JPH0624075B2 - テ−プレコ−ダ−のテ−プ巻取り駆動装置における動力伝達機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、テープレコーダーの録音，再生あるいは早
送り，巻戻しの為のテープ巻取り駆動装置における動力
伝達機構に関する。

（従来の技術） 操作プーリーの回転力を受けて回転する操作軸に小径の
録音，再生駆動用歯車を設け、この録音，再生駆動用歯
車にテープの録音，再生送り歯車系を連繋，離脱切換可
能として、この連繋状態でテープの録音，再生送りを行
うようにする一方、上記操作プーリーに一体的に大径の
早送り，巻戻し駆動用歯車を設け、この大径の早送り，
巻戻し駆動用歯車に早送り歯車系あるいは巻戻し歯車系
を連繋，離脱切換可能とし、その連繋状態でテープの早
送りあるいは巻戻しを行うようにしている動力伝達機構
は公知である。

テープの録音，再生送りにあっては、テープの巻取り径
の大小に関係なく、定速で送られなければならない。そ
の為にキャプスタン軸及びピンチローラーの働きによっ
てテープは定速送りされ、操作プーリーと操作軸との間
に介在されたクラッチによって、テープ巻取りリール受
けと操作プーリーとの回転速度差を吸収するようにして
ある。

（発明が解決しようとする問題点） テープの録音，再生送りにあっては、上記した通り操作
プーリーと操作軸との間にクラッチが介在されているか
ら、テープの巻取り最終時点にあっても上記操作プーリ
ーが空回りをし、テープにテープが破損する程の張力を
与えない。

一方テープの早送りあるいは巻戻しにあっても、テープ
の巻取り最終時点にあってはテープに大きな張力が働
き、テープの破損の原因となる力は吸収しなければなら
ない。

現在高級機とされているテープレコーダーでは、この早
送りあるいは巻戻し操作にあっても、最終時にテープに
大きな張力がかからないよう、テープ巻取りリール受け
側にクラッチを装備しているものがあるが、高級機でな
いテープレコーダーには、このクラッチを装備していな
いのが普通である。即ちこのクラッチを装備すれば、そ
れだけ部品点数が増し、組立て時における手間もかか
り、価格を安く出来ないという問題点があり、早送りあ
るいは巻戻し時にかかる比較的大きい張力によってテー
プが破損しない程度に弱まることは余儀無いこととされ
ていた。

この発明は、上記従前公知の動力伝達機構の問題点に鑑
み、部品点数を大幅に増加することなく、組立時におけ
る手間も増加させることなく、即ち高級機でなくとも価
格を上げることなく、早送りあるいは巻戻しの最終時点
において、テープに大きな張力がかからないようにする
ことができる新規な動力伝達機構を提供することを目的
とする。

（問題点を解決する為の手段） この為に本発明では、操作プーリーに貫通した操作軸の
一端にクラッチを介在させて操作プーリーと操作軸とを
連繋し、操作軸の他端に小径の録音，再生駆動用歯車を
固設する一方、大径の早送り，巻戻し駆動用歯車を上記
操作プーリーとは別体に構成し、この早送り，巻戻し駆
動用歯車を操作軸を軸心として軸装すると共に、操作プ
ーリーとの間にクラッチを介在させて連繋してあること
を特徴とする。

（作用） この発明では、プーリーの回転力が、クラッチを介して
操作軸に伝達され、この操作軸の他端に固設した小径の
録音，再生駆動用歯車を回転する。従ってこの録音，再
生駆動用歯車に負荷がかかるとクラッチで動力伝達が断
たれる。

同じくプーリーの回転力は、クラッチを介して大径の早
送り，巻戻し駆動用歯車に伝達され、この早送り，巻戻
し駆動用歯車を回転する。従ってこの早送り，巻戻し駆
動用歯車に負荷がかかると、クラッチで動力伝達が断た
れることになる。

（実施例） 以下図面に示した好ましい実施例により本発明の詳細を
説明する。

図中１が操作アームで、その軸受孔２に操作軸３が回転
可能に貫通している。この操作アーム１は、公知のもの
と同様、後述する早送り，巻戻し駆動用歯車を包み込む
ような形状にした筒状部４を有し、この筒状部４に該早
送り，巻戻し駆動用歯車と図示しない早送り歯車系ある
いは巻戻し歯車系との連繋を許容する為の窓明き部５，
５を有する。

６が操作プーリーで、その中心筒７に形成した中心軸孔
８に上記操作軸３を貫通させてある。この操作軸３の該
操作プーリー６より突出した一端９に、クラッチ板１１
を固設し、このクラッチ板１１に、プーリー６と摩接す
るクラッチフエルト１２を固着し、これらによって摩擦
クラッチ１０を構成してある。そしてこのクラッチ１０
を介して操作プーリー６と操作軸３とを連繋してある。
一方上記操作アーム１より突出した操作軸３の他端１３
に小径の録音，再生駆動用歯車１４を固設してある。

更に、図中１５が大径の早送り，巻戻し駆動用歯車で、
本発明ではこの歯車１５を図示する通り操作プーリー６
とは別体に構成してある。そして第１図及び第２図に示
した実施例では、この歯車１５を操作軸３を軸心として
軸装する為、操作プーリー６の中心筒７に軸支してあ
る。

この大径の早送り，巻戻し駆動用歯車１５にもクラッチ
板１７を設けて、これにクラッチフエルト１８を固着
し、摩擦クラッチ１６を構成し、該クラッチフエルト１
８を操作プーリー６に摩接させてある。

図中１９が、上記各摩擦クラッチ１０及び１６と操作プ
ーリー６との圧接関係を保つ為のスプリングで、操作軸
３に取付けたスプリング受け２０と大径の早送り，巻戻
し駆動用歯車１５のクラッチ板１７との間に介在させて
ある。

第３図及び第４図には、本発明の別の実施例が示してあ
り、第１図及び第２図と同一の符号を以て示した部材は
同一の部材を示してある。即ちこの第３図及び第４図に
示した実施例は、大径の早送り，巻戻し駆動用歯車１５
と操作プーリー６との間に介在させたクラッチ２１を摩
擦クラッチとすることなく、噛合クラッチとしたもので
ある。

その為歯車１５とプーリー６との夫々対向面に歯形突起
２２，２３を設けて構成してある。

斯かる構成からなる本発明機構の作用につき以下説明す
る。

第１図及び第３図に示す実施例の夫々において、操作プ
ーリー６が回転すれば、これとクラッチ１０を介して連
繋している操作軸３が回転し、小径の録音，再生駆動用
歯車１４が回転する。従ってこの歯車１４にテープの録
音，再生送り歯車系（図示せず）を連繋させれば、操作
プーリーの駆動力がテープの録音，再生送りの駆動力と
して伝達される。そしてテープの録音あるいは再生送り
の最終時において、テープが送り出されなくなると、操
作軸３に負荷がかかり、操作プーリー６とクラッチ１０
との間で駆動力の伝達が断たれ、テープに大きな張力を
与えない。

同様にして操作プーリー６が回転すれば、これとクラッ
チ１６あるいは２１を介して連繋している大径の早送
り，巻戻し駆動用歯車１５が回転する。従ってこの大径
の早送り，巻戻し駆動用歯車１５に早送り歯車系あるい
は巻戻し歯車系（図示せず）を連繋させれば、操作プー
リーの駆動力がテープの早送りあるいは巻戻しの駆動力
として伝達され、テープは早送りあるいは巻戻し駆動さ
れる。そしてテープ早送りあるいは巻戻しの最終時にお
いて、テープが送り出されなくなると、歯車１５に負荷
がかかり、操作プーリー６とクラッチ１６あるいは２１
との間で駆動力の伝達が断たれ、テープに大きな張力を
与えない。

（発明の効果） 叙上の如く、本発明機構では、大径の早送り，巻戻し駆
動用歯車を操作プーリーとは別体に構成し、この大径の
駆動用歯車を操作軸を軸心として軸装し、操作プーリー
との間にクラッチを介在させて連繋したから、テープの
早送りあるいは巻戻しにおいても、その最終時において
駆動力の伝達を断ち、テープに大きな張力をかけること
をなくしたものである。そして特に本発明では、この大
径の早送り，巻戻し駆動用歯車と操作プーリーとの間に
クラッチを介在させることにしたから、テープリール受
け側に特別のクラッチ機構を設けることなく、従前の高
級機でないテープレコーダーの動力伝達機構と大きく相
違しない構造によってテープの早送り，あるいは巻戻し
の最終時における負荷を吸収することができるようにし
たものである。その結果、部品点数もさして増加するこ
となく、組立手数も増やすことなく、従って高級機でな
くとも安価なまま高級機と同じ機能をもたせることがで
きる大きな効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の好ましい実施例を示すもので、第１図は
その一つの断面図、第２図はその分解斜面図であり、第
３図は他の実施例の断面図で、第４図は同じくその分解
斜面図である。 １……操作アーム、３……操作軸 ６……操作プーリー、９……一端 １０……クラッチ、１３……他端 １４……小径の録音，再生駆動用歯車 １５……大径の早送り，巻戻し駆動用歯車 １６，２１……クラッチ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】操作プーリーに貫通した操作軸の一端にク
   ラッチを介在させて操作プーリーと操作軸とを連繋し、
   操作軸の他端に小径の録音，再生駆動用歯車を固設する
   一方、大径の早送り，巻戻し駆動用歯車を上記操作プー
   リーとは別体に構成し、この早送り，巻戻し駆動用歯車
   を操作軸を軸心として軸装すると共に、操作プーリーと
   の間にクラッチを介在させて連繋してあることを特徴と
   するテープレコーダーのテープ巻取り駆動装置における
   動力伝達機構．
2. 【請求項２】操作プーリーと操作軸との間のクラッチ，
   並びに操作プーリーと早送り，巻戻し駆動用歯車との間
   のクラッチの何れをも摩擦クラッチとしてあることを特
   徴とする特許請求の範囲第(1)項に記載の動力伝達機
   構．
3. 【請求項３】操作プーリーと操作軸との間のクラッチを
   摩擦クラッチとしてあり、操作プーリーと早送り，巻戻
   し駆動用歯車との間のクラッチを噛合クラッチとしてあ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項に記載の動
   力伝達機構．