JPH06239830A - 光学活性ジオ−ル類、その中間体およびそれぞれの製造方法 - Google Patents
光学活性ジオ−ル類、その中間体およびそれぞれの製造方法Info
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- JPH06239830A JPH06239830A JP5027972A JP2797293A JPH06239830A JP H06239830 A JPH06239830 A JP H06239830A JP 5027972 A JP5027972 A JP 5027972A JP 2797293 A JP2797293 A JP 2797293A JP H06239830 A JPH06239830 A JP H06239830A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】一般式〔I〕(化1)
【化1】
(式中、Arはフェニレン、ナフチレン、ビフェニレ
ン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル基
を表わす。)で示される光学活性ジオ−ル類および一般
式〔II〕(化2) 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル
基を表わし、Arはフェニレン、ナフチレン、ビフェニ
レン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル
基を表わす。)で示されるラセミのジアシル誘導体に加
水分解酵素を作用せしめることを特徴とする該光学活性
ジオ−ル類の製造方法。 【効果】本発明の光学活性ジオ−ル類〔1〕は、カルバ
ペネム系抗生物質の骨格を製造するためのより効率的な
中間体となり得る。また、該光学活性ジオ−ル類〔I〕
は、ジ−(3−アシルオキシブチル)フェニルスルフィ
ド誘導体に、加水分解酵素を作用させることにより、容
易に製造し得るので工業的にも有利である。
ン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル基
を表わす。)で示される光学活性ジオ−ル類および一般
式〔II〕(化2) 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル
基を表わし、Arはフェニレン、ナフチレン、ビフェニ
レン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル
基を表わす。)で示されるラセミのジアシル誘導体に加
水分解酵素を作用せしめることを特徴とする該光学活性
ジオ−ル類の製造方法。 【効果】本発明の光学活性ジオ−ル類〔1〕は、カルバ
ペネム系抗生物質の骨格を製造するためのより効率的な
中間体となり得る。また、該光学活性ジオ−ル類〔I〕
は、ジ−(3−アシルオキシブチル)フェニルスルフィ
ド誘導体に、加水分解酵素を作用させることにより、容
易に製造し得るので工業的にも有利である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルバペネム系抗生物
質などを製造するための中間体となり得る一般式〔I〕
(化7)
質などを製造するための中間体となり得る一般式〔I〕
(化7)
【化7】 (式中Arはフェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、
ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル基を表
わす。)で示される光学活性ジオ−ル類に関する。
ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル基を表
わす。)で示される光学活性ジオ−ル類に関する。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】これまで
に、光学活性な1-フェニルチオ-3- ヒドロキシブタン、
ラセミの1-フェニルチオ-3- アシルオキシブタン等はカ
ルバペネム系抗生物質の骨格製造用中間体として知られ
ており、前者の化合物は後者の化合物に加水分解酵素を
作用させて製造することも知られている。
に、光学活性な1-フェニルチオ-3- ヒドロキシブタン、
ラセミの1-フェニルチオ-3- アシルオキシブタン等はカ
ルバペネム系抗生物質の骨格製造用中間体として知られ
ており、前者の化合物は後者の化合物に加水分解酵素を
作用させて製造することも知られている。
【0003】本発明者らは、3-アシルオキシブタン誘導
体について、これを種々製造し検討を重ねた結果、ジ−
(3−アシルオキシブチルチオ)アリ−ル誘導体(ジア
シル誘導体)が、加水分解酵素を作用させることによ
り、意外にも2個の不斉中心を有する光学活性ジオール
を与えることを見出すとともに、該光学活性ジオール
は、カルバペネム系抗生物質の骨格を製造するためのよ
り効率的な中間体となり得ることを見出し、本発明を完
成した。
体について、これを種々製造し検討を重ねた結果、ジ−
(3−アシルオキシブチルチオ)アリ−ル誘導体(ジア
シル誘導体)が、加水分解酵素を作用させることによ
り、意外にも2個の不斉中心を有する光学活性ジオール
を与えることを見出すとともに、該光学活性ジオール
は、カルバペネム系抗生物質の骨格を製造するためのよ
り効率的な中間体となり得ることを見出し、本発明を完
成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式〔I〕(化8)
般式〔I〕(化8)
【化8】 (式中、Arはフェニレン、ナフチレン、ビフェニレ
ン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル基
を表わす。)で示される光学活性ジオ−ル類、その中間
体及びそれぞれの製造方法を提供するものである。
ン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル基
を表わす。)で示される光学活性ジオ−ル類、その中間
体及びそれぞれの製造方法を提供するものである。
【0005】以下、本発明について説明する。本発明に
おいて前記、一般式〔I〕で示される光学活性ジオ−ル
のArとしては、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビ
フェニレン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ
−テル基などのアリール基が挙げられる。より具体的な
化合物としては、例えば、1,3−ジ−((R)−3−
ヒドロキシブチルチオ)ベンゼン、2,6−ジ−
((R)−3−ヒドロキシブチルチオ)ナフタレン、
4,4’−ジ−((R)−3−ヒドロキシブチルチオ)
ビフェニル、4,4’−ジ−((R)−3−ヒドロキシ
ブチルチオ)フェニルスルフィド、4,4’−ジ−
((R)−3−ヒドロキシブチルチオ)フェニルエ−テ
ルなどが挙げられる。
おいて前記、一般式〔I〕で示される光学活性ジオ−ル
のArとしては、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビ
フェニレン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ
−テル基などのアリール基が挙げられる。より具体的な
化合物としては、例えば、1,3−ジ−((R)−3−
ヒドロキシブチルチオ)ベンゼン、2,6−ジ−
((R)−3−ヒドロキシブチルチオ)ナフタレン、
4,4’−ジ−((R)−3−ヒドロキシブチルチオ)
ビフェニル、4,4’−ジ−((R)−3−ヒドロキシ
ブチルチオ)フェニルスルフィド、4,4’−ジ−
((R)−3−ヒドロキシブチルチオ)フェニルエ−テ
ルなどが挙げられる。
【0006】光学活性ジオ−ル〔I〕は、一般式〔II〕
(化9)
(化9)
【化9】 (式中、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル
基を表わし、Arはフェニレン、ナフチレン、ビフェニ
レン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル
基を表わす。)で示されるラセミのジアシル誘導体に加
水分解酵素を作用せしめることにより、容易に製造し得
る。
基を表わし、Arはフェニレン、ナフチレン、ビフェニ
レン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル
基を表わす。)で示されるラセミのジアシル誘導体に加
水分解酵素を作用せしめることにより、容易に製造し得
る。
【0007】ラセミのジアシル誘導体〔II〕におけるR
としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル基
などの炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基な
どが挙げられ、Arは例えば、光学活性ジオール〔I〕
と同じアリール基が挙げられる。ラセミのジアシル誘導
体〔II〕の具体的化合物としては、1,3−ジ−(3−
アセトキシブチルチオ)ベンゼン、2,6−ジ−(3−
プロピオニルオキシブチルチオ)ナフタレン、4,4’
−ジ−(3−プロピオニルオキシブチルチオ)ビフェニ
ル、4,4’−ジ−(3−アセトキシブチルチオ)フェ
ニルスルフィド、4,4’−ジ−(3−プロピオニルオ
キシブチルチオ)フェニルエ−テルなどが挙げられる。
としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル基
などの炭素数1〜6の直鎖状または分岐状アルキル基な
どが挙げられ、Arは例えば、光学活性ジオール〔I〕
と同じアリール基が挙げられる。ラセミのジアシル誘導
体〔II〕の具体的化合物としては、1,3−ジ−(3−
アセトキシブチルチオ)ベンゼン、2,6−ジ−(3−
プロピオニルオキシブチルチオ)ナフタレン、4,4’
−ジ−(3−プロピオニルオキシブチルチオ)ビフェニ
ル、4,4’−ジ−(3−アセトキシブチルチオ)フェ
ニルスルフィド、4,4’−ジ−(3−プロピオニルオ
キシブチルチオ)フェニルエ−テルなどが挙げられる。
【0008】またラセミのジアシル誘導体〔II〕を光学
活性ジオ−ル〔I〕へ変換するとき、用いられる加水分
解酵素としてはリパ−ゼを含む広義のエステラ−ゼを利
用することが可能で、好ましくはリパ−ゼが用いられ
る。用いられるリパ−ゼは、その由来には特に制限はな
いが、微生物由来のリパ−ゼが安価であり大量に入手す
ることが容易であるので利用しやすい。リパ−ゼを保有
する微生物としては、例えば、エンテロバクタ−属、ア
ルスロバクタ−属、ブレビバクテリウム属、シュ−ドモ
ナス属、アルカリゲネス属、バシルス属、クロモバクテ
リウム属、ミクロバクテリウム属、コリネバクテリウム
属、ミクロコッカス属、ラクトバシルス属、トリコデル
マ属、キャンディダ属、サッカロマイセス属、ロドトル
ラ属、クリプトコッカス属、トルロプシス属、ピヒヤ
属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、リゾプス属、
ムコ−ル属、オ−レオパシディウム属、アクチノムコ−
ル属、ノルカルディア属、ストレプトマイセス属、ハン
ゼヌラ属、アクロモバクタ−属などに属する微生物が挙
げられる。
活性ジオ−ル〔I〕へ変換するとき、用いられる加水分
解酵素としてはリパ−ゼを含む広義のエステラ−ゼを利
用することが可能で、好ましくはリパ−ゼが用いられ
る。用いられるリパ−ゼは、その由来には特に制限はな
いが、微生物由来のリパ−ゼが安価であり大量に入手す
ることが容易であるので利用しやすい。リパ−ゼを保有
する微生物としては、例えば、エンテロバクタ−属、ア
ルスロバクタ−属、ブレビバクテリウム属、シュ−ドモ
ナス属、アルカリゲネス属、バシルス属、クロモバクテ
リウム属、ミクロバクテリウム属、コリネバクテリウム
属、ミクロコッカス属、ラクトバシルス属、トリコデル
マ属、キャンディダ属、サッカロマイセス属、ロドトル
ラ属、クリプトコッカス属、トルロプシス属、ピヒヤ
属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、リゾプス属、
ムコ−ル属、オ−レオパシディウム属、アクチノムコ−
ル属、ノルカルディア属、ストレプトマイセス属、ハン
ゼヌラ属、アクロモバクタ−属などに属する微生物が挙
げられる。
【0009】これらの微生物は菌体内にリパ−ゼを保有
しており、微生物菌体のまま反応に用いてもよいし、通
常の超音波破砕等の方法により粗酵素液として用いても
よいし、また通常の精製法に従って精製した精製酵素と
して使用してもよい。また、微生物由来のリパ−ゼの中
には市販されているものがあり、これらの市販酵素をそ
のまま、または簡単な精製操作を実施したのち使用して
もよい。
しており、微生物菌体のまま反応に用いてもよいし、通
常の超音波破砕等の方法により粗酵素液として用いても
よいし、また通常の精製法に従って精製した精製酵素と
して使用してもよい。また、微生物由来のリパ−ゼの中
には市販されているものがあり、これらの市販酵素をそ
のまま、または簡単な精製操作を実施したのち使用して
もよい。
【0010】加水分解反応は通常、0.01M〜1M、
好ましくは0.05M〜0.3Mの緩衝液中で行われ
る。酵素反応を行うときの緩衝液のpHはpH5〜1
0、好ましくはpH6〜8であり、このpH範囲では酵
素は特に安定である。用いられる緩衝液の種類として
は、りん酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液などの上記のp
Hを保持でき、かつ酵素活性を阻害しないものであれば
特に制限はなく、広く一般的な緩衝液を利用することが
可能である。反応温度は0℃〜80℃、好ましくは20
℃〜50℃であり、反応時間は5〜100時間程度であ
るが、反応が遅い場合にはさらに長時間反応を続けるこ
ともできる。反応中、酵素と基質との接触を十分にして
反応を効率的に進行させるために攪拌することが望まし
く、攪拌速度は反応を効率的に進行せしめ、かつ酵素活
性に悪影響を及ぼさない範囲であれば特に制限はない。
また、反応の際に緩衝液にトルエン、クロロホルム、メ
チルイソブチルケトン、ジイソプロピルエ−テル等の有
機溶媒を酵素活性を阻害しない程度まで添加することも
可能であり、場合により加水分解反応を促進することが
できる。
好ましくは0.05M〜0.3Mの緩衝液中で行われ
る。酵素反応を行うときの緩衝液のpHはpH5〜1
0、好ましくはpH6〜8であり、このpH範囲では酵
素は特に安定である。用いられる緩衝液の種類として
は、りん酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液などの上記のp
Hを保持でき、かつ酵素活性を阻害しないものであれば
特に制限はなく、広く一般的な緩衝液を利用することが
可能である。反応温度は0℃〜80℃、好ましくは20
℃〜50℃であり、反応時間は5〜100時間程度であ
るが、反応が遅い場合にはさらに長時間反応を続けるこ
ともできる。反応中、酵素と基質との接触を十分にして
反応を効率的に進行させるために攪拌することが望まし
く、攪拌速度は反応を効率的に進行せしめ、かつ酵素活
性に悪影響を及ぼさない範囲であれば特に制限はない。
また、反応の際に緩衝液にトルエン、クロロホルム、メ
チルイソブチルケトン、ジイソプロピルエ−テル等の有
機溶媒を酵素活性を阻害しない程度まで添加することも
可能であり、場合により加水分解反応を促進することが
できる。
【0011】加水分解反応終了後は、反応液にメチルイ
ソブチルケトン、酢酸エチル、エチルエ−テル等の溶媒
を添加して生成物を抽出し、必要であれば変性したリパ
−ゼを濾過等の手段により除去した後、生成物を含む有
機層から溶媒を留去し、濃縮残渣をカラムクロマトグラ
フィ−などによって精製することにより、加水分解生成
物である光学活性ジオ−ル類〔I〕と、加水分解残であ
る光学活性ジアシル誘導体とを分離することができる。
ソブチルケトン、酢酸エチル、エチルエ−テル等の溶媒
を添加して生成物を抽出し、必要であれば変性したリパ
−ゼを濾過等の手段により除去した後、生成物を含む有
機層から溶媒を留去し、濃縮残渣をカラムクロマトグラ
フィ−などによって精製することにより、加水分解生成
物である光学活性ジオ−ル類〔I〕と、加水分解残であ
る光学活性ジアシル誘導体とを分離することができる。
【0012】このようにして得た光学活性ジオ−ル類は
カルバペネム系抗生物質などを合成するときの中間体と
して有用であり、例えば、以下に示すようにして容易に
カルバペネム系抗生物質の骨格の製造に利用することが
できる。
カルバペネム系抗生物質などを合成するときの中間体と
して有用であり、例えば、以下に示すようにして容易に
カルバペネム系抗生物質の骨格の製造に利用することが
できる。
【化10】
【0013】またラセミのジアシル誘導体〔II〕は以下
に示すような方法で製造することができる。即ち、一般
式〔V〕(化11)
に示すような方法で製造することができる。即ち、一般
式〔V〕(化11)
【化11】 (式中Xはハロゲンまたはアルキルスルホニルオキシ基
またはアリ−ルスルホニルオキシ基を表わす。)で示さ
れるアルコ−ルに一般式〔VI〕(化12)
またはアリ−ルスルホニルオキシ基を表わす。)で示さ
れるアルコ−ルに一般式〔VI〕(化12)
【化12】Ar(SH)2 〔VI〕 (式中、Arは前記と同じ意味を表わす。)で示される
ジチオール類を作用させることにより
ジチオール類を作用させることにより
【0014】一般式〔III 〕(化13)
【化13】 (式中、Arは前記と同じ意味を表わす。)で示される
ラセミのジオールを得、次いで該ジオールを、塩基の存
在下に一般式〔IV〕(化14)
ラセミのジオールを得、次いで該ジオールを、塩基の存
在下に一般式〔IV〕(化14)
【化14】R−COOH 〔IV〕 (式中、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル
基を表わす。)で示されるカルボン酸の酸ハライドまた
は酸無水物を作用させることによりラセミのジアシル誘
導体〔II〕を製造することができる。
基を表わす。)で示されるカルボン酸の酸ハライドまた
は酸無水物を作用させることによりラセミのジアシル誘
導体〔II〕を製造することができる。
【0015】一般式〔V〕で示されるアルコ−ルのXと
しては、例えば、クロル、ブロム、ヨ−ドなどのハロゲ
ンまたはメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタン
スルホニルオキシなどのアルキルスルホニルオキシ基ま
たはp−トルエンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニ
ルオキシ、ナフタレンスルホニルオキシなどのアリ−ル
スルホニルオキシ基などが挙げられる。より具体的化合
物としては、例えば4−ヨ−ドブタン−2−オ−ル、4
−トリフルオロメタンスルホニルオキシブタン−2−オ
−ル、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ブタン−
2−オ−ル等が挙げられる。
しては、例えば、クロル、ブロム、ヨ−ドなどのハロゲ
ンまたはメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタン
スルホニルオキシなどのアルキルスルホニルオキシ基ま
たはp−トルエンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニ
ルオキシ、ナフタレンスルホニルオキシなどのアリ−ル
スルホニルオキシ基などが挙げられる。より具体的化合
物としては、例えば4−ヨ−ドブタン−2−オ−ル、4
−トリフルオロメタンスルホニルオキシブタン−2−オ
−ル、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ブタン−
2−オ−ル等が挙げられる。
【0016】またジチオール類〔VI〕のArとしては、
例えば前記と同じアリール基等が挙げられる。具体的化
合物としては、例えば、1,3−ベンゼンジチオ−ル、
4,4’−ジ−(メルカプト)フェニルスルフィド等が
挙げられる。
例えば前記と同じアリール基等が挙げられる。具体的化
合物としては、例えば、1,3−ベンゼンジチオ−ル、
4,4’−ジ−(メルカプト)フェニルスルフィド等が
挙げられる。
【0017】カルボン酸〔IV〕の酸ハライドまたは酸無
水物におけるRとしては、前記と同じ炭素数1〜6の直
鎖状または分岐状アルキル基などがあげられる。具体的
化合物としては、例えば、塩化アセチル、臭化アセチ
ル、塩化プロピオニル、臭化プロピオニル等の酸ハライ
ド、無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物などが挙
げられる。
水物におけるRとしては、前記と同じ炭素数1〜6の直
鎖状または分岐状アルキル基などがあげられる。具体的
化合物としては、例えば、塩化アセチル、臭化アセチ
ル、塩化プロピオニル、臭化プロピオニル等の酸ハライ
ド、無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物などが挙
げられる。
【0018】アルコ−ル〔V〕とジチオール類〔VI〕と
を反応させるにあたっては、溶媒の存在下にジチオール
類〔VI〕に塩基を作用させた後、アルコ−ル〔V〕を加
えることにより通常実施される。かかる塩基としては、
例えば水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリ
ウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、
フェニルリチウム等があげられる。その使用量は、ジチ
オール類〔VI〕に対して通常2〜3モル倍である。また
溶媒としては、例えばトルエン、ベンゼン、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル、N,N−
ジメチルホルムアミド等の有機溶媒が挙げられる。その
使用量は、ジチオール類〔VI〕に対して通常5〜30重
量倍である。塩基としてアルキルリチウムを用いた場合
は有機溶媒としてエ−テル系溶媒を用いるのが好まし
い。反応は室温で行っても加熱してもよく、20〜70
℃で反応させるのが通常である。生成したラセミのジオ
−ル〔III 〕はカラムクロマトグラフィー、結晶化等の
通常の精製手段により容易に精製できるが、未精製のま
ま次の反応に用いることもできる。
を反応させるにあたっては、溶媒の存在下にジチオール
類〔VI〕に塩基を作用させた後、アルコ−ル〔V〕を加
えることにより通常実施される。かかる塩基としては、
例えば水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリ
ウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、
フェニルリチウム等があげられる。その使用量は、ジチ
オール類〔VI〕に対して通常2〜3モル倍である。また
溶媒としては、例えばトルエン、ベンゼン、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−テル、N,N−
ジメチルホルムアミド等の有機溶媒が挙げられる。その
使用量は、ジチオール類〔VI〕に対して通常5〜30重
量倍である。塩基としてアルキルリチウムを用いた場合
は有機溶媒としてエ−テル系溶媒を用いるのが好まし
い。反応は室温で行っても加熱してもよく、20〜70
℃で反応させるのが通常である。生成したラセミのジオ
−ル〔III 〕はカラムクロマトグラフィー、結晶化等の
通常の精製手段により容易に精製できるが、未精製のま
ま次の反応に用いることもできる。
【0019】またラセミのジオ−ル〔III 〕にカルボン
酸〔IV〕の酸ハライドまたは酸無水物を作用させるにあ
たっては、塩基の共存下に反応に不活性な有機溶媒下ま
たは無溶媒下で実施される。 カルボン酸〔IV〕の酸ハ
ライドまたは酸無水物の使用量は、ラセミのジオ−ル
〔III 〕に対して、通常2〜10モル倍である。反応に
不活性な有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼ
ン等の炭化水素、クロロホルム、ジクロロメタン等のハ
ロゲン系炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−
テル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。そ
の使用量は、ラセミのジオ−ル〔III 〕に対して、通常
5〜30重量倍である。また反応に用いられる塩基とし
ては、好ましくは、例えば、ピリジン、トリエチルアミ
ン、イミダゾ−ル、ジメチルアミノピリジン、ピコリン
などが挙げられ、これらは混合して用いてもよい。その
使用量はラセミのジオ−ル〔III 〕に対して通常2〜2
0モル倍である。反応温度は通常、−30℃〜100℃
で、好ましくは−10℃〜50℃である。生成物である
ラセミのジアシル誘導体〔II〕はカラムクロマトグラフ
ィ−または結晶化などの通常の精製手段により容易に精
製することが可能である。
酸〔IV〕の酸ハライドまたは酸無水物を作用させるにあ
たっては、塩基の共存下に反応に不活性な有機溶媒下ま
たは無溶媒下で実施される。 カルボン酸〔IV〕の酸ハ
ライドまたは酸無水物の使用量は、ラセミのジオ−ル
〔III 〕に対して、通常2〜10モル倍である。反応に
不活性な有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼ
ン等の炭化水素、クロロホルム、ジクロロメタン等のハ
ロゲン系炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエ−
テル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。そ
の使用量は、ラセミのジオ−ル〔III 〕に対して、通常
5〜30重量倍である。また反応に用いられる塩基とし
ては、好ましくは、例えば、ピリジン、トリエチルアミ
ン、イミダゾ−ル、ジメチルアミノピリジン、ピコリン
などが挙げられ、これらは混合して用いてもよい。その
使用量はラセミのジオ−ル〔III 〕に対して通常2〜2
0モル倍である。反応温度は通常、−30℃〜100℃
で、好ましくは−10℃〜50℃である。生成物である
ラセミのジアシル誘導体〔II〕はカラムクロマトグラフ
ィ−または結晶化などの通常の精製手段により容易に精
製することが可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明の光学活性ジオ−ル類〔I〕は、
カルバペネム系抗生物質の骨格を製造するためのより効
率的な中間体となり得る。また、該光学活性ジオ−ル類
〔I〕は、ジ−(3−アシルオキシブチル)フェニルス
ルフィド誘導体に、加水分解酵素を作用させることによ
り、容易に製造し得るので工業的にも有利である。
カルバペネム系抗生物質の骨格を製造するためのより効
率的な中間体となり得る。また、該光学活性ジオ−ル類
〔I〕は、ジ−(3−アシルオキシブチル)フェニルス
ルフィド誘導体に、加水分解酵素を作用させることによ
り、容易に製造し得るので工業的にも有利である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。本発明が実施例に限定されるものでないことは
言うまでもない。実施例中、光学活性化合物の光学純度
は高速液体クロマトグラフィ−を用いて求めた。分析条
件は以下に示すとおりである。 カラム;ダイセル製 キラルセルOD 移動相;ヘキサン/イソプロパノ−ル=95/5 移動相流速;1ml/min. カラム温度;25℃
明する。本発明が実施例に限定されるものでないことは
言うまでもない。実施例中、光学活性化合物の光学純度
は高速液体クロマトグラフィ−を用いて求めた。分析条
件は以下に示すとおりである。 カラム;ダイセル製 キラルセルOD 移動相;ヘキサン/イソプロパノ−ル=95/5 移動相流速;1ml/min. カラム温度;25℃
【0022】実施例1 4,4’−ジ−(メルカプト)フェニルスルフィド
(3.03g、12.1mmol)を50mlのテトラ
ヒドロフランに溶解した後、5℃に冷却した。これに6
0%水素化ナトリウム(1.06g、26.5mmo
l)を加えて30分攪拌した後、4−(p−トルエンス
ルホニルオキシ)ブタン−2−オ−ル(5.64g、2
3.1mmol)のテトラヒドロフラン溶液を加え、7
5℃の油浴中で3時間攪拌した。反応液を冷却後、15
0mlのジクロロメタンで希釈し、100mlの水、1
00mlの飽和食塩水で順次洗浄した。有機層に無水硫
酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾液を減圧濃縮して
得られた残渣シロップをシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ−(溶離液:トルエン/酢酸エチル=3/1)にて
精製し、4,4’−ジ−(3−ヒドロキシブチルチオ)
フェニルスルフィドを4.36g得た。4,4’−ジ−
(メルカプト)フェニルスルフィドに対する収率は9
5.8%であった。 NMR(CDCl3 、270MHZ )δ(ppm) 1.21(6H、d、J=6.6HZ )、1.66(2
H、brS) 1.73〜1.86(4H、m)、2.93〜3.12
(4H、m) 3.89〜4.05(2H、m)、7.18〜7.36
(8H、m)
(3.03g、12.1mmol)を50mlのテトラ
ヒドロフランに溶解した後、5℃に冷却した。これに6
0%水素化ナトリウム(1.06g、26.5mmo
l)を加えて30分攪拌した後、4−(p−トルエンス
ルホニルオキシ)ブタン−2−オ−ル(5.64g、2
3.1mmol)のテトラヒドロフラン溶液を加え、7
5℃の油浴中で3時間攪拌した。反応液を冷却後、15
0mlのジクロロメタンで希釈し、100mlの水、1
00mlの飽和食塩水で順次洗浄した。有機層に無水硫
酸マグネシウムを加えて乾燥させ、濾液を減圧濃縮して
得られた残渣シロップをシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ−(溶離液:トルエン/酢酸エチル=3/1)にて
精製し、4,4’−ジ−(3−ヒドロキシブチルチオ)
フェニルスルフィドを4.36g得た。4,4’−ジ−
(メルカプト)フェニルスルフィドに対する収率は9
5.8%であった。 NMR(CDCl3 、270MHZ )δ(ppm) 1.21(6H、d、J=6.6HZ )、1.66(2
H、brS) 1.73〜1.86(4H、m)、2.93〜3.12
(4H、m) 3.89〜4.05(2H、m)、7.18〜7.36
(8H、m)
【0023】実施例2 4,4’−ジ−(3−ヒドロキシブチルチオ)フェニル
スルフィド(3.70g、9.38mmol)を15m
lのピリジンに溶解し、5mlの無水酢酸を加えて25
℃にて6時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた
残渣シロップをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(溶離液:トルエン/酢酸エチル=20/1)にて精製
し、4,4’−ジ−(3−アセトキシブチルチオ)フェ
ニルスルフィドを4.22g得た。4,4’−ジ−(3
−ヒドロキシブチルチオ)フェニルスルフィドに対する
収率は94.0%であった。 NMR(CDCl3 、270MHZ )δ(ppm) 1.23(6H、d、J=6.27HZ ) 1.76〜1.94(4H、m)、2.03(6H、
s) 2.78〜2.98(4H、m)、4.95〜5.07
(2H、m) 7.16〜7.26(8H、m)
スルフィド(3.70g、9.38mmol)を15m
lのピリジンに溶解し、5mlの無水酢酸を加えて25
℃にて6時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた
残渣シロップをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(溶離液:トルエン/酢酸エチル=20/1)にて精製
し、4,4’−ジ−(3−アセトキシブチルチオ)フェ
ニルスルフィドを4.22g得た。4,4’−ジ−(3
−ヒドロキシブチルチオ)フェニルスルフィドに対する
収率は94.0%であった。 NMR(CDCl3 、270MHZ )δ(ppm) 1.23(6H、d、J=6.27HZ ) 1.76〜1.94(4H、m)、2.03(6H、
s) 2.78〜2.98(4H、m)、4.95〜5.07
(2H、m) 7.16〜7.26(8H、m)
【0024】実施例3 4,4’−ジ−(3−アセトキシブチルチオ)フェニル
スルフィド(3.54g、7.40mmol)に100
mlの0.1Mりん酸緩衝液(pH7.0)およびリパ
−ゼPS(天野製薬製)(708mg)を加えて30℃
にて25時間激しく攪拌した。反応液に100mlの酢
酸エチルを加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。塩を濾過し、濾液を減圧濃縮して得られ
た残渣シロップをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(溶離液:トルエン/酢酸エチル=10/1〜2/1)
にて精製し、4,4’−ジ−((R)−3−ヒドロキシ
ブチルチオ)フェニルスルフィドを0.67gおよび
4,4’−ジ−((S)−3−アセトキシブチルチオ)
フェニルスルフィドを0.90g得た。4,4’−ジ−
(3−アセトキシブチルチオ)フェニルスルフィドに対
する収率はそれぞれ23.0%、25.4%であった。
4,4’−ジ−((R)−3−ヒドロキシブチルチオ)
フェニルスルフィドの光学純度は95.7%、融点は6
9〜70℃であった。
スルフィド(3.54g、7.40mmol)に100
mlの0.1Mりん酸緩衝液(pH7.0)およびリパ
−ゼPS(天野製薬製)(708mg)を加えて30℃
にて25時間激しく攪拌した。反応液に100mlの酢
酸エチルを加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。塩を濾過し、濾液を減圧濃縮して得られ
た残渣シロップをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(溶離液:トルエン/酢酸エチル=10/1〜2/1)
にて精製し、4,4’−ジ−((R)−3−ヒドロキシ
ブチルチオ)フェニルスルフィドを0.67gおよび
4,4’−ジ−((S)−3−アセトキシブチルチオ)
フェニルスルフィドを0.90g得た。4,4’−ジ−
(3−アセトキシブチルチオ)フェニルスルフィドに対
する収率はそれぞれ23.0%、25.4%であった。
4,4’−ジ−((R)−3−ヒドロキシブチルチオ)
フェニルスルフィドの光学純度は95.7%、融点は6
9〜70℃であった。
【0025】実施例4 1,3−ベンゼンジチオ−ル(2.00g、14.1m
mol)を30mlのテトラヒドロフランに溶解した
後、5℃に冷却した。これに60%水素化ナトリウム
(1.24g、31mmol)を加えて30分攪拌した
後、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ブタン−2
−オ−ル(7.30g、29.9mmol)を溶解した
30mlのテトラヒドロフラン溶液を加え、75℃の油
浴中で3時間攪拌した。反応液を冷却後150mlのジ
クロロメタンで希釈し、100mlの水、100mlの
飽和食塩水で順次洗浄した。有機層に無水硫酸マグネシ
ウムを加えて乾燥させ、濾液を減圧濃縮して得られた残
渣シロップをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶
離液:トルエン/酢酸エチル=3/1)にて精製し、
1,3−ジ−(3−ヒドロキシブチルチオ)ベンゼンを
3.64g得た。1,3−ベンゼンジチオ−ルに対する
収率は90.3%であった。
mol)を30mlのテトラヒドロフランに溶解した
後、5℃に冷却した。これに60%水素化ナトリウム
(1.24g、31mmol)を加えて30分攪拌した
後、4−(p−トルエンスルホニルオキシ)ブタン−2
−オ−ル(7.30g、29.9mmol)を溶解した
30mlのテトラヒドロフラン溶液を加え、75℃の油
浴中で3時間攪拌した。反応液を冷却後150mlのジ
クロロメタンで希釈し、100mlの水、100mlの
飽和食塩水で順次洗浄した。有機層に無水硫酸マグネシ
ウムを加えて乾燥させ、濾液を減圧濃縮して得られた残
渣シロップをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶
離液:トルエン/酢酸エチル=3/1)にて精製し、
1,3−ジ−(3−ヒドロキシブチルチオ)ベンゼンを
3.64g得た。1,3−ベンゼンジチオ−ルに対する
収率は90.3%であった。
【0026】実施例5 1,3−ジ−(3−ヒドロキシブチルチオ)ベンゼンを
1.03gを用いる以外は実施例2と全く同様にして
1,3−ジ−(3−アセトキシブチルチオ)ベンゼンを
1.02g得た。1,3−ジ−(3−ヒドロキシブチル
チオ)ベンゼンに対する収率は76.7%であった。
1.03gを用いる以外は実施例2と全く同様にして
1,3−ジ−(3−アセトキシブチルチオ)ベンゼンを
1.02g得た。1,3−ジ−(3−ヒドロキシブチル
チオ)ベンゼンに対する収率は76.7%であった。
【0027】実施例6 1,3−ジ−(3−アセトキシブチルチオ)ベンゼン
(4.35g、11.7mmol)に130mlの0.
1Mりん酸緩衝液(pH7.0)およびリパ−ゼPS
(天野製薬製)(652mg)を加えて30℃にて30
時間激しく攪拌した。反応液に100mlの酢酸エチル
を加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。塩を濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣シ
ロップをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶離
液:トルエン/酢酸エチル=10/1〜2/1)にて精
製し、1,3−ジ−((R)−3−ヒドロキシブチルチ
オ)ベンゼンを0.54gおよび1,3−ジ−((S)
−3−アセトキシブチルチオ)ベンゼンを0.99g得
た。1,3−ジ−(3−ヒドロキシブチルチオ)ベンゼ
ンに対する収率はそれぞれ16.2%、22.7%であ
った。1,3−ジ−((R)−3−ヒドロキシブチルチ
オ)ベンゼンおよび1,3−ジ−((S)−3−アセト
キシブチルチオ)ベンゼンの光学純度はそれぞれ73.
1%、90.2%であった。
(4.35g、11.7mmol)に130mlの0.
1Mりん酸緩衝液(pH7.0)およびリパ−ゼPS
(天野製薬製)(652mg)を加えて30℃にて30
時間激しく攪拌した。反応液に100mlの酢酸エチル
を加えて分液し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。塩を濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣シ
ロップをシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶離
液:トルエン/酢酸エチル=10/1〜2/1)にて精
製し、1,3−ジ−((R)−3−ヒドロキシブチルチ
オ)ベンゼンを0.54gおよび1,3−ジ−((S)
−3−アセトキシブチルチオ)ベンゼンを0.99g得
た。1,3−ジ−(3−ヒドロキシブチルチオ)ベンゼ
ンに対する収率はそれぞれ16.2%、22.7%であ
った。1,3−ジ−((R)−3−ヒドロキシブチルチ
オ)ベンゼンおよび1,3−ジ−((S)−3−アセト
キシブチルチオ)ベンゼンの光学純度はそれぞれ73.
1%、90.2%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 477/00
Claims (8)
- 【請求項1】一般式〔I〕(化1) 【化1】 (式中、Arはフェニレン、ナフチレン、ビフェニレ
ン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル基
を表わす。)で示される光学活性ジオ−ル類。 - 【請求項2】一般式〔II〕(化2) 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル
基を表わし、Arはフェニレン、ナフチレン、ビフェニ
レン、ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル
基を表わす。)で示されるラセミのジアシル誘導体に加
水分解酵素を作用せしめることを特徴とする請求項1記
載の光学活性ジオ−ル類の製造方法。 - 【請求項3】請求項2記載の一般式〔II〕で示されるジ
アシル誘導体。 - 【請求項4】一般式〔III 〕(化3) 【化3】 (式中Arはフェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、
ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル基を表
わす。)で示されるラセミ体ジオ−ルに塩基の存在下、
一般式〔IV〕(化4) 【化4】R−COOH 〔IV〕 (式中、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル
基を表わす。)で示されるカルボン酸の酸ハライドまた
は酸無水物を作用させることを特徴とする請求項4記載
の一般式〔II〕で示されるジアシル誘導体の製造方法。 - 【請求項5】請求項4記載の一般式〔III 〕で示される
ラセミ体ジオ−ル類。 - 【請求項6】一般式〔V〕(化5) 【化5】 (式中Xはハロゲンまたはアルキルスルホニルオキシ基
またはアリ−ルスルホニルオキシ基を表わす。)で示さ
れるアルコ−ルに一般式〔VI〕(化6) 【化6】Ar(SH)2 〔VI〕 (式中Arはフェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、
ジフェニルスルフィドまたはジフェニルエ−テル基を表
わす。)で示されるジチオール類を作用させることを特
徴とする請求項4記載の一般式〔III 〕で示されるラセ
ミ体ジオ−ル類の製造方法。 - 【請求項7】請求項6記載の一般式〔V〕で示されるア
ルコ−ルに一般式〔VI〕で示されるるジチオール類を作
用させて請求項4記載の一般式〔III 〕で示されるラセ
ミ体ジオ−ルを得、次いで該ラセミ体ジオ−ルに、塩基
の存在下、一般式〔IV〕で示されるカルボン酸の酸ハラ
イドまたは酸無水物を作用させて請求項2記載の一般式
〔II〕で示されるジアシル誘導体を得、しかる後に該ジ
アシル誘導体に加水分解酵素を作用せしめることを特徴
とする請求項1記載の一般式〔I〕で示される光学活性
ジオール類の製造法。 - 【請求項8】加水分解酵素がエステラ−ゼまたはリパ−
ゼである請求項2または請求項7記載の光学活性ジオ−
ル類の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5027972A JPH06239830A (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 光学活性ジオ−ル類、その中間体およびそれぞれの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5027972A JPH06239830A (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 光学活性ジオ−ル類、その中間体およびそれぞれの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06239830A true JPH06239830A (ja) | 1994-08-30 |
Family
ID=12235796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5027972A Pending JPH06239830A (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 光学活性ジオ−ル類、その中間体およびそれぞれの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06239830A (ja) |
-
1993
- 1993-02-17 JP JP5027972A patent/JPH06239830A/ja active Pending
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