JP3158700B2 - 光学活性なexo−3−アリル−endo−2−ノルボルナノールの製造法 - Google Patents

光学活性なexo−3−アリル−endo−2−ノルボルナノールの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬中間体として有用
な光学活性なexo−3−アリル−endo−2−ノル
ボルナノールの製造法に関するものである。さらに具体
的には、トロンボキサンA2 (TXA2 )受容体拮抗剤
の中間体として有用な光学活性なexo−3−アリル−
endo−2−ノルボルナノールの製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】exo−3−アリル−endo−2−ノ
ルボルナノールのラセミ体の製造法は、例えば、Tetrah
edron Lett., 1897(1980) に記載されている。しかしな
がら、本化合物の光学活性体に関する製造法は、従来、
知られておらず、工業的な製造法の開発が求められてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、医薬
中間体として有用な光学活性なexo−3−アリル−e
ndo−2−ノルボルナノールの新規な製造法の開発に
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式化1 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示す。)およ
び一般式化2 (式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)で示されるエ
ステル化合物の混合物のうち、いずれか一方のエナンチ
オマーを優先的に加水分解する能力を有するエステラー
ゼを用いて不斉加水分解することを特徴とする光学活性
なexo−3−アリル−endo−2−ノルボルナノー
ルの製造法を提供するものである。
【0005】原料の一般式化1および化2で示されるエ
ステル化合物の混合物は、exo−3−アリルノルカン
ファーを水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウム
リチウムなどのアルカリ金属水素化物で還元し、さらに
対応する酸無水物あるいは酸ハライドを用いてエステル
化することにより、容易に製造することができる。
【0006】本発明におけるエステラーゼとは、リパー
ゼを含む広義のエステラーゼを意味する。
【0007】この反応で用いられるエステラーゼを生産
する微生物としては、一般式化1および化2で示される
エステル化合物の混合物を不斉加水分解する能力を有す
る微生物であればよく、特に限定されない。このような
微生物の具体例としては、例えば、エンテロバクター
属、アルスロバクター属、プレビバクテリウム属、シュ
ードモナス属、アルカリゲネス属、ミクロコカッス属、
クロモバクテリウム属、コリネバクテリウム属、バシル
ス属、ラクトバシルス属、トリコデルマ属、キャンディ
ダ属、サッカロミセス属、ロドトルラ属、クリプトコッ
カス属、トルロプシス属、ピヒア属、ペニシリウム属、
アスペルギルス属、リゾプス属、ムコール属、オーレオ
パシディウム属、アクチノムコール属、ノカルディア
属、ストレプトミセス属、ハンゼヌラ属、アクロモバク
ター属等に属する微生物が例示される。
【0008】上記微生物の培養は、通常、液体培養によ
って行われるが、場合によっては、固体培養を行っても
よい。
【0009】また、これらの微生物起源のエステラーゼ
の中には、市販されているものもあり、それらを使用し
ても差し支えない。
【0010】さらに本反応では、動物または植物由来の
エステラーゼを用いることもでき、それらの具体例とし
ては、ステアプシン、パンクレアチン、ブタ肝臓エステ
ラーゼ(PLE)、Wheat Germエステラーゼなどがあげ
られる。
【0011】本反応で用いられるエステラーゼの使用形
態としては、精製酵素、粗酵素、酵素含有物、固定化酵
素、微生物培養液、菌体、培養濾液等があげられ、いず
れの形態であってもよい。
【0012】本発明の不斉加水分解反応は、原料の一般
式化1および化2で示されるエステル化合物の混合物を
上記のエステラーゼの存在下に緩衝液中で混合すること
により行われる。
【0013】緩衝液としては、通常用いられるリン酸ナ
トリウム、リン酸カリウム、ホウ酸ナトリウムのような
無機酸塩の緩衝液、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウ
ムのような有機酸塩の緩衝液等が用いられ、そのpH
は、好アルカリ性菌の培養液やアルカリ性エステラーゼ
ではpH8〜11、好アルカリ性でない微生物の培養液
や耐アルカリ性でないエステラーゼではpH5〜8が好
ましい。緩衝液の塩濃度は、通常、0.01〜2M、好
ましくは、0.05〜0.5Mの範囲である。
【0014】反応温度は、通常、10〜60℃、好まし
くは、15〜45℃の範囲である。
【0015】また、反応の際、緩衝液に加え、トルエ
ン、クロロホルム、メチルイソブチルケトン、ジクロル
メタン等の反応に不活性な有機溶媒を併用することもで
きる。これらの使用量は特に制限されない。
【0016】かかる不斉分解反応により、原料の一般式
および化で示されるエステル化合物の混合物のう
ち、いずれか一方のエナンチオマーのみが優先的に加水
分解されて、光学活性なexo−3−アリル−endo
−2−ノルボルナノールが生成し、一方、他方のエナン
チオマーはエステル化合物のままで残存することにな
る。
【0017】反応終了後、反応液をトルエン、酢酸エチ
ル、メチルイソブチルケトン等の有機溶媒で抽出し、得
られた有機層を濃縮した後、残さをカラムクロマトグラ
フィー等の方法で処理すれば、目的とする光学活性なe
xo−3−アリル−endo−2−ノルボルナノールを
得ることができる。
【0018】また、上記の操作で加水分解残のエステル
化合物も同時に得ることができるが、このものを通常の
条件で加水分解すれば、先に不斉加水分解反応で得た光
学活性なexo−3−アリル−endo−2−ノルボル
ナノールと対掌体の関係にある光学活性なexo−3−
アリル−endo−2−ノルボルナノールを得ることが
できる。
【0019】
【発明の効果】本発明により、医薬中間体として有用な
光学活性なexo−3−アリル−endo−2−ノルボ
ルナノールが、工業的に有利に製造することができる。
この化合物は、例えば、J. Med. Chem., 31, 1847(198
8) に記載のTXA2 受容体拮抗剤の中間体として、好
適に利用することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0021】製造例1 撹拌装置、温度計およびコンデンサーを装着した4つ口
フラスコに(±)−exo−3−アリルノルカンファー
15.0gとエタノール100mlを仕込み、0℃まで
冷却した。これに水素化ホウ素ナトリウム4.2gを加
え、0〜5℃で2時間撹拌した。
【0022】反応終了後、反応混合物を水300ml中
に注入し、エーテル100mlで2回抽出した。有機層
を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後、減圧濃縮して、無色液状の(±)−ex
o−3−アリル−endo−2−ノルボルナノール1
4.7gを得た。
【0023】このものを撹拌装置、温度計、コンデンサ
ーおよび滴下ロートを装着した4つ口フラスコに仕込
み、ジクロルメタン100mlに溶解した後、ピリジン
15.3gを加え、0℃まで冷却した。この混合物に0
〜5℃で塩化アセチル11.4gを滴下し、同温で5時
間撹拌した。
【0024】反応終了後、反応混合物を氷水中に注ぎ入
れ、トルエン50mlで抽出した。分液後、有機層を1
0%塩酸水、5%重曹水、飽和食塩水の順で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥の後、減圧濃縮した。得られ
た残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液:ヘキサン−酢酸エチル)に供し、(±)−endo
−2−アセトキシ−exo−3−アリルノルボルナン1
4.4gを無色液体として得た。
【0025】実施例1 撹拌装置、温度計およびコンデンサーを装着した4つ口
フラスコに(±)−endo−2−アセトキシ−exo
−3−アリルノルボルナン8.3g、0.5Mリン酸緩
衝液(pH7.0)200mlおよびリパーゼ(アルス
ロバクター属)1.6gを仕込み、35〜40℃で48
時間激しく撹拌した。
【0026】反応終了後、反応混合物に酢酸エチル10
0mlを加え、不溶物を濾別し、濾液を分液した。得ら
れた有機層を減圧濃縮し、残さをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出液:ヘキサン−酢酸エチル)に供
し、exo−3−アリル−2S−ノルボルナノール3.
3g(光学純度92%ee)と2R体richのend
o−2−アセトキシ−exo−3−アリルノルボルナン
4.6gを得た。
【0027】実施例2 実施例1で用いたリパーゼ(アルスロバクター属)に代
えて、リパーゼ(シュードモナス属)を用い、反応時間
を100時間とする以外は、実施例1と同様にして、反
応および後処理を行い、exo−3−アリル−2S−ノ
ルボルナノール2.4g(光学純度98.5%ee)と
2R体richのendo−2−アセトキシ−exo−
3−アリルノルボルナン5.5gを得た。
【0028】実施例3 実施例1で用いたリパーゼ(アルスロバクター属)に代
えて、リパーゼ(キャンディダ属)を用い、反応時間を
24時間とする以外は、実施例1と同様にして、反応お
よび後処理を行い、exo−3−アリル−2S−ノルボ
ルナノール3.9g(光学純度76%ee)と2R体r
ichのendo−2−アセトキシ−exo−3−アリ
ルノルボルナン3.7gを得た。
【0029】実施例4 実施例1で原料として用いた(±)−endo−2−ア
セトキシ−exo−3−アリルノルボルナンに代えて、
(±)−endo−2−ブタノイルオキシ−exo−3
−アリルノルボルナン9.7gを用いる以外は、実施例
1と同様にして、反応および後処理を行い、exo−3
−アリル−2S−ノルボルナノール3.0g(光学純度
96%ee)と2R体richのendo−2−ブタノ
イルオキシ−exo−3−アリルノルボルナン5.7g
を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 41/00 BIOSIS(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式化1 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示す。)およ
    び一般式化2 (式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)で示されるエ
    ステル化合物の混合物のうち、一方のエナンチオマーを
    優先的に加水分解する能力を有するエステラーゼを用い
    て不斉加水分解することを特徴とするexo−3−アリ
    ル−2−(S)−ノルボルナノールの製造法。
  2. 【請求項2】請求項1において、exo−3−アリル−
    2−(S)−ノルボルナノールを得た後、残存する他方
    のエステル化合物を加水分解することを特徴とするex
    o−3−アリル−2−(R)−ノルボルナノールの製造
    法。
  3. 【請求項3】エステラーゼがリパーゼである請求項1ま
    たは2記載の製造法。
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