JPH06246253A - 重金属含有物の封鎖固化方法 - Google Patents

重金属含有物の封鎖固化方法

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JPH06246253A
JPH06246253A JP5055152A JP5515293A JPH06246253A JP H06246253 A JPH06246253 A JP H06246253A JP 5055152 A JP5055152 A JP 5055152A JP 5515293 A JP5515293 A JP 5515293A JP H06246253 A JPH06246253 A JP H06246253A
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Japan
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sulfur
waste
heavy metal
weight
solidifying
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JP5055152A
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English (en)
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Tsutomu Katsura
勤 桂
Yoshio Kubota
佳男 久保田
Tsutomu Moriya
勉 守屋
Yasuhiro Sashita
康博 指田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重金属を含有する産業廃棄物の硫黄による固
化処理を少量の硫黄によって効果的に行う。 【構成】 廃棄物100重量部に対して硫黄5〜30重
量部、および硫黄に対して5〜50重量%の有機処理剤
を混合し110〜130℃に熱して溶融状態で混練し、
冷却固化させる。混練中の硫黄の凝固が抑止される反応
が適度に遅延され、固化処理に用いる硫黄の量を著しく
減少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は重金属等を含有する廃棄
物を固体化することにより、廃棄処分された際の重金属
等の環境への流出を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決すべき課題】製鋼ダスト
および高炉スラグもしくは一般産業・廃棄物の焼却によ
って生じる焼却灰等についての処分用地は近年ますゝ逼
迫しており、特にこれら廃棄物にCd、Pb、Zn、H
g、Crなどの重金属や有機塩素化合物等の有害物質が
含まれている場合はその投棄地周辺が重金属等の溶出に
よって汚染されるおそれがあるため処分方法自体が問題
となっている。
【0003】このため、従来からこのような重金属等を
含有するおそれのある産業廃棄物および活性汚泥スラリ
さらには6価クロム等によって汚染された土壌の処理に
ついては化学処理剤による中和処理に加えて種々の固体
化処理が提案されている。
【0004】たとえば一般的な方法としてセメントによ
る重金属イオンの封鎖作用および透水防止作用を利用し
たセメント固化法が従来から試みられているが、セメン
トの凝固までに長時間を要する上、その効果は必ずしも
充分ではなく、セメント固化体の経時変化、亀裂の発生
等によって重金属が溶出し二次汚染を生じるおそれがあ
る。
【0005】また硫黄の温度による形態変化に着目して
産業廃棄物に硫黄を混合して加熱し、溶融状態の硫黄と
混練された廃棄物粒子中の重金属を冷却時に凝固する硫
黄の高分子鎖中に取込んだ状態で廃棄物を固形化するこ
とが提案されている。
【0006】この方法は処理が迅速でありかつ重金属が
硫黄と結合した状態で凝固した高分子硫黄鎖中にとりこ
まれ外部に溶出し難い状態となるので、重金属を含む廃
棄物を最終処分形態とするのに適している。
【0007】しかし前記従来の処理方法によれば、たと
えば廃棄物3重量部以下に対して硫黄1〜3重量(特開
昭59−26180)および製鋼ダスト2重量部以下に
対して硫黄1重量部(特開昭58−178185)と多
量の硫黄を処理のために必要とし、大量の廃棄物を処理
する場合には硫黄の原料費および運搬、保管のための設
備費が嵩むため実用的でない。
【0008】本願発明の目的は重金属を含む産業廃棄物
を硫黄によって固形化処理する際に硫黄の使用量を著し
く減少させかつ目的とする重金属の溶出抑止効果をさら
に増大させることのできる処理方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的は重金
属含有廃棄物に対して硫黄を混合して加熱し、溶融状態
から凝固様態への硫黄の状態変化時に廃棄物中の重金属
を封鎖固化する重金属含有物の封鎖固化方法において、
前記廃棄物100重量部に対して硫黄5〜30重量部お
よび沸点が約100℃以上の液状の有機処理剤を硫黄に
対して5〜50重量%となるような割合で混合し、約1
10〜130℃の温度に加熱して硫黄の粘性増加を抑止
した状態で溶融混練し次いで冷却固化させることを特徴
とする重金属含有物の封鎖固化方法によって達成され
る。
【0010】
【作用】本発明においては、重金属その他の有害物質を
含むおそれのある産業廃棄物たとえば製鋼ダストに対し
て硫黄を混合し、この混合物を約110〜130℃の温
度に加熱することによって硫黄を溶融し、製鋼ダストと
硫黄を均一に混練する。
【0011】溶融状態の硫黄はダスト中の各成分と反応
して多硫化物の形態で金属原子等を取り込むと共に周囲
の冷却によって生成したガラス状硫黄と結合して高分子
化し、ダストの微粒子が硫黄被覆で覆われた状態で結合
されて一体化する。このためダスト全体の表面積が著し
く減少しダスト中の重金属等は前記硫黄高分子鎖中への
とり込みと相まって外部への溶出が完全に防止される。
【0012】こゝで本発明においてはたとえば前記製鋼
ダスト等の廃棄物と硫黄との混合に際して、廃棄物に対
して硫黄と共にその5〜50重量%の有機処理剤を混合
する。この有機処理剤は沸点が約100℃以上であり、
かつ溶融状態の硫黄と相溶して溶液を形成するものであ
れば任意のものを用いることができる。
【0013】この有機処理剤は溶融状態の硫黄が高分子
鎖を形成して凝固する際の凝固点降下作用を生じると共
に、多硫化物の生成反応を適度に遅延させて製鋼ダスト
と硫黄とのより均一で充分な攪拌混合を可能にする。ま
た製鋼ダスト中に油類が混在していて溶融した硫黄との
混和性が低いときにも、この有機処理剤の界面活性作用
によって両者が均一に混合される。またこれによって廃
棄物中に鉱油等の油状汚染物や塩素化有機化合物が含ま
れている場合にもこれらを硫黄処理生成物中に取込んで
溶出を抑止する効果を与える。
【0014】このため使用する硫黄の量を硫黄単独で用
いる場合に比較して約25%減少させても重金属等は完
全に硫黄中に封鎖され、後に実施例において示すように
得られた固形化処理物からの重金属の溶出値はいずれも
基準値以下となる。
【0015】このような有機処理剤としては前記のよう
に沸点が約100℃以上で溶融状態の硫黄との混和性の
良い任意のものを用いることができ、硫黄との反応に関
与し高分子化しやすい二重結合や官能基を含まないも
の、たとえば大豆油、コーン油等の動植物油、ジオクチ
ルフタレート(bp約230℃)、ジブチルフタレート
(bp:約230℃)等のフタル酸エステル可塑剤、ジ
オクチルアジペート(bp:約210℃)、ジオクチル
アゼレート(bp:約240℃)等の脂肪酸エステル系
可塑剤および塩素化パラフィン等が好ましい。廃棄物中
に鉱油等の油状汚染物が含まれているときには硫黄との
界面活性を高める上でコーン油等の植物油を用いること
が好ましい。
【0016】本発明においては廃棄物100重量部に対
して硫黄を5〜30重量部の範囲で混合する。硫黄を単
独で加える従来技術の場合に比較して、前記有機処理剤
の併用によって硫黄の使用量が著しく減少し、最低5重
量部の添加によって目的とする有機金属流出防止の効果
が得られる。
【0017】一方硫黄の使用量を増加させると得られる
固形化生成物の強度が増加してたとえば建築材料として
再利用する際の取扱いに便であるが、20重量部の添加
で約200kg/cm2 程度の通常の使用には充分な圧縮強
度が得られる。硫黄の混入量を30重量部以上に増加さ
せてもそれに比例した強度増加の効果は得られず、かつ
原料コストのが上昇しかつ混練に要する時間とエネルギ
および設備コストが増大する。
【0018】一方有機処理剤の使用量は処理剤の種類お
よび前記硫黄の使用量によっても変わるが硫黄に対して
約5〜50重量%の範囲とすることが好ましい。植物油
たとえばコーン油の場合では硫黄に対して5重量%で充
分であり、ジオクチルフタレートと塩化パラフィンを混
合して用いる場合には混合比によっても異なるが約5〜
50重量%である。たとえば廃棄物中にしばしば含まれ
るマシン油およびコンプレッサ油等は硫黄に対する反応
性はよくないがこれにコーン油等の植物油を加えること
によって溶融硫黄中への混和性が改善される。
【0019】尚廃棄物が油状汚染物を含む場合には前記
処理剤の使用量はこれら油類との合計量が硫黄に対して
5〜50重量%の範囲となるように選定する。
【0020】尚本願発明においては前記有機処理助剤は
硫黄と共に廃棄物に対して混合してもよく、又は予めそ
の蒸気を廃棄物に含浸させた後に溶融した硫黄と混合し
て混練してもよい。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳細に説明す
る。
【0022】Fe:40%(酸化鉄として)、Zn:1
4%.Cl:4%その他Cu、Cd、PbおよびCrを
含む製鋼ダスト10kgに対して、硫黄粉末よびコーン
油(bp:200℃)2kg(硫黄:コーン油=百:
五)を加えて約120℃に加熱し溶融した。硫黄とコー
ン油を製鋼ダストに対して充分均一に攪拌・混練した。
約15分間で充分な混練が得られ、溶融物に粘りが認め
られる時点で加熱を止めて適宜な型に移して放冷固化さ
せた。得られた固化生成物は密度43g/cm3で圧縮
強度が223kg/cm2 であった。
【0023】
【溶出試験】この固化生成物を粉砕し環境庁告示に定め
る溶出試験方法により試験した。表1に示すように生成
物からのCd、CrおよびCuの溶出は認められずまた
PbおよびZnの溶出も基準値以内であった。尚、生成
物からは油分の溶出が認められず、処理に際して加えた
コーン油が生成物に固定されていることが示された。
【0024】尚前記実施例と同一の手順により硫黄およ
びコーン油の合計添加量(硫黄:コーン油=100:
5)のみを30%および40%(比較例)に増加させて
同様な処理を行った。結果を表1に合せて示す。
【0025】
【表1】 処理剤添加量 40% 30% 20% 溶出量(mg) カドミウム ND ND ND クロミウム ND ND ND 銅 ND ND ND 鉛 0.14 0.63 0.29 亜 鉛 0.04 0.12 0.56 四塩化炭素抽出物質 0.0 0.0 0.0
【0026】廃棄物に対して処理剤(硫黄+有機処理
剤)20重量%および30重量%のの添加で通常の取扱
いには充分な一軸圧縮強度223kg/cm2 が得ら
れ、かつ各含有重金属の溶出量も環境基準値以下に抑え
られている。したがって処理剤(硫黄+コーン油)の添
加は20〜40重量が好ましく、それ以上加えても重金
属溶出防止の効果はさほど変化せずまた圧縮強度もほゞ
一定になることが予想される。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば重金属等の
有害物質を含む産業廃棄物を溶融硫黄と混合する際に凝
固点降下作用を示す有機処理剤を加えることによって混
練が極めて迅速かつ均一に行われ、それによって従来技
術に比較して著しく少ない硫黄使用量によって産業廃棄
物からの重金属等の有害物質の流出を完全に防止するこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重金属含有廃棄物に対して硫黄を混合し
    て加熱し、溶融状態から凝固状態への硫黄の状態変化時
    に廃棄物中の重金属を封鎖固化する重金属含有物の封鎖
    固化方法において、 前記廃棄物100重量部に対して硫黄5〜30重量部お
    よび沸点が約100℃以上の液状の有機処理剤を硫黄に
    対して5〜50重量%となるような割合で混合し、約1
    10〜130℃の温度に加熱して硫黄の粘性増加を抑止
    した状態で溶融混練し次いで冷却固化させることを特徴
    とする重金属含有物の封鎖固化方法。
  2. 【請求項2】 廃棄物に対して有機処理剤を噴霧混合
    し、次いでこの混合物に硫黄を加えて加熱し、溶融混練
    し、冷却固化させる請求項1記載の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記廃棄物に含まれる油状有機物を有機
    処理剤の一部として利用する請求項1又は2記載の処理
    方法。
JP5055152A 1993-02-20 1993-02-20 重金属含有物の封鎖固化方法 Pending JPH06246253A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999001236A1 (fr) * 1997-07-01 1999-01-14 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Procede d'elimination de dechets contenant du metal lourd et compose de scellement adapte a l'elimination
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