JPH06237760A - 新規微生物及びこれを用いた大豆粕由来有機肥料 - Google Patents
新規微生物及びこれを用いた大豆粕由来有機肥料Info
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- JPH06237760A JPH06237760A JP2680393A JP2680393A JPH06237760A JP H06237760 A JPH06237760 A JP H06237760A JP 2680393 A JP2680393 A JP 2680393A JP 2680393 A JP2680393 A JP 2680393A JP H06237760 A JPH06237760 A JP H06237760A
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Abstract
供し、併せてこの新規微生物を用いて大豆粕を分解する
ことにより植物に対する肥料として従来の化学肥料と同
等ないしはそれ以上の効果を有すると共に、安価で且つ
環境や人体に悪影響を及ぼす惧れのない大豆粕由来の有
機肥料を提供し、大豆粕を肥料として有効に利用し、大
豆粕の利用促進を図ること。 【構成】 バチルス属に属し、タンパク質分解酵素を
産生し、大豆粕を特異的に分解するバチルス・サーキュ
ランスHA12(FERM P−13428)及び/又
はバチルス・ステアロサーモフィルスHA19(FER
M P−13429)の新規微生物及び、大豆粕を原料
とし、これをバチルス・サーキュランスHA12(FE
RM P−13428)及び/又はバチルス・ステアロ
サーモフィルスHA19(FERM P−13429)
の新規微生物で分解し低分子化することにより生成する
大豆粕由来有機肥料。
Description
産生して大豆粕を特異的に分解する新規微生物、及びこ
の新規微生物を用いて生成した大豆粕由来の有機肥料に
関するものである。
植物に対する肥料として大豆粕などの植物油粕類や魚肥
が広く利用されていたが、安価な硫安や尿素が激増し、
今では硫安等より効果の高い化学肥料や農薬が開発さ
れ、大豆粕はほとんど利用されていないのが現状であ
る。一方、化学肥料の初期効果は非常に優れているが、
使用に伴なう土中への蓄積により土中微生物の存在種類
が限定され、植物の成長が逆に阻害されてしまうことが
指摘されている。他方、大豆油の搾り粕である大豆粕は
ほとんど利用されず、一部家畜の飼料として利用されて
いる以外は埋め立てや海洋投棄されているのが現状であ
る。本発明者等は、この大豆粕の有効利用を図るべく鋭
意研究する中で、大豆粕を特異的に分解する新規微生物
を見い出し、本発明を完成するに至った。
ゼ活性を有する新規微生物を提供し、併せてこの新規微
生物を用いて大豆粕を分解することにより植物に対する
肥料として従来の化学肥料と同等ないしはそれ以上の効
果を有すると共に、安価で且つ環境や人体に悪影響を及
ぼす惧れのない大豆粕由来の有機肥料を提供し、大豆粕
を肥料として有効に利用し、大豆粕の利用促進を図るこ
とを目的とするものである。
明の新規微生物は、バチルス属に属し、タンパク質分解
酵素を産生し、大豆粕を特異的に分解する微生物であ
り、詳しくはバチルス・サーキュランスHA12(FE
RM P−13428)及び/又はバチルス・ステアロ
サーモフィルスHA19(FERM P−13429)
の新規微生物である。また、本発明に係る大豆粕由来有
機肥料としては、大豆粕を原料とし、これを微生物で分
解し低分子化することにより生成する事を特徴とし、大
豆粕を分解する微生物がバチルス・サーキュランスHA
12(FERM P−13428)及び/又はバチルス
・ステアロサーモフィルスHA19(FERM P−1
3429)である事を特徴としたものである。
の実施例は本発明を説明するための一例であり、本発明
の範囲を限定するものではない。
を加えて、500ml振盪培養フラスコでオートクレーブ
(121℃/20min )を行ない大豆粕液体培地とし
た。
三角フラスコに、ペプトン1gと酵母エキス0.5g,
塩化ナトリウム0.5g,寒天0.5g,カゼイン2g
及び蒸留水100mlを加え、蓋をして高圧蒸気滅菌(1
21℃/20min )を行ない、オートクレーブ終了後、
培地が60〜70℃に冷えてから、三角フラスコの底部
に濃く溶けた寒天を良く振り混ぜながら、乾熱滅菌した
シャーレに分注して、LB+寒天+カゼインのプレート
(培地)を作成した。
1gと酵母エキス0.5g,塩化ナトリウム0.5g及
び蒸留水100mlを加えて、前培養用のLB液体培地と
なし、オートクレーブにて滅菌した後滅菌試験管10本
に5mlずつ分注した。
プル1gを前記大豆粕液体培地に加え、150回転/mi
n の振盪培養器で50℃に保持して24時間振盪培養し
た。振盪培養終了後、その培養液100μl を10mlの
希釈用滅菌水が入った試験管に分注して希釈し、さらに
その希釈培養液100μl を希釈用滅菌水10ml入りの
試験管に分注する操作を2回行なって、培養液を106
倍に希釈した。
グ用培地である前記LB+寒天+カゼインのプレートに
分注して、コンラジ棒にて広げ、50℃で12時間培養
し、生育したコロニーの数,色,形態,ハローの様子な
どを観察した。
が観察されたシングルコロニーを、滅菌した爪楊枝でも
って前記LB+寒天+カゼインのプレート(スクリーニ
ング用培地)に植菌し、50℃で12時間培養した。然
る後、生育したそれぞれのシングルコロニーから1白金
耳の量を採取し、それを前培養用LB液体培地を入れた
試験管内に加え、50℃で12時間培養した(前培
養)。
体培地に1mlずつ加え、150回転/min の振盪培養器
で50℃に保持して24〜72時間振盪培養した。その
結果、振盪培養器内の大豆粕がドロドロになっていた場
合、その菌をプラス(+)とし、それ以外をマイナス
(−)と判定した。尚、表皮の堅い部分は除いて考え
た。
酵母エキス0.5g,塩化ナトリウム0.5g,寒天2
g及び蒸留水100mlを加え、オートクレーブで滅菌
後、乾熱滅菌したシャーレに分注して、LB+寒天のプ
レート(培地)を作成した。
ス(+)と判定された菌を滅菌した爪楊枝で採取し、上
記LB+寒天のプレート(培地)に植菌し、30℃以下
と、37.5℃,50℃,70℃,75℃及び80℃に
設定した恒温器で12時間培養した。そして、カゼイン
を分解してタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を産生
しているハローが観察された菌をプラス(+)とし、そ
れ以外の菌をマイナス(−)と判定した。その結果、大
豆粕培地で生育する菌株を合計20株取得することがで
き、それぞれHA1〜HA20と命名した。取得した大
豆粕分解菌と培養条件(温度)をまとめて下記の表1に
示す。
の菌学的性質を調べるために、グラム染色を始めとした
種々の確認試験をそれぞれ下記の手法により行なった。
試験の結果を表2に示す。
燥後火炎固定した菌液について、Huckerの液(1.5%
クリスタルバイオレット−エタノール溶液)で30秒間
染色した。染色後ただちに水洗いし、Lugol 液で1分間
媒染した。媒染終了後水洗し、さらにアルコールで30
秒間脱色し、ただちに水洗した。水をよく切った後、サ
フラニンで30秒間染色を行なった。染色した標本を顕
微鏡で観察し、紫色に染色された菌をグラム陽性とし、
赤色に染色された菌をグラム陰性とした。また、検鏡に
より菌の形態を観察した。
分間滅菌し、試験管に5ml分注した。この培地にコロニ
ーから採取した菌を植え、それぞれの温度で静置培養し
て、12時間または24時間後に培地が混濁したものを
生育したと判断した。 <液状チオグリコレート培地の組成> L- シスチン 0.75g NaCl 2.5g ブドウ糖 5.0g 酵母エキス 5.0g 寒 天 0.75g カゼイン消化物 15.0g チオグリコール酸ナトリウム 0.5g 0.1%レザズリン 1.0ml 蒸留水 1000ml pH 7.2
いて試験した。即ち、二塩化N,N,N’,N’−テト
ラメチル−p−フェニレンジアミンを含んだ綿棒に菌体
を付け、オキシダーゼ活性により生成する青紫色を生じ
た場合に、オキシダーゼ陽性と判断した。
から3%過酸化水素水を吸い上げて菌体と過酸化水素水
とを毛細管内で混合させた。毛細管内で過酸化水素分解
にともない酸素の気泡が発生した場合をカタラーゼ陽性
とした。
最適生育温度で5日間培養した。得られた培養液に、α
- ナフチルアミン液(α- ナフチルアミン0.1gを3
0%酢酸水溶液200mlに溶解したもの)1.0mlとス
ルファニル酸液(スルファニル酸0.5gを30%酢酸
水溶液150mlに溶解したもの)1.0mlを加えてよく
混和させた後、30分以内に硝酸還元により生成した亜
硝酸による桃赤色を呈した場合を陽性とした。
1℃で15分間高圧蒸気滅菌して高層斜面に固めた。斜
面部分および高層部分に被検菌を植え、各菌の生育温度
で18〜24時間培養した。培養後、斜面部分が黄変色
した場合を斜面部陽性(乳糖を分解し酸を生成)とし、
高層部分で黄変色した場合を高層部陽性(ブドウ糖を分
解し酸を生成)とした。尚、表2に示した(NC)は斜
面部陰性を、(Y)は高層部陽性を、(R)は高層部陰
性を、それぞれ意味する。 <クリグラー培地の組成> 肉エキス 4.0g ペプトン 15.0g 乳糖 10.0g ブドウ糖 1.0g 塩化ナトリウム 5.0g チオ硫酸ナトリウム 0.08g 亜硫酸ナトリウム 0.4g 硫酸第一鉄 0.2g フェノール赤 0.02g 寒天末 15.0g 精製水 1000ml pH 7.2
し、121℃で15分間高圧蒸気滅菌し全斜面に固め
た。斜面部分に被検菌を植え、各菌の生育温度で18〜
24時間培養した。この培地に含まれる唯一の炭素源で
あるクエン酸を利用し生育した場合を陽性とした。陽性
の場合に、培地に含まれるブロム・チモールが緑色から
深青色に変色した。 <SC培地の組成> 塩化ナトリウム 5.0g 硫酸マグネシウム 0.2g リン酸二水素アンモニウム 1.0g リン酸二水素カリウム 1.0g クエン酸ナトリウム 2.0g ブロム・チモール青 0.08g 寒天末 15.0g 精製水 1000ml pH 6.8
3mlずつ試験管に分注し、121℃で15分間高圧蒸気
滅菌した後高層に固めた。被検菌を高層部分に穿刺し、
それぞれの菌の生育温度で18〜24時間培養した。培
養後培地が黒変した場合を硫化水素発生(+)とし、穿
刺部分から広がって生育した場合を運動性(+)とし、
さらに培地上部にクロロホルム1mlを重層し、その上に
コバック試薬1mlを重層してクロロホルム層が赤変した
場合をインドール(+)とした。 <SIM培地の組成> エールリッヒ肉エキス 3.0g プロテオーゼペプトン 10.0g ポリペプトン 20.0g チオ硫酸ナトリウム 0.2g クエン酸鉄アンモニウム 0.2g 寒天末 3.0g 精製水 1000ml pH 7.3
リン酸塩−ペプトン水を試験管に3ml分注し、100℃
で30分間の滅菌操作を3回繰返した。この培地に被検
菌を植え、各菌の生育温度で3日間培養した。得られた
培養液1mlを別の試験管に移し、メチルレッドを滴下
し、培地色調が赤変した場合を陽性とした。 <グルコース−リン酸塩−ペプトン水の組成> ペプトン 7.0g リン酸二水素カリウム 5.0g ブドウ糖 5.0g 蒸留水 1000ml
分注し、100℃で30分間の滅菌操作を3回繰返し
た。この培地に被検菌を植え、各菌の生育温度で3日間
培養した。得られた培養液1mlを別の試験管に移し、こ
れにα- ナフトール液(5%α- ナフトール−無水エタ
ノール溶液)0.6mlと40%KOH水溶液0.2mlを
加えてよく混和させた後、試験管を斜めに傾けて静置し
た。静置後15分後と1時間後にそれぞれ培地色調の変
化を観察し、培地色調が濃赤色となったものを陽性とし
た。
21℃で15分間高圧蒸気滅菌し、培地が60℃程度に
冷めたところで終濃度1%となるように濾過滅菌したグ
ルコースを加え、得られた培地を2本の試験管にそれぞ
れ3ml分注し、高層に固めた。この培地に被検菌を穿刺
し、1本の試験管には流動パラフィンを1〜2cmの厚さ
に重層して嫌気的に培養し、他方の試験管はそのまま好
気的に培養した。各菌体の生育温度で3〜4日間培養し
た後、酸化的糖分解を行なう菌で好気的条件で培養した
培地色調が黄変したものを(O)と結果に表記し、発酵
的糖分解を行なう菌で好気的及び嫌気的両条件で培地色
調が黄変したものを(F)と結果に表記し、また4日間
の培養後さらに次の7日間に糖分解が観察されたものを
(W)と結果に表記した。 <OF培地の組成> トリプトン 2.0g 塩化ナトリウム 5.0g 寒 天 2.5g リン酸二水素カリウム 0.3g B.T.B. 0.03g 蒸留水 1000ml pH 7.1
(滅菌済み)を用い、0.5〜1.0mlを滅菌済の試験
管に分注し、被検菌を接種した。この培地を各被検菌の
生育温度で6〜24時間培養し、アンモニアの生成にと
もなう培地の赤変を生じた場合を陽性とした。 <尿素培地の組成> ペプトン 2.0g 尿素 30.0g 塩化ナトリウム 5.0g リン酸1カリウム 9.0g リン酸2ナトリウム 3.0g フェノールレッド 0.01g pH 6.2
た培地(pH7.2)を約3ml試験管に加えて被検菌を
植菌後、各菌体の生育温度で18〜24時間静置培養し
た。そして培養液が混濁したものを陽性とした。
研」を用い、この培地112gを蒸留水1000mlに溶
解して、121℃で15分間高圧蒸気滅菌した。滅菌し
た培地を滅菌したシャーレに約20mlずつ分注し、平板
に固めた。得られた平板培地に被検菌を植菌し、各菌体
の生育温度で24〜48時間培養した。マンニットを分
解しコロニーの周囲が黄変したものをMS陽性とし、黄
変せず生育しコロニーを形成したものをNaCl陽性と
した。 <マンニット食塩培地「栄研」の組成> 肉エキス「栄研」 2.5g ペプトン「栄研」 10.0g マンニット 10.0g 塩化ナトリウム 75.0g フェノールレッド 0.025g 寒 天 15.0g
%の割合で脱繊維素血液を加えた。この培地に微量の被
検菌を植えてよく混和し、滅菌シャーレに注ぎ平板に固
めた。各菌の生育温度で24時間培養し、溶血の有無に
より判定した。溶血を起しハローを生じたものを陽性と
した。
kow 培地が80℃に冷えたところで濾過滅菌したエスク
リン(配糖体)を0.5%の割合で加え、滅菌試験管に
2ml分注した。この培地に被検菌を植菌し、各菌体の生
育温度で18〜24時間培養し、エスクリン分解により
培地色調が青色から黄変した場合を陽性とした。 <Barsiekow培地の組成> ペプトン水 100ml 0.2%B.T.B溶液 1.2ml
え、121℃で12分間高圧蒸気滅菌した培地を滅菌試
験管に3ml分注し、高層に固めた。被検菌を高層部分に
穿刺し、各菌体の生育温度で1週間培養した。穿刺線に
沿ったゼラチン液化の有無を観察し、液化が観察された
ものを陽性とした。
0.5g及びL−オルニチン10.0gを蒸留水100
0mlに溶解させ、121℃で15分間高圧蒸気滅菌し、
滅菌試験管に3ml分注した。この培地に被検菌を植菌
し、各菌体の生育温度で18〜24時間培養し、培地色
調が小豆色から黄変したものを陽性とした。
0.5g及びL−オルニチン10.0gを蒸留水100
0mlに溶解させ、121℃で15分間高圧蒸気滅菌し、
滅菌試験管に3ml分注した。この培地に被検菌を植菌
し、各菌体の生育温度で18〜24時間培養し、培地色
調が赤紫色から黄変したものを陽性とした。
0.5g及びL−オルニチン10.0gを蒸留水100
0mlに溶解させ、121℃で15分間高圧蒸気滅菌し、
滅菌試験管に3ml分注した。この培地に被検菌を植菌
し、各菌体の生育温度で18〜24時間培養し、培地色
調が茶褐色から黄変したものを陽性とした。
地温度が60℃程度に冷めたところで濾過滅菌した糖を
1%の割合で加え、よく混和した後、試験管に3ml分注
し、高層に固めた。この培地に被検菌を穿刺し、各菌体
の生育温度で24時間培養し、培地色調が黄変したもの
を陽性とした。
果から、ここで分離選別した菌株はグラム陽性の中桿菌
であり、内胞子を形成し、またオキシダーゼやカタラー
ゼを産生する、等の性質を有することが確認された。ま
た、両菌株ともバチルス(Bacillus)属に属する菌株で
あることが判明し、種名はHA12がサーキュランス
(circulans )、HA19がステアロサーモフィルス(
stearothermophilus)であると同定され、それぞれバチ
ルス・サーキュランス(Bacillus circulans)HA12
並びにバチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus s
tearothermophilus )HA19と命名した。(以後、こ
れら菌株をそれぞれHA12,HA19と称する。)こ
れらの新規菌株は、1993年2月12日に工業技術院
微生物工業技術研究所においてFERM P−1342
8及びFERM P−13429として寄託された。
P−13428)及びHA19(FERM P−134
29)を用いた大豆粕分解物の挙動について説明する。
新菌株HA12及びHA19を用いた大豆粕分解過程に
おけるタンパク質濃度の経時変化をBCA法を用いて測
定した。
0mlを加えて、500ml振盪培養フラスコでオートクレ
ーブ(121℃/20min )を行ない大豆粕液体培地と
した。 <BCA試薬の調整>試薬A:100溶+試薬B:2溶 <検量線用標準溶液(ウシアルブミン)の調整>下記の
表3に従い、種々のタンパク質濃度の標準溶液を調整し
た。
溶液0.1mlとBCA試薬2.0mlとを試験管内で撹拌
した後、37℃の恒温槽内に30分間放置することによ
りBCA反応を行なった。反応終了後、各試験管を室温
まで放置し、同時に測定した水0.1mlとBCA試薬
0.2mlの溶液をブランクとして562nmにおける吸光
度を測定し、検量線を作成した。
体培地(150ml)から1mlを無菌的に採取し、1万rp
m/15min 遠心して得られた上清についてBCA法によ
るタンパク質濃度測定を行ない、この操作により得られ
たタンパク質濃度を培養時間0(ゼロ)におけるタンパ
ク質濃度とした。同様にして、1wt%大豆粕液体培地か
ら1mlを無菌的に採取し、その培地に、予め大豆粕液体
培地で前培養したHA12及びHA19の菌液1.5ml
をそれぞれ植菌し、50℃,150rpm/15min の条件
で培養を行ない、この培養液から経時的に培養液を無菌
的に採取し、各培養時間におけるタンパク質濃度を測定
した。新菌株HA12及びHA19を用いた大豆粕分解
過程におけるタンパク質濃度の経時変化を別紙図1及び
図2に示す。
新菌株HA12及びHA19は大豆粕を高速で効率良く
分解している。尚、図1及び図2中の白丸はプロテイン
の濃度を示し、黒丸はペプチドの濃度を示す。
植物に対する肥料効果について説明する。 (1)小松菜を用いた例 [種子の前処理]種子に水を吸収させ発芽を促進させる
ために、種子を蒸留水中に入れ15時間放置した。 [苗の育成]採取した土を篩にかけて草の根などを取り
除き、市販の腐葉土を一割ほど加えてよく混ぜ合わせ、
底に小石を敷いたプランターに約8cmの厚さに入れ
た。そして、前処理した種子を約5cm間隔で数粒ずつ
1.5cmほどの深さに植え、毎日朝に水をかけ、通常室
温に置き雨を避け、天気の日は外に出し日に当てて、小
松菜がある程度成長し間引きを必要とするようになって
から実験に使用した。
整]発芽促進剤(商品名:メネデール,メネデール社
製)20mlを蒸留水で希釈し1リットルとした。化学肥
料は、リッチェル社製化学肥料50号(組成:窒素9.0
%,リン11.0%,カリ10.0%)を用い、1株につき5g
を直接土中に入れて使用した。 [実験用土の前処理]採取した土を篩にかけて草の根な
どを取り除き、その土を金属容器に入れアルミホイルで
蓋をし、180℃で5時間乾熱滅菌を行なった。
ーを栽培容器として用い、その内に上記前処理した土を
入れ、小松菜の苗を8株ずつ植えた。そして、新菌株H
A12及びHA19で分解生成した大豆粕由来の肥料溶
液を毎日200mlずつ与え、比較例として、前記発芽促
進剤を使用したものと化学肥料を使用したものを同時に
栽培した。栽培の結果を下記の表4及び表5に示す。
8月7日)栽培後の小松菜重量をグラム単位で表し、括
弧内の数値は水のみで栽培した小松菜重量を1.0 とした
場合の各栽培条件における小松菜重量比を表す。
〜9月9日)栽培後の小松菜重量をグラム単位で表し、
括弧内の数値は水のみで栽培した小松菜重量を1.0 とし
た場合の各栽培条件における小松菜重量比を表す。
及びHA19由来の肥料は顕著な肥料効果を示すことが
理解され、また表5の栽培結果からは、新菌株HA12
及びHA19由来の肥料が従来の化学肥料とほぼ同様の
肥料効果を示すことが理解される。
留水中に入れ3分間放置した。 [苗の育成]各栽培容器に180℃で5時間乾燥させた
土100cm3 を入れ、前処理した種子を1cm間隔で5列
に並べ、21℃インキュベータ内で栽培した。
HA19で分解生成した大豆粕由来の肥料溶液(微生物
肥料)をそれぞれ1%,10%,25%,50%,及び
100%になるように調整した。
19×14×3cm)を栽培容器として用い、18×13
×1.5cmのロックウール(ニチアス製)を敷き、その
上に前処理した種子20粒を等間隔に蒔いた。次に、各
濃度に調整した微生物肥料各260mlを各栽培容器に入
れ、その上から前処理した土60cm3 を均等の厚さにか
ぶせ、25℃インキュベータ内で栽培した。尚、水分蒸
発を防ぐために、実験開始2日後に水20mlをそれぞれ
の栽培容器に加えた。栽培の結果を下記の表6に示す。
〜12月25日)にわたって栽培したかいわれ大根の各
日における成長(長さ)をセンチ(cm)単位で表すと共
に、最終的に収穫したかいわれ大根の重量をグラム
(g)単位で表したものである。なお、括弧内の数値は
水のみで栽培したかいわれ大根の長さ及び重量を100
%とした場合の各栽培条件におけるかいわれ大根の各比
を表す。
及びHA19由来の微生物肥料はいずれも低濃度で長さ
重量とも増加し、顕著な肥料効果を示すことが理解さ
れ、また低濃度においては早期(2〜3日早く)に水の
みの場合の最終長さに達し、栽培期間を短縮し得ること
が理解される。
ス・サーキュランスHA12(FERM P−1342
8)及びバチルス・ステアロサーモフィルスHA19
(FERM P−13429)を用いて大豆粕を分解す
ることにより、植物に対する肥料として従来の化学肥料
と同等ないしはそれ以上の効果を有すると共に、安価で
且つ環境や人体に悪影響を及ぼす惧れのない大豆粕由来
の有機肥料を提供できる。従って大豆粕を肥料として有
効に利用し得ると同時に、大豆粕の利用促進を図ること
が出来る。
分解過程におけるタンパク質濃度の経時変化を示す図。
分解過程におけるタンパク質濃度の経時変化を示す図。
Claims (7)
- 【請求項1】 バチルス属に属し、タンパク質分解酵
素を産生し、大豆粕を特異的に分解する新規微生物。 - 【請求項2】 大豆粕を特異的に分解する微生物がバ
チルス・サーキュランスHA12(FERM P−13
428)である請求項1記載の新規微生物。 - 【請求項3】 大豆粕を特異的に分解する微生物がバ
チルス・ステアロサーモフィルスHA19(FERM
P−13429)である請求項1記載の新規微生物。 - 【請求項4】 大豆粕を原料とし、これを分解し低分
子化することにより生成する事を特徴とする大豆粕由来
有機肥料。 - 【請求項5】 大豆粕を微生物で分解してなる事を特
徴とする請求項4記載の大豆粕由来有機肥料。 - 【請求項6】 大豆粕を分解する微生物がバチルス・
サーキュランスHA12(FERM P−13428)
である事を特徴とする請求項5記載の大豆粕由来有機肥
料。 - 【請求項7】 大豆粕を分解する微生物がバチルス・
ステアロサーモフィルスHA19(FERM P−13
429)である事を特徴とする請求項5記載の大豆粕由
来有機肥料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2680393A JP3322277B2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | バチルス・サーキュランス新規菌株 |
Applications Claiming Priority (1)
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