JPH0624070Y2

JPH0624070Y2 - テープリール

Info

Publication number: JPH0624070Y2
Application number: JP1988052328U
Authority: JP
Inventors: 健二橋爪; 昌寿岡村; 晴男芝
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 1988-04-19
Filing date: 1988-04-19
Publication date: 1994-06-22
Anticipated expiration: 2003-04-19
Also published as: US4930714A; JPH01154578U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は磁気テープカセットに用いるフランジ付きハブ
から成るテープリールに関する。

従来の技術従来、磁気テープはハブのみに巻回され、又はフランジ
付きのハブに巻回されてカセットケース内に収納されて
いる。一般に、ビデオ用の磁気テープカセットではオー
ディオ用よりも磁気テープの正確な巻取りと保護が一層
要求されるため、通常はフランジ付きのハブをテープリ
ールとして使用する。

このようなテープリールは下フランジを一体成形したハ
ブに、上フランジを合体したものである。このため、ハ
ブの上面にはその中心にセンターボスがあり、そのボス
を中心にした円上に複数のかしめボスが等間隔に配設さ
れている。又、上フランジにはそれらのセンターボスや
かしめボスがそれぞれ嵌入する貫通穴が対応位置に穿設
されている。合体時にはセンターボスを上フランジの中
心穴に挿通し、かしめボスを対応する結合穴にそれぞれ
嵌合した後、各かしめボスの頭部を溶融拡大してかし
め、ハブに上フランジを固着する。

しかし、このようなかしめ法では各かしめボスと溶融治
具の位置精度を確実に合せることが困難である。そこ
で、かしめ状態が悪いと、センターボスの先端とかしめ
ボスの先端間に必要とする高さの差が形成されず、テー
プリールはケース内でクリアランスの範囲で左右上下に
動くことができるため、デッキ装着時にはテープリール
が浮き上り、ケース内に突設した本来はセンターボスの
みを押さえるべき板ばねの先端が伸びて、突出している
かしめボスの頭部に接触する場合がある。このため、ハ
ブが回転すると、そこが削れて削れ粉が生じたり、回転
むらが起り、ドロップアウト等による誤記録、誤再生等
の発生が問題となる。又、かしめボスの頭部は上ハーフ
の上面板に設けた透明窓から見えるため、かしめ状態が
一見でき外観品位が悪くなる。

そこで、本願人は先に実願昭６２−１５４２８３号（出
願日昭和６２年１０月８日）として、第６図に示すよう
な下フランジ１０を一体成形し上面の中心にセンターボ
ス１２を有するハブ１４に、そのセンターボス１２が挿
通する中心穴１６とその周囲に複数の結合穴１８を穿設
した上フランジ２０を合体し、そのハブ１４と同材質で
センターボス１２が挿通する中心穴２２を有す固着リン
グ２４を用いて、その固着リング２４をハブ１４の上面
に上フランジ２０に設けた複数の結合穴１８を介して溶
着し、固着リング２４とハブ１４にて、上フランジ２０
を挟持するテープリールを用いた磁気テープカセットに
関する出願を行なっている。

考案が解決しようとする課題しかしながら、このようなテープリールでは固着リング
２４の下面をハブ１４の上面に溶着により固着するた
め、安定した固着力が得られず、簡単に外れてしまうこ
とがある。何故なら、固着リング２４はその径方向にセ
ンターボス１２との間には隙間２６がある上、上フラン
ジ２０との間には隙間２８を設けているため、溶着時に
ずれが発生し易く、センターボス１２に対して偏心する
からである。なお、先の隙間２６は固着リング２４の中
心穴２２にセンターボス１２を挿通させるためのもので
あり、後の隙間２８は固着リング２４をハブ１４に取り
付ける際に、固着リング２４が上フランジ２０を押し
て、そこにひび割れを発生させないためのものである。
この偏心状態はテープリールが回転すると、磁気テープ
カセットの残量表示窓から見えるため、見栄えも悪くな
る。

本考案はこのような従来の問題点に着目してなされたも
のであり、固着リングのハブに対する固着構造を改善す
ることによって、偏心がなく、安定した固着力が得ら
れ、外観品位に優れたテープリールを提供することを目
的とする。

課題を解決するための手段上記目的を達成するための手段を、以下実施例に対応す
る第１図及び第３図を用いて説明する。

このテープリール３０は下フランジ３２を一体成形し、
上面に先細のボス３８を有するハブ３４に、そのボス３
８が挿通する穴５２を穿設した上フランジ３６を合体し
て成るものであり、ハブ３４に対する上フランジ３６の
合体にはハブ３４と同材質で、先細のボス３８が嵌合す
るそのボス３８の最大幅より小さい幅の穴４８を有する
固着リング５０を用いる。この固着リング５０はその嵌
合穴４８の内壁を溶着してボス３８に固着し、ハブ３４
と共に上フランジ３６を挟持する。そして、テープリー
ルの上面に設けるボスはセンターボスを先細にするばか
りでなく、センターボス又は回り止めボスの少なくとも
一方を先細にし、それに対応する固着リングを用いると
好適になる。

作用固着リング５０を先細のボス３８に溶着する際、その嵌
合穴４８にボス３８を嵌めると、嵌合穴４８の幅は先細
のボス３８の最大幅より小さいため、嵌合穴４８の内壁
とボス３８の外壁とが接触し、両者間に隙間はできな
い。この時、嵌合穴４８の中心線とボス３８の中心線と
は一致する。そこで、嵌合穴４８の内壁と接触するボス
３８の外壁を共に溶融すると、固着リング５０は溶着に
よりボス３８に固着する。従って、固着リング５０はハ
ブ３４と共に上フランジ３６を挟持し、上フランジ３６
をハブ３４に合体する。

実施例以下、添付図面に基づいて、本考案の実施例を説明す
る。

第１図は本考案を適用した巻取側テープリールの断面図
であり、（イ）図は第２図のＡ−Ａ断面図、（ロ）図は
その部分拡大図である。第２図は同テープリールの斜視
図である。図中、３０は巻取側テープリールであり、円
板状下フランジ３２を一体成形した円柱状ハブ３４に、
円板状上フランジ３６を合体したものである。このた
め、ハブ３４の上面にはその中心に円錐状のセンターボ
ス３８があり、そのボス３８を中心にした円上に複数例
えば３個の回り止めボス４０が配設されている。更に、
その外側には円を成す縁取り突起４２がある。又、上フ
ランジ３６はその縁取り円突起４２の内部にほぼ相当す
る中央部４４が下方に突出して上面に台形状の凹所４６
を形成し、そこにはセンターボス３８や回り止めボス４
０が嵌入する貫通穴をそれぞれ対応位置に穿設してあ
る。このようなハブ３４に対する上フランジ３６の合体
にはセンターボス３８と同材質で、そのボス３８が嵌合
するセンターボス３８の最大径（最大幅）即ちその円錐
状底面の径（幅）より小さい径（幅）の穴４８を有する
固着リング５０を用いる（第３図参照）。この固着リン
グ５０は上下面を平行な平面にし、さらに外周面の両端
をいずれも面取りして表裏の方向性をなくしたものであ
る。

合体時には第３図に示すように各部品を対応させて配置
し、先ず上フランジ３６の中央部４４をハブ３４の縁取
り円突起４２内に嵌めて乗せ、その中心穴５２にセンタ
ーボス３８を挿通し、結合穴５４に対応する回り止めボ
ス４０をそれぞれ嵌合する。次に、固着リング５０を上
フランジ３６の凹所４６内に嵌めて乗せ、その穴４８に
センターボス３８を嵌合する。この時、嵌合穴４８の径
はセンターボス３８の最大径より小さいため、嵌合穴４
８の内壁とセンターボス３８の外壁とが接触し、両者間
の隙間はなくなり、嵌合穴４８の中心線とセンターボス
３８の中心線とが一致する。その後、超音波や熱等を用
いて、固着リング５０の内壁をセンターボス３８の外壁
に溶着し、固着リング５０とハブ３４で挟持して上フラ
ンジ３６をハブ３４に合体する。その際、固着リング５
０の内壁とそこに接触するセンターボス３８の外壁とを
共に溶融しながら、固着リング５０をセンターボス３８
の根元に向って押し下げ、そこに固着する。尤も、ハブ
３４に対する固着力を増すには、更に固着リング５０の
下面をハブ３４の上面に上フランジ３６に設けた複数の
結合穴５４を介して溶着するとよい。なお、上述したハ
ブ３４、上フランジ３６、固着リング５０における対応
する切り欠き個所には磁気テープを固定するクランプを
装着する。

このようにしてテープリール３０を組み立てると、第２
図に示すようにその上面から突出するのはセンターボス
３８のみとなり、その周囲にある複数の結合穴５４は全
て固着リング５０にて覆われる。しかも、固着リング５
０はセンターボス３８に対して偏心しない。この結果、
安定した固着力が得られ、外観品位も良くなる。

以上では巻取側テープリールについて説明したが、供給
側テープリールでも同様のことが言える。そこで、第３
図に対応させて供給側テープリールの組立過程における
各部品の対応する配置関係を示すと、第４図のようにな
る。この図から明らかなように第３図と比べ、ハブ５
６、上フランジ５８、固着リング６０はいずれも径が大
きくなっている。しかも、ハブ５６ではその下フランジ
６２の外周面に歯がなく、回り止めボス６４の数も多
い。又、上フランジ５８ではそれらのボス６４の数に対
応して結合穴６６の数が多い。更に、固着リング６０に
はテープクランプを装着する切り欠き個所がない。しか
し、この固着リング６０はハブ５６のセンターボス６８
と同材質で、センターボス６８が嵌合するそのボスの最
大径より小さい径の穴７０を有するため、その固着リン
グ６０を嵌合穴７０の内壁を溶着してセンターボス６８
に固着すると、固着リング６０とハブ５６で挟持して上
フランジ５８をハブ５６に合体することができる。従っ
て、固着リング６０はセンターボス６８に対して偏心せ
ず、安定した固着力が得られ、外観品位も良くなる。

このようなテープリールを採用したＶＨＳ（登録商標）
−Ｃ方式による磁気テープカセットの組み立てを完成し
た外観を示すと、第５図のようになる。このカセットケ
ース７２は上下のハーフ７４、７６から成り、その内部
には磁気テープを巻回した供給側テープリールと巻取側
テープリール３０が各センターボス６８、３８を上ハー
フ７４の上面板の内面に備えた板ばねにて押えられて収
納されている。なお、巻取側テープリール３０の下フラ
ンジ３２の一部はケース７２から外部に突出している。
更に、ケース７２の前面開口は開閉可能なガードパネル
７８で覆われている。このガードパネル７８は不使用時
にはロックされて図のように閉鎖状態となっているが、
使用時にはカセットをデッキに装着すれば、操作突起８
０が押されてロックか外れ、開放状態になる。すると、
前面開口の前側に張られた磁気テープが露呈するので、
ローディングが可能となる。なお、供給側テープリール
に巻回されたテープ量は上ハーフ７４の上面板の右側に
設けられている透明窓８２から見ることができる。

なお、上記実施例ではセンターボスを先細にするため円
錐状にしているが、角錐状等にしてもよい。又、テープ
リールに設けるボスはセンターボスを先細にするのみな
らず、センターボス又は回り止めボスの少なくとも一方
を先細にし、それに対応する固着リングを用いると好適
になる。

考案の効果以上説明した本考案によれば、固着リングの嵌合穴の内
壁を溶着して先細のボスに固着するため、偏心がなく、
安定した固着力を得ると共に、外観品位を良くすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した巻取側テープリールの断面図
であり、（イ）図は第２図のＡ−Ａ断面図、（ロ）図は
その部分拡大図である。第２図は同テープリールの斜視
図、第３図は同テープリールの組立過程における各部品
の対応する配置関係を示す図である。第４図は第３図に対応する供給側テープリールの各部品
の配置関係図である。第５図は本考案を適用した供給側及び巻取側テープリー
ルを収納した磁気テープカセットの外観斜視図である。第６図は従来のテープリールの断面図であり、（イ）図
は全体の断面図、（ロ）図はその部分拡大図である。３０…巻取側テープリール、３２、６２…下フランジ、
３４、５６…ハブ、３６、５８…上フランジ、３８、６
８…センターボス、４８、７０…嵌合穴、５０、６０…
固着リング、５２…中心穴

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】下フランジを一体成形し上面にボスを有す
るハブに、そのボスが挿通する穴を穿設した上フランジ
を合体して成るテープリールにおいて、上記ボスを先細
にし、そのボスと同材質で、嵌合するボスの最大幅より
小さい幅の穴を有する固着リングを用い、その固着リン
グを嵌合穴の内壁を溶着してボスに固着し、固着リング
とハブにて上フランジを挟持することを特徴とするテー
プリール。
【請求項２】先細のボスがセンターボス又は回り止めボ
スの少なくとも一方であることを特徴とする第１項記載
のテープリール。