JPH06241232A - 動圧軸受装置 - Google Patents

動圧軸受装置

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JPH06241232A
JPH06241232A JP3150893A JP3150893A JPH06241232A JP H06241232 A JPH06241232 A JP H06241232A JP 3150893 A JP3150893 A JP 3150893A JP 3150893 A JP3150893 A JP 3150893A JP H06241232 A JPH06241232 A JP H06241232A
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JP
Japan
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dynamic pressure
bearing member
bearing
thin film
peripheral surface
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JP3150893A
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English (en)
Inventor
Takao Abe
隆雄 安部
Hideo Yoshizawa
秀夫 吉沢
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TOKYO DAIYAMONDO KOGU SEISAKUSHO KK
TOKYO DIAMOND KOGU
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
TOKYO DAIYAMONDO KOGU SEISAKUSHO KK
TOKYO DIAMOND KOGU
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP3150893A priority Critical patent/JPH06241232A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高速回転する回転駆動装置に適用
され、動圧空気を発生させることにより支持する動圧軸
受装置に関し、膜厚管理が容易で高硬度・高潤滑性の薄
膜を軸受面に形成することにより、高信頼性の動圧軸受
装置を提供することを目的とする。 【構成】 円柱形状に形成された第1軸受部材11と、第
1軸受部材11を挿入されその外周面13に所定隙間15を介
して対向する内周面14を有する第2軸受部材12と、第1
軸受部材11の外周面13に設けられ動圧を発生させる動圧
発生用溝16と、を備え、第1軸受部材11の外周面13にダ
イヤモンド粒子クラスタ薄膜を形成し、第2軸受部材12
が回転したとき、動圧発生用溝16によって外周面13およ
び内周面14間に動圧を発生させることにより第1、2軸
受部材11、12を非接触回転状態でラジアル方向に支持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転駆動装置に用いら
れる動圧軸受装置に関し、特にレーザプリンタ、デジタ
ル複写機等に搭載されるレーザビームスキャナ用ポリゴ
ンモータ等の高速回転する回転駆動装置に適用され、動
圧空気を発生させることにより支持する動圧軸受装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザプリンタ、デジタル複写
機、デジタルファクシミリ等の記録装置は、高速・高密
度化に伴って、レーザビームを走査し光書込みするポリ
ゴンミラーが搭載されたポリゴンスキャナの高速回転化
および高回転精度化の要求が高くなっている。そのた
め、従来の玉軸受に代り動圧空気を発生させることによ
り支持する動圧軸受装置を用いたポリゴンモータが実用
化されている。この動圧軸受装置は寿命、騒音および回
転精度等の面に優れているが、より一層の高速回転にお
ける信頼性の向上や、起動・停止の繰り返しに対する耐
久性の向上が要求されている。
【0003】従来、このような動圧軸受装置は、所定隙
間を介して対向する固定側軸受部材および回転側軸受部
材の対向面(軸受面)に動圧発生用溝(例えば、ヘリン
グボーン溝)を形成し、一方が回転することによって動
圧空気を発生させラジアル方向あるいはスラスト方向に
非接触に支持することにより寿命および回転精度等を向
上させている。また、さらに耐久性を向上させるため、
軸受部材の材質に特徴を持たせたり、その対向面に表面
処理を施すことにより耐久性を向上させた動圧軸受装置
が知られている。この種の動圧軸受装置としては、以下
に示すようなものがある。
【0004】第1従来例 固定側軸受部材(以下、単に固定部材ともいう)および
回転側軸受部材(以下、単に回転部材ともいう)が互い
に異なる材質からなり、一方を軟質金属(例えば、リン
青銅等)により構成し、他方を硬質金属(例えば、焼入
れしたステンレス鋼等)により構成することによって固
定部材と回転部材との摩擦トルクを小さくした動圧軸受
装置がある。
【0005】第2従来例 固定部材および回転部材を同一材質により構成して線膨
張係数を同一にすることによって温度変化による前記隙
間の変化を少なくするとともに、双方の表面硬度を向上
させるため熱処理(例えば、ステンレス鋼の場合には焼
入れ等)または表面処理(例えば、アルミニウムの場合
には硬質陽極酸化皮膜処理)を施した動圧軸受装置があ
る。
【0006】第3従来例 線膨張係数の略等しい固定部材あるいは回転部材のどち
らか一方の対向面に四フッ化エチレン薄膜を形成するこ
とによって温度変化による前記隙間の変化を少なくする
とともに固定部材と回転部材との摩擦トルクを小さくし
た動圧軸受装置があり、例えば、その部材がステンレス
鋼の場合にはその対向面に多孔質皮膜のニッケル−リン
皮膜を形成し四フッ化エチレン樹脂を含浸させたり、ま
たアルミニウムの場合にはその対向面に多孔質皮膜の硬
質陽極酸化皮膜を形成し四フッ化エチレン樹脂を含浸さ
せるものが、実公平2−493号公報に記載されてい
る。
【0007】第4従来例 金属または樹脂からなる固定部材あるいは回転部材のど
ちらか一方の対向面に、樹脂からなり他方に対向する側
に前記動圧発生用溝が形成されたシートを接着すること
によって摩擦特性および摩耗特性を向上させた動圧軸受
装置が、特開平3−69813号公報または特開平2−
57715号公報に記載されている。
【0008】第5従来例 また、実開平2−5721号公報または特開平3−28
516号公報には、固定部材あるいは回転部材の一方を
セラミックス、例えば多孔質セラミックスにより構成し
たものが記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1従
来例にあっては、固定部材および回転部材の材質が異な
るため線膨張係数の差が大きく、前記隙間が温度変化に
よって大きく変化してしまい広い温度範囲では動圧軸受
装置の軸受性能を維持できないという問題があった。
【0010】また、第2従来例にあっては、線膨張係数
が同一であるため温度変化による前記隙間の変化は少な
く動圧軸受装置の軸受性能の低下はほとんど認められな
いが、焼入れあるいは硬質陽極酸化皮膜処理によって前
記対向面の表面硬度を向上させているため摺動性が悪
く、起動・停止の繰り返しによる耐久性や、また焼き付
きに関して信頼性が低いという問題があった。
【0011】第3従来例にあっては、多孔質皮膜のニッ
ケル−リン皮膜あるいは硬質陽極酸化皮膜に四フッ化エ
チレン樹脂を含浸し四フッ化エチレン皮膜を形成するた
め、それぞれの膜厚管理が難しく、皮膜形成した固定部
材あるいは回転部材を動圧軸受としての寸法精度にする
ための仕上げ加工が必要となり、また動圧発生用溝の加
工方法が制限されてしまうという問題があった。
【0012】第4従来例にあっては、金属あるいは樹脂
からなる固定部材あるいは回転部材の対向面に樹脂から
なるシートを接着するため、シートの高精度成形が困難
であり、また樹脂により固定部材あるいは回転部材を構
成した場合、回転装置を構成している他の主に金属から
なる駆動部および負荷部等との締結が困難である等の問
題があった。
【0013】第5従来例にあっては、固定部材あるいは
回転部材の一方をセラミックスにより構成しているた
め、第4従来例と同様に回転装置を構成している他の主
に金属からなる駆動部および負荷部等との締結が困難で
ある等の問題があった。そこで、本発明は、膜厚管理が
容易で高硬度・高潤滑性の薄膜を軸受面に形成すること
により、起動・停止の繰り返しによる耐久性を向上させ
るとともに焼き付きを防止して、製造工程の管理が容易
な広い温度範囲に亙って動圧軸受装置の軸受性能を維持
することができる高信頼性の動圧軸受装置を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明は、円柱形状に形成された第1軸受部
材と、該第1軸受部材を挿入されその軸側面の外周面に
所定隙間を介して対向する内周面を有する第2軸受部材
と、第1軸受部材の外周面あるいは第2軸受部材の内周
面の何れか一方に設けられ動圧を発生させる動圧発生手
段と、を備え、動圧発生手段によって第1、2軸受部材
の外周面および内周面間に動圧を発生させることにより
ラジアル方向に支持する動圧軸受装置において、第1軸
受部材の外周面あるいは第2軸受部材の内周面の少なく
とも何れか一方にダイヤモンド粒子クラスタ薄膜を形成
することを特徴とするものであり、請求項2記載の発明
は、前記動圧発生手段が、動圧発生用溝であることを特
徴とするものである。
【0015】また、請求項3記載の発明は、円柱形状に
形成された第1軸受部材と、第1軸受部材の軸端面に対
向する対向面を有する第2軸受部材と、第1軸受部材の
軸端面あるいは第2軸受部材の対向面の何れか一方に設
けられ動圧を発生させる動圧発生用溝と、を備え、動圧
発生用溝によって第1、2軸受部材の軸端面および対向
面間に動圧を発生させることによりスラスト方向に支持
する動圧軸受装置において、第1軸受部材の軸端面ある
いは第2軸受部材の対向面の少なくとも何れか一方にダ
イヤモンド粒子クラスタ薄膜を形成することを特徴とす
るものである。
【0016】また、請求項4記載の発明は、前記ダイヤ
モンド粒子クラスタ薄膜は、めっき液中にダイヤモンド
粒子クラスタを分散し、該ダイヤモンド粒子クラスタを
めっき材料とともに被薄膜形成面に共析させ形成する薄
膜であることを特徴とするものである。なお、前記めっ
き液とは、被薄膜形成面に電解または無電解めっきする
めっき液である。また、前記被薄膜形成面とは、前記第
1軸受部材の外周面あるいは第2軸受部材の内周面の少
なくともどちらか一方であり、または、前記第1軸受部
材あるいは第2軸受部材の少なくともどちらか一方の前
記対向面である。
【0017】また、ダイヤモンド粒子クラスタ薄膜と
は、ダイヤモンド粒子クラスタ(超々微粒子)が金属マ
トリックス中に分散している薄膜であり、ダイヤモンド
粒子クラスタとは平均粒径が 100Å(1Å=10-8cm)
以下の丸みを帯びたダイヤモンド粒子である。
【0018】
【作用】請求項1記載の発明では、第1、2軸受部材の
どちらか一方が回転することによって動圧発生手段によ
り前記隙間に動圧が発生され、その動圧により第1、2
軸受部材がラジアル方向に支持される。このとき、第
1、2軸受部材の外周面あるいは内周面の少なくとも何
れか一方に高硬度・高潤滑性のダイヤモンド粒子クラス
タ薄膜が形成されているため、摺動性が向上され、耐摩
耗性が向上される。
【0019】請求項2記載の発明では、第1、2軸受部
材のどちらか一方が回転することによって動圧発生用溝
により前記隙間に流体が押し込められることによって動
圧発生作用が発生し、その動圧が所定圧以上にされたと
き、その動圧作用により第1、2軸受部材は非接触回転
状態でラジアル方向に支持される。また、前記動圧が初
手威圧に達しないときには、第1、2軸受部材の外周面
あるいは内周面の少なくとも何れか一方に高硬度・高潤
滑性の高いダイヤモンド粒子クラスタ薄膜が形成されて
いるため、第1、2軸受部材の外周面および内周面間の
摺動性が向上され、耐摩耗性が向上される。したがっ
て、動圧が所定圧以下で第1、2軸受部材が互いに接触
してしまう起動・停止の繰り返しによる摩耗が抑えら
れ、また焼き付きが防止される。
【0020】また、請求項3記載の発明では、第1、2
軸受部材のどちらか一方が回転することによって動圧発
生用溝により前記隙間に流体が押し込められ動圧発生作
用が発生し、その動圧が所定圧以上にされたとき、その
動圧作用により第1、2軸受部材は非接触回転状態でス
ラスト方向に支持される。また、前記動圧が初手威圧に
達しないときには、第1、2軸受部材の外周面あるいは
内周面の少なくとも何れか一方に高硬度・高潤滑性の高
いダイヤモンド粒子クラスタ薄膜が形成されているた
め、第1、2軸受部材の軸端面および対向面間の摺動性
が向上され、耐摩耗性が向上される。したがって、動圧
が所定圧以下で第1、2軸受部材が互いに接触してしま
う起動・停止の繰り返しによる摩耗が抑えられ、また焼
き付きが防止される。
【0021】また、請求項4記載の発明では、ダイヤモ
ンド粒子クラスタ薄膜を、めっき液中にダイヤモンド粒
子クラスタを分散し、そのダイヤモンド粒子クラスタを
めっき材料とともに共析させ被薄膜形成面に形成するの
で、そのダイヤモンド粒子クラスタはオングストローム
オーダの超々微粒子であるため、めっき液中に長時間均
一に分散し、めっき材料と共に偏析なく共析し均一なダ
イヤモンド粒子クラスタ薄膜となる。したがって、膜厚
管理が容易になされる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は請求項1、2、または4記載の発明に係る動圧軸受
装置の第1実施例を示す一部断面図である。同図におい
て、11は第1軸受部材、12は第2軸受部材であり、第
1、2軸受部材11、12はアルミニウムあるいはアルミニ
ウム合金からなり、第1軸受部材11は所定径の円柱状に
形成され、第2軸受部材12は中空の筒状に形成されてお
り、第1軸受部材11の外周面13および第2軸受部材12の
内周面14は、第1軸受部材11が第2軸受部材12に挿入さ
れ第1軸受部材11の外周面13と所定隙間15を介して内周
面14が対向するように形成されている。第1軸受部材11
の外周面13には動圧発生用溝(例えば、ヘリングボーン
溝)16が形成されており、動圧発生用溝16は、例えば第
2軸受部材12が回転すると隙間15の空気を動圧発生用溝
16間に押し込めることにより動圧発生作用を生じさせ、
その動圧が所定圧以上になったとき第2軸受部材12を第
1軸受部材11から浮上させラジアル方向に非接触回転状
態で支持する。なお、第2軸受部材12には駆動部および
負荷部等に締結されており、この駆動部により回転され
る。
【0023】第1軸受部材11の外周面(被薄膜形成面)
13には、ダイヤモンド粒子クラスタ薄膜が形成されてお
り、このダイヤモンド粒子クラスタ薄膜は、単結晶のよ
うな鋭利な角がなく丸みを帯びた平均粒径が 100Å以下
の多結晶のダイヤモンド粒子クラスタ(以下、単にダイ
ヤモンド粒子ともいう)が薄膜中に分散しているもので
あり、丸みを帯びたダイヤモンド粒子により高硬度にす
るとともに摩擦係数が非常に小さな面にすることによっ
て摺動性および耐摩耗性に優れた外周面13にするもので
ある。このダイヤモンド粒子クラスタ薄膜は、例えば無
電解ニッケルめっき中にダイヤモンド粒子が分散してい
るものであり、無電解ニッケルめっき液中にダイヤモン
ド粒子を分散させニッケルとともに共析させたものであ
る。この無電解ニッケルめっきでは、ダイヤモンド粒子
が非常に小さな微粒子であるため、めっき液中の沈澱速
度が非常に遅く、長時間均一に分散した懸濁状態を維持
することができる。そのため、このダイヤモンド粒子ク
ラスタ薄膜はダイヤモンド粒子が均一に共析したものと
なっている。
【0024】第2軸受部材12の内周面14には、硬質陽極
酸化膜が形成されており、この硬質陽極酸化膜はアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金を陽極、鉛を陰極にし
て、低温に調整された酸性水溶液中で電解し、硬質陽極
酸化膜を形成したものであり、内周面14の表面硬度を向
上させ耐久性を向上させるものである。本実施例では、
第2軸受部材12が回転すると動圧発生用溝16により動圧
発生作用が発生され隙間15の動圧が所定圧以上になった
とき、ラジアル方向に非接触回転状態で支持される。ま
た、第1、2軸受部材11、12の互いに対向する外周面13
および内周面14に、ダイヤモンド粒子クラスタ薄膜ある
いは硬質陽極酸化膜が形成されているので、前記動圧が
所定圧に達していない第2軸受部材12の低速回転時等に
接触回転するときの摺動性および耐摩耗性が向上され、
起動・停止の繰り返し等による摩耗が抑えられ、また焼
き付きが防止される。したがって、耐久性および信頼性
が向上される。
【0025】さらに、前記動圧が所定圧に達して非接触
回転状態のときには第1、2軸受部材11、12は同一のア
ルミニウムあるいはアルミニウム合金により構成され線
膨張係数が同一にされているため温度変化による隙間15
の変化はなく略一定となっているので広い温度範囲にお
いて軸受性能の低下は認められない。また、第1軸受部
材11の外周面13に形成されたダイヤモンド粒子クラスタ
薄膜は、高硬度・高潤滑性のダイヤモンド粒子がめっき
液中に均一に分散しめっき材料と共に共析されるため、
硬質微粒子および潤滑微粒子をめっき液中に分散させる
複合めっきでは共析微粒子が偏析してしまったり仕上げ
加工をしなければならないという問題もなく、無電解ニ
ッケルめっきの膜厚制御により容易に膜厚管理をするこ
とができ、偏析のない均一な薄膜にすることができる。
【0026】図2は請求項1、2、または4記載の発明
に係る動圧軸受装置の第2実施例を示す一部断面図であ
る。なお、本実施例では、上述実施例と同様の構成に
は、同一の符合を付してその説明を省略する。同図にお
いて、21は第1軸受部材であり、第1軸受部材21はステ
ンレス鋼からなり、所定径の円柱状に形成され焼入れ処
理が施されている。また、22は第2軸受部材であり、第
2軸受部材22は第1軸受部材21と線膨張係数が略同一の
機械構造用炭素鋼からなり、第1軸受部材21が挿入され
第1軸受部材21の外周面23と第2軸受部材22の内周面24
とが所定隙間25を介して対向するように中空の筒状に形
成されている。第1軸受部材21の外周面23には動圧発生
用溝16が形成されており、動圧発生用溝16の前記動圧発
生作用によりラジアル方向に非接触回転状態で支持する
ようになっている。なお、第2軸受部材22には前記駆動
部および負荷部等に締結されている。
【0027】第1軸受部材21の外周面23は焼入れ処理が
施されることにより高硬度にされており、第2軸受部材
22の内周面(被薄膜形成面)24は、前記ダイヤモンド粒
子クラスタ薄膜が形成されることにより高硬度であると
ともに摩擦係数が非常に小さな面にされ摺動性および耐
摩耗性に優れている。本実施例では、上述実施例の作用
効果に加え、第2軸受部材22の内周面24に形成された前
記ダイヤモンド粒子クラスタ薄膜は、前記ダイヤモンド
粒子がめっき液中に均一に分散しめっき材料と共に共析
されるため、第2軸受部材22の内周面24でも偏析のない
均一な薄膜にすることができる。また、第2軸受部材22
の内周面24に対向する第1軸受部材21の外周面23を焼入
れ処理により容易に高硬度にすることができる。
【0028】図3は請求項3または4記載の発明に係る
動圧軸受装置の第3実施例を示す図であり、(a)はそ
の斜視図、(b)はそのA−A矢視図である。同図にお
いて、31は第1軸受部材であり、第1軸受部材31はステ
ンレス鋼からなり、所定径の円柱状に形成され焼入れ処
理が施されている。また、32は第2軸受部材であり、第
2軸受部材32はアルミニウムからなり、所定径の円板状
に形成され第1軸受部材21の軸端面33と対向する対向面
(所謂、スラスト軸受面)34を有している。第2軸受部
材32の対向面34には動圧発生用溝36が形成されており、
例えば第2軸受部材32が回転すると動圧発生用溝16によ
り第1、2軸受部材31、32の軸端面33および対向面34間
に空気を押し込めることによって動圧発生作用を生じさ
せ、その動圧が所定圧以上になったとき第2軸受部材32
を第1軸受部材31から浮上させスラスト方向に非接触回
転状態で支持する。なお、第1軸受部材31には駆動部お
よび負荷部等に締結されており、この駆動部により回転
される。
【0029】第1軸受部材31の軸端面33は焼入れ処理が
施されることにより高硬度にされており、第2軸受部材
32の対向面(被薄膜形成面)34は、前記ダイヤモンド粒
子クラスタ薄膜が形成されることにより高硬度であると
ともに摩擦係数が非常に小さな面にされ摺動性および耐
摩耗性に優れている。本実施例では、上述従来例の作用
効果に加え、第1軸受部材31が回転すると動圧発生用溝
36により動圧発生作用が発生され軸端面33および対向面
34間の動圧が所定圧以上になったとき、スラスト方向に
非接触回転状態で支持される。
【0030】なお、上述実施例では、アルミニウムから
なる第1軸受部材あるいは第2軸受部材の一方側に無電
解ニッケルめっきにより前記ダイヤモンド粒子クラスタ
薄膜を形成しているが、前記ダイヤモンド粒子クラスタ
薄膜はめっき可能な被めっき材料であればよく、まため
っき材料においてもクロム、コバルト、銅および合金等
のめっき可能な材料であればよい。また、めっき方法に
おいても無電解でも電解でもよい。また、前記ダイヤモ
ンド粒子クラスタ薄膜は第1、2軸受部材の一方側のみ
に形成しているが、互いに対向する両面に形成してもよ
いことはいうまでもない。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第1、2
軸受部材のどちらか一方が回転することによって動圧発
生手段が第1、2軸受部材の外周面および内周面の隙間
に動圧を発生させ、その動圧が所定圧以上になったと
き、その動圧作用によりラジアル方向に支持することが
できる。また、第1、2軸受部材の外周面あるいは内周
面の少なくとも何れか一方に高硬度・高潤滑性のダイヤ
モンド粒子クラスタ薄膜が形成されているので、第1、
2軸受部材の外周面および内周面間の摺動性および耐摩
耗性を向上させることができ、耐久性を向上させること
ができる。
【0032】また、ダイヤモンド粒子クラスタ薄膜を形
成することにより摺動性および耐摩耗性を向上させてい
るので、第1、2軸受部材の材質が制限されない。その
ため、第1、2軸受部材を締結の容易な材質にして第
1、2軸受部材を容易に締結することができ、さらに線
膨張係数が略同等な材質にすることにより温度変化によ
る前記隙間の変化を小さくして広い温度範囲に亙って軸
受性能を維持させることができる。その結果、広い温度
範囲に亙って軸受性能を維持することができる高耐久性
および高信頼性の動圧軸受装置を提供することができ
る。
【0033】請求項2記載の発明によれば、動圧発生用
溝により第1、2軸受部材の外周面および内周面の隙間
に動圧を発生させ、その動圧が所定圧以上になったと
き、その動圧作用により第1、2軸受部材を非接触回転
状態でラジアル方向に支持することができる。また、前
記動圧が所定圧に達していないときには、第1、2軸受
部材の外周面あるいは内周面の少なくとも何れか一方に
高硬度・高潤滑性のダイヤモンド粒子クラスタ薄膜が形
成されているので、第1、2軸受部材の外周面および内
周面間の摺動性および耐摩耗性を向上させることがで
き、起動・停止の繰り返しによる摩耗を抑え、また焼き
付きを防止することができる。その結果、より高耐久性
および高信頼性の動圧軸受装置を提供することができ
る。。
【0034】また、請求項3記載の発明によれば、第
1、2軸受部材のどちらか一方が回転することによって
動圧発生用溝が第1、2軸受部材の軸端面および対向面
間に動圧を発生させ、その動圧が所定圧以上になったと
き、その動圧作用により第1、2軸受部材を非接触回転
状態でスラスト方向に支持することができる。また、前
記動圧が所定圧に達していないときには、第1、2軸受
部材の軸端面あるいは対向面の少なくとも何れか一方に
高硬度・高潤滑性の高いダイヤモンド粒子クラスタ薄膜
が形成されているので、摺動性および耐摩耗性を向上さ
せることができ、起動・停止の繰り返しによる摩耗を抑
え、また焼き付きを防止することができる。その結果、
高耐久性および高信頼性の動圧軸受装置を提供すること
ができる。
【0035】また、請求項4記載の発明によれば、ダイ
ヤモンド粒子クラスタ薄膜を、めっき液中にオングスト
ロームオーダの超々微粒子であるダイヤモンド粒子クラ
スタを長時間均一に分散させ、そのダイヤモンド粒子ク
ラスタをめっき材料とともに共析させて被薄膜形成面に
形成するので、めっき材料と共に偏析なく共析させ均一
に形成することができ、めっきの膜厚管理をすることに
よりダイヤモンド粒子クラスタ薄膜の膜厚管理をするこ
とができる。したがって、膜厚が均一な仕上げ加工の必
要のない高硬度・高潤滑性のダイヤモンド粒子クラスタ
薄膜を形成することができる。その結果、製造工程の管
理が容易な高耐久性および高信頼性の動圧軸受装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、2、または4記載の発明に係る動圧
軸受装置の第1実施例を示す一部断面図である。
【図2】その第2実施例を示す一部断面図である。
【図3】請求項3または4記載の発明に係る動圧軸受装
置の第3実施例を示す図であり、(a)はその斜視図、
(b)はそのA−A矢視図である。
【符号の説明】
11、21、31 第1軸受部材 12、22、32 第2軸受部材 13 外周面(被薄膜形成面) 14 内周面 15 隙間 16、36 動圧発生用溝(動圧発生手段) 23 外周面 24 内周面(被薄膜形成面) 33 軸端面 34 対向面(被薄膜形成面)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円柱形状に形成された第1軸受部材と、該
    第1軸受部材を挿入されその軸側面の外周面に所定隙間
    を介して対向する内周面を有する第2軸受部材と、第1
    軸受部材の外周面あるいは第2軸受部材の内周面の何れ
    か一方に設けられ動圧を発生させる動圧発生手段と、を
    備え、動圧発生手段によって第1、2軸受部材の外周面
    および内周面間に動圧を発生させることによりラジアル
    方向に支持する動圧軸受装置において、 第1軸受部材の外周面あるいは第2軸受部材の内周面の
    少なくとも何れか一方にダイヤモンド粒子クラスタ薄膜
    を形成することを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】前記動圧発生手段が、動圧発生用溝である
    ことを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 【請求項3】円柱形状に形成された第1軸受部材と、第
    1軸受部材の軸端面に対向する対向面を有する第2軸受
    部材と、第1軸受部材の軸端面あるいは第2軸受部材の
    対向面の何れか一方に設けられ動圧を発生させる動圧発
    生用溝と、を備え、動圧発生用溝によって第1、2軸受
    部材の軸端面および対向面間に動圧を発生させることに
    よりスラスト方向に支持する動圧軸受装置において、 第1軸受部材の軸端面あるいは第2軸受部材の対向面の
    少なくとも何れか一方にダイヤモンド粒子クラスタ薄膜
    を形成することを特徴とする動圧軸受装置。
  4. 【請求項4】前記ダイヤモンド粒子クラスタ薄膜は、め
    っき液中にダイヤモンド粒子クラスタを分散し、該ダイ
    ヤモンド粒子クラスタをめっき材料とともに被薄膜形成
    面に共析させ形成する薄膜であることを特徴とする請求
    項1または3記載の動圧軸受装置。
JP3150893A 1993-02-22 1993-02-22 動圧軸受装置 Pending JPH06241232A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6722785B1 (en) 1999-06-25 2004-04-20 Tdk Corporation Fluid dynamic bearing
US12006973B2 (en) 2020-11-09 2024-06-11 Pi Tech Innovations Llc Diamond surface bearings for sliding engagement with metal surfaces

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US6722785B1 (en) 1999-06-25 2004-04-20 Tdk Corporation Fluid dynamic bearing
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