JPH06238648A - Pcカーテンウォール版 - Google Patents

Pcカーテンウォール版

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JPH06238648A
JPH06238648A JP2699393A JP2699393A JPH06238648A JP H06238648 A JPH06238648 A JP H06238648A JP 2699393 A JP2699393 A JP 2699393A JP 2699393 A JP2699393 A JP 2699393A JP H06238648 A JPH06238648 A JP H06238648A
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curtain wall
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heat insulating
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ribs
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Hideji Horii
秀治 堀井
Hajime Mori
一 森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要とされる強度や剛性並びに耐火・断熱性
能を確保しつつ大幅な軽量化が図れ、かつ生産性に優れ
るPCカーテンウォール版及びその製造方法を提供す
る。 【構成】 矩形の薄肉表層板4の裏側に格子状の薄肉リ
ブ6を一体的に設けたPC基版8と、このPC基版8裏
面の格子状薄肉リブ6内に残存されて一体的に設けられ
た軽量な耐火・断熱性材料でなる打込み型枠10とから
なる。PC基版8はコンクリートで一体成形されてお
り、打込み型枠10を構成する軽量な耐火・断熱性材料
には、無機または有機の発泡体あるいはパーライト等の
軽量骨材を用いたモルタルが使用されていて、当該打込
み型枠10はPC基板8成形後も残存されて、耐火・断
熱層として機能される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレキャストコンクリ
ート製カーテンウォール版に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建物を構築するに際して、プ
レキャストコンクリート製カーテンウォール版(以下P
Cカーテンウォール版という)を工場で製作し、それを
現場で建物の構造体に取付けて外壁とするPCカーテン
ウォール工法が数多く用いられているが、近年の建物の
高層化に伴い外壁の軽量化は建物の構造上において、柱
や梁部材の低減や基礎の軽減において重要な要素であ
り、また、PCカーテンウォール版取付工事においても
施工の合理化につながることから、軽量でかつ十分な強
度と剛性とを有するPCカーテンウォール版が望まれて
いる。
【0003】そこで、このようなPCカーテンウォール
版を得るために、コンクリート自体をより軽量化する方
法、あるいはカーボンやガラス繊維等を混入して、コン
クリート自体の曲げ強度を高めてPCカーテンウォール
版を薄肉化する方法などが開発されている。また、一般
的には構造用軽量コンクリートを用いたRC構造版にお
いて、強固な周辺リブで版の剛性を確保し、表層板部分
を薄くして軽量化する方法がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法によると、より軽量化したコンクリートでは圧
縮強度や打込タイルの付着強度等に問題があり、また繊
維混入コンクリートにしても、表層板部分の薄肉化には
成功しているものの、PCカーテンウォール版としては
鋼材のフレームで剛性を確保するなどの方法をとってお
り、結果的には十分な軽量化に至っていないし、かつ製
造時における生産性にもいろいろな問題がある。また、
周辺リブ型のPCカーテンウォール版でもひび割れ等の
問題から、パネル部分の薄肉化には限界がある。
【0005】ところで、PCカーテンウォール版は建物
の外壁として、上述の如く構造上必要な耐力を有すると
ともに、所要の耐火性能を備える必要があり、さらに優
れた断熱性能も備えることが望ましい。求められる耐火
性能や断熱性能を確保するには、PCカーテンウォール
版の表層板部分に所要の厚みを持たせる必要があり(普
通コンクリートで10cm以上、軽量コンクリートでも8
cm以上とするのが通例)、それ以下とする場合は表層板
の裏面に何らかの耐火被覆が必要となる等の問題が生じ
る。それ故、PCカーテンウォール版の薄肉化は、構造
上及びコンクリート材質上、さらには耐火上などの諸条
件によって制約を受けることになる。
【0006】本発明は上述したような従来の問題に鑑み
て創案されたものであり、その目的は、必要とされる強
度や剛性並びに耐火・断熱性能を確保しつつ大幅な軽量
化が図れ、かつ生産性に優れるPCカーテンウォール版
及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係わるPCコンクリート版は、表層板の
裏面にリブが格子状に配置されてコンクリートあるいは
それに類するもので一体成形されたPC基版と、該PC
基版裏面の格子状リブ内に残存されて一体的に設けられ
た軽量な耐火・断熱性材料でなる打込み型枠とからなる
ことを特徴とする(請求項1)。
【0008】ここで、前記軽量な耐火・断熱性材料は、
無機または有機の発泡体あるいはパーライト等の軽量骨
材を用いたモルタルであることが望ましい(請求項
2)。
【0009】また、上記の目的を達成するために、本発
明に係わるPCコンクリート版の製造方法は、無機また
は有機の発泡体あるいはパーライト等の軽量骨材を用い
たモルタル等の軽量な耐火・断熱性材料を用いて同一寸
法形状に形成した複数の打込み型枠を、外型枠内に配設
して該外型枠内に所定の表層板成形空間を形成すると共
に、該打込み型枠を相互に所定の間隔をあけて離間配置
して格子状リブ成形空間を形成し、該表層板成形空間と
格子状リブ成形空間とからなるPC基版成形空間内にコ
ンクリートを流し込み、該コンクリートの硬化後に該外
型枠を離型する一方、打ち込み型枠を成形されたPC基
版に一体化させて残存させたまま耐火・耐熱材層となす
ことを特徴とする(請求項3)。
【0010】
【作用】上記構成に係わる本発明のPCカーテンウォー
ル版及びその製造方法では、表層板の裏面に格子状のリ
ブが一体成形されて補強されているから、また各格子状
のリブ内には軽量な耐火・断熱性材料でなる当該リブ成
形用の打込み型枠がそのまま残存されて耐火・耐熱材層
として機能されるから、十分な強度と剛性並びに耐火・
断熱性能を確保しつつ、使用するコンクリート量を低減
してその可及的な軽量化が図れ、かつ離型後に後処理で
耐火・断熱処理を施す必要が無いので、生産性に優れ廉
価に製造し得る。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の好適な一実施例を添付図面
を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係わるPC
カーテンウォール版の裏面の形状図、図2は図1におけ
るA−A断面図、図3は図1におけるB−B断面図、図
4は図2における部分拡大図である。また、図5は本発
明のPCカーテンウォール版を製造するための型枠の一
例を示す詳細図である。
【0012】図1,図2に示すように本実施例のPCカ
ーテンウォール版2は、矩形の薄肉表層板4の裏側に格
子状の薄肉リブ6を一体的に設けたPC基版8と、この
PC基版8裏面の格子状薄肉リブ6内に残存されて一体
的に設けられた軽量な耐火・断熱性材料でなる打込み型
枠10とからなる。PC基版8はコンクリートで一体成
形されており、打込み型枠10を構成する軽量な耐火・
断熱性材料には、無機または有機の発泡体あるいはパー
ライト等の軽量骨材を用いたモルタルが使用されてい
て、当該打込み型枠10は残存されて、耐火・断熱層と
して機能される。
【0013】ここで、PCカーテンウォール版2の重量
を大幅に低減するために、コンクリートの表層板4の暑
さは6cm以下とし、かつ表層板4の裏面に一体成形する
薄肉リブ6の間隔は20cm〜60cmの範囲にして格子状
に形成する。
【0014】また、必要に応じて薄肉表層板4乃至薄肉
リブ6内には通常の鉄筋あるいはステンレス鋼棒あるい
はカーボン繊維筋などの耐力筋を挿入し、建物の設計に
おいてPCカーテンウォール版2に要求される外力に対
して十分な強度と剛性とを確保する。すなわち、この実
施例では図4に示すように、薄肉表層板4の板厚中央部
には耐腐食性のメッシュ筋12が挿入されていると共
に、格子状の薄肉リブ6の内部には耐力筋14がPCカ
ーテンウォール版2の長辺方向及び短辺方向に沿って挿
入されている。
【0015】また、図1及び図3に示すように、格子状
の薄肉リブ6には、PCカーテンウォール版2を建物の
構造体に取り付けるためのファスナー16及びPCカー
テンウォール版2を吊り下げるためのインサート金物1
8が装着されている。なお、この実施例ではファスナー
16は4隅に配置してあるが、設計条件により任意な位
置に装着可能である。
【0016】図5は本発明に係るPCカーテンウォール
版2を平打ちで製造するための型枠装置20の一例を詳
細図で示したもので、この型枠装置20は、凹状舟型枠
として形成された同一寸法形状を有する複数の打込み型
枠10,10,…と、これらの打込み型枠10,…が内
部に配設される外型枠22、及び打込み型枠10,1
0,…を相互に繋ぎ合わせるフレーム24等から構成さ
れている。
【0017】また、上記外型枠22は型枠ベッド26と
四方を囲む4つの側型枠28,…とからなり、打込み型
枠10,10,…はフレーム24にボルト30を介して
固定され、かつこのフレーム22はボルト30を介して
側型枠28,…に固定されるようになっている。
【0018】各打込み型枠10,10,…は、20cm〜
60cmの範囲の寸法で正方形あるいは矩形の凹状に定型
化されて作成され、フレーム24の下面に固定されて外
型枠22内に型枠ベッド26に対面してこれより浮上し
た状態に配設される。すなわち、各打込み型枠10,1
0,…と型枠ベッド8との間には6cm以下の所定間隔
があけられて、ここに表層板成形空間S1 が形成され
る。また、各打込み型枠10,10,…は、20cm〜6
0cmの範囲内の所定間隔をあけて相互に離間されて整列
配置され、その各打込み型枠10,10,…間には格子
状のリブ成形空間S2 が形成される。
【0019】そして、このようにしてなる型枠装置20
の成形空間S1 ,S2 内にコンクリートあるいはそれに
類するものを流し込み、これが硬化した後にフレーム2
4を取り外すと共に外型枠22(28,26)のみを離
型して、打込み型枠10,10,…を残存させれば、格
子状薄肉リブ6内に当該打込み型枠10,10,…でな
る耐火・断熱材層が一体化形成された軽量なPCカーテ
ンウォール版2が得られる。
【0020】なお、上記のPCカーテンウォール版2に
よれば、PCカーテンウォール版2の形状・寸法的変更
には、定型化した打込み型枠10の数を増減するととも
にリブ幅で寸法の微調整をし、また、PCカーテンウォ
ール版2の構造耐力的には、格子状リブ6に挿入する補
強筋14を建物の設計条件に合わせて構造計算で定める
ことにより、低層から超高層にいたるほとんどの建物に
おいて、PC板厚20cm、表層板厚3〜4cm、格子状リ
ブ間隔50〜60cm、平均リブ幅5〜8cmに設定するこ
とで対応できる。
【0021】ここで、表層板4の板厚はPCカーテンウ
ォール版2の重量に大いに関係するが、最大リブ間隔を
60cmとすれば、表層板4は強度的にもひび割れの発生
を防ぐ意味からもその板厚は3〜4cm程度で十分であ
る。ただし、本石打込みでは石をコンクリートに固定す
るためのアンカー金物の埋込み長さを配慮する必要があ
り、この場合には、表層板4の板厚を最大で6cm程度に
すれば問題ない。なお、表層板4の板厚を6cm以上にす
ることは、重量軽減上あまり意味をなさないものにな
る。
【0022】なお、以上に説明した実施例では、打込み
型枠10は凹状の舟形に形成しているが、必ずしも凹部
は設ける必要はなく、中実な形状としても良い。
【0023】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明に係わるPCカーテンウォール版及びその製造方
法によれば、表層板の裏面に格子状のリブが一体成形さ
れて補強されているから、また各格子状のリブ内には軽
量な耐火・断熱性材料でなる当該リブ成形用の打込み型
枠がそのまま残存されて一体化された耐火・耐熱材層と
して機能するから、十分な強度と剛性並びに耐火・断熱
性能を確保しつつ、使用するコンクリート量を低減して
その可及的な軽量化が図れる。また、離型後に後処理で
耐火・断熱処理を施す必要が無いので、生産性に優れ廉
価に製造することができる。
【0024】また、薄肉とした表層板は小面積単位で格
子状の薄肉リブに囲まれているので、コンクリートの乾
燥収縮によるひび割れの発生を可及的に防止できる。
【0025】また、PCカーテンウォール版が大幅に軽
量化されているので、建物の構造体に取り付けるための
ファスナーや吊り下げ用のインサート金物及びボルト類
を小型化できる。また、打込みタイルや本石打込みなど
の施工をする場合にもなんら支障を来すことがない。
【0026】また、建物にPCカーテンウォール版を取
付ける工事においては、クレーンを小型化できるなど取
付工事における施工性を大幅に向上できる。
【0027】また、PCカーテンウォール版重量の大幅
な低減は、建物自体の柱・梁あるいは基礎などの部材小
型化や低減につながり、建物の構築における大幅なコス
トダウン及び省資源化につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるPCカーテンウォール版の一実施
例の表面の形状図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図2の部分拡大図である。
【図5】本発明に係わるPCカーテンウォール版を作成
するための型枠装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 PCカーテンウォール版 4 薄肉
表層板 6 薄肉リブ 8 PC
基版 10 打込み型枠 20 型
枠装置 22 外型枠 S1 表
層版成形空間 S2 格子状リブ成形空間
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04C 2/30 J 7904−2E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表層板の裏面にリブが格子状に配置され
    てコンクリートあるいはそれに類するもので一体成形さ
    れたPC基版と、該PC基版裏面の格子状リブ内に残存
    されて一体的に設けられた軽量な耐火・断熱性材料でな
    る打ち込み型枠とからなることを特徴とするPCカーテ
    ンウォール版。
  2. 【請求項2】 前記軽量な耐火・断熱性材料が、無機ま
    たは有機の発泡体あるいはパーライト等の軽量骨材を用
    いたモルタルであることを特徴とする請求項1記載のP
    Cカーテンウォール版。
  3. 【請求項3】 無機または有機の発泡体あるいはパーラ
    イト等の軽量骨材を用いたモルタル等の軽量な耐火・断
    熱性材料を用いて同一寸法形状に形成した複数の打込み
    型枠を、外型枠内に配設して該外型枠内に所定の表層板
    成形空間を形成すると共に、該打込み型枠を相互に所定
    の間隔をあけて離間配置して格子状リブ成形空間を形成
    し、該表層板成形空間と格子状リブ成形空間とからなる
    PC基版成形空間内にコンクリートを流し込み、該コン
    クリートの硬化後に該外型枠を離型する一方、打ち込み
    型枠を成形されたPC基版に一体化させて残存させたま
    ま耐火・耐熱材層となすことを特徴とするPCカーテン
    ウォール版の製造方法。
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