活性剤1〜40重量%、好ましくは2〜25重量%、残部水である。
【0034】
ポリマー製造に際して別のモノマーも存在し得るが、ペルフルオロアルキル基を有するモノマーがモノマー合計量のうち少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%を成すべきである。このような追加されるモノマーには不飽和部分を含むエポキシ、カルボン酸、アミンなどある。
代表的なペルフルオロアルキル含有モノマーは先に説明した。
【0035】
用いるフッ素化界面活性剤は一般式Rf RYX(式中、Rf は1〜15個、好ましくは6〜9個の炭素数のペルフルオロアルキル基又はペルフルオロアルキルエーテル基であり、Rは例えば炭素数0〜4のアルキレン基又はアルキレンチオエーテル(−CH2 −S−CH2 −)結合である。)を有する。フッ素化アニオン界面活性剤では、Yは例えばカルボキシル基(COO−)、スルホン基(SO3 −)又はスルフェート基(SO4 −)であり、Xはアルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンである。フッ素化ノニオン界面活性剤ではYは例えばエトキシエチレン(OCH2 CH2 m 結合(式中、mは1〜15、好ましくは3〜9の整数)であり、Xは水酸基である。フッ素化カチオン界面活性剤ではYXは例えば第四級アンモニウム塩である。
【0036】
上記のマイクロエマルジョンを用いる単一バッチプロセスでポリマーマイクロエマルジョンを調製する場合、モノマーマイクロエマルジョンの温度を5〜100℃、好ましくは5〜80℃に調整し、フリーラジカル生成重合開始剤を添加する。好ましい開始剤にはペルスルフェート、アゾ系開始剤(例えば、2,2−アゾビス(2−アミドプロパン)ジヒドロクロリド)、過酸化物、光重合開始剤(例えば、紫外線重合開始剤、γ線重合開始剤)がある。開始剤の量はモノマー含分に対して0.01〜10重量%の範囲で変化できる。必要に応じて、補助溶剤、例えば、アルコール、アミンその他の両親媒性分子、又は塩を用いてマイクロエマルジョンの調製を促進することができる。
【0037】
重合開始剤を導入するとモノマーの重合が開始し反応が進行する。得られるポリマー粒子ラテックスは0.01〜0.5μmの平均粒子径、10,000以上、好ましくは20,000以上又は50,000以上のポリマー平均分子量を有する。異常に小さい粒径の粒子を含むポリマー系ではより大きい粒子のポリマー系と比べていくつかの利点がある。ポリマー系はコロイド分散体であり、通常濁りがなく透明である。小粒径粒子は均一な厚みの被覆を可能にし、多孔性基材の良好な透気性を維持する。前記の如く、ポリマー鎖のペンダント基が高くフッ素化されているものは、ポリマーを適用する基材の疎水性及び疎油性を増大する働きがある。
【0038】
このように製造したポリマーは、水性ラテックス中のポリマー濃度を通常2〜25%、好ましくは5〜10%程度にし、基材をコロイド分散体中に浸漬し、又はコロイド分散体を基材にスプレーして、コロイド分散体から直接に適用できる。適当な基材にはシート状、チューブ状など各種形態の多孔性ポリマー膜がある。
【0039】
また、基材にモノマーマイクロエマルジョンを適用してから、マイクロエマルジョンの重合を光重合開始により行なうことも可能である。
基材に被覆を行なった後、残っているすべての水、界面活性剤又は重合開始剤は熱風、赤外線、熱ロールなどを用いた加熱(例えば、150〜250℃)、水蒸気ストリッピング、真空蒸発など任意の便利な方法で除去することができる。
【0040】
さらに、多孔性高分子基材の孔を形成する内部構造中に残った有機ポリマー粒子を溶融させることにより、多孔性基材の骨格を有機ポリマーで被覆することができる。上記水等の除去とこの溶融は同一処理で行なうことができる。
本発明では、この多孔質高分子基材の骨格を有機ポリマーで被覆するとき、基材である多孔質高分子材料の連続した孔構造を維持するように調整する。従来の水性エマルジョン重合で得られるフッ素化ポリマーでは、その粒子の大きさから、この孔構造を閉塞することになるが、上記したように、本発明で用いる有機ポリマーは、平均粒径が0.01〜0.5μmの微細な粒子であるため、連続した孔構造の維持が可能であり、多孔質高分子材料の空孔率を著しく低下させることがない。そして、これにより、本発明の加湿膜は、撥水性、耐汚染性を有するだけでなく、大きい透湿度を保持することが出来る。
【0041】
こうして、本発明により提供される加湿膜は、多孔性高分子基材である延伸多孔質PTFEの骨格を疎水性かつ疎油性の有機ポリマーで被覆しかつ連続気孔を維持しているので、疎水性高分子多孔膜に耐汚染性を付与しながらなおかつその多孔膜の高い透気性を保持することが可能である。このような本発明の加湿膜は、シート状で、種々の形態で用いることが出来る。例えば、親水性を有する、不織布、織布、編布等の布帛の両側に本発明の加湿膜を積層することにより、一体三層構造の加湿用シートを形成することが出来る。この加湿用シートは、空気流路確保のために一定間隔をあけて、適宜の枚数が設けられる。この場合、加湿用水は、中間層の布帛により保持され、水蒸気は、両側に積層された加湿膜を介して、空気中に放出される。あるいは、本発明のシート状加湿膜を2枚重ね、端部を閉鎖して袋状とし、この内部に加湿用水を供給して袋状加湿膜としてもよい。この袋状加湿膜は、空気流路確保のために一定の間隔をおいて渦巻状に巻かれたり、プリーツ状に折り畳まれたりして設けられる。この場合も、加湿用水は、2枚の加湿膜を介して水蒸気として外部に放出される。
【0042】
また、本発明の加湿膜は、チューブ状に形成して用いることも出来る。例えば、押出機等によりチューブ状に成型された高分子材料を延伸処理等により多孔質化して基材とし、これに前記有機ポリマーの粒子を被覆することにより、本発明のチューブ状加湿膜を得ることが出来る。あるいは、テープ状の多孔質高分子材料を螺旋状にラッピングしたり、寿司巻き状にラッピングして、チューブ状に成形して基材とし、成形の前または後に前記有機ポリマーをこの基材の骨格組織に被覆するようにしてもよい。このチューブ状加湿膜は、空気流路または加湿用水の流路確保のために所定の間隔をおいて複数本設けられる。この場合、このチューブ状加湿膜は、その内部または外部に加湿用水を供給し、その反対側に空気を供給することにより、同様に加湿膜を介して水蒸気を移動させる。
【0043】
本発明の加湿膜には、任意に、織布、不織布、編布等の布帛を補強材として、加湿膜に積層することができる。これにより、加湿膜の強度の向上、加湿器製作時の加湿膜の取扱い性の向上等をはかることが出来る。
【0044】
【実施例】
以下の実施例において耐水圧、通気性、膜式加湿器耐久性を下記方法で測定した。
耐水圧
JIS L 1092 5.1項のB法に従った。また、切削油の耐圧試験もこれに準じた。
【0045】
通気性(ガーレー数)
JIS L 1096 6.27項のB法に準拠し、王研式透気度試験機により測定した。
膜式加湿器耐久性
現在一般的に使用されている膜式加湿器の耐用年数である10年間に単位面積当りの蒸発量に等しい「水道水2500cc/cm2 蒸発」をもって、表わす。膜面に水中含有物の量を10年間使用した場合に等しい。
(水性ラテックス調製例1)
100ミリリットルのガラス製反応器にフルオロアクリレート即ち
【0046】
【化10】
Figure 0003758693
【0047】
(Du Pont 製商品名Zonyl TA−N)10g、アンモニウムペルフルオロオクタノエート15g、蒸留水70gを入れ、撹拌しながら70℃に加熱した。淡緑色の清澄な(clear)マイクロエマルジョンが形成された。蒸留水5gに溶解した0.1gの過硫酸カリウムを反応器に入れて反応を開始させた。70℃で約1時間反応させた。それから反応混合物を室温まで冷却した。清澄なラテックスが得られ、室温で少なくとも24時間安定であった。ラテックスの平均粒径を測定すると擬弾性光散乱法で約0.03μmであった。得られたポリマーの重量平均分子量を測定すると古典光散乱法で約1,000,000以上であった。
(水性ラテックス調製例2)
100ミリリットルのガラス製反応器にフルオロメタリレート(Dupont製商品名Zonyl TM)10g、アンモニウムペルフルオロオクタノエート20g、蒸留水65gを入れ、撹拌しながら75℃に加熱した。淡緑色の清澄マイクロエマルジョンが形成された。次に5gの蒸留水に溶解した0.1gの過硫酸アンモニウムを反応器に入れて反応を開始した。75℃で約1時間重合させてから反応混合物を室温まで冷却した。清澄ラテックスが得られ、室温で少なくとも24時間安定であった。ラテックスの平均粒径を擬弾性光散乱法で測定すると約0.03μmであった。重量平均分子量を古典光散乱法で測定すると1,000,000以上であった。
(水性ラテックス調製例3)
フッ素化モノマー、水素化モノマー、フッ素化界面活性剤、及び水素化界面活性剤の混合物を用いた。
【0048】
100ミリリットルのガラス製反応器にフルオロアクリレート即ち(Du Pont 製商品名Zonyl TA−N)4g、スチレン(Aldrich Chemical製) 2g、アンモニウムペルフルオロオクタノエート3g、ナトリウムドデシルスルフェート(Aldrich 製) 7g、蒸留水80gを入れ、撹拌しながら70℃に加熱した。清澄マイクロエマルジョンが形成された。蒸留水5gに溶解した0.07gのカチオン重合開始剤(Wako製、V−50)を反応器に入れて反応を開始させた。70℃で約2時間重合させた。それから反応混合物を室温まで冷却した。清澄なラテックスが得られ、室温で少なくとも24時間安定であった。
(実施例1)
PTFE多孔質膜(厚さ50μm、空孔率80%、平均孔径0.2μm、ガーレー数10秒)を水性ラテックス調製例1で調製した水性ラテックスを蒸留水で3倍に希釈したものに浸漬し、余剰液体を滴下除去し、225℃のオーブン中に3分間置いた。この処理で水とフッ素化界面活性剤が除去されると共に、フッ素化ポリマーが溶融し流動した。得られた膜のガーレー数を測定すると11秒であり、連続気孔が維持していることが確認された。
【0049】
この処理膜の耐切削油性を上水道管用切削油(ミヤガワ50W)を用いた耐圧試験で評価した。また、同じく上記処理膜でたて10cm×よこ10cmの袋を作成し、袋中に水道水を連続的に供給しながら、60℃乾燥熱風を吹付け、袋内部の水を、膜を介して2500cc/cm2 の量(50l)蒸発させた後、水中含有物が堆積した部分の膜の耐水性試験を実施した。
【0050】
比較のために、上記有機ポリマー被覆処理を行なわない上記と同じPTFE多孔質膜について、上記と同じ評価試験を行なった。
結果を下記表に示す。表にはこれらの膜の透湿性をJIS L1099、4.2項のB法(酢酸カリウム法)により測定した値も示す。
Figure 0003758693
(実施例2)
PTFE多孔体(厚さ50μm、空孔率80%、平均孔径0.2μm、ガーレー数10秒 耐水圧4kg/cm2 )の上にポリエステル製ニット(200デニール、200g/m2 )をラミネート加工し加湿膜としたもの(▲1▼)と、そのPTFE多孔体面上に親水性ポリウレタンを30μm厚さでコーティングして加湿膜としたもの(▲2▼)を作った。さらに▲1▼を水性ラテックス調製剤(例1)3倍希釈品で撥水処理し、加湿膜としたもの(▲3▼)を作り、それぞれの膜を、実施例1と同様の試験を行ない比較した。
【0051】
結果は下の通りであり、これからもわかる様に▲3▼の加湿膜はより加湿膜として適したものである。
Figure 0003758693
(実施例3)
PTFE多孔体(厚さ50μm、空孔率80%、平均孔径0.2μm)の上にPP不織布(厚さ1.0μm、目付125g/m2 )を熱融着し、それを巾25mmにスリットした後、チューブにスパイラル状にラッピング加工し(熱処理により重合部の不織布を熱融着させた)、内径12mm、肉厚0.5mmの加湿用チューブ(▲4▼)を作った。この後水性ラテックス調整剤(例1)を多孔質部分に含浸し、225℃で乾燥し、チューブ状加湿膜(▲5▼)を作成した。このチューブ状加湿膜を実施例1に準じた試験を行ないその結果を下表に示した。この結果より、形状を変えても最適な加湿膜が得られた。
【0052】
Figure 0003758693
【0053】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば、切削油等の油性成分や、加湿用水中の有機性、無機性の不純物等に対して耐汚染性を有し、白粉公害の発生しないクリーンな加湿空気を供給する加湿膜を提供することが出来る。
本発明の加湿膜は、その構造が連続多孔質構造を維持していることから加湿器運転時に於ける加湿用水の導入も容易であり、加湿能力も優れたものである。

Claims (4)

  1. 延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンからなる多孔質高分子基材がフィブリルとノードから成る連通多孔質構造を有し、連通多孔質構造の平均孔径が0.01〜10μmであり、該多孔質高分子基材のフィブリルとノードから成る骨格が撥水性及び撥油性を有する有機ポリマーで被覆され、かつ前記多孔質高分子基材の連通多孔質構造が維持されており、水不透過性、水蒸気透過性、耐汚染性を有する連通多孔質膜であることを特徴とする加湿器用加湿膜
  2. 前記有機ポリマーが繰り返し表われるペンダント基としてフッ素化有機側鎖を有する有機ポリマーである請求項1記載の加湿膜。
  3. 前記加湿膜に補強材が積層されている請求項1又は2記載の加湿膜。
  4. フィブリルとノードから成る連通多孔質構造を有する延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンからなり孔径が0.01〜10μmである多孔質高分子基材に、撥水性及び撥油性を有する有機ポリマーの粒子が存在しかつその粒子が0.01〜0.5μmの平均粒径を有する水性ラテックスを塗布した後、存在する水及び界面活性剤を除去してから、前記ポリマーを溶融させて基材骨格を被覆する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の加湿器用加湿膜の製法。
JP23768994A 1994-09-30 1994-09-30 加湿膜及びその製法 Expired - Lifetime JP3758693B2 (ja)

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