JPH0510310Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ビデオテープレコーダ（VTR）に
使用される磁気テープカセツトのテープリールで
あつて、特にリール本体と別体に形成されるガイ
ドフランジの組付け構造に関する。

〔従来の技術〕

VTRの磁気テープカセツトに使用される従来
のテープリールは、一般に第３図に示すような、
リールハブ１と下ガイドフランジ２とを一体形成
したリール本体３と、上ガイドフランジ４及びピ
ボツト５との３ピースで構成されており、上ガイ
ドフランジ４は、フランジ部４ａの下部に突設し
た突部４ｂをリールハブ１の外周壁１ｂ内に配置
され、該突部４ｂの中央に穿設した貫通孔４ｃよ
り、リールハブ１の内周壁１ａの上面に嵌合した
ピボツト５の突起５ａを挿通して設けられる。

またこの３ピースの組付けは、ピボツト５を嵌
着したリール本体３をコンベアで上ガイドフラン
ジ４の供給工程に搬送して、リール本体３に上ガ
イドフランジ４をチヤツキングにより載置したの
ち溶着工程へ移送し、該工程で上ガイドフランジ
４の突部４ｂに突設した複数の溶着用突起６をリ
ールハブ１に超音波溶着して、テープリール７が
形成される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら上述のものでは、上ガイドフラン
ジをリールハブ上面の同心位置へ正確に載置しに
くく、また上ガイドフランジを載置したリール本
体をコンベアで溶着工程へ搬送する際には、搬送
時の振動で上ガイドフランジがリール本体から飛
び出すことがあり、上ガイドフランジが一旦外れ
ると人為的に載せ直さなければならない等、組付
け作業性に劣るという問題があつた。

本考案は、かかる実情を背景にしてなされたも
ので、リールハブと別体に形成されるガイドフラ
ンジを、正確で且つ簡便に組付け配置できるテー
プリールを提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上述の目的を達成するため、磁気テ
ープの巻き芯となるリールハブと、該磁気テープ
の側縁を支承するガイドフランジとを別体に形成
し、該ガイドフランジをリールハブの端面に接合
固定するテープリールにおいて、前記リールハブ
の端面またはこれと対向するガイドフランジの一
側面のいずれか一方に嵌合凹部を、他方に該嵌合
凹部に嵌合される嵌合突部をそれぞれ形成し、嵌
合凹部の内周面を底窄まり状のテーパ面に形成す
ると共に、嵌合突部の外周に嵌合凹部と同傾斜の
テーパ面を形成したことを特徴とするものであ
る。

〔実施例〕

以下、本考案をVTRの磁気テープカセツトに
用いたテープリールの一実施例を第１図及び第２
図に基づいて説明する。

磁気テープカセツト１０は、上ハーフ１１と下
ハーフ１２とで構成されるカセツト本体１３内
に、磁気テープ１４を巻回する供給及び巻取り用
のテープリール１５，１５が、上ハーフ１１の内
面に固設したリール抑えスプリング１６により下
ハーフ１２側へ押圧保持されており、カセツト本
体１３の前部には、両リール１５，１５から繰り
出されて、テープガイド部１３ａ，１３ａの前面
を走行する磁気テープ１４を覆う前蓋１７が開閉
可能に被着されている。

上記各テープリール１５，１５は、合成樹脂材
料により同一形状に形成されるもので、該リール
１５は、磁気テープ１４を巻回するリールハブ１
８と該テープ１４の下側縁を支承する下ガイドフ
ランジ１９とを一体形成したリール本体２０と、
リールハブ１８の上部に設けられる上ガイドフラ
ンジ２１及びピボツト２２とから構成される３ピ
ースリールで、リール抑えスプリング１６に押圧
されるピボツト２２は、リール本体２０や上ガイ
ドフランジ２１よりも耐摩耗性に優れた硬質の合
成樹脂材料で形成されている。

上記リールハブ１８は、複数の係合リブ２３ａ
を突設したリール穴２３を有する内周壁１８ａ
と、磁気テープ１４の巻き芯となる外周壁１８ｂ
とで構成され、内周壁１８ａの上面２４に突出す
る嵌合突部２５に、ピボツト２２を嵌合する嵌合
穴部２６が形成されると共に、該リールハブ１８
の下端に設けられる下ガイドフランジ１９には、
上記リール穴２３にVTRのリール軸を案内する
ガイド縁１９ａと、カセツト本体１３の装着孔に
遊嵌される係合縁１９ｂとが内外に突設されてい
る。

また上ガイドフランジ２１は、リールハブ１８
の外周壁１８ｂ内に配置されるフランジ部２１ａ
下部の突部２１ｂの中央に、貫通孔２１ｃと下面
に開口する嵌合凹部２７とが連続形成され、該嵌
合凹部２７外周の突部２１ｂには、リールハブ１
８の上面２４に溶着される複数の溶着用突起２８
が突設されている。

この嵌合凹部２７は、上ガイドフランジ２１を
リール本体２０へ組付けた際に、前記リールハブ
１８の嵌合突部２５に嵌合されるもので、該嵌合
凹部２７は、内周面２７ａを上底側へ窄まるテー
パ面に形成されると共に、嵌合突部２５も外周面
２５ａをこれと同傾斜のテーパ面となした台形に
形成されており、両周面２５ａ，２７ａにより、
上ガイドフランジ２１の組付け及び芯合わせを迅
速且つ容易に行なうことができる。

またピボツト２２は、前記上ガイドフランジ２
１の貫通孔２１ｃから上部に突出する突起２２ａ
と、リールハブ１８の嵌合穴部２６に嵌合される
逆台形の基部２２ｂとで形成されるもので、嵌合
穴部２６は内周面２６ａを底窄まり状のテーパ面
に形成されると共に、ピボツト２２の基部２２ｂ
も外周面２２ｃをこれと同傾斜のテーパ面となし
た逆台形に形成されている。

本実施例は以上のように、リールハブ１８の上
面２４に嵌合突部２５を、これと対向する上ガイ
ドフランジ２１の下面に嵌合凹部２７を形成し、
嵌合突部２５の外周面２５ａと、嵌合凹部２７の
内周面２７ａとをそれぞれテーパ面となしたか
ら、上ガイドフランジ２１の組付けと芯合わせを
迅速且つ容易に行なえると共に、該フランジ２１
を嵌合したリール本体２０をコンベアで溶着工程
へ搬送する際に、上ガイドフランジ２１が嵌合突
部２５から搬送の振動で外れかかることがあつて
も、両周面２５ａ，２７ａのテーパ形状によつて
自然に原位置へ復帰させることができるので、作
業性を損うことがない。

更に、上ガイドフランジ２１と同様に、リール
ハブ１８の上面へ嵌合されるピボツト２２をテー
パ面２２ｃ，２６ａで案内するようになしたか
ら、上記上ガイドフランジ２１の配置効果と相俟
つて、３ピースの組付け作業性をより一層向上す
ることができる。

尚本実施例では、３ピースリールを例に説明し
たが、リール本体にピボツトを一体形成した２ピ
ースのテープリール、或いはピボツトを必要とし
ない他の磁気テープのテープリールにも適用で
き、また上記実施例とは逆に、嵌合凹部をリール
ハブに、嵌合突部を上ガイドフランジに設けても
よい。

〔考案の効果〕

本考案のテープリールは以上説明したように、
リールハブの端面または該端面に接合されるガイ
ドフランジの一側面のいずれか一方に嵌合凹部
を、他方に該嵌合凹部に嵌合される嵌合突部をそ
れぞれ形成し、嵌合凹部の内周面を底窄まり状の
テーパ面に形成すると共に、嵌合突部の外周に嵌
合凹部と同傾斜のテーパ面を形成したので、両周
面の案内により、ガイドフランジの組付けと芯合
わせを迅速且つ容易に行なえると共に、ガイドフ
ランジを載置したリール本体をベルトコンベア等
で搬送する際に、ガイドフランジが振動で外れか
かることがあつても、人為作業によらず原位置へ
自然に復帰するので、円滑な作業を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図はテープリールの断面正面図、第２
図はVTR用磁気テープカセツトの一部切欠き平
面図、第３図は従来のテープリールの断面正面図
である。 １０……磁気テープカセツト、１３……カセツ
ト本体、１４……磁気テープ、１５……テープリ
ール、１８……リールハブ、２０……リール本
体、２１……上ガイドフランジ、２２……ピボツ
ト、２２ａ……突起、２２ｂ……基部、２２ｃ…
…外周面、２５……嵌合突部、２５ａ……外周
面、２６……嵌合穴部、２６ａ……内周面、２７
……嵌合凹部、２７ａ……内周面、２８……溶着
用突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気テープの巻き芯となるリールハブと、該磁
   気テープの側縁を支承するガイドフランジとを別
   体に形成し、該ガイドフランジをリールハブの端
   面に接合固定するテープリールにおいて、前記リ
   ールハブの端面またはこれと対向するガイドフラ
   ンジの一側面のいずれか一方に嵌合凹部を、他方
   に該嵌合凹部に嵌合される嵌合突部をそれぞれ形
   成し、嵌合凹部の内周面を底窄まり状のテーパ面
   に形成すると共に、嵌合突部の外周に嵌合凹部と
   同傾斜のテーパ面を形成したことを特徴とするテ
   ープリール。