JPH0624240U - 感温作動型流体式ファン・カップリング装置 - Google Patents

感温作動型流体式ファン・カップリング装置

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JPH0624240U
JPH0624240U JP6628392U JP6628392U JPH0624240U JP H0624240 U JPH0624240 U JP H0624240U JP 6628392 U JP6628392 U JP 6628392U JP 6628392 U JP6628392 U JP 6628392U JP H0624240 U JPH0624240 U JP H0624240U
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fan
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valve member
oil
torque transmission
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郁夫 渡辺
竹良 跡部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弁部材に穿設した連通孔の構造により、特に
作動オフの停車状態でのエアコン使用時にあっても、フ
ァン・カップリング装置での送風量を増すことにより、
該カップリング装置自体をもってエアコン用コンデンサ
ーへの冷却効果を高めてエアコン作動での支障の憂いを
なくし、また別途モーターファンの不要とにより安価に
構成することができ、更に弁部材の微振動に伴うファン
回転の「ハンチング」現象を防止して制御機能を円滑に
行うことができるようにする。 【構成】 温度変化により仕切板の供給調整孔を開閉す
る弁部材の、前記供給調整孔に重合位置する部分に該調
整孔より小径の連通孔を穿設して構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、一般に自動車における機関冷却用のファン回転を外部周囲の温度変 化に追従して制御するファン・カップリング装置にあって、特にエアコン使用車 での該エアコン用コンデンサーの冷却機能をも同時に兼ね備えた感温作動型流体 式ファン・カップリング装置の構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のファン・カップリング装置としては、例えばその要部を図5に 示すようにトルク伝達室(24)と油溜り室(25)とに区劃する仕切板(25)の供給調整 孔(25') を開放、閉鎖する弁部材(28)を、外部周囲の温度に対する一定の設定値 を境として完全に開閉してオン・オフ作動するように構成されていた。尚(24)は 必要に応じリニア特性を得るために設けられた重錘体である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、一般にこのような従来の技術においては、通常の機関冷却用と してはその機能を発揮して満足し得るものではあるが、ファン・カップリング装 置の作動オフの停車(アイドリング状態)状態でのエアコン使用時にあって、前 記供給調整孔(25') での完全な閉鎖に伴うトルク伝達室への油の殆んど供給され ない状態においてはファン送風量の極度の不足(図6(ロ))に起因して、エア コン用コンデンサーでの冷却を不充分となし、ヒューズ切れを招いてエアコン作 動に支障をきたす原因となった。従ってかかる問題に対応して別途モーター駆動 によるアシストファンを併備して前記停車状態での冷却効果を行っているが、該 モーター・ファンの別途使用と、狭いスペースのエンジン・ルーム内での取付け とによって高価となす問題を有し、また弁部材(28)を感温体の変形に連動させる ために連桿(図示せず)と当接される関係上、また、供給調整孔(25') 部での開 閉機能に関連して、ある程度の幅広をもって形成されるため、前記供給調整孔(2 5') 部の表面に弁部材(28)側の平坦にして且つ幅広の表面が当接するその変位方 向に対して直交する平面での相互の係合構造によって、弁部材(28)の開放及び閉 鎖する過程で油溜り室(26)側からトルク伝達室(24)側への供給される遠心力によ り加圧された油による背圧によって、該弁部材側に供給調整孔(25') 部での吸付 き現象を生ぜしめ、該吸付きにより供給調整孔(25') が閉鎖されてトルク伝達室 (24)側の油が減少して回転の低下を招き、この結果遠心力の低下に伴う加圧力の 降下につれ背圧が降下して前記供給調整孔(25') が再び開放され、このような連 続した吸付きによる閉鎖と開放の繰返しにより弁部材(28)に微振動を生ぜしめ、 これがファン回転数が短かい周期で上下する、いわゆる「ハンチング」の現象の 一原因となり、ファン・カップリング装置の機能の不安定を招いていた。
【0004】 尚、このような「ハンチング」現象は図6に示される通り機関高速回転時(ロ ′)にも、低速回転(アイドリング)時(ロ)にも発生するものである。
【0005】 本考案は従来技術の有する前記問題に鑑みてなされたものであり、装置全体と しての平常時のファン回転を制御して機関冷却機能に殆んど影響を及ぼすことな く、特に前記作動オフの停車状態時にあってもファン・カップリング装置自体を もってエアコン用コンデンサーへの冷却効果を高め、モーターファンを併備する 必要をなくして安価に構成し得るようにし、また弁部材での前記ハンチング現象 を極力軽減、防止して制御機能を円滑となすことのできる感温作動型流体式ファ ン・カップリング装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記目的を達成するため、先端部に駆動ディスクを固着した回転軸体 上に軸受を介して支承され、且つ外周部に冷却ファンを取付けたケースとカバー とからなる密封器匣の内部を、油の供給調整孔を有する仕切板により油溜り室と 前記駆動ディスクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回転時の油の集溜する駆 動ディスクの外周側壁面に対向する密封器匣側の内周側壁部の一部にダムと、ト ルク伝達室側より油溜り室側に通ずる循環排出流通路を形成すると共に、油溜り 室側にその一端を鋲着し、他端部をもって外部周囲の温度が設定値を越えると前 記仕切板上の供給調整孔を開放し、設定値以下では閉鎖する板状弁部材を、前記 カバーの前面に設けたバイメタルからなる感温体の温度変化に伴う変形に連動す るように内部に備え、駆動ディスクと前記密封器匣の外方附近とのなす対向壁面 に設けたトルク伝達間隙部での油の有効接触面積を増減させて駆動側の回転軸体 側から被駆動側の密封器匣側への回転トルク伝達を制御するようにしたファン・ カップリング装置において、前記弁部材の、仕切板の供給調整孔部に重合位置す る部分に該調整孔より小径の連通孔を穿設して構成した感温作動型流体式ファン ・カップリング装置を要旨とするものである。
【0007】
【作用】
本考案はこのように構成されているため、前記弁部材側に穿設した仕切板の供 給調整孔に通ずる連通孔の構造により、特に作動オフの停車状態でのエアコン使 用時にあっても該連通孔を通じてトルク伝達室側への油の供給を行って伝達トル クを増大させ、これによってファン・カップリング装置での送風量を増すことと なり、従って該カップリング装置自体をもってエアコン用コンデンサーへの冷却 効果を高めてエアコン作動での支障の憂いをなくし、また別途のモーター・ファ ンを不要として安価に構成することができ、更に前記連通孔からの油の供給によ り油溜り室とトルク伝達室側との圧力差を極力減少して加圧された油による背圧 の変動を防ぐこととなるため、弁部材の吸付き、開放による微振動を防止してフ ァン・カップリング装置の「ハンチング」現象をなくして制御機能を円滑に行わ しめることができる。
【0008】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明すれば、図1は本考案の感温作動 型流体式ファン・カップリング装置の一部切欠き縦断面図、図2は図1の弁部材 と仕切板との関係状態を示す一部切欠き平面図、図3は図2A−A線の作動オフ 状態の説明を示す一部断面図、図4は同じく作動オン状態の説明を示す一部断面 図、図5は従来例の作動オフの状態を示す弁部材と仕切板との一部断面図、図6 は本考案品と従来品との比較性能を示す特性曲線図であり、(1) は回転軸体であ り、その先端部に円盤状の駆動ディスク(7) を固着し、且つ後端部に相手基体へ の取付けフランジ壁(1')を有して駆動側を構成するものであって、該軸体上に軸 受を介して外周部に冷却ファン(図示せず)を取付けたケース(2) とカバー(3) とからなる被駆動側としての密封器匣を支承してある。(5) は仕切板であり、密 封器匣の内部を油溜り室(6) と前記駆動ディスク(7) を内装するトルク伝達室(4 ) とに区劃してなるものであって、該仕切板の外方附近には油溜り室(6) よりト ルク伝達室(4) への油の供給調整孔(5')が設けてある。そして前記駆動ディスク (7) はトルク伝達室(4) 内にあって密封器匣の外方附近のなす対向壁面とにトル ク伝達間隙を保持してなるものである。(8) は供給調整孔(5')を開閉する板状弁 部材であり、油溜り室(6) 側に位置して仕切板(5) の壁面又は油溜り室(6) の内 周面にその一端を鋲着し、他端附近に、必要に応じリニア特性を得るための重錘 体(14)を有すると共に、供給調整孔(5')部に重合位置する他端部に該調整孔より 小径の連通孔(8')を穿設してなるものであって、作動オフの停車状態でのエアコ ン使用時にあっても該連通孔を通じて少量の油をトルク伝達室(4) 側に供給する ものであり、前記カバー(3) の前面に固定した支持金具(11)にその両端部を係支 した板状バイメタルからなる感温体(10)による外部周囲の温度変化に伴う変形に 連動するように連桿(9) を介して内部に備えてある。(12)はダムであり、回転作 動時の油の集溜する駆動ディスク(7) の外周側壁面に対向する密封器匣の内周側 壁部の一部に設けたものであって、同じくトルク伝達室(4) 側から油溜り室(6) 側への循環排出流通路(13)によってポンピング機能をなすものである。
【0009】 尚図1の実線による矢印は油の供給並びに循環流通方向をそれぞれ示すもので あり、また図6(イ)は本考案品による機関低速(アイドリング)時、(イ′) は機関高速時の特性曲線を示すもので、機関低速時におけるファンの送風量を増 すと共に、「ハンチング」現象の発生が防止されていることを示す。更に前記し たオリフィス的な連通孔(8')は作動オフ状態でのファン送風量に関連してその径 を適宜選択できるものである。
【0010】
【考案の効果】 以上説明したように本考案による感温作動型流体式ファン・カップリング装置 は、特に弁部材(8) の、仕切板(5) の供給調整孔(5')部に重合位置する部分に該 調整孔より小径の連通孔(8')を穿設して構成するため、装置全体としての平常時 のファン回転を制御して機関冷却機能を殆んど影響を及ぼすことなく、前記作動 オフの停車状態でのエアコン使用時にあっても、連通孔(8')を通じたトルク伝達 室(4) 側への少量の油の供給によってファン送風量を増すことができ、従ってエ アコン用コンデンサーへの冷却効果を高めて該エアコン作動での支障の憂いをな くし、また別途モーターファンを設けることを不要にすることにより安価に構成 することができ、更に油溜り室(6) 側とトルク伝達室(4) との圧力差を極力減少 して弁部材(8) の微振動に伴うファン回転の「ハンチング」現象をなくして制御 機能を円滑に行わしめることができる等、極めて有用な感温作動型流体式ファン ・カップリング装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の感温作動型流体式ファン・カップリン
グ装置の一部切欠き縦断面図である。
【図2】図1の弁部材と仕切板との関係状態を示す一部
切欠き平面図である。
【図3】図2A−A線の作動オフ状態の説明を示す一部
断面図である。
【図4】同じく作動オン状態の説明を示す一部断面図で
ある。
【図5】従来例の作動オフ状態を示す弁部材と仕切板と
の一部断面図である。
【図6】本考案品と従来品との比較性能を示す特性曲線
図である。
【符号の説明】
5 仕切板 5′ 供給調整孔 8 弁部材 8′ 連通孔

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部に駆動ディスクを固着した回転軸
    体上に軸受を介して支承され、且つ外周部に冷却ファン
    を取付けたケースとカバーとからなる密封器匣の内部
    を、油の供給調整孔を有する仕切板により油溜り室と前
    記駆動ディスクを内装するトルク伝達室とに区劃し、回
    転時の油の集溜する駆動ディスクの外周側壁面に対向す
    る密封器匣側の内周側壁部の一部にダムと、トルク伝達
    室側より油溜り室側に通ずる循環排出流通路を形成する
    と共に、油溜り室側にその一端を鋲着し、その他端部を
    もって外部周囲の温度が設定値を越えると前記仕切板の
    供給調整孔を開放し、設定値以下では閉鎖する板状弁部
    材を、前記カバーの前面に設けたバイメタルからなる感
    温体の温度変化に伴う変形に連動するように内部に備
    え、駆動ディスクと前記密封器匣の外方附近とのなす対
    向壁面に設けたトルク伝達間隙部での油の有効接触面積
    を増減させて駆動側の回転軸体側から被駆動側の密封器
    匣側への回転トルク伝達を制御するようにしたファン・
    カップリング装置において、前記弁部材(8) の、仕切板
    (5) の供給調整孔(5')部に重合位置する部分に該調整孔
    より小径の連通孔(8')を穿設して構成したことを特徴と
    する感温作動型流体式ファン・カップリング装置。
JP1992066283U 1992-08-28 1992-08-28 感温作動型流体式ファン・カップリング装置 Expired - Lifetime JP2584630Y2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014125985A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Hino Motors Ltd ファン制御装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57193715A (en) * 1981-05-22 1982-11-29 Mazda Motor Corp Thermomodulate fan

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