JPH06239755A - 抗真菌剤 - Google Patents
抗真菌剤Info
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- JPH06239755A JPH06239755A JP5022993A JP5022993A JPH06239755A JP H06239755 A JPH06239755 A JP H06239755A JP 5022993 A JP5022993 A JP 5022993A JP 5022993 A JP5022993 A JP 5022993A JP H06239755 A JPH06239755 A JP H06239755A
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- Japan
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- antifungal agent
- antifungal
- saponin
- yamosin
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Abstract
抽出単離した天然サポニンの一種であるヤモシン(化学
名:(25S)−スピロスト−5エン−3β−オール−
3−O−α−L−ラムノピラノシル(1→2)−[α−
L−ラムノピラノシル(1→4)]−β−D−グルコピ
ラノシド)を有効成分とする抗真菌剤。
Description
に詳しくは、植物から抽出単離した天然サポニンの一種
であるヤモシンを有効成分とする抗真菌剤に関する。
は、食品、化粧品、繊維、医薬品など様々な分野におい
て使用されており、各分野において使用される抗真菌剤
は、それが使用される対象物の種類によってそれぞれ主
成分が異なっている。
例えば特開昭61-83104号公報「抗菌・抗カビ剤」にアミ
ノエチルアルコールを主成分とする抗菌剤が開示されて
いるほか、食品防腐剤の主成分として使用されるTB
Z、安息香酸、プロピオン酸等の化学合成品が知られて
いる。
ては、特開昭63-30424号公報「白癬菌治療剤」に開示さ
れるような、天然フィトンチッド成分を有効成分とする
白癬菌治療剤なども知られているが、ポリエン系化合物
やイミダール系化合物などの化学合成品を主成分とする
抗真菌剤が主流を占めている。
は、従来植物や動物中に含まれていることは公知であっ
たが、抗真菌剤の主成分たらしめる目的に有効な物質で
あることは知られていなかった。一般にサポニンとは、
複雑な脂環式化合物をアグリコンとする配糖体であり、
その水溶液が起泡性、魚毒性、溶血性などを示す一群の
植物成分の総称である。
の性質が判明し、それらの種類は分類上、ステロイドサ
ポニンやトリテルペノイドサポニンに大別されるように
なった。これらサポニンは現在、主としてステロイドホ
ルモンの原料や生薬として用いられている。
ち、現在食品用として使用されているものは主として化
学合成品であり、それらは直接体内に摂取される食品に
添加されるため、人体への悪影響が懸念されている。一
方、医療分野においては、真菌症を抑えるためなどの目
的に、毒性の強い抗真菌剤が使用されているのが現実で
ある。
抗真菌剤は人体への危険性の高い化学合成品であったた
め、より人体に対する安全性が高く、コスト的にも安く
生産することができ、しかも従来の化学合成品に匹敵す
る抗真菌活性を持つ抗真菌剤の開発が望まれていたので
ある。
の技術の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、食用ア
スパラガス中に含まれるサポニンに優れた抗真菌活性が
あることを見い出し、これを有効成分とする抗真菌剤の
発明を達成したのである(特開平2-157205号「抗真菌
剤」)。
を有効成分とする抗真菌剤における抗真菌活性は、その
後の研究において、新規な(25S)−5β−スピロス
タン−3β−オール−3−O−β−D−グルコピラノシ
ル(1→2)−[β−D−キシロピラノシル(1→
4)]−β−D−グルコピラノシドによるものであるこ
とが判明した(特開平3-48694 号公報「新規サポニン物
質」)。
上記新規サポニン物質と同等かそれ以上の抗真菌活性を
有する物質が含まれている可能性を有しており、この新
規物質の解明が望まれていたのである。
題を解決するために、本出願人による特開平2-129198号
公報「アスパラガス廃棄物からのサポニン回収方法」、
および特開平2-247196号公報「アスパラガスから精製サ
ポニンを回収する方法」に開示する方法でアスパラガス
からサポニン成分を抽出し、さらに高速液体クロマトグ
ラフィーによって精製、単離して得たサポニン物質をN
MR等の分析機器を用いて分析検討し、その特性を十分
に調べたところ、優れた抗真菌活性を有するヤモシンの
存在を見い出し、本発明を提供することができた。
スト−5エン−3β−オール−3−O−α−L−ラムノ
ピラノシル(1→2)−[α−L−ラムノピラノシル
(1→4)]−β−D−グルコピラノシドを有効成分と
する抗真菌剤を提供するものである。
−スピロスト−5エン−3β−オール−3−O−α−L
−ラムノピラノシル(1→2)−[α−L−ラムノピラ
ノシル(1→4)]−β−D−グルコピラノシドは、ヤ
モシンと呼ばれるサポニンの1種であり、植物、例えば
食用のアスパラガスなどに含まれている。このヤモシン
は、抗真菌活性の活性主体を成しており、特にトリコフ
ィーン・ルブルムやキャンディダ・アルビカンス等のカ
ビ、酵母に対して優れた抗真菌作用を示すものである。
よる特開平2-129198号公報「アスパラガス廃棄物からの
サポニン回収方法」に開示されているように、原料とし
てホワイトアスパラガスを用い(特に廃棄物とされる根
部や茎部)、これを抽出した後、得られた抽出液を液体
クロマトグラフィー(HPLC)で分離することによっ
て単離することができる。なお、ヤモシンは、アスパラ
ガス以外の植物から抽出単離しても何等問題はない。
含有量は、その使用目的に応じて異なるが、0.5 〜10μ
g/mlの範囲とすることが好ましく、この範囲で真菌の成
育を最も有効かつ経済的に阻止することができる。
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例により制
限されるものではない。
す。
ガス根本部分26.650gに、アルコール濃度が60%となる
ようにエタノールを添加した。次いで、この混合物を、
室温下において一昼夜静置し、抽出を行った後、吸引濾
過によって抽出液を吸引濾過瓶に回収した。
l加え、前述の操作を繰り返すことによって66lの抽出
液を得、得られた抽出液をロータリーエバポレーターで
減圧濃縮し、溶媒留去して褐色のエキスを約1kg得た。
タノールと水との混合溶媒(n−ブタノール:水=1:
1)を加え、溶解した後、これを遠心分離器で分離する
ことによってサポニン成分をn−ブタノール層に抽出分
離し、これを濃縮・溶媒留去して約110 gの濃縮エキス
を得た。
後、ベンゼンを加えて攪拌し、脂質成分をベンゼンで抽
出した。次いで、n−ブタノールでサポニンを抽出し、
これを濃縮乾固して粗サポニンを約11g得、得られた粗
サポニンをHPLCによって分離し、ヤモシンを得た。
を測定するために、供試菌株としてトリコフィーン・ル
ブルム(IFO 5808)およびキャンディダ・アルビカンス
(IFO 1061)を用い、最小成育阻止濃度(MIC;μg/ml)
を求めた。
およびキャンディダ・アルビカンス)を、MY寒天培地
(酵母エキス3g、麦芽エキス3g、ペプトン5g、ブ
ドウ糖10g、寒天 15g/l、pH6)のプレートで培養
し、各々0.1 %ツィーン80/90%食塩水に懸濁せしめて
菌懸濁液をつくり、これをあらかじめ用意しておいたM
Y液体培地(前述の培地より寒天を除いたもの)5mlを
分注した試験管に、菌濃度が5×104 個/mlになるよう
に添加した。
ンをそれぞれ0.5 、1、2、4、8および16μg/mlにな
るように加え、30℃で1週間静置培養した後、菌の増殖
を阻止するサポニン濃度(MIC;μg/ml)を求め、その結
果を表1に示した。
菌(トリコフィートン・ルブルム)や真菌感染症原因菌
(キャンディダ・アルビカンス)に対して非常に強い成
育阻害活性を示すことが確認された。
分とする抗真菌剤は、極めて抗真菌活性が高く、少量で
もその効力を十分に発揮し得るものであると共に、ヤモ
シン自体食用植物の成分であるため、従来の化学合成品
に比べ人体に対する悪影響が少なく、極めて安全性の高
いものである。また、本発明の抗真菌剤の有効成分であ
るヤモシンは、アスパラガス廃棄物から回収することが
できるため、製造コストが安価である。
Claims (1)
- 【請求項1】 (25S)−スピロスト−5エン−3β
−オール−3−O−α−L−ラムノピラノシル(1→
2)−[α−L−ラムノピラノシル(1→4)]−β−
D−グルコピラノシドを有効成分とする抗真菌剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5022993A JPH06239755A (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | 抗真菌剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5022993A JPH06239755A (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | 抗真菌剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06239755A true JPH06239755A (ja) | 1994-08-30 |
Family
ID=12853204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5022993A Pending JPH06239755A (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | 抗真菌剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06239755A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100341795B1 (ko) * | 1999-08-13 | 2002-06-26 | 대한민국(관리청:특허청장, 승계청:농촌진흥청장) | 방울비짜루(남옥대)로부터 단리되는 신물질인 아스파올리고닌 |
KR100458003B1 (ko) * | 2002-05-27 | 2004-11-18 | 대한민국 | 방울비짜루(남옥대)로부터 분리한 신규 항암활성 화합물 및 그 정제방법 |
-
1993
- 1993-02-16 JP JP5022993A patent/JPH06239755A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100341795B1 (ko) * | 1999-08-13 | 2002-06-26 | 대한민국(관리청:특허청장, 승계청:농촌진흥청장) | 방울비짜루(남옥대)로부터 단리되는 신물질인 아스파올리고닌 |
KR100458003B1 (ko) * | 2002-05-27 | 2004-11-18 | 대한민국 | 방울비짜루(남옥대)로부터 분리한 신규 항암활성 화합물 및 그 정제방법 |
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