JPH0624260U - 位置検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油や水分等の湿気に対して十分に対応できる
と共に、保守、点検や配線の取り出しも容易な位置検出
装置を提供する。 【構成】 変速機のシフト・セレクト用シャフト２に固
定されたリング３に磁石４を取り付け、該リング３を覆
って軸方向カバー５を変速機本体１に固定し、上記軸方
向カバー５の外側にリング３の長手方向に該リング３と
対面した位置にハイブリッドＩＣからなる磁気検出部材
９を取り付け、ハイブリッドＩＣの出力端子１１と外部
出力コード１４を回路基板８上で一体化し、上記出力コ
ード１４は弾性パッキン部材１６を有する蓋体１５をと
おり回路基板８に取り付けることにより位置検出装置を
構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、トランスミッションのギヤ位置を検出する位置検出装置に係り、 特に操作部ユニットからの電気的な指令信号を受けてセレクト及びシフトする車 両用変速機に用いて好適な位置検出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の位置検出装置としては、第４図に示すような構成のものが知られ ている。すなわち第４図は実願昭５８−１１６７６号（実開昭５９−１１６６５ ９号）として公開されたものであり、図において変速機ａのシフト・セレクトシ ャフトｂの一端に、シフト軸ｃがボルトｄにより連結され、このシフト軸ｃの端 部周面には２つの磁石ｅ，ｆがシフト軸ｃの上面及び下面にそれぞれ埋設されて いる。ｇはシフト軸ｃがシフト自在に変位できるように被包された軸カバーで、 変速機ａの側面にボルトＬにより固着されている。軸カバーｇの内面には変速ギ ヤ数に応じた数（この場合は６個）の磁気センサｈ₁ ，──，ｈ₆ が埋設されて いる。 ６個の磁気センサｈの出力は増幅回路ｉを介してそれぞれギヤ位置を示す出力 端子ｋ，──，ｋ₆ に接続されている。

【０００３】 いまシフトレバーを操作し、例えばシフト・セレクトシャフトｂが第１速に相 当するギヤ位置に移動すると、シフト軸ｃの磁石ｅは磁気センサｈ₁ に対向する 位置に移動し、磁気センサｈ₁ は磁界を感知しその内部抵抗が変化する。 磁気センサｈ₁ の出力信号は増幅回路ｉで増幅されて出力端子ｋ₁ にあらわれ る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来のものはいわゆる接点式のギヤ位置センサと較べれば、接触不良 を起こすことがないので信頼性も高く、小形軽量化にも役立つものである。 しかしながら検出部材を構成する磁気センサｈが軸カバーｇの内面に埋設され ているため、油や水分等の湿気に対しては十分な対策ができないので、磁気セン サに悪影響を及ぼすものであり、センサ取り付け時の作業性についても、軸カバ ーの内面であるため困難をきわめ、更に保守，点検あるいは交換などについては 容易に出来ないというような不具合を有するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段及び作用】

この考案は、上記問題点に鑑みなされたものであって、変速機のシフト・セレ クト用シャフトに固定されたリングに磁石を取り付け、該リングを覆って軸方向 カバーを変速機本体に固定し、上記軸方向カバーの外側にリングの長手方向に該 リングと対面した位置にハイブリッドから成る磁気検出部材を取り付け、ハイブ リッドの出力端子と外部出力コードを回路基板上で一体化し、上記出力コードは 弾性パッキン部材を有する蓋体をとおり回路基板に取り付けたものである。

【０００６】

【作用】

従って油や水分等の湿気に対して十分な対策をすることができると共に、磁気 検出部材の取り付けがきわめて容易となり、その後の保守や、点検や、さらには 配線の取り出しも容易な位置検出装置が得られるものである。

【０００７】

【実施例】

つぎにこの考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は長手方向の軸に沿う断面側面図、図２は図１上のＡ−Ａに沿う断面図、 図３は図１の上面図である。 これらの図において、１は変速機本体、２はエアシリンダ（図示せず）の後端 より突出されたセレクト用シャフトの一部であり、変速機をセレクト動作させる ため、運転席に設けられた変速機シフトレバー（図示せず）からの信号に基づき エアシリンダを作動させて、軸方向の３つの位置に変位される。 このシャフトの一部（以下シャフトという）２はセレクト用シャフトと別体に 形成し適宜の連結手段により一体的に固定させてもよい。３は軸方向へ可動する シャフト２に固定されたリングであって、この実施例のものではセレクトとシフ トがそれぞれ別々の軸によりなされるものとなっているので、ビス６，６とまわ り止め部材７によってまわり止めされ、該リング３には磁石４が固定されている 。５は軸方向のカバーであり、図示のように上記リング３を覆い変速機本体１に 固定されている。

【０００８】 そして上記カバー５の外側に、磁石４を取り付けたリング３の長手方向に、該 リング３に対面した位置に、例えばハイブリッＩＣから成る磁気検出部材９が取 り付けられている。 ８は回路基板、１１は出力端子、１３はビスを示す。 また回路基板８にはハイブリットＩＣの出力端子１１と外部出力コード１４が 取り付けられている。 このようにホール素子等から成るセンサ部と増幅回路、およびスイッチ回路と からなる制御部がセラミック基板上で一体化されたハイブリッドＩＣとなってい るため、ノイズに対して強く配線の取り出しもきわめて容易である。 １５は蓋体でビス１２によってゴムなど弾性パッキン部材１６が取り付けられ 、出力コード１４は該パッキン部材１６をとおり回路基板８に取り付けられてい て、防水防塵作用を一層有効なものとしている。

【０００９】 この考案の実施例のものは以上詳述したようにして成るので、磁石を埋設した リングの長手方向に沿い該リングに対向してハイブリッドＩＣよりなる磁気検出 部材９を軸カバー５の外側に設けて成り、つまり磁気検出部材を外方に設けたこ とによって油や水分等の湿気に対しても十分に対応ができ、特にハイブリッドＩ Ｃ上の半導体等への悪影響がない。 しかも外付けのためカバー部への取り付けはきわめて良好であり、さらに保守 、点検、交換、配線の取り出しも容易である。

【００１０】 またハイブリッドＩＣの取り付けに際し、検出出力が最大のところで固定する などの位置の調整も容易である。 なお基準位置Ｐからマグネット４の距離が決まっているならば、ハイブリッド ＩＣのカバーへの取り付けは予めできるので、無調整とすることもできる。

【００１１】 また検出ピッチ（ストローク）が異なるものに対しては、ハイブリッドＩＣの 種類で対応することができる。 そして検出点の増減については、ホール素子の数により決めることができる。 またシフト用のシャフトの可動に対する位置検出についても全く同様である。 なおセレクトとシフトが１本の軸でなされるものについては、シャフトの回転 方向への検出素子を容易することにより容易に対応することができる。

【００１２】

【考案の効果】

この考案は以上詳述したようにして成るので、油や水分等の湿気に対して十分 に対応できると共に、保守、点検、交換や配線の取り出しがきわめて容易である 。 また磁気検出部材であるハイブリッドＩＣの出力端子や外部出力コードを回路 基板上で一体化したことにより、全体として小形化でコンパクトなものにするこ とができる。 出力コードはパッキンにより強固に固定されているので、ハイブリッドＩＣの 基板の方へ無理な力が掛からず、磁気検出部材による良好な位置検出ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す検出装置の長手方向
の軸に沿う断面側面図である。

【図２】図１のＡ−Ａに沿う断面図である。

【図３】図１の上面図である。

【図４】従来装置を示す。

【符号の説明】

１ 変速機本体 ２ シフトセレクト用シャフト ３ リング ４ 磁石 ５ 軸方向カバー ８ 回路基板 ９ 磁気検出部材 １１ 出力端子 １４ 出力コード １５ 蓋体 １６ 弾性パッキン部材 ＩＣ ハイブリッド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 変速機のシフト・セレクト用シャフト２
   に固定されたリング３に磁石４を取り付け、該リング３
   を覆って軸方向カバー５を変速機本体１に固定し、上記
   軸方向カバー５の外側にリング３の長手方向に該リング
   ３と対面した位置にハイブリッドＩＣからなる磁気検出
   部材９を取り付け、ハイブリッドＩＣの出力端子１１と
   外部出力コード１４を回路基板８上で一体化し、上記出
   力コード１４は弾性パッキン部材１６を有する蓋体１５
   をとおり回路基板８に取り付けられていることを特徴と
   する、位置検出装置。