JPH06237784A - オリゴペプチドの合成法 - Google Patents
オリゴペプチドの合成法Info
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- JPH06237784A JPH06237784A JP5028769A JP2876993A JPH06237784A JP H06237784 A JPH06237784 A JP H06237784A JP 5028769 A JP5028769 A JP 5028769A JP 2876993 A JP2876993 A JP 2876993A JP H06237784 A JPH06237784 A JP H06237784A
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- reaction
- tert
- enzyme
- amyl alcohol
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】本発明は、N−置換アスパラギン酸とフェニル
アラニンの低級アルキルエステルもしくはアミドとの脱
水縮合反応を、tert−アミルアルコール中、固定化金属
プロテアーゼを用いて行なうオリゴペプチドの合成法を
提供する。 【効果】本発明によれば、使用酵素の失活を抑制して、
安定して高活性を保持し、もって目的オリゴペプチド
を、高反応速度で収率よく製造できる。
アラニンの低級アルキルエステルもしくはアミドとの脱
水縮合反応を、tert−アミルアルコール中、固定化金属
プロテアーゼを用いて行なうオリゴペプチドの合成法を
提供する。 【効果】本発明によれば、使用酵素の失活を抑制して、
安定して高活性を保持し、もって目的オリゴペプチド
を、高反応速度で収率よく製造できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオリゴペプチドの合成
法、より詳しくはアスパルテーム前駆体であるオリゴペ
プチドを固定化金属プロテアーゼを用いて合成する改良
された方法に関する。
法、より詳しくはアスパルテーム前駆体であるオリゴペ
プチドを固定化金属プロテアーゼを用いて合成する改良
された方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来より、有用ペプチド類の合
成法としては、プロテアーゼによる加水分解反応の逆反
応を利用する方法(酵素法)が提案されている[J.S.Fr
uton, Adv.Enzymol., 53, 239 (1982)]。この酵素法は
化学合成法に比べて、常温常圧で反応が進行すること、
アミノ酸の側鎖官能基を必ずしも保護する必要がないこ
と、反応が立体選択的に進行し安価なラセミ体原料を使
用できること、反応中ラセミ化が起こらないこと等の幾
つかの長所を有するが、反面、酵素の基質特異性より目
的とするペプチド合成に使用できる酵素の選択が容易で
ないこと、一般に反応の平衡は基質側(分解反応)に片
寄っており、収率、反応速度等が低いこと等の不利があ
り、工業的実施は尚殆どなされておらず、化学合成法が
汎用されている現状にある。
成法としては、プロテアーゼによる加水分解反応の逆反
応を利用する方法(酵素法)が提案されている[J.S.Fr
uton, Adv.Enzymol., 53, 239 (1982)]。この酵素法は
化学合成法に比べて、常温常圧で反応が進行すること、
アミノ酸の側鎖官能基を必ずしも保護する必要がないこ
と、反応が立体選択的に進行し安価なラセミ体原料を使
用できること、反応中ラセミ化が起こらないこと等の幾
つかの長所を有するが、反面、酵素の基質特異性より目
的とするペプチド合成に使用できる酵素の選択が容易で
ないこと、一般に反応の平衡は基質側(分解反応)に片
寄っており、収率、反応速度等が低いこと等の不利があ
り、工業的実施は尚殆どなされておらず、化学合成法が
汎用されている現状にある。
【0003】本発明者らは、以前より酵素法による有用
ペプチド類の製造につき鋭意研究を重ねてきたがその過
程で、N−置換アスパラギン酸とフェニルアラニン低級
アルキルエステルとの脱水縮合反応を、水と混和しない
有機溶媒、即ち酢酸エチル中、水分を含有する固定化金
属プロテアーゼの存在下で行なう方法(特開昭55−1
35595号公報)や上記方法の連続法(特開平2−3
9895号公報)等を開発した。
ペプチド類の製造につき鋭意研究を重ねてきたがその過
程で、N−置換アスパラギン酸とフェニルアラニン低級
アルキルエステルとの脱水縮合反応を、水と混和しない
有機溶媒、即ち酢酸エチル中、水分を含有する固定化金
属プロテアーゼの存在下で行なう方法(特開昭55−1
35595号公報)や上記方法の連続法(特開平2−3
9895号公報)等を開発した。
【0004】しかるに、本発明者らは引続く研究の結
果、上記各方法において用いた水と混和しない有機溶媒
が反応速度、平衡収率、利用酵素の活性や安定性等に非
常に重要な役割を果すことを認めると共に、該酢酸エチ
ルに代わって、より酵素の活性及び安定性に優れ、しか
も反応速度、平衡収率等の点でも満足のいく新しい有機
溶媒としてtert−アミルアルコールが有効であるとの知
見を得た。即ち、上記tert−アミルアルコールの利用に
よれば、利用酵素の安定性が非常に優れ、活性低下も実
質的に起こらないことに基づいて、目的とするオリゴペ
プチドを高純度、高収率で容易にしかも効率よく製造で
きることを見出した。本発明はこの新しい知見により完
成されたものである。
果、上記各方法において用いた水と混和しない有機溶媒
が反応速度、平衡収率、利用酵素の活性や安定性等に非
常に重要な役割を果すことを認めると共に、該酢酸エチ
ルに代わって、より酵素の活性及び安定性に優れ、しか
も反応速度、平衡収率等の点でも満足のいく新しい有機
溶媒としてtert−アミルアルコールが有効であるとの知
見を得た。即ち、上記tert−アミルアルコールの利用に
よれば、利用酵素の安定性が非常に優れ、活性低下も実
質的に起こらないことに基づいて、目的とするオリゴペ
プチドを高純度、高収率で容易にしかも効率よく製造で
きることを見出した。本発明はこの新しい知見により完
成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明はN−置換
アスパラギン酸とフェニルアラニンの低級アルキルエス
テルもしくはアミドとの脱水縮合反応を、tert−アミル
アルコール中、固定化金属プロテアーゼを用いて行なう
ことを特徴とするオリゴペプチドの合成法に係わる。
アスパラギン酸とフェニルアラニンの低級アルキルエス
テルもしくはアミドとの脱水縮合反応を、tert−アミル
アルコール中、固定化金属プロテアーゼを用いて行なう
ことを特徴とするオリゴペプチドの合成法に係わる。
【0006】本明細書においてアミノ酸、ペプチド、保
護基等の略号による表示は当該分野における慣用記号に
従うものとする。
護基等の略号による表示は当該分野における慣用記号に
従うものとする。
【0007】本発明方法は、上記の通りN−置換アスパ
ラギン酸とフェニルアラニンの低級アルキルエステルも
しくはアミドとの固定化金属プロテアーゼによる脱水縮
合反応を、tert−アミルアルコール中で行なう点を特徴
とし、これにより、本発明所期の優れた効果を奏し得
る。即ち、上記tert−アミルアルコールの利用によれ
ば、酢酸エチルの利用に比して、所望の優れた酵素活性
を、広いpH条件及び温度条件下に、長期に亘って安定
に保持でき、これによって反応速度、反応収率等を顕著
に向上させ得、かくして目的オリゴペプチドを効率よく
高純度、高収率で製造することができる。
ラギン酸とフェニルアラニンの低級アルキルエステルも
しくはアミドとの固定化金属プロテアーゼによる脱水縮
合反応を、tert−アミルアルコール中で行なう点を特徴
とし、これにより、本発明所期の優れた効果を奏し得
る。即ち、上記tert−アミルアルコールの利用によれ
ば、酢酸エチルの利用に比して、所望の優れた酵素活性
を、広いpH条件及び温度条件下に、長期に亘って安定
に保持でき、これによって反応速度、反応収率等を顕著
に向上させ得、かくして目的オリゴペプチドを効率よく
高純度、高収率で製造することができる。
【0008】本発明方法においては、tert−アミルアル
コールを用いることを必須として、その他は、前述した
本発明者らの先の出願に係わる方法と略々同様にして実
施することができ、利用する基質、酵素、脱水縮合反応
条件等も基本的には同様のものとすることができる。
コールを用いることを必須として、その他は、前述した
本発明者らの先の出願に係わる方法と略々同様にして実
施することができ、利用する基質、酵素、脱水縮合反応
条件等も基本的には同様のものとすることができる。
【0009】例えば本発明方法において一方の基質とし
て利用するN−置換アスパラギン酸のN−置換基は、慣
用されるアミノ基保護基のいずれでもよく、代表的には
ベンジルオキシカルボニル基(通常Zと略記される)、
p−メトキシベンジルベンジルオキシカルボニル基、t
−ブトキシカルボニル基等を例示できる。また他方の基
質であるフェニルアラニンの低級アルキルエステルもし
くはアミドも慣用のカルボキシル保護基、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、tert−ブチル基等の炭素数1〜
4のアルキル基又はアミノ基を有するもののいずれでも
よい。之等原料基質はまた通常L−体であるのが好まし
いが、特にこれに限定されずDL−体をも使用できる。
て利用するN−置換アスパラギン酸のN−置換基は、慣
用されるアミノ基保護基のいずれでもよく、代表的には
ベンジルオキシカルボニル基(通常Zと略記される)、
p−メトキシベンジルベンジルオキシカルボニル基、t
−ブトキシカルボニル基等を例示できる。また他方の基
質であるフェニルアラニンの低級アルキルエステルもし
くはアミドも慣用のカルボキシル保護基、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、tert−ブチル基等の炭素数1〜
4のアルキル基又はアミノ基を有するもののいずれでも
よい。之等原料基質はまた通常L−体であるのが好まし
いが、特にこれに限定されずDL−体をも使用できる。
【0010】また、本発明方法において用いられる固定
化金属プロテアーゼとしては、代表的にはサーモライシ
ン等の金属プロテアーゼを、常法に従い適当な支持体
(樹脂担体)に固定した各種のものをいずれも使用でき
る。上記適当な支持体としては市販の各種のもの、例え
ばアンバーライトXAD−2、アンバーライトXAD−
7、アンバーライトXAD−8、アンバーライトIRC
−50、アンバーライト200C[以上ローム アンド
ハース(Rohm and Haas Co.)社製]、ダウエックスM
SC−1[ダウケミカル(Dow Chemical Co.)社製]、メ
ルコゲル[Merckogel SI 1000 A、メルク(Merck)社
製]等の多孔性樹脂担体を使用できる。之等の内ではア
ンバーライトXAD−7が高収率を奏し得るため好まし
い。上記支持体への酵素の固定は、当分野でよく知られ
ている各種方法に従い得、例えばグルタールアルデヒド
架橋法によるのがよい。該方法におけるグルタールアル
デヒド濃度は一般に採用されているそれより高濃度、通
常8〜20%程度、好ましくは12.5%前後とするの
がよく、酵素はNaBr等の適当な溶液に溶解後支持体
に吸着固定させるのがよく、かくして、通常支持体1g
(湿潤重量)当り約2〜50重量%の酵素が固定され、
活性及び安定性の高い所望の固定化酵素を収得できる。
化金属プロテアーゼとしては、代表的にはサーモライシ
ン等の金属プロテアーゼを、常法に従い適当な支持体
(樹脂担体)に固定した各種のものをいずれも使用でき
る。上記適当な支持体としては市販の各種のもの、例え
ばアンバーライトXAD−2、アンバーライトXAD−
7、アンバーライトXAD−8、アンバーライトIRC
−50、アンバーライト200C[以上ローム アンド
ハース(Rohm and Haas Co.)社製]、ダウエックスM
SC−1[ダウケミカル(Dow Chemical Co.)社製]、メ
ルコゲル[Merckogel SI 1000 A、メルク(Merck)社
製]等の多孔性樹脂担体を使用できる。之等の内ではア
ンバーライトXAD−7が高収率を奏し得るため好まし
い。上記支持体への酵素の固定は、当分野でよく知られ
ている各種方法に従い得、例えばグルタールアルデヒド
架橋法によるのがよい。該方法におけるグルタールアル
デヒド濃度は一般に採用されているそれより高濃度、通
常8〜20%程度、好ましくは12.5%前後とするの
がよく、酵素はNaBr等の適当な溶液に溶解後支持体
に吸着固定させるのがよく、かくして、通常支持体1g
(湿潤重量)当り約2〜50重量%の酵素が固定され、
活性及び安定性の高い所望の固定化酵素を収得できる。
【0011】本発明方法に従う脱水縮合反応は、例えば
代表的には各原料基質のtert−アミルアルコール溶液を
調製し、これを固定化金属プロテアーゼを充填したカラ
ムに連続的に供給して反応させることにより実施でき
る。ここで各原料基質のtert−アミルアルコール溶液に
おける各基質濃度は、適宜決定でき、反応速度の面から
はできるだけ高濃度(飽和濃度まで)であるのが好まし
く、通常フェニルアラニン低級アルキルエステル又はア
ミドは、約40〜200mM程度、好ましくは約100
〜200mM程度であるのがよく、これと反応させるべ
きN−置換アスパラギン酸では、上記フェニルアラニン
低級アルキルエステル又はアミドの約1/3〜1/2倍
モル濃度程度の範囲から選択されるのが適当である。
代表的には各原料基質のtert−アミルアルコール溶液を
調製し、これを固定化金属プロテアーゼを充填したカラ
ムに連続的に供給して反応させることにより実施でき
る。ここで各原料基質のtert−アミルアルコール溶液に
おける各基質濃度は、適宜決定でき、反応速度の面から
はできるだけ高濃度(飽和濃度まで)であるのが好まし
く、通常フェニルアラニン低級アルキルエステル又はア
ミドは、約40〜200mM程度、好ましくは約100
〜200mM程度であるのがよく、これと反応させるべ
きN−置換アスパラギン酸では、上記フェニルアラニン
低級アルキルエステル又はアミドの約1/3〜1/2倍
モル濃度程度の範囲から選択されるのが適当である。
【0012】上記反応はバッチ法でも連続法でも実施で
き、特に連続法を採用する場合は、例えば原料液の供給
速度約0.5〜2ml/時間、滞留時間約5〜20時
間、使用カラム大きさ約10〜20×100〜300m
m、カラム内固定化酵素充填量約1g(湿潤重量)等と
するのが適当である。反応温度としては約20〜50℃
程度を採用でき、原料液は予めpH5〜7.5程度の適
当な緩衝液等で飽和させて用いられるのがよい。
き、特に連続法を採用する場合は、例えば原料液の供給
速度約0.5〜2ml/時間、滞留時間約5〜20時
間、使用カラム大きさ約10〜20×100〜300m
m、カラム内固定化酵素充填量約1g(湿潤重量)等と
するのが適当である。反応温度としては約20〜50℃
程度を採用でき、原料液は予めpH5〜7.5程度の適
当な緩衝液等で飽和させて用いられるのがよい。
【0013】上記反応により目的とするオリゴペプチド
をtert−アミルアルコール溶液として得ることができ
る。目的物質は上記のごとくして得られる反応液より通
常の分取操作、濃縮操作、抽出操作等に従い分離でき、
必要に応じて常法に従い精製することができる。
をtert−アミルアルコール溶液として得ることができ
る。目的物質は上記のごとくして得られる反応液より通
常の分取操作、濃縮操作、抽出操作等に従い分離でき、
必要に応じて常法に従い精製することができる。
【0014】かくして得られるオリゴペプチドは、その
有するC−保護基、N−保護基を常法に従い脱離させる
ことによって目的の合成甘味剤であるアスパルテームの
前駆体とすることができ、また生理活性を有する各種ペ
プチド類の合成反応試薬して利用できる。
有するC−保護基、N−保護基を常法に従い脱離させる
ことによって目的の合成甘味剤であるアスパルテームの
前駆体とすることができ、また生理活性を有する各種ペ
プチド類の合成反応試薬して利用できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため実施
例を挙げる。
例を挙げる。
【0016】
【実施例1】固定化酵素の調製 サーモライシン〔EC3.4.24.4, 大和化成社製、力価94
70PU/mg〕7.5gを5M−NaBr及び16.
6mM−CaCl2 を含む1/40Mトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)120mlに氷冷下に溶解し、この液に
固定化担体であるアンバーライトXAD−7(オルガノ
社製)30g(湿潤重量)を加え、4℃で17時間静か
に振盪しながら酵素を担体に吸着させた。上澄液の残存
酵素蛋白量をビューレット法により定量した結果、初発
酵素量の約70%が担体に吸着された。
70PU/mg〕7.5gを5M−NaBr及び16.
6mM−CaCl2 を含む1/40Mトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)120mlに氷冷下に溶解し、この液に
固定化担体であるアンバーライトXAD−7(オルガノ
社製)30g(湿潤重量)を加え、4℃で17時間静か
に振盪しながら酵素を担体に吸着させた。上澄液の残存
酵素蛋白量をビューレット法により定量した結果、初発
酵素量の約70%が担体に吸着された。
【0017】上記上澄液75mlを除去した残りの固定
化酵素懸濁液に25%グルタールアルデヒド溶液(ナカ
ライテスク社製)75mlを加え、4℃で約3時間振盪
して架橋反応を行ない、その後冷却した0.1Mトリス
塩酸緩衝液(pH7.5、5mM−CaCl2 含有)約
1l及び1M−NaClを含む同緩衝液約1lで交互に
2回洗浄して、固定化サーモライシン(以下「IMT」
という)を得た。該IMTを4℃で保存した。
化酵素懸濁液に25%グルタールアルデヒド溶液(ナカ
ライテスク社製)75mlを加え、4℃で約3時間振盪
して架橋反応を行ない、その後冷却した0.1Mトリス
塩酸緩衝液(pH7.5、5mM−CaCl2 含有)約
1l及び1M−NaClを含む同緩衝液約1lで交互に
2回洗浄して、固定化サーモライシン(以下「IMT」
という)を得た。該IMTを4℃で保存した。
【0018】
【実施例2】バッチ法による目的オリゴペプチド(Z-L-
Asp-L-PheOMe)の製造 tert−アミルアルコールに、緩衝液として5mM Ca
Cl2 を含む50mMMES(2−シアノモルホリノエ
タンスルホン酸、同仁化学研究所製)−NaOH緩衝液
(pH6.0)を4%となる濃度で添加して反応溶媒を
調製した。
Asp-L-PheOMe)の製造 tert−アミルアルコールに、緩衝液として5mM Ca
Cl2 を含む50mMMES(2−シアノモルホリノエ
タンスルホン酸、同仁化学研究所製)−NaOH緩衝液
(pH6.0)を4%となる濃度で添加して反応溶媒を
調製した。
【0019】バッチ法は、40℃下、激しい攪拌下に、
基質としてのL−フェニルアラニンメチルエステル(L-
PheOMe、シグマ社製)及びN−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−アスパラギン酸(Z-L-Asp )をそれぞれ上記溶
媒溶液にて200mMの濃度になるように調整し、且つ
実施例1で得たIMTを0.067g(湿重量)/ml
となる量で利用して行ない、目的オリゴペプチドとして
のN−ベンジルオキシカルボニル−L−アスパラギル−
L−フェニルアラニンメチルエステル(Z-L-Asp-L-PheO
Me)を合成した。
基質としてのL−フェニルアラニンメチルエステル(L-
PheOMe、シグマ社製)及びN−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−アスパラギン酸(Z-L-Asp )をそれぞれ上記溶
媒溶液にて200mMの濃度になるように調整し、且つ
実施例1で得たIMTを0.067g(湿重量)/ml
となる量で利用して行ない、目的オリゴペプチドとして
のN−ベンジルオキシカルボニル−L−アスパラギル−
L−フェニルアラニンメチルエステル(Z-L-Asp-L-PheO
Me)を合成した。
【0020】尚、比較のため、上記tert−アミルアルコ
ールに替えて酢酸エチルを用いて、同一操作を繰り返し
た。
ールに替えて酢酸エチルを用いて、同一操作を繰り返し
た。
【0021】上記バッチ法に従う反応の初速度(mM/
hr)、48時間後のZ-Asp-L-PheOMeの収率(%)及び
酵素の残存活性(%)を求めた結果を表1に示す。
hr)、48時間後のZ-Asp-L-PheOMeの収率(%)及び
酵素の残存活性(%)を求めた結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1中、反応の初速度(mM/hr)は、
上記反応の経時変化の初期勾配から求めた値であり、4
8時間後のZ-L-Asp-L-PheOMe収率(%)は、高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)により求めたものであ
り、酵素の残存活性(%)は水/有機溶媒2相系におけ
るZ-PhePheOMe 合成活性(K.Nakanishi, et al., Bio/t
echnology, 3, 459 (1985))を調べることにより測定し
た。
上記反応の経時変化の初期勾配から求めた値であり、4
8時間後のZ-L-Asp-L-PheOMe収率(%)は、高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)により求めたものであ
り、酵素の残存活性(%)は水/有機溶媒2相系におけ
るZ-PhePheOMe 合成活性(K.Nakanishi, et al., Bio/t
echnology, 3, 459 (1985))を調べることにより測定し
た。
【0024】上記表1より、tert−アミルアルコールの
利用によれば、酢酸エチルの利用に比して、酵素の失活
を実質的に起こすことなく、高収率でZ-Asp-L-PheOMeを
合成できることが判る。
利用によれば、酢酸エチルの利用に比して、酵素の失活
を実質的に起こすことなく、高収率でZ-Asp-L-PheOMeを
合成できることが判る。
【0025】また、上記バッチ法において、Z-Asp の濃
度を80mM、120mM及び200mMのいずれかと
すると共に、IMTを0.2g(湿重量)/mlとなる
量で利用して、同様の反応を行ない、経時的に生成する
Z-L-Asp-L-PheOMeの収率を同様にして求めた。
度を80mM、120mM及び200mMのいずれかと
すると共に、IMTを0.2g(湿重量)/mlとなる
量で利用して、同様の反応を行ない、経時的に生成する
Z-L-Asp-L-PheOMeの収率を同様にして求めた。
【0026】50時間迄の反応時間での結果(収率:Ye
ild )を、図1に示す。
ild )を、図1に示す。
【0027】該図より、Z-Asp の濃度が80mM、12
0mM及び200mMの場合に、目的物収率は、それぞ
れ99%、98%及び83%であった、また上記各基質
濃度条件下での残存酵素活性は、いずれもほぼ100%
であり、いずれの場合も実質的に失活は認められず、非
常に安定であった。
0mM及び200mMの場合に、目的物収率は、それぞ
れ99%、98%及び83%であった、また上記各基質
濃度条件下での残存酵素活性は、いずれもほぼ100%
であり、いずれの場合も実質的に失活は認められず、非
常に安定であった。
【0028】
【実施例3】酵素活性のpH安定性 実施例2において、tert−アミルアルコールに予めpH
4〜8の50mM MES−NaOH緩衝液4%を加え
て、40℃下に7日間保温して反応を行なわせ、酵素の
残存活性を実施例2で示した2相系におけるZ-PhePheOM
e 合成活性から同様にして求めた。
4〜8の50mM MES−NaOH緩衝液4%を加え
て、40℃下に7日間保温して反応を行なわせ、酵素の
残存活性を実施例2で示した2相系におけるZ-PhePheOM
e 合成活性から同様にして求めた。
【0029】得られた各pH条件下での相対残存活性
(Relative remaining activity )を図2に示す。
(Relative remaining activity )を図2に示す。
【0030】尚、図2には上記tert−アミルアルコール
に替えて酢酸エチルを用いて行なった同一試験の結果を
併記する。
に替えて酢酸エチルを用いて行なった同一試験の結果を
併記する。
【0031】図2より、tert−アミルアルコールの利用
によれば、pH4〜8の範囲でいずれも酵素の失活は認
められないことが明らかである。
によれば、pH4〜8の範囲でいずれも酵素の失活は認
められないことが明らかである。
【0032】
【実施例4】酵素活性の温度安定性 実施例2において、反応温度を40〜80℃に変化させ
る以外は同様として5時間保温し、各温度条件下での相
対残存活性を求めた。
る以外は同様として5時間保温し、各温度条件下での相
対残存活性を求めた。
【0033】得られた結果を図3に示す。
【0034】尚、図3には上記tert−アミルアルコール
に替えて、酢酸エチルを用いた場合及びMES緩衝液を
用いた場合を併記する。
に替えて、酢酸エチルを用いた場合及びMES緩衝液を
用いた場合を併記する。
【0035】図3より、tert−アミルアルコールの利用
によれば、40〜70℃の温度範囲で酵素の失活は認め
られないことが明らかである。
によれば、40〜70℃の温度範囲で酵素の失活は認め
られないことが明らかである。
【0036】
【実施例5】フロー法によるZ-L-Asp-L-PheOMeの製造 実施例1で得たIMTの0.5g(湿重量)/mlをガ
ラスカラムに充填し、該カラムにL-PheOMe及びZ-L-Asp
のそれぞれをtert−アミルアルコールを用いて調整した
溶媒溶液(但しCaCl2 を含まない)にてそれぞれ2
00mM及び80mMの濃度に調整した基質溶液を、4
0℃にて、空間容積(SV)が43/hrの一定流速で
連続的に5時間供給した。その後、固定化酵素をカラム
から取り出して、残存活性を調べた。
ラスカラムに充填し、該カラムにL-PheOMe及びZ-L-Asp
のそれぞれをtert−アミルアルコールを用いて調整した
溶媒溶液(但しCaCl2 を含まない)にてそれぞれ2
00mM及び80mMの濃度に調整した基質溶液を、4
0℃にて、空間容積(SV)が43/hrの一定流速で
連続的に5時間供給した。その後、固定化酵素をカラム
から取り出して、残存活性を調べた。
【0037】尚、比較のため、上記tert−アミルアルコ
ールに替えて酢酸エチルを用いて、同一操作を繰り返し
た。
ールに替えて酢酸エチルを用いて、同一操作を繰り返し
た。
【0038】上記フロー法による反応5時間後の使用酵
素の相対残存活性(いずれの場合も冷蔵庫に保存してあ
った固定化酵素の活性を100%とする)を表2に示
す。
素の相対残存活性(いずれの場合も冷蔵庫に保存してあ
った固定化酵素の活性を100%とする)を表2に示
す。
【0039】
【表2】
【0040】表2からも、本発明方法に従うtert−アミ
ルアルコールの利用が、酢酸エチルの利用に比して、非
常に有利であることが明らかである。
ルアルコールの利用が、酢酸エチルの利用に比して、非
常に有利であることが明らかである。
【0041】
【実施例6】連続法によるZ-L-Asp-L-PheOMeの製造 実施例1で得たIMTの8g(湿重量)/mlをガラス
カラムに充填し、該カラムにL-PheOMe及びZ-L-Asp のそ
れぞれを、実施例1に従いtert−アミルアルコールを用
いて調整した溶媒溶液にて、それぞれ200mM及び1
20mMの濃度に調整した基質溶液を、空間容積(S
V)が1/hrの一定流速で連続的に供給しつつ、45
℃下に連続反応させて、Z-L-Asp-L-PheOMeを合成した。
カラムに充填し、該カラムにL-PheOMe及びZ-L-Asp のそ
れぞれを、実施例1に従いtert−アミルアルコールを用
いて調整した溶媒溶液にて、それぞれ200mM及び1
20mMの濃度に調整した基質溶液を、空間容積(S
V)が1/hrの一定流速で連続的に供給しつつ、45
℃下に連続反応させて、Z-L-Asp-L-PheOMeを合成した。
【0042】上記連続法による300時間反応の経時的
目的Z-L-Asp-L-PheOMeの収率(Yield:%)を求めた結果
を図4に示す。
目的Z-L-Asp-L-PheOMeの収率(Yield:%)を求めた結果
を図4に示す。
【0043】該図4より、本発明のtert−アミルアルコ
ールの利用によれば、300時間経過後もほぼ一定収率
で目的物を合成できることが明らかである。
ールの利用によれば、300時間経過後もほぼ一定収率
で目的物を合成できることが明らかである。
【0044】
【実施例7】バッチ法による目的オリゴペプチド(Z-L-A
sp-L-PheNH2 )の製造 tert−アミルアルコールに5mM CaCl2 を含む5
0mM MES−NaOH緩衝液(pH6.8)を4
%、またホルムアルデヒドを10%となる濃度でそれぞ
れ添加して反応溶媒を調製した。これに基質であるZ-L-
Asp と L-PheNH2とをそれぞれ100mMになるように
溶解させて基質溶液を調製した。
sp-L-PheNH2 )の製造 tert−アミルアルコールに5mM CaCl2 を含む5
0mM MES−NaOH緩衝液(pH6.8)を4
%、またホルムアルデヒドを10%となる濃度でそれぞ
れ添加して反応溶媒を調製した。これに基質であるZ-L-
Asp と L-PheNH2とをそれぞれ100mMになるように
溶解させて基質溶液を調製した。
【0045】実施例1で得たIMTを基質溶液10ml
当り2g(湿重量)となる割合で上記基質溶液に添加
し、40℃にて激しく攪拌しながら反応を行なわせた。
当り2g(湿重量)となる割合で上記基質溶液に添加
し、40℃にて激しく攪拌しながら反応を行なわせた。
【0046】24時間反応後の生成 Z-L-Asp-L-PheNH2
のHPLCのピーク面積から求められる収率は90%で
あった。また固定化酵素の残存活性を実施例2と同様に
して求めた所、約90%であった。
のHPLCのピーク面積から求められる収率は90%で
あった。また固定化酵素の残存活性を実施例2と同様に
して求めた所、約90%であった。
【図1】実施例2に従うバッチ法における目的オリゴペ
プチドの経時的収率を示すグラフである。
プチドの経時的収率を示すグラフである。
【図2】実施例3に従う酵素活性のpH安定性を調べた
グラフである。
グラフである。
【図3】実施例4に従う酵素活性の温度安定性を調べた
グラフである。
グラフである。
【図4】実施例6に従う連続法による目的オリゴペプチ
ド経時的収率を示すグラフである。
ド経時的収率を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】N−置換アスパラギン酸とフェニルアラニ
ンの低級アルキルエステルもしくはアミドとの脱水縮合
反応を、tert−アミルアルコール中、固定化金属プロテ
アーゼを用いて行なうことを特徴とするオリゴペプチド
の合成法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5028769A JPH06237784A (ja) | 1993-02-18 | 1993-02-18 | オリゴペプチドの合成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5028769A JPH06237784A (ja) | 1993-02-18 | 1993-02-18 | オリゴペプチドの合成法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06237784A true JPH06237784A (ja) | 1994-08-30 |
Family
ID=12257618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5028769A Pending JPH06237784A (ja) | 1993-02-18 | 1993-02-18 | オリゴペプチドの合成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06237784A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004011652A1 (ja) * | 2002-07-26 | 2004-02-05 | Ajinomoto Co., Inc. | トリペプチド以上のペプチドの製造方法 |
JP2012509089A (ja) * | 2008-11-19 | 2012-04-19 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 酵素的活性化およびカップリングを使用したペプチド合成 |
-
1993
- 1993-02-18 JP JP5028769A patent/JPH06237784A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004011652A1 (ja) * | 2002-07-26 | 2004-02-05 | Ajinomoto Co., Inc. | トリペプチド以上のペプチドの製造方法 |
US7338780B2 (en) | 2002-07-26 | 2008-03-04 | Ajinomoto Co., Inc. | Method for producing tripeptides and/or peptides longer than tripeptides |
US7749742B2 (en) | 2002-07-26 | 2010-07-06 | Ajinomoto Co., Inc. | Method for producing tripeptides and/or peptides longer than tripeptides |
JP2012509089A (ja) * | 2008-11-19 | 2012-04-19 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 酵素的活性化およびカップリングを使用したペプチド合成 |
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