JPH0624701A - 臨界温度の高い超伝導体酸化物のインゴットの製造方法 - Google Patents

臨界温度の高い超伝導体酸化物のインゴットの製造方法

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JPH0624701A
JPH0624701A JP5073664A JP7366493A JPH0624701A JP H0624701 A JPH0624701 A JP H0624701A JP 5073664 A JP5073664 A JP 5073664A JP 7366493 A JP7366493 A JP 7366493A JP H0624701 A JPH0624701 A JP H0624701A
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oxide
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JP5073664A
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Christian Belouet
クリスチヤン・ベルエ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 臨界温度の高い超伝導体酸化物のインゴット
の製造方法を提供する。 【構成】 特にYBaCuO、BiSrCaCuO、T
lBaCaCuO族に属する臨界温度の高い超伝導体酸
化物のインゴットの融解−凝固による製造方法を提供す
る。本方法は、適切な理論量を有する酸化物インゴット
1を用いて、インゴットを炉40内部のガス膜上に浮揚
させて水平方向に維持し、前記インゴットを融解し、核
形成が前記インゴットの下方部分で始まるように前記炉
内に垂直温度勾配を設定し、前記温度勾配を維持しなが
ら、炉の温度を完全な凝固に相当する温度まで0.1℃
/時以下の速度で全体的に下げ、最後に前記インゴット
に従来の酸素化処理を適用することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にYBaCuO、B
iSrCaCuO、TlBaCaCuO族に属する臨界
温度の高い超伝導体酸化物のインゴットの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】製造方
法の原理は、通常坩堝内で実施される二相媒質からの包
晶型成長方法である。この方法は、いわゆる凝固の前
に、高い処理温度、通常当該酸化物の包晶凝固温度Tp
よりも少なくとも50℃ほど高い温度(例えばYBaC
uOの場合で約1000℃)を必要とする。このような
温度では、超伝導体酸化物は固体(例えばYBa2Cu3
7-xの場合で固相211Y2BaCuO5)及び液体に
分解され、この液体は坩堝の壁と反応し得る。その結
果、相状態図で組成物のドリフト(derive)が生
じる。
【0003】これは特に2つの固体と1つの液体とに関
係する反応なので、凝固は非常に遅い。YBaCuOの
場合、例えば以下の化学式:
【0004】
【化1】
【0005】が得られる。
【0006】理想的にはインゴットの成長は、過融解の
小さい包晶温度Tpに近い温度で実施されねばならな
い。過融解が大きいと実際、成長面内に固体粒子が介在
してしまう。更には、この成長は規則的に非対流状態で
実施されねばならない。何故ならば、過融解の局所変動
は、高い瞬間成長速度及び成長面内での固体粒子トラッ
ピングの危険性となって現れるからである。
【0007】従って、インゴットの理想的な成長方法は
拡散状態での低速成長方法でなければならない。しかし
ながら、このことは、非常な高温での液体と坩堝との接
触時間が非常に長いために、前述した好ましくない結果
(坩堝の部分的溶解、相状態図の変化、余計な相の介
在、粒界に沈澱物等)が生じ、結果的に最終インゴット
の組織が部分的に破壊され、またインゴット内に大型寸
法の沈澱物が存在するということを意味している。坩堝
とインゴットとの膨張率の差によって亀裂が生じて、イ
ンゴットが坩堝に付着することをこのことに付け加えね
ばならない。
【0008】このような全ての障害によって、最終的に
臨界電流密度Jcが減少し、大型寸法、例えば約50c
3のインゴットの製造が妨げられる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、単結晶組織に
できるだけ近い結晶組織を得ることのできる、臨界温度
の高い超伝導体酸化物のインゴットの融解−凝固による
製造方法に関する。
【0010】本発明は、特にYBaCuO、BiSrC
aCuO、TlBaCaCuO族に属する臨界温度の高
い超伝導体酸化物のインゴットの融解−凝固による製造
方法に関する。本方法は、適切な理論量を有する酸化物
インゴットを用いて、このインゴットを炉内部のガス膜
上に浮揚させて水平方向に維持し、インゴットを融解
し、核形成がインゴットの下方部分で始まるように炉内
に垂直温度勾配を設定し、この温度勾配を維持しなが
ら、炉の温度を完全な凝固に相当する温度まで0.1℃
/時以下の速度で全体的に下げ、最後にこのインゴット
に従来の酸素化処理を適用することを特徴とする。
【0011】有利な実施例によれば、垂直温度勾配は約
10℃/cmである。
【0012】変形例によれば、核形成がこのインゴット
の一方の端部でのみ始まり、次に他方の端部までゆっく
りと拡大するように、インゴットの下方部分で温度が調
整される。
【0013】この中間段階は、長さが約10cmのイン
ゴットの場合で数十時間持続し得る。
【0014】このようにして、晶子間に連続面(a,
b)を有する均一組織がインゴットの底部に得られる。
【0015】垂直温度勾配を維持しながら、温度を徐々
に下げていく間に、この底部組織から垂直方向に成長さ
せられる。この凝固段階中の成長界面温度は絶えず包晶
温度Tpに非常に近い。
【0016】透磁率が約1〜2・10-152のマグネシ
ア多孔質膜を介して浮揚させるのが好ましい。
【0017】ガス膜上に浮揚させることにより、インゴ
ットは自動的に支持され、それによって外面からこのイ
ンゴット内への酸素の拡散が容易になる。
【0018】有利には、浮揚ガスの組成は、酸素化処理
を成功させるために調整することができる。例えばガス
は、YBaCuO族の化合物の場合、600℃から純粋
酸素であり得る。
【0019】変形例によれば、融解及び凝固中に約1〜
3テスラスの垂直磁界をインゴットに加える。このよう
な磁界は媒質の見掛け粘度を増加させ、従って磁界に生
じ得る対流を減少させる。
【0020】非接触の本発明方法によって、従来技術の
坩堝に見られる全ての欠点(組成のドリフト、壁上での
自然で不規則な核形成−成長、熱機械的応力)を排除す
ることができる。破損の最も重大な原因が排除されて、
単結晶の電流密度値に近い臨界電流密度値を有する大型
寸法の粒子からなる均質組織が得られる。
【0021】
【実施例】例示的且つ非制限的な実施例に関する以下の
説明によって本発明の他の特徴及び利点が明白となろ
う。
【0022】YBa2Cu37-Xに相当する化学量論的
比率で、BaCuO2,CuO,Y23の粉末混合物を
アイソスタティックプレスして得られたインゴット1を
図1に示す。インゴットの密度は高く、好ましくは0.
70以上である。この粉末混合物を焼結する。
【0023】インゴットの寸法は以下の通りである。
【0024】−直径≦19.85mm −長さ:50mm (長さはもっと長く、少なくとも200mmに等しい長
さであってもよい)。
【0025】このインゴット1は、主に軸2周りの2つ
の同軸部分からなり且つ軸2に直交する対称面4を有す
る浮揚装置内に導入される。これは、管形状の中空外側
胴体5及び内管6である。これらは、いずれもセラミッ
ク製であり且つ互いに埋込み7によって固定されてい
る。管5内部の管6の部分は、内径が20.0mm、長
さが少なくとも400mmに等しい拡散多孔質膜8を構
成している。いわゆる膜8の両側での管6の内径は2
0.5mmである(この差は図1では分からない)。
【0026】好ましくは、この膜8のセラミックは、イ
ンゴット1の化合物によって湿らされることがほとんど
ないマグネシアである。膜8と管5とは、管12を介し
て浮揚ガスの供給を受ける空洞11をその間に形成して
いる。
【0027】管6内部には、インゴット1の両側に2つ
のピストン13,14が配置されている。これらのピス
トンは、膜8と同種であり且つ滑動棒15,16内部に
設けられた管を介して浮揚ガスの供給を受ける2つの拡
散膜9,10をこのインゴットの方向に備えている。2
つのピストンの外径は、19.85mmに等しくなるよ
うに選択する。
【0028】前述したアセンブリは、2つのキャップ2
2(一方のキャップを図2に示す)によって30で閉鎖
されているシリカ管21からなる密閉エンクロージャ2
0内に配置されている。
【0029】このキャップは、種々のオリフィス23,
24,25を備えている。オリフィス23は膜8へのガ
ス供給を可能とし、オリフィス25はエンクロージャ2
0内を真空にすることができ、オリフィス24は、一方
では26でモータ(図示せず)に連結された棒15を並
進させ、他方では膜9にガスを供給するのに役立つ(番
号27を参照)。
【0030】好ましくは浮揚ガスは、例えばそれぞれ8
0容量%、20容量%のアルゴン/酸素混合物である
が、酸素の比率を増してもよい。
【0031】エンクロージャ20は、内径が55mm、
外径が80mmのセラミック、例えば安定化ジルコニア
の環状部内に軸2と平行に配置されたカートリッジ4
1,42から供給を受ける管状炉40内に配置されてい
る。これらのカートリッジは、インゴット1の下部と上
部との間に温度勾配を生じるように非対称的に配置され
ている。各カートリッジの電力は、炉の中央部分で10
℃/cmの垂直温度勾配を得るように調整できねばなら
ない。
【0032】前述した装置は例えば以下のように使用さ
れる。
【0033】インゴット1を脱気するためにまずエンク
ロージャ20(オリフィス25)内を真空にし、浮揚さ
せずに600℃までの加熱を開始する。
【0034】膜8,9,10によってインゴット1を浮
揚させる。膜の拡散圧力は任意の公知の手段によって調
整する。
【0035】1050℃まで急速に加熱し、融解中のイ
ンゴットは常に3つの膜によって包囲された状態に維持
されている。参考までに、インゴット高さが20mm未
満で、膜の透磁率が約1〜2・10-152の場合、膜の
下流圧力は700mbarsである。
【0036】炉40内温度を約15分間均一に1050
℃に維持する。次に温度を包晶温度Tp、即ち約100
0℃まで下げる。
【0037】加熱カートリッジ41,42の調整によっ
て、下方カートリッジの温度を下げ、最初の核形成がイ
ンゴット1の底部で発生するように、炉内に10℃/c
mの垂直温度勾配を設定する。しかし、この核形成がイ
ンゴットの一方の端部、例えば膜9に近い端部でのみ始
まるように縦温度勾配も設ける。この勾配は例えば数℃
/cmである。成長面はインゴットの他方の端部まで非
常にゆっくりと広がる。この段階は、インゴットの底部
が完全に組織化されるように数十時間持続する。
【0038】次に、インゴットが完全に凝固し終えるま
で、0.1℃/時よりも低い速度で炉全体の温度を下げ
る。この段階終了時のインゴット1の上面温度はTp
りも僅かに低い。
【0039】700℃では、固体インゴット1の酸化プ
ロセスは比較的大きい容量膨張となって現れる。そこ
で、ピストン13,14を用いてインゴット1を浮揚領
域外に、即ち管6の直径が20.5mmの膜8の外に移
動させることが必要である。
【0040】600℃、500℃及び400℃で数時間
維持した後に、室温になるまで1℃/時で温度の下降を
継続する。
【0041】得られたインゴットは、上方部分が平坦に
なった円筒形状を有する。インゴットは非常にきめが細
かく、大型粒子を備えている。これらの粒子の軸Cは垂
直であり且つインゴットの軸方向中央面に平行である。
【0042】勿論、本発明は前述した実施例に制限され
ず、本発明の範囲を逸脱することなく、あらゆる手段を
同等の手段に代えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施し得る装置の中央部分の概略
部分断面図である。
【図2】図1の装置の一方の端部の概略部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1 インゴット 2 軸 8,9,10 膜 13,14 ピストン 20 エンクローシャ 22 キャップ 40 炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01B 12/00 ZAA 8936−5G

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特にYBaCuO、BiSrCaCu
    O、TlBaCaCuO族に属する臨界温度の高い超伝
    導体酸化物をインゴットの融解−凝固により製造する方
    法であって、適切な理論量を有する酸化物インゴットを
    用いて、インゴットを炉内部のガス膜上に浮揚させて水
    平方向に維持し、前記インゴットを融解し、核形成が前
    記インゴットの下方部分で始まるように前記炉内に垂直
    温度勾配を設定し、前記温度勾配を維持しながら、炉の
    温度を完全な凝固に相当する温度まで0.1℃/時以下
    の速度で全体的に下げ、最後に前記インゴットに従来の
    酸素化処理を適用することを特徴とする超伝導体酸化物
    のインゴットの製造方法。
  2. 【請求項2】 炉内温度を全体的に下げる段階の前に、
    前記核形成が前記インゴットの一方の端部でのみ始ま
    り、次に他方の端部までゆっくりと拡大するように、イ
    ンゴットの下方部分で温度が調整されることを特徴とす
    る請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記垂直温度勾配が約10℃/cmであ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 透磁率が約1〜2・10-152のマグネ
    シア多孔質膜を介して浮揚させることを特徴とする請求
    項1から3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 インゴットの融解及び凝固中に約1〜3
    テスラスの垂直磁界をインゴットに加えることを特徴と
    する請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 浮揚ガスがアルゴン/酸素混合物を含ん
    でおり、酸素含量が少なくとも20容量%であることを
    特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の製造
    方法。
JP5073664A 1992-04-06 1993-03-31 臨界温度の高い超伝導体酸化物のインゴットの製造方法 Pending JPH0624701A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

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FR9204174A FR2689524B1 (fr) 1992-04-06 1992-04-06 Procede de fabrication d'un lingot en oxyde supraconducteur a haute temperature critique.
FR9204174 1992-04-06

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JPH0624701A true JPH0624701A (ja) 1994-02-01

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EP (1) EP0565415B1 (ja)
JP (1) JPH0624701A (ja)
CA (1) CA2093379C (ja)
DE (1) DE69315882T2 (ja)
FR (1) FR2689524B1 (ja)

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