JPH06239216A - 制動力制御装置 - Google Patents

制動力制御装置

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JPH06239216A
JPH06239216A JP5030679A JP3067993A JPH06239216A JP H06239216 A JPH06239216 A JP H06239216A JP 5030679 A JP5030679 A JP 5030679A JP 3067993 A JP3067993 A JP 3067993A JP H06239216 A JPH06239216 A JP H06239216A
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Naoki Maruko
直樹 丸古
Hirotsugu Yamaguchi
博嗣 山口
Hideaki Inoue
秀明 井上
Shinji Matsumoto
真次 松本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヨーレイトF/B制動力制御で、ヨーレイト
偏差の不感帯を導入する場合、低速でのハンチングの防
止、制動距離の短縮と、高速での制御効果の低下防止と
を実現する。 【構成】 コントローラは、ヨーレイト偏差Δ(d/d
t)φの不感帯を設定するが、その不感帯の幅Δεが高
車速になる程狭くなるよう車速に応じて変更する。ヨー
レイト偏差の大きさ|Δ(d/dt)φ|と不感帯幅Δ
εを比較し(106)、前者が小なら目標差圧ΔP
(S)を零とし左右制動力差制御は行わず(107,1
09,110)、そうでない場合は同制御を実行する
(108〜110)。不感帯は低車速時には大きく、高
車速時には小さく設定され、高速での制御効果を落とす
ことなく、低速でのハンチングを防止し、制動距離の短
縮が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の制動力制御装置
に関し、特にヨーレイトをフィードバックして制動力を
制御する場合に制御不感帯を設定して制動力制御を行う
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の制動力制御装置として、例えば、
特開平2−70561号公報に開示されているように、
ヨーレイトフィードバック方式の制動力制御によるもの
が知られている。
【0003】このものでは、実際に車両に発生するヨー
レイトと操舵量などから算出される目標ヨーレイトとが
一致するように旋回内外輪の制動力を制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、ヨーレイトフィ
ードバック方式の制動力制御において、ハンチングを防
止すべく不感帯を設けるものもあり、かかる不感帯を導
入すると、ヨーレイトをフィードバックして制動力を制
御し車両挙動を制御するにあたり、不感帯域内では制動
力の調整は行われず、それをこえる偏差に対し制御が実
行されることとなる。
【0005】ところが、そのような不感帯域を導入する
際、上記不感帯を予め一定の値に設定しておくと、次の
ような問題が生じる。高速域で、不感帯を大きく設定す
るとヨーレイトフィードバック制動力制御が十分作動し
てくれない。結果、その分、制御効果を落とすこととな
る。他方、低速域で、不感帯を小さく設定するとハンチ
ングが発生してしまい、制御距離が延びる。不感帯を導
入するにあたっても、単にそれを一律のものとして適用
するのでは、上述したような2つの面からの問題の解消
の両立させることはできない。
【0006】本発明は、ヨーレイトフィードバック制動
力制御に制御不感帯を導入するにあたり、これを適切に
行え、もって、低速から高速の車速域の全体を通し、低
速でのハンチングを防止し、制動距離が延びるのを抑え
ると共に、高速での制御効果の低下を回避し得る制動力
制御装置を提供しようというものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
制動力制御装置が提供される(図1)。操舵量を検出す
る操舵量検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、
操舵量及び車速から目標ヨーレイトを算出する目標ヨー
レイト算出手段と、車両に発生するヨーレイトを検出す
るヨーレイト検出手段と、その検出ヨーレイトと前記目
標ヨーレイトとの偏差を算出するヨーレイト偏差算出手
段と、該ヨーレイト偏差算出手段で算出されるヨーレイ
ト偏差に不感帯を設定する不感帯設定手段と、前記ヨー
レイト偏差が零に近づくように制御対象車輪の制動力を
制御する制御手段とを具える制動力制御装置であって、
前記車速検出手段の検出信号に基づいて高車速になる
程、ヨーレイト偏差の不感帯の幅を狭くなるよう変更す
る不感帯変更手段を設けてなる制動力制御装置である。
【0008】
【作用】上記制動力制御装置では、その目標ヨーレイト
算出手段は操舵量を検出する操舵量検出手段の検出操舵
量及び車速を検出する車速検出手段の検出車速から目標
ヨーレイトを算出し、ヨーレイト偏差算出手段がヨーレ
イト検出手段により検出される検出ヨーレイトと算出目
標ヨーレイトとの偏差を算出し、車輪の制動力の制御手
段はヨーレイト偏差が零に近づくように制動力の制御を
するところ、そのヨーレイト偏差に不感帯を設定する一
方、不感帯変更手段が前記車速検出手段の検出信号に基
づいて高車速になる程、ヨーレイト偏差の不感帯の幅を
狭くなるよう変更する。
【0009】よって、ヨーレイト偏差の不感帯を車速に
基づいて、低車速時には大きく、高車速時には小さく設
定することを可能とし、かかる不感帯が一律に設定され
る場合に比し、低車速域でのハンチングを防止し、制動
距離を短縮させると共に、高車速域での制御効果を落と
すことも防げる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図は本発明装置の一実施例の構成を示す。適
用する車両は、前輪及び/又は後輪の左右の制動力(制
動液圧)を独立に制御可能なものであって、本実施例で
は、前後輪とも左右の制動力を制御できるものとする。
【0011】図中1L,1Rは左右前輪、2L,2Rは
左右後輪、3はブレーキペダル、4はタンデムマスター
シリンダ(M/C)を夫々示す。なお、3aはブレーキ
の倍力装置としてのブースタであり、4aはリザーバで
ある。各車輪1L,1R,2L,2Rは液圧供給により
ブレーキディスクを摩擦挾持して各輪毎にブレーキ力を
与えるホイールシリンダ5L,5R,6L,6Rを備
え、これらホイールシリンダ(W/C)にマスターシリ
ンダ4からの液圧を供給される時、各車輪は個々に制動
されるものとする。
【0012】制動装置のブレーキ液圧(制動液圧)系
は、本実施例では、マスターシリンダ4からの前輪ブレ
ーキ系7Fは、管路8F,9F,10F、液圧制御弁1
1F,12Fを経て左右前輪ホイールシリンダ5L,5
Rに至らしめ、マスターシリンダ4からの後輪ブレーキ
系7Rは、管路8R,9R,10R、液圧制御弁11
R,12Rを経て左右後輪ホイールシリンダ6L,6R
に至らしめる。
【0013】液圧制御弁11F,12F,11R,12
Rは、夫々対応する車輪のホイールシリンダ5L,5
R,6L,6Rへ向うブレーキ液圧を個々に制御して、
アンチスキッド及び本制動液圧制御の用に供するもの
で、OFF時図示の増圧位置にあってブレーキ液圧を元
圧に向けて増圧し、第1段ON時ブレーキ液圧を増減し
ない保圧位置となり、第2段ON時ブレーキ液圧を一部
リザーバ13F,13R(リザーバタンク)へ逃がして
低下させる減圧位置になるものとする。
【0014】これら液圧制御弁の制御は、後述するコン
トローラ(コントロールユニット)からの該当する弁の
ソレノイドへの電流(制御弁駆動電流)I1 〜I4 によ
って行われ、電流I1 〜I4 が0Aの時は上記増圧位
置、電流I1 〜I4 が2Aの時には上記保圧位置、電流
1 〜I4 が5Aの時は上記増圧位置になるものとす
る。
【0015】なお、リザーバ13F,13R内のブレー
キ液は上記の保圧時及び減圧駆動されるポンプ14F,
14Rにより管路8F,8Rに戻し、これら管路のアキ
ュムレータ15F,15Rに戻して再利用に供する。
【0016】液圧制御弁11F,12F,11R,12
Rはコントローラ16により、ON,OFF制御し、こ
のコントローラ16にはステアリングホイール(ハンド
ル)の操舵角を検出する操舵角センサ17からの信号、
ブレーキペダル3の踏込み時ONするブレーキスイッチ
18からの信号、車輪1L,1R,2L,2Rの回転周
速(車輪速)Vw1〜Vw4を検出する車輪速センサ19〜
22からの信号、及び車両に発生するヨーレイト(d/dt)
φを検出するヨーレイトセンサ23からの信号等を夫々
入力する。
【0017】また、コントローラ16には各輪のホイー
ルシリンダ5L,5R,6L,6Rの液圧P1 〜P4
検出する液圧センサ31L,31R,32L,32Rか
らの信号が入力されると共に、マスターシリンダ4の液
圧PM (前輪系液圧PM1、後輪系液圧PM2) を検出する
液圧センサ331 ,332 からの信号が入力される。マ
スターシリンダ液圧検出については、例えば前輪系だけ
で検出して代表させるようにしてもよい。液圧センサの
出力は、ホイールシリンダ液圧の目標値を設定して実際
のホイールシリンダ液圧をその目標値に一致させるよう
に(該設定目標値と実際のホイールシリンダ液圧値との
偏差が零もしくは零近くになるように)液圧制御弁を作
動させてブレーキ液圧を制御する場合の制御信号として
用いられる。
【0018】また、ヨーレイトセンサ23からの信号は
ヨーレイトフィードバック(ヨーレイトF/B)方式に
よる液圧制御等での制御パラメータとして用いられる。
更に、車輪速センサ19〜22からの信号は、車速を制
御パラメータとして使用する場合の車体速推定のための
情報として用いることができると共に、コントローラ9
によりなされるアンチスキッド制御に用いられる。
【0019】なお、本実施例では、車輪の操舵量を検出
する操舵量検出手段は、操舵角センサ17を含んで構成
され、車速検出手段は、車輪速センサ19〜22、及び
コントローラ16の一部(後述の車速推定演算処理部
分)が相当する。
【0020】アンチスキッド制御では、本例の如き4チ
ャンネル、4センサ方式によるものでは、例えば、各輪
毎の車輪速検出値と、目標車輪速、及び車輪加速度と目
標車輪加速度の偏差に応じて制動力を制御し、該当車輪
のスリップ量を設定値以下とすることにより各輪につき
最大制動効率が達成されるようになされ、車輪ロックを
回避する。
【0021】コントローラ16は、入力検出回路、演算
処理回路、該演算処理回路で実行される後述のヨーレイ
トF/B方式による制動力制御プログラム並びに演算結
果等を格納する記憶回路、出力回路などを用いるマイク
ロコンピュータ等を含んで構成される。旋回状態に応じ
て車両の例えば左右の制動力に差を生じさせての車両挙
動制御を行うときは、即ち旋回時の車両挙動を目標の特
性になるように制動力制御をする場合には、その演算処
理回路では、所定入力情報に基づき、目標ヨーレイト、
車体速(Vcar)、ヨーレイト偏差などを演算し、各
輪毎の制動力(ブレーキ力)制御値としての目標のホイ
ールシリンダ液圧値(指令値)を得て、コントローラ1
6の出力回路はそれに相当する信号を液圧制御弁11
F,12F,11R,12Rの制御信号として出力す
る。
【0022】即ち、基本的には、コントローラ16は、
算出目標ヨーレイトと実ヨーレイト(d/dt)φとの
そのヨーレイト偏差を零にするように、各輪のホイール
シリンダ5L,5R,6L,6Rの液圧P1 〜P4 の制
御することで旋回内側及び外側の車輪の制動力を夫々制
御することができる。
【0023】コントローラ16はまた、上記ヨーレイト
F/B制御に関しては、制御不感帯を設定し、制動力制
御を不感帯域では禁止すると共に、車速をパラメータと
してその不感帯変更制御をも実行する。
【0024】ヨーレイト偏差(目標ヨーレイト−実ヨー
レイト)に不感帯を設定するため及びヨーレイト偏差の
不感帯域につき車速によりその設定を変化させるためテ
ーブルを用いることができ、その所定のテーブルデータ
はコントローラ16の記憶回路に予め格納させておくこ
とができる(図5参照)。
【0025】図3,4は、コントローラ16により実行
される上記の不感帯変更処理を含む制動力制御プログラ
ムの一例を示すフローチャートである。本プログラムは
一定時間毎に実行される。まず、ステップ101 では、前
記各センサからの信号に基づき、操舵角δ、各輪のホイ
ールシリンダ液圧Pj (j=1〜4)、マスターシリン
ダ液圧PM 、実ヨーレイト(d/dt) φ、各輪の車輪
速Vwj(j=1〜4)を夫々読み込む。
【0026】続くステップ102 では、車体の速度を推定
する。即ち、Vwjにより車体速を演算により求めるが、
これは、アンチスキッド制御で行われている手法により
疑似車速を算出して、これを車速値Vとする。
【0027】上記で演算の車速値Vは、以下のヨーレイ
トフィードバック制御による車両挙動制御での目標ヨー
レイト演算処理(ステップ103)、及び後述の車速により
ヨーレイト偏差に不感帯を設定するヨーレイト偏差不感
帯演算処理(ステップ105)等に適用される。
【0028】次に、ヨーレイトフィードバック制御のた
め、ここでは、ステップ103 で前記車速V値と舵角δよ
り、目標ヨーレイト(目標ヨー角速度) (d/dt)φ
refを演算する。目標ヨーレイトの演算については、本
実施例では、次式に従って求めることとする。
【数1】 (d/dt)φref ={V/(1+AV2 )}・(δ/L)} …(1) ここで、Aはスタビィリティファクター、Lは車両のホ
イールベースを表す。
【0029】次にステップ104では、上記のステップ
103で求めた目標ヨーレイト(d/dt)φref と実
際のヨーレイト(d/dt)φ(検出実ヨーレイト)と
の差であるヨーレイト偏差Δ(d/dt)φを次式に従
って演算する。
【数2】 Δ(d/dt)φ=(d/dt)φref −(d/dt)φ …(2)
【0030】続くステップ105では、算出されたヨー
レイト偏差に車速に応じた不感帯を付けるべく、次の判
別ステップ(図4)における比較に適用される比較値Δ
εとして、車速Vに応じ、ヨーレイト偏差Δ(d/d
t)φの不感帯の幅Δε(deg/s)を設定する。図
5は、上記処理に用いる車速−不感帯特性曲線の具体例
を示すもので、図示例では、不感帯幅Δεは、車速Vが
40km/h近傍までの範囲では大きめの第1の所定値を
とり、それを超えると車速Vの増大につれ漸減し、所定
の高車速値近傍からは小さめの第2の所定値をとるよ
う、図示の特性の如くにV値に応じて設定されている。
【0031】本プログラム例では、このような特性デー
タのテーブルを用い、当該ステップ105実行毎、前記
ステップ102で求められている車速V値に応じてΔε
値を検索する。結果、高車速になる程、ヨーレイト偏差
の不感帯の幅はこれを狭くなるように変更されることと
なる。
【0032】しかして、次のステップ106(図4)に
おいて、前記ステップ104で求められたヨーレイト偏
差Δ(d/dt)φの絶対値と、上記ステップ105で
設定された不感帯幅Δεを比較する。|Δ(d/dt)
φ|がΔεより小さいか否かを判断した結果、答えがY
esで、|Δ(d/dt)φ|の方が小さければ、旋回
内側及び外側輪間で生成させる左右制動力差の目標差圧
ΔP(S)値については、ステップ107でヨーレイト
偏差によらずそれを零(ΔP(S)=0)として設定
し、ステップ109へ進む。一方、そうでなければ、即
ち答えがNoでヨーレイト偏差絶対値|Δ(d/dt)
φ|が値Δε以上となるほど大きい状態であれば、左右
制動力差制御による車両挙動制御を実行させるべく、目
標差圧ΔP(S)は、これを当該時点でのヨーレイト偏
差Δ(d/dt)φに応じたものとして設定されること
となるよう、ステップ108で目標差圧ΔP演算を行っ
た後、ステップ109へ処理を進める。
【0033】かくして、夫々、車速Vにより変更設定さ
れる上記のような不感帯域内かそうでないかに対応し該
当するステップ107,108で設定されたΔP値とマ
スターシリンダ液圧PM を用いて、ステップ109では
各輪の目標ホイールシリンダ液圧Pj (S)の演算を行
う。
【0034】なお、ステップ108でのヨーレイト偏差
に応じた目標差圧ΔP(S)演算処理、及びステップ1
09での目標ホイールシリンダ液圧Pj (S)演算処理
に関し、前者を比例制御で、また後者を前輪片側減圧制
御で行うなら、次のようにすることができる。
【0035】まず、上記Δ(d/dt)φを基に、制御
対象車輪の左右のホイールシリンダに発生させるべき目
標差圧ΔP(S)を次式に従って演算する(ステップ1
08)。
【数3】 ΔP(S)=H×Δ(d/dt)φ …(3) ここに、Hは車両諸元により定まる定数である。
【0036】上記1,2,3式により求められるΔP
(S)値は、その大きさ並びに極性を含め、旋回方向、
旋回時の状態等に応じて決定、算出することができるこ
ととなる。なお、上記3式による場合は、ヨーレイト偏
差Δ(d/dt)φに対するフィードバック制御方法と
しては、先に触れたようにいわゆる比例制御方式を用い
ることとなるが、これに限らず、微分動作、積分動作の
いずれか一方または両方を加えた制御方法としてもよ
い。このようにすると、目標ヨーレイトに対する車両の
実ヨーレイト応答性や安定性を向上できる。
【0037】次に、上記目標差ΔP(S)とマスターシ
リンダ液圧PM より目標ホイールシリンダ液圧Pj
(S)(j=1〜4)を演算する(ステップ109)。
本例では、旋回時の車両挙動を目標の特性となるように
制御するための左右輪間での制御液圧の差については先
に触れたように前車輪側で与えることとし、次式に従っ
て目標値を算出する。
【0038】ΔP(S)>0のときは、次のようであ
る。
【数4】P1 (S)=PM …(4)
【数5】P2 (S)=PM −ΔP(S) …(5)
【数6】P3 (S)=PM …(6)
【数7】P4 (S)=PM …(7)
【0039】またΔP(S)<0のときは、次のようで
ある。
【数8】P1 (S)=PM +ΔP(S) …(8)
【数9】P2 (S)=PM …(9)
【数10】 P3 (S)=PM …(10)
【数11】 P4 (S)=PM …(12)
【0040】なお、上記において、ΔP(S)=0と設
定されるとき(ステップ107)は、4〜11式でPj
(S)はいずれもPM 値になり、これは、ブレーキペダ
ル踏み込みのままのホイールシリンダ液圧(=マスター
シリンダ液圧)により制動される通常のブレーキングと
なることを意味する。また、上記に限らず、前後輪側を
含め旋回内外輪の制動力を制御するよう各ホイールシリ
ンダ液圧目標値を設定するようにしてもよい。
【0041】かくして、ステップ109で各車輪の目標
ホイールシリンダ液圧を定めた後、ステップ110で、
実際の各輪ホイールシリンダ液圧(ブレーキ液圧)を夫
々目標液圧となるようにブレーキ液圧制御を実行してい
くことになる。本サブルーチンは、各ホイールシリンダ
液圧の増圧、保圧、減圧を決定し、その決定に従い液圧
制御弁11F,12F,11R,12Rに必要な駆動電
流を出力する処理からなる内容のものとすることができ
る。
【0042】以上のような制御により、不感帯を設定す
る場合においても、これを適切に行うことができ、ヨー
レイト偏差Δ(d/dt)φの不感帯を車速Vに基づい
て、低車速時には大きく、高車速時には小さく設定する
ことで低車速域でのハンチングを防止し、制動距離を短
縮させると共に、高車速域での制動効果を落とすことが
ない。
【0043】ヨーレイトをフィードバックして制動力を
調整し車両挙動を制御するヨーレイトフィードバック方
式の制動力制御において、目標ヨーレイトに対する実ヨ
ーレイトの偏差に、不感帯を設定する際に車速の条件を
考慮に入れていないときは、不感帯の設定の仕方によっ
ては、高速域で十分作動するのを確保できなくなること
や、低速域で実ヨーレイトがハンチングを起こすなどす
るのに対し、ヨーレイト偏差Δ(d/dt)φに車速V
に応じた不感帯を付けるため、高速での制御効果はこれ
を落とすことなく、かつ低速での実ヨーレイトのハンチ
ングを防ぎ、制動距離の短縮が図れるものであり、容易
にこれらの両立を実現することができる。
【0044】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。例えば、ヨーレイトフィードバックABS
等にも本発明に従う不感帯設定技術は適用することがで
き、ヨーレイトフィードバック方式の制動力制御に広く
適用できるものである。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ヨーレイトフィードバ
ック制動力制御に不感帯を導入すると共に、そのヨーレ
イト偏差の不感帯を車速に基づいて低車速時には大き
く、高車速時には小さく決定することができ、低車速域
でのハンチングを効果的に防止し、制動距離の短縮を図
れると共に、高車速域での制御効果を落とすことも回避
し、きめの細かな制動力制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の概念図である。
【図2】本発明の一実施例を示すシステム構成図であ
る。
【図3】同例でのコントローラの制御プログラムの一例
を示すフローチャートにして、その一部を示す図であ
る。
【図4】同じく、他の一部を示す図である。
【図5】適用できる不感帯設定曲線の一例を示す特性図
である。
【符号の説明】
1L, 1R 左右前輪 2L, 2R 左右後輪 3 ブレーキペダル 4 マスターシリンダ 5L, 5R, 6L, 6R ホイールシリンダ 11L, 12R, 11L, 12R 液圧制御弁 16 コントローラ 17 操舵角センサ 19〜22 車輪速センサ 23 ヨーレイトセンサ
フロントページの続き (72)発明者 松本 真次 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵量を検出する操舵量検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 操舵量及び車速から目標ヨーレイトを算出する目標ヨー
    レイト算出手段と、 車両に発生するヨーレイトを検出するヨーレイト検出手
    段と、 その検出ヨーレイトと前記目標ヨーレイトとの偏差を算
    出するヨーレイト偏差算出手段と、 該ヨーレイト偏差算出手段で算出されるヨーレイト偏差
    に不感帯を設定する不感帯設定手段と、 前記ヨーレイト偏差が零に近づくように制御対象車輪の
    制動力を制御する制御手段とを具える制動力制御装置で
    あって、 前記車速検出手段の検出信号に基づいて高車速になる
    程、ヨーレイト偏差の不感帯の幅を狭くなるよう変更す
    る不感帯変更手段を設けてなることを特徴とする制動力
    制御装置。
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Cited By (4)

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