JPH06239714A - 殺ダニ剤 - Google Patents

殺ダニ剤

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JPH06239714A
JPH06239714A JP30150091A JP30150091A JPH06239714A JP H06239714 A JPH06239714 A JP H06239714A JP 30150091 A JP30150091 A JP 30150091A JP 30150091 A JP30150091 A JP 30150091A JP H06239714 A JPH06239714 A JP H06239714A
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喜一 山本
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優佳 由利
Wataru Kameda
弥 亀田
Tetsushirou Horiuchi
哲嗣郎 堀内
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JIYUMOKU CHUSHUTSU SEIBUN RIYO
JIYUMOKU CHUSHUTSU SEIBUN RIYOU GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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JIYUMOKU CHUSHUTSU SEIBUN RIYO
JIYUMOKU CHUSHUTSU SEIBUN RIYOU GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スギ枝葉部を水蒸気蒸留して得られるスギ精
油を含水極性有機溶媒で抽出し、抽出液から油分を採取
するか、または前記スギ精油をシリカゲルもしくは中性
アルミナカラムクロマトに付し、非極性有機溶媒次いで
極性有機溶媒で溶離し、極性有機溶媒画分から油分を採
取することによって得られる含酸素テルペノイド混合物
を有効成分として含有する殺ダニ剤。 【効果】 80μg/cm2で62.5%、240μg/cm
2で94.9%という高い殺ダニ効果を有する。人畜に無
害でソフトな芳香を有するので特に住居内での使用に適
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は殺ダニ剤に関するもので
ある。本発明の殺ダニ剤はダニ類の駆除効果が高く、人
畜に無害であり、しかもソフトな芳香を有するので特に
住居内のダニ駆除に適している。
【0002】
【従来の技術】スギの枝葉部を水蒸気蒸留して得られる
精油が殺ダニ効果を有することは知られている(特開平
1−193204)。ところがこの精油の殺ダニ率は8
0μg/cm2の濃度で約9%と極めて低い。使用濃度を
例えば240μg/cm2に高めると殺ダニ率は約46%
に上昇するが、このような高い濃度ではスギ特有の刺激
臭があり、住居内での使用には適さない。刺激臭の面か
ら住居内での使用濃度の限界は80μg/cm2程度であ
るが、この濃度での殺ダニ率は前記のとおり極めて低
く、実用性に乏しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、殺ダ
ニ効果が高く、しかもスギ特有の刺激臭のない殺ダニ剤
を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の殺ダニ剤は、ス
ギ枝葉部を水蒸気蒸留して得られるスギ精油を含水極性
有機溶媒で抽出し、抽出液から油分を採取するか、また
は前記スギ精油をシリカゲルもしくは中性アルミナカラ
ムクロマトに付し、非極性有機溶媒次いで極性有機溶媒
で溶離し、極性有機溶媒画分から油分を採取することに
よって得られる含酸素テルペノイド混合物からなる。本
発明において原料として使用されるスギ精油は、スギ枝
葉部好ましくはスギ小枝葉部を常法に従って水蒸気蒸留
することによって得られる。本発明の含酸素テルペノイ
ド混合物は、上記スギ精油を含水極性有機溶媒で抽出し
て抽出液から油分を採取するか、あるいはスギ精油をシ
リカゲルもしくは中性アルミナカラムクロマトに付し、
非極性有機溶媒次いで極性有機溶媒で溶離し、極性有機
溶媒画分から油分を採取することによって得られる。
【0005】スギ精油の含水極性有機溶媒による抽出お
よび油分の採取は常法に従って実施される。例えばスギ
精油を40〜80%の水を含む極性有機溶媒で数回抽出
し、抽出液を合した後冷却下で濾過し、濾液を濃縮し、
濃縮液に食塩水を加えて塩析し、非極性有機溶媒を加
え、有機溶媒層を分取し、該溶媒を留去することによっ
て含酸素テルペノイド混合物を得る。
【0006】スギ精油をカラムクロマト処理する場合に
は、シリカゲルもしくは中性アルミナの粉末をカラムに
充填し、スギ精油をのせ、非極性有機溶媒で溶離し、次
いで極性有機溶媒で溶離する。極性有機溶媒画分から減
圧下で溶媒を留去し、含酸素テルペノイド混合物を得
る。
【0007】上記の製造法において使用される非極性有
機溶媒の例としては、C1〜C6の炭化水素(特に好まし
くはn−ヘキサン)、石油エーテル、シクロヘキサン、
四塩化炭素があげられ、極性有機溶媒の例としては、メ
タノール、エタノール、n−プロパノールのような低級
アルコール、エーテル酢酸エチル、二酸化炭素、アセト
ン等があげられる。シリカゲルもしくは中性アルミナと
しては、18〜270メッシュのカラムクロマトグラフ
用の粉末が用いられる。
【0008】かくして得られる本発明の殺ダニまたはダ
ニ忌避剤は、エレモール、α−もしくはβ−オイデスモ
ール、4−テルピネオール、酢酸ボルニール等を主成分
とする含酸素テルペノイド混合物である。上記混合物は
炭化水素テルペノイドを含まないのでスギ特有の刺激臭
がなく、ソフトな芳香を有する。
【0009】本発明の殺ダニ剤は農業害虫または衛生害
虫としての各種のダニの駆除に有効であるが、特に住居
内に発生する衛生害虫であるイエダニ、ケナガコナダ
ニ、コナヒョウヒダニ、ツメダニ、ワクモ、ササラダ
ニ、シラミダニ、ニキビダニ、ホコリダニなどの駆除に
有効である。
【0010】本発明の殺ダニ剤には他の殺虫剤、殺菌剤
等の薬剤を混合して使用することもできる。
【0011】本発明の殺ダニ剤はそのまま殺ダニまたは
ダニ忌避が要求される区域に適用することもできるが、
通常好ましくは適当な担体その他の配合剤を用いて適用
区域、適用方法に適した各種の形態、例えば、液剤、固
形剤等に調製して利用される。液剤の形態に調製される
場合の担体としては、例えば水、メタノール、エタノー
ル、アセトン等が用いられる。液剤の形態の場合にはさ
らに通常の塗膜形成剤、乳化剤、分散剤、湿潤剤、安定
剤、噴射剤等の添加剤を配合することができ、塗料、接
着剤、乳剤、分散剤、懸濁剤、噴霧剤、エアゾール剤の
形態で利用することができる。固形の形態に調製するに
当たり用いられる担体としては、例えばケイ酸、カオリ
ン、活性炭、ベントナイト、珪藻土、タルク、クレー、
合成樹脂(類)やシクロデキストリン等の包装化合物があ
げられる。
【0012】本発明の殺ダニ剤は、ダニの侵入区域、例
えば農作物栽培畑、果樹園等、一般家庭、穀物倉庫、家
具、じゅうたん、畳、押入れ、玄関、洗面所等に載置、
噴霧、塗布、貼り付け等により適用される。
【0013】本発明の殺ダニ剤中の有効成分量および適
用量は、その剤形や適用方法、適用場所に応じて適宜決
定される。通常分散剤や水和剤等の液剤の形態で用いる
場合、有効成分の含量は1〜50重量%、好ましくは5
〜40重量%であり、粉剤等の固形の形態とする場合1
〜50重量%、好ましくは2〜20重量%である。シー
ト状基材や家具部材に保持させる場合は基材等の飽和含
浸量の1/2倍量を保持させるのが好ましい。適用量は、
例えば塗布使用の場合、塗布すべき面積1cm2当たりに
有効成分を約0.001mg以上、好ましくは約0.01〜
0.5mgとするのがよく、固形剤その他の形態で用いる
場合、居住空間1m3当たり有効成分を約100mg以上存
在させるのが適当である。
【0014】
【実施例】次に実施例および試験例を示して本発明をさ
らに具体的に説明する。
【0015】含酸素テルペノイド混合物の製造 製造例1 植栽されている40年生のスギを枝打ちし、得られた小
枝葉部をシュレッターにかけて約5cm以下の細片とし
た。
【0016】(株)前川製作所製の「移動式樹木油抽出装
置」にその細片を150kg仕込、ボイラーから水蒸気を
供給して水蒸気蒸留を行い油分を分取し、さらにワット
マン濾紙を用いて油中に分散している水分を除去し、8
90mlの精油を得た。
【0017】その精油7.0gをシリカゲル(Silica gel
60, 230〜400 mesh)200gを充填したカラム(45m
mφ)にのせ、n−ヘキサン(600g)、エーテル
(600g)を用いて、順次溶出した。得られたエーテ
ル・フラクションを減圧下エバポレーターにて溶剤を留
去し、淡黄色の粘稠油として含酸素テルペノイド混合物
3.4gを得た。n−ヘキサンからは炭化水素テルペノ
イド混合物3.0gが得られた。
【0018】上記シリカゲル(Silica gel 60, 230〜400
mesh)の代わりに、カラムクロマトグラフ用のシリカゲ
ルや中性アルミナの各種のメッシュ(例えば18〜3
5、35〜70、70〜130、130〜270など)
のものを用いても同様の結果が得られた。
【0019】上記の製造法で得られたスギ精油炭化水素
テルペノイド混合物および含酸素テルペノイド混合物の
比重および屈折率の実測値を表1に、成分分析結果を表
2〜5に、そしてガスクロマトグラムを図1〜図3にそ
れぞれ示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】製造例2 スギ精油の30.0gを60%エタノール水溶液(10
0g、2回)で抽出し、得られた水相を−10℃で冷却
濾過をおこない、スギ精油エタノール水溶液抽出物を得
た。
【0026】エタノール水溶液抽出物の100gを減圧
下で約65gまで濃縮した後、飽和食塩水130gおよ
び食塩13gを加えてn−ヘキサンの100mlで3回抽
出をおこなった。得られたn−ヘキサン抽出液を乾燥し
た後、減圧にて溶剤を留去し、2.0gの含酸素テルペ
ノイド混合物を得た。
【0027】製剤例および殺ダニ効果試験 供試ダニとしてダニ・アレルゲンとなるチリダニの一
種、コナヒョウヒダニを用い、濾紙接触試験法により試
験を行った。製造例1で得られた含酸素テルペノイド混
合物をアセトンで希釈し、各々0%、0.1%、0.4
%、0.6%、0.8%濃度の溶液を調製した。この製剤
を直径3.3cmのシャーレーに入れた8cm2(直径3.2c
m)の東洋濾紙、No.2に0.2ml含浸させた。これは濾
紙1cm2当たり、各々0μg、20μg、40μg、8
0μg、120μg、160μgに相当する。
【0028】濾紙を乾燥させ、濾紙上に供試ダニおよび
飼料を乗せ、室温25℃、湿度75%の条件下で飼育し
た。24時間後の供試ダニの数を数えて、殺ダニ率を測
定した。
【0029】殺ダニ率は以下の式によった。
【0030】
【数1】
【0031】結果を表6および図4に示す。
【0032】
【表6】
【0033】
【発明の効果】本発明の含酸素テルペノイド混合物は極
めて高い殺ダニ効力を有する。即ち、表6および図4か
ら明らかなように、80μg/cm2の濃度で、原料のス
ギ精油は8.6%の殺ダニ率しか示さないのに対して含
酸素テルペノイド混合物は62.5%と約8倍の殺ダニ
率を示す。スギ精油7.0gから含酸素テルペノイド混
合物3.4gが得られる(製造例1)ので有効成分濃度
は約2倍に濃縮されたにもかかわらず殺ダニ率は約8倍
になる。
【0034】さらに、本発明の含酸素テルペノイド混合
物は、ウッディスイートノートのソフトな芳香があるの
で、住居内で使用するのに適している。また、スギ枝葉
あるいはスギ子枝葉はスギ材の植栽の過程で枝打ちによ
り生じ、このものは燃料として使用される程度があり産
業的な利用価値は低いが本発明はこれを原料とするので
資源の有効利用の面から価値ある発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スギ精油のガスクロマトグラムを示す。
【図2】炭化水素テルペノイド混合物のガスクロマトグ
ラムを示す。
【図3】含酸素テルペノイド混合物のガスクロマトグラ
ムを示す。
【図4】スギ油の殺ダニ率を示す図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スギ枝葉部を水蒸気蒸留して得られるス
    ギ精油を含水極性有機溶媒で抽出し、抽出液から油分を
    採取するか、または前記スギ精油をシリカゲルもしくは
    中性アルミナカラムクロマトに付し、非極性有機溶媒次
    いで極性有機溶媒で溶離し、極性有機溶媒画分から油分
    を採取することによって得られる含酸素テルペノイド混
    合物を有効成分として含有することを特徴とする殺ダニ
    剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09157115A (ja) * 1995-12-12 1997-06-17 Kao Corp 抗ダニ剤
JPH09157116A (ja) * 1995-12-12 1997-06-17 Kao Corp 抗ダニ剤
JP2018533549A (ja) * 2015-09-18 2018-11-15 エイワイジェイ バイオ ラボ インコーポレイテッド イエダニアレルギータンパク質不活性化剤及びその組成物
KR20210083738A (ko) * 2019-12-27 2021-07-07 배재대학교 산학협력단 시더우드 오일을 포함하는 살비용 조성물

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