JPH06244527A - プリント配線基板の製造方法 - Google Patents

プリント配線基板の製造方法

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JPH06244527A
JPH06244527A JP5477293A JP5477293A JPH06244527A JP H06244527 A JPH06244527 A JP H06244527A JP 5477293 A JP5477293 A JP 5477293A JP 5477293 A JP5477293 A JP 5477293A JP H06244527 A JPH06244527 A JP H06244527A
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健人 塚本
Toshio Ofusa
俊雄 大房
Sotaro Toki
荘太郎 土岐
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板に導通孔を精度良く形成出来、しかも生
産性の高いプリント配線基板の製造方法を提供する。 【構成】 ガラスクロス2に樹脂3を含浸させ硬化させ
て出来た基板1の両面に設けた金属薄膜層4,5の導通
孔を形成する部分を除去し、次いで磁場を上記基板1の
平行方向にかけながら反応性イオンエッチング6により
上記基板の樹脂3を除去して孔あけ加工を行ない、しか
る後、形成した孔にめっき7を施して導通孔8を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリント配線基板の製造
方法に関するもので、特に基板の表面と裏面との電気的
導通を取るための表裏貫通した導通孔または任意の導体
層と他の導体層との電気的導通を取るための非貫通の導
通孔を形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板では、基板の表面の配
線パターンと裏面の配線パターンとの電気的導通を取る
ための手段として、基板に貫通孔をあけ、これをめっき
で導通処理して表裏貫通した導通孔を形成する方法が従
来一般に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の基板
に貫通孔をあける方法としては従来はドリルを用いて行
なうのが一般的である。
【0004】しかしながら、このようなドリルを用いた
機械的な孔あけによる手法では、加工時に基板にストレ
スがかかり、また削りかすが発生するため、めっきを行
なう前にこれを十分に取り除いておかないと貫通孔内の
めっきの不着による断線が生じやすく、信頼性に欠ける
結果となる。また、最近の電子機器への高機能化・多機
能化・小型化の要求に対応して複数の素子を一つの標準
パッケージ内に納めたより高密度の実装が求められてお
り、このような高密度実装を行なうためにはますます小
さな径の貫通孔を精度良く形成する必要があるが、ドリ
ルによる機械的な孔あけでは精度上の限界がある。しか
も、1つの基板に何箇所もの貫通孔を形成する場合に
は、機械的な孔あけではきわめて時間がかかることにな
る。
【0005】一方、特公平 2-57356号公報には、CF4
及びO2 を含む反応性ガス雰囲気中でプラズマエッチン
グにより貫通孔を形成する方法が開示されているが、エ
ッチング速度が非常に遅く加工に時間がかかること、サ
イドエッチ量が大きく貫通孔内の端部のめっきが着きに
くくめっき不着による断線が生じやすいこと等の問題が
ある。
【0006】本発明は上記従来の問題に鑑みなされたも
ので、基板に導通孔を精度良く形成出来、しかも生産性
の高いプリント配線基板の製造方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、プリント配線基板を構成する少なくとも
一層の基板に表面と裏面との電気的導通を取るための表
裏貫通した導通孔または任意の導体層と他の導体層との
電気的導通を取るための非貫通の導通孔を形成するプリ
ント配線基板の製造方法において、前記基板に設けた金
属薄膜層の導通孔を形成する部分を除去し、次いで磁場
を前記基板の平行方向にかけながら反応性イオンエッチ
ングにより前記基板の孔あけ加工を行ない、しかる後め
っきによる導通処理を行なうことにより導通孔を形成す
ることを特徴としている。
【0008】以下、本発明を詳述する。
【0009】図1は本発明に係るプリント配線基板の製
造方法の一例を工程順に示す断面図である。
【0010】同図(a)に示すように、使用する基板1
はガラスクロス2に例えばエポキシ、ポリイミド等の樹
脂3を含浸させ硬化させて出来たもので、これによって
必要な材料強度を持たせている。また、基板1の両面に
はそれぞれ銅などの導電性の金属薄膜層4,5を有して
いる。該金属薄膜層4,5はそれぞれ基板1の表面と裏
面の配線パターン等を形成する。
【0011】次に、同図(b)に示すように、上記基板
1の両面に設けた金属薄膜層4,5の導通孔を形成する
部分をフォトエッチングによるパターニングで除去す
る。すなわち、金属薄膜層4,5の表面に感光性樹脂を
塗布又は電着し、次いでパターン露光を行ない、これを
現像してレジストパターンを形成し、露出した部分の金
属薄膜層をエッチングで除去して、最後にレジストパタ
ーンを除去することにより、金属薄膜層4,5をパター
ニングする。
【0012】次いで、同図(c)に示すように、基板1
の孔あけ加工を行なう。該孔あけ加工は、先にパターニ
ングした金属薄膜層4,5をマスクにして、磁場を基板
1の平行方向にかけながら反応性イオンエッチング6に
より行なう。
【0013】図4にかかる反応性イオンエッチングを行
なう装置の概略模式図を示した。2枚の平行平板電極
9,10のうちのカソード10側にNとSが水平方向に
並ぶように永久磁石11を図示するように配置し且つそ
の磁束密度を変化ならしめるべく上下動可能に設けたも
ので、加工する基板1をカソード10上に設置する。ま
た、導入ガスとしてはO2 を含む反応性ガスを使用す
る。これによって、磁場を基板1の平行方向にかけなが
らプラズマを生じさせ、反応性イオンエッチングを行な
う。この方法によると、エッチング速度が大きく、サイ
ドエッチ量は小さいので、短時間で精度の良い加工を行
える。なお、導入ガスの流量、ガス圧、磁束密度、出力
等は任意に適当な値に設定されるが、特にガス圧は0.01
Torr 以下の低圧力とした方がエッチング速度の点で好
ましい。
【0014】このような磁場を基板1の平行方向にかけ
ながら行なう反応性イオンエッチング6により、基板1
を構成する樹脂3は除去され、ガラスクロス2はエッチ
ングされずにそのまま孔加工部分に露出する。
【0015】しかる後、同図(d)に示すように、孔あ
けした部分にめっき膜7を施して導通孔8を形成する。
めっきの方法としては無電解めっきと電解めっきの組合
せが特に好適である。なお、上述したように、ガラスク
ロス2は孔加工部分に露出し残存しているが、縦方向と
横方向のガラス繊維の束の間に貫通孔(同図(c)の符
号2aで示す部分)が形成されているので、この貫通孔
の内部にもめっき膜7が形成され、その結果、基板1の
表面と裏面とが電気的に導通する。
【0016】図2は本発明に係るプリント配線基板の製
造方法の他の例を工程順に示す断面図であり、図1と同
一箇所には同一符号を付して適宜重複説明を省略する。
【0017】本製造工程においては、前述のガラスクロ
ス2を用いた基板1の代わりに、アラミド繊維2′にエ
ポキシ、ポリイミド等の樹脂3′を含浸させ硬化させて
出来た基板1′を使用する(図2(a)参照)。なお、
アラミド繊維でなくても適度な剛性を有するものであれ
ば他の繊維状高分子材料を用いても一向に差支えない。
【0018】次に、同図(b)に示すように、前述と全
く同様にして、上記基板1′の両面に設けた金属薄膜層
4,5の導通孔を形成する部分をフォトエッチングによ
るパターニングで除去する。
【0019】次いで、同図(c)に示すように、前述と
同様に磁場を基板1′の平行方向にかけながら反応性イ
オンエッチング6により基板1′の孔あけ加工を行な
う。図示より明らかなように、前述のガラスクロス2を
用いた場合と異なり、基板1′を構成する樹脂3′だけ
でなくアラミド繊維2′も完全にエッチング除去され、
貫通孔を形成する。
【0020】しかる後、同図(d)に示すように、出来
た貫通孔に無電解めっき等によるめっき膜7を施して導
通孔8を形成する。
【0021】このようにアラミド繊維2′等を用いた場
合には、上述のエッチングによる孔あけ工程においてア
ラミド繊維2′等も完全にエッチング除去された貫通孔
が形成されるため、前述のガラスクロス2を用いた場合
のように例えば孔あけした部分にガラスクロス2の貫通
孔2aが存在していないような小径の導通孔8であって
も全く問題なく形成できるという利点がある。
【0022】また、本発明は上述のような表裏貫通した
導通孔だけでなく、複数の導体層のうちの任意の導体層
と他の導体層との電気的導通を取るための非貫通の導通
孔(一般にVIAホールとも呼ばれている)も形成でき
る。図3はその一例を示したもので、金属薄膜層4,
4′,4″において金属薄膜層4と4′及び4′と4″
のそれぞれの電気的導通を取るための非貫通の導通孔
8′を形成した場合を示している。
【0023】
【作用】本発明は、基板に導通孔を形成するに際し、磁
場を基板の平行方向にかけながら反応性イオンエッチン
グにより基板の孔あけ加工を行なう。
【0024】これによって、小さな径の導通孔であって
も精度良く形成出来、しかもエッチング速度が早いため
加工に要する時間が少なくて済むようになる。
【0025】さらに、孔あけ加工のサイドエッチ量が小
さいため、導通孔内のめっき不着による断線等の不具合
は生じないので信頼性が非常に高くなる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0027】実施例−1 ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させ硬化させてなる
厚さ 100μmのガラスエポキシ板の両面にそれぞれ厚さ
18μmの銅箔層を設けた銅張積層基板の表面及び裏面に
感光性樹脂「フォトED P−1000(商品名)」
(日本ペイント(株)製)を電着により付着させ、これ
にマスク露光法により所定の円孔のパターンを焼き付
け、メタケイ酸ソーダ溶液で現像し、露光した部分の上
記感光性樹脂を除去した。次いで、塩化第2鉄溶液で露
出部の銅箔をエッチングし、5%水酸化ナトリウム溶液
で残存する感光性樹脂を剥離し、水洗、乾燥することに
よりガラスエポキシ板の両面に導通孔を形成する部分の
銅箔を除去した孔径 0.6mmのパターンを形成した。
【0028】次に、出来た試料を図4に示した構造の反
応性イオンエッチング装置のチャンバー内に設置し、以
下の条件でエッチングによる基板の孔あけ加工を行なっ
た。このときの基板のエポキシ樹脂層のエッチング速度
はおよそ5μm/分であった。なお、ガラスクロスはエ
ッチングされないが、ヤーン(ガラス繊維の束)間に約
0.1mm角の貫通孔が複数個形成されていた。処理条件 導入ガス :O2 ガス圧 :1×10-3Torr 磁束密度 :1000ガウス セルフバイアス:− 100V 高周波出力 : 300W
【0029】しかる後、チャンバー内から試料を取り出
し、前処理を実施後、めっき液「スルカップ(商品
名)」(上村工業(株)製)に浸漬させて無電解銅めっ
き(55℃,3分)を行ない、さらに電解銅めっきでめっ
き厚約30μmの導通孔を形成した。
【0030】実施例−2 実施例−1のガラスクロスの代わりにアラミド繊維「ケ
ブラー(商品名)」(デュポン社製)を用いた銅張積層
基板の両面に実施例−1と全く同様にして導通孔を形成
する部分の銅箔を除去したパターンを形成した。
【0031】次に、この試料を実施例−1と全く同様の
条件にてエッチングを行ない基板の孔あけ加工を行なっ
た。このときの基板のエッチング速度は約5μm/分で
あり、アラミド繊維も完全にエッチング除去された貫通
孔が形成された。
【0032】しかる後、実施例−1と同様に、出来た貫
通孔の銅めっきを行ない、導通孔を形成した。
【0033】実施例−3 アラミド繊維(前出)にエポキシ樹脂を含浸させ硬化さ
せて出来たアラミドエポキシ板と銅箔層とを図3に示す
如く順次積層し全体が5層からなる銅張積層基板の表面
及び裏面のそれぞれに実施例−1と全く同様にして導通
孔を形成する部分の銅箔を除去したパターン(表面と裏
面のパターンの位置は異なっている)を形成した。
【0034】次に、この試料を実施例−1と全く同様の
条件にてエッチングを行ない基板の孔あけ加工を行なっ
た。このとき、基板の表面及び裏面のそれぞれからまん
中の銅箔層に到る非貫通孔が形成された(図3参照)。
【0035】しかる後、実施例−1と同様に、出来た孔
の銅めっきを行ない、導通孔(VIAホール)を形成し
た。
【0036】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、基板に設けた金属薄膜層の導通孔を形成する部分
を除去し、次いで磁場を前記基板の平行方向にかけなが
ら反応性イオンエッチングにより前記基板の孔あけ加工
を行ない、しかる後めっきによる導通処理を行なうこと
によって、基板の表面と裏面との電気的導通を取るため
の導通孔を形成するようにしたので、小さな径の導通孔
であっても精度良く形成することが出来る。特に最近の
高密度実装によりますます小径の導通孔を精度良く形成
することが求められており、本発明はこの要求に適う優
れた方法である。
【0037】しかも、エッチング速度が早いため、基板
の孔あけ加工に要する時間が少なくて済むようになり、
生産性が著しく向上する。
【0038】さらに、基板の孔あけ加工のサイドエッチ
量が小さいため、導通孔内のめっき不着による断線等の
不具合は全く生じないので出来た製品の信頼性が非常に
高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント配線基板の製造方法の一例を
工程順に示す断面図である。
【図2】本発明のプリント配線基板の製造方法の他の例
を工程順に示す断面図である。
【図3】本発明のプリント配線基板の製造方法のその他
の例を工程順に示す断面図である。
【図4】本発明に使用する反応性イオンエッチング装置
の概略模式図である。
【符号の説明】
1,1′ 基板 2 ガラスクロス 2′ アラミド繊維 3,3′ 樹脂 4,5 金属薄膜層 6 イオンエッチング 7 めっき膜 8 導通孔 9 アノード 10 カソード 11 永久磁石

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント配線基板を構成する少なくとも
    一層の基板に表面と裏面との電気的導通を取るための表
    裏貫通した導通孔または任意の導体層と他の導体層との
    電気的導通を取るための非貫通の導通孔を形成するプリ
    ント配線基板の製造方法において、前記基板に設けた金
    属薄膜層の導通孔を形成する部分を除去し、次いで磁場
    を前記基板の平行方向にかけながら反応性イオンエッチ
    ングにより前記基板の孔あけ加工を行ない、しかる後め
    っきによる導通処理を行なうことにより導通孔を形成す
    ることを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板はガラスクロスに樹脂を含浸さ
    せたものを使用することを特徴とする請求項1記載のプ
    リント配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基板はアラミド繊維等の繊維状高分
    子材料に樹脂を含浸させたものを使用することを特徴と
    する請求項1記載のプリント配線基板の製造方法。
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