JPH07246381A - 有機質廃棄物の処理方法 - Google Patents

有機質廃棄物の処理方法

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JPH07246381A
JPH07246381A JP6040191A JP4019194A JPH07246381A JP H07246381 A JPH07246381 A JP H07246381A JP 6040191 A JP6040191 A JP 6040191A JP 4019194 A JP4019194 A JP 4019194A JP H07246381 A JPH07246381 A JP H07246381A
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JP
Japan
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composting
bacillus licheniformis
waste
org
viable
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Application number
JP6040191A
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English (en)
Inventor
Kiyohiko Nakasaki
清彦 中崎
Hiroshi Kubota
宏 久保田
Tomizo Niwa
富造 丹羽
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Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/20Fertilizers of biological origin, e.g. guano or fertilizers made from animal corpses

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機質廃棄物の効率的なコンポスト化方法を
提供する。 【構成】 新しく分離されたバチルス・リケニホルミス
NA2は強いコンポスト化促進作用を有する。この培養
生菌体又は生菌製剤を用いて、有機質廃棄物を効率よく
コンポスト化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厨芥その他の有機質廃
棄物をコンポスト化する場合、コンポスト化を顕著に促
進する微生物を用いて効率よく処理することを内容とす
る、有機質廃棄物のコンポスト化方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】環境保
全の立場から、家庭あるいは各種事業所から排出される
有機質廃棄物をコンポスト化する必要が叫ばれている。
また、これら有機質廃棄物は人々の生活の都市化傾向に
伴い排出量も急増しているために、高速処理が要求さ
れ、そのための装置、技術の改良に多大の努力が払われ
ている。従来から、厨芥等のコンポスト化のために、コ
ンポスト化物の一部を還流して原料と混合し、コンポス
ト化に必要な微生物を供給して種菌の役割をもたせる方
法が一般的に行われているが、他方反応促進を目的とし
た多くの微生物製剤が市販されており、これが種菌とし
て用いられている。しかし、これらの種菌中には有機質
廃棄物の分解を高速化するのに満足できる効果を持つも
のはないのみならず、特定の菌種についてコンポスト化
の能力を測定し評価した研究も見当たらない。
【0003】本発明は家庭あるいは各種事業所から排出
される厨芥等有機質廃棄物を高速分解したいという技術
分野、有機質廃棄物から有機肥料を製造して再利用した
いという技術分野、微生物補助剤により土壌を改良した
いという技術分野において、安全性に優れかつ顕著な有
機質廃棄物分解促進効果を有する生菌剤を利用すること
を本発明の課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、有
機質廃棄物の分解力の強い微生物を発見すべく国内各地
の土壌及び市販されているコンポスト化用微生物製剤を
含め広範な微生物群を対象にしてスクリーニングした結
果、浜松市城北の土壌よりバチルス属に属する菌の中に
強力なコンポスト化促進作用を有するものがあることを
発見し、本発明を完成させた。
【0005】本発明の有機質廃棄物のコンポスト化に顕
著な促進効果をもたらす好ましい例としての、バチルス
属菌株の性状を以下にしめす。細菌学的性状 A.形態的性質 (1)ニュートリエント寒天で30℃で培養した栄養細
胞は0.5〜0.8×1.5〜3.0μmの桿菌 (2)グラム染色は陽性 (3)30℃、2日間の培養で内生胞子を形成、0.5
〜0.7×0.8〜−1.5μmの長円形 (4)胞子は胞子嚢のほぼ中央に位置し、胞子嚢の膨ら
みは殆ど認められない。 (5)周毛により運動
【0006】B.培養的性質 (1)普通寒天培養で、30〜45℃、1〜3日の培養
でよく生育する。 (2)ニュートリエント寒天で30℃、1日で生育は良
好で集落は直径1〜1.5mmの円形で、不透明な白色
で低い凸状からマット状で、しわがあり、菌体外に粘液
物質を生産する。 (3)グルコース寒天で、細胞内顆粒を形成せず。 (4)グルコース寒天で、嫌気条件下で生育する。 (5)ニュートリエント寒天で45°、50°、55°
および60℃で生育が見られ、65℃では生育せず。 (6)卵黄寒天での生育;培地の透明化なし。 (7)ニュートリエント寒天で食塩濃度10%で生育す
る。
【0007】C.生理的性質 (1)カゼインの分解性;陽性 (2)ゼラチンの分解性;陽性 (3)澱粉の分解性;陽性 (4)硝酸塩の還元性;陽性 (5)VP反応;陽性 (6)グルコースからの酸の生成;陽性 (7)グルコースからのガスの生成;陰性 (8)チロシンの分解;陰性 (9)クエン酸の生成(Koser's 培地);陽性 (10)アルギニンデヒドロラーゼの生成;陽性 (11)β−ガラクトシダーゼの生成;陽性 (12)アスキュリンの分解;陽性 (13)プロピオン酸塩を唯一の炭素源としての生育
(Koser's 培地);陽性
【0008】以上の菌学的性質を有する菌株をバージィ
ス・マニュアル・オブ・システマティク・バクテリオロ
ジー、1986年版(Bergey's Manual of Systematic B
acteriology,1986)に記載された既知の細菌種と比較し、
次の結論に至った;(1)好気性桿菌で内生胞子を作り
カタラーゼ陽性であることから、本菌はバチルス属に所
属すると同定される、(2)胞子及び胞子嚢の形態から
本菌株はBacillus subtilisに代表されるバチルスI属に
所属すると同定される、(3)澱粉加水分解、VP反応及
び硝酸還元が陽性、卵黄反応陰性、食塩高濃度耐性ならび
に嫌気条件下で生育する等の生理的性質から、本菌株は
バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)と
同定し、バチルス・リケニホルミスNA2(Bacillus li
cheniformis NA2:以下B.l.NA2と略称することあり)と
命名した。
【0009】しかしながら、本発明者らは本菌株バチル
ス・リケニホルミスNA2が有機質廃棄物のコンポスト
化に際し、コンポスト化に寄与する他の微生物と共同し
て、後述のごとくコンポスト化を著しく促進する性質を
有することを見出した。広範な探索試験の結果、このよ
うな性質はこれまでに知られているバチルス・リケニホ
ルミスに属する一部の菌株にも認められたが、本発明者
の確認したところによれば、バチルス・リケニホルミス
NA2は、それら同種菌株に比較して、コンポスト化促
進作用が特に顕著であることが知られた。本菌は、工業
技術院生命工学工業技術研究所にFERM P-14203として寄
託されている。
【0010】本発明の方法をバチルス・リケニホルミス
NA2(FERM P-14203)を例にとり説明する。本発明の方
法では使用菌株は生菌体又は生菌製剤の状態で用いるこ
とが特長である。生菌体を得るための培養方法として
は、通常用いられる液体、又は固型培養が適用される。
すなわち、培地としては通常用いられる炭素源、窒素源、
無機塩類、アミノ酸やビタミン類等が用いられる。 炭素
源としては、グルコース、シュークロース、澱粉、糖蜜、そ
の他同化し得る物質が使用される。窒素源としては例え
ば、ペプトン、肉エキス、イーストエキス、カゼイン分解
物、硫安等、利用可能な窒素化合物が用いられる。 更に、
必要に応じビタミン類、アミノ酸や消泡剤その他培養に
必要な物質が使用される。 また麩、大豆、おから等固型培
養に利用できるものも使用される。培養方法は液体又は
固型培養いずれも好気条件での培養が好ましい。培養開
始pHは中性付近すなわちpH6〜8が適当である。培
養温度は20〜45℃、好ましくは25〜40℃であ
り、培養時間は12時間〜7日の範囲が適当で、培地や
培養方法の選択によって最適な培養時間を選ぶことがで
きる。培養して得られた培養物はそのまま生菌剤として
使用することができるが、しかし生菌製剤として取扱い
易い形にするため上記培養物そのものや、それから集菌
したものを、生菌細胞と親和あるいは吸着する担体と混
合、乾燥または成型して、粉末状や粒状その他の生菌製
剤とすることができる。ここで言う担体とは、生菌細胞
を吸着させることによって生菌細胞を安定化し、固形物
としての取扱いを可能にする固体を指す。例えば、ゼオ
ライト、ラジオライト、バーミキュライト、酸性白土や
炭酸カルシウム等が1種又は2種以上混合して使用でき
るが、これらに限定されることなく、その他の各種の担
体が利用可能である。
【0011】上記方法によって得られた生菌剤を有機質
廃棄物のコンポスト化の促進剤として、又田畑等の土壌
改良剤として用いることができる。以下、実施例によっ
て本発明を詳細に説明するが、実施例に示される実験は
本発明者等によって数多く行われたものの中の数例であ
り、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0012】実施例1 蒸留水1Lにトリプチケース・ソイ液体培地(トリプチ
ケースペプトン17g、ファイトンペプトン3g、塩化
ナトリウム5g、リン酸水素二カリウム2.5g、グル
コース2.5g)を溶解させ、pHを7.3に調整した
培地を2Lジャーファーメンターに入れ、121℃、2
0分間殺菌し、冷却後これにあらかじめ前培養しておい
たバチルス・リケニホルミスNA2の培養液を接種し、
30℃,24時間通気撹拌培養した。このようにして得
た培養液をバチルス・リケニホルミスNA2の培養生菌
体(種菌)として使用できる。この培養液にパーライト
(東興パーライト工業(株)♯52)150gを加え混
合し、遠心分離操作で得た残渣を真空乾燥した後、粉砕
し、バチルス・リケニホルミスNA2の生菌製剤130
gが得られた。この生菌製剤に含まれる生菌数は1×1
9個/g(g重量当たりのコロニー形成数)であっ
た。
【0013】実施例2 麩1kgに市水1.8Lを加えよく混合し、121℃、
20分間オートクレーブ殺菌し、実施例1の方法で予め
前培養しておいたバチルス・リケニホルミスNA2
5mlの培養液を接種し、30℃の無菌箱で48時間培
養した。これを真空乾燥し、バチルス・リケニホルミス
NA2の生菌剤760gを得た。生菌数は6×108
/gであった。
【0014】実施例3 性状が均質で再現性のあるデータを得るため、厨芥のモ
デル物質として、市販のドッグフード(ビタワン、日本
ペットフード(株))をコンポスト化原料として用い
た。ドッグフードに、通気性改良材であるおがくずと家
庭からの生ゴミを原料として作成したコンポスト化物を
種菌として混合して用いた。ドッグフード、おがくず及
びコンポスト化物の混合割合はそれぞれ乾燥重量比で、
10:9:1とした。実験用コンポスト化装置は、容積
30Lの円筒型で耐熱性塩化ビニール製のものを用い
た。コンポスト原料(2910g)を反応装置に投入し
底部より通気すると、微生物の有機物分解に伴う自己発
熱によって反応物の温度が上昇するが、設定温度60℃
とし、反応物の温度が設定温度に達した後は、通気量を
増減して設定温度を維持した。反応器からの排気ガス
は、まず硫酸を用いたアンモニアトラップに導き排気ガ
ス中のアンモニアを取り除いた後に、炭酸ガスメータ
(理研計器Model RI−550A)で炭酸ガス濃
度を連続的に測定した。有機物分解速度を、コンポスト
化物単位乾燥重量あたり、単位時間あたりの炭酸ガス発
生モル数で定義し、炭酸ガス発生速度として定量化し
た。また、アンモニアトラップ中の硫酸水溶液に吸収さ
れたアンモニア量からアンモニア発生速度も計算した。
なお、原料有機物の分解程度は炭素変化率で定量化し
た。炭素変化率とは、原料中の全炭素量に対する反応中
に炭酸ガスとして揮散した炭素量の比として定義され
る。但し、通気性改良材として用いたおがくずは、6日
程度のコンポスト化実験での炭素変化率は無視される程
度であった。
【0015】バチルス・リケニホルミスNA2を添加し
ないコンポスト化における炭酸ガス発生速度、炭素変化
率、温度、pH、微生物相の経時変化を第1図に示す。
炭酸ガスの発生はコンポスト化初期にのみ見られ、最終
的な炭素変化率もわずか2%程度であった。また、実験
期間中にはタンパク質はほとんど分解しなかった。これ
らの結果は、コンポスト化が中断し、活発な有機物の分
解が起こらないことを示している。微生物の有機物分解
に伴う発熱量が十分でないために、反応温度は設定温度
の60℃を維持できなかった。pHは実験開始後徐々に
低下して、5付近の値となった。好熱性細菌は、温度上
昇に伴い速やかに増殖するが、反応物のpHが5付近に
達した時点から次第に減少する傾向を示した。有機物分
解に伴い有機酸が生成、蓄積し反応物のpHが低下し、
このpH低下が微生物の活性を阻害して有機物分解反応
が中断した。
【0016】実施例1で調整したバチルス・リケニホル
ミスNA2の生菌製剤2gを添加したコンポスト化の経
時変化を第2図に示す。炭酸ガス発生速度は、反応全般
を通して大きく、活発な有機物分解がみられ、最終的な
炭素変化率は70%付近に達した。バチルス・リケニホ
ルミスNA2を添加しない場合と異なり、原料中のタン
パク質の分解も活発に起こり、反応物のpHは、コンポ
スト化進行とともに徐々に上昇し、8.5付近の値で一
定となった。また、好熱性細菌は実験開始後温度上昇に
伴い速やかに増殖し、109c.f.u./g-ds(乾燥g重量当
りコロニー形成単位)付近の値となり、好熱性放線菌の
増殖も確認された。バチルス・リケニホルミスNA2の
添加の有無による6日間コンポスト化後の、炭酸ガス
(CO2)の発生総量とpHの最終値を第1表に示し
た。
【0017】
【表1】
【0018】実施例4 バチルス・リケニホルミスNA2菌株以外の同種の菌株
にもコンポスト化促進作用があるかどうかを調べる目的
で、バチルス・リケニホルミスJCM2505(タイプ
カルチャー)を選び、実施例1と同じ方法で生菌剤を調
製した。 静岡県内の給食センターから排出される残飯
を、実施例3と同様の装置を用いてコンポスト化実験を
行った。同給食センターではおかず残渣と米飯残渣を別
途回収しており、両者を混合して用いた。投入重量は残
飯(おかず残渣+米飯残渣)を1600g、おがくず9
00g、実施例3と同じコンポスト化物50gを加えた
総重量で2550gとした。実施例1で調製したバチル
ス・リケニホルミスNA2の生菌製剤を添加した区とし
ない区およびバチルス・リケニホルミスJCM2505
の生菌を原料中に106c.f.u/g-dsになるように接種し
た3区のコンポスト化実験を、実施例3と同じ方法で行
った。その実験結果である炭酸ガス総発生量およびpH
の最終値を第2表に示す。表より明らかなように、バチ
ルス・リケニホルミスJCM2505菌株にも弱いがコ
ンポスト化促進作用が見られた。バチルス・リケニホル
ミスNA2を添加した区では、最もpHは上昇し、有機
物分解も前者の約3倍であた。一方、添加しない区で
は、pHは次第に低下し最終的には5付近の値となり、
炭酸ガス発生量も小さかった。バチルス・リケニホルミ
スNA2は給食センターの残飯に対しても、又同種の他
の菌株に較べても顕著な有機物分解促進効果、即ちコン
ポスト化促進作用を持つことが確かめられた。
【0019】
【表2】
【0020】実施例5 静岡大学生協食堂から排出される残飯を実施例3と同様
の装置を用いてコンポスト化した。同食堂では食器を洗
う水路の端に水切り用のザルが設けられており、おかず
残渣と米飯残渣は同時回収されている。残飯は長時間水
にさらされ、ふやけた(膨潤した)状態にある。投入重
量は残飯を3000g、おがくずを1000g,種菌を
100g加え、総重量で4100gとした。実施例2で
調整したバチルス・リケニホルミスNA2の生菌製剤4
gを添加した区としない区のそれぞれの炭酸ガス総発生
量およびpHの最終値を第3表に示す。バチルス・リケ
ニホルミスNA2を添加した区では、pHは上昇し、有
機物分解は良好に進行した。一方、添加しない区では、
pHは次第に低下し最終的には5付近の値となり、炭酸
ガス発生量も小さかった。生協食堂の残飯に対してもバ
チルス・リケニホルミスNA2はコンポスト化促進作用
を持つことが確かめられた。
【0021】
【表3】
【0022】実施例6 ファミリーレスランに設置した容量1m3のコンポスト
化装置(新日鉄製、バイオメイト)に厨芥を入れて実施
例1で調製したバチルス・リケニホルミスNA2の生菌
製剤を実施例3と同じ割合で添加した。第4表に示す通
り、生菌製剤を投入した区では、コンポスト化物のpH
が上昇し、灰分率が増えている。ファミリーレストラン
やホテル等の食堂厨房施設で利用できる。
【0023】
【表4】
【0024】実施例7 家庭から毎日排出される生ゴミを対象にした容量約30
Lのコンポスト化容器(ポリエチレン製バケツ)に実施
例2で調製したバチルス・リケニホルミスNA2の生菌
剤を毎週1回3〜4gを加えた結果、生ゴミは著しく減
容し、6カ月以上コンポスト化容器を連続的に使用でき
た。生菌剤を添加しない場合には約3カ月でコンポスト
化装置は一杯になった。このことより、バチルス・リケ
ニホルミスNA2の生菌剤は家庭用コンポスト化容器に
よる生ゴミ処理の発酵促進剤として利用が可能である。
【0025】実施例8 砂壤土2にバーク堆肥1を混合した土を20個の植木鉢
5号に1Lづつ入れ、軽く鎮圧後2個の給水用プラスチ
ック製トレイに10鉢づつ並べ、温室内(温度18〜3
5℃)で鉢底部からの自動給水を行った。試験区とし
て、片方のトレイの10鉢には実施例1で調製した生菌
製剤1gを各鉢の表面土に散布し、更に霧吹きで数回水
を散布した。対照区とした他のトレイの10鉢には実施
例1のパーライト1gを散布し、試験区と同様処理し
た。この操作を1週毎に計5回くり返した後、ハクサイ
の種(品種、無双)3粒づつを各鉢に蒔き、霧吹きで撒
水した。ハクサイの本葉が出た8日後、各鉢について、
生のよい本葉1本を残し他を撤去した。播種から21日
間生育したハクサイを収穫し、試験区と対照区の10株
づつの重量を測定した結果、試験区は対照区の1.24
倍の増収であった。
【0026】
【発明の効果】本発明は新規に発見された細菌、バチル
ス・リケニホルミスNA2の応用に関するものである。
本菌株について研究されたその特性、即ち厨芥等の有機
質廃棄物に対する顕著なコンポスト化促進作用により、
(1)コンポスト化処理事業、(2)堆肥等の有機肥料
の製造、(3)土壌改良のための微生物補助剤としての
応用、および(4)有機農法への応用等広く環境や農業
分野に応用が可能であり、その有益性が期待されるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バチルス・リケニホルミスNA2を添加しな
いコンポスト化における微生物数、炭酸ガス発生速度
(rCO2)、炭素変化率(XC、%)、温度(T、℃)
並びにpH値の経時変化を表す。
【図2】 バチルス・リケニホルミスNA2を添加した
コンポスト化における微生物数、炭酸ガス発生速度(r
CO2)、炭素変化率(XC、%)、温度(T、℃)並び
にpH値の経時変化を表す。なお、●は常温性細菌、
○は好熱性細菌、 △は好熱性放線菌、■ は常温性糸状
菌を表す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】本発明の有機質廃棄物のコンポスト化に顕
著な促進効果をもたらす好ましい例としての、バチルス
属菌株の性状を以下にしめす。細菌学的性状 A.形態的性質 (1)ニュートリエント寒天で30℃で培養した栄養細
胞は0.5〜0.8×1.5〜3.0μmの桿菌 (2)グラム染色は陽性 (3)30℃、2日間の培養で内生胞子を形成、0.5
〜0.7×0.8〜1.5μmの長円形 (4)胞子は胞子嚢のほぼ中央に位置し、胞子嚢の膨ら
みは殆ど認められない。 (5)周毛により運動
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】C.生理的性質 (1)カゼインの分解性;陽性 (2)ゼラチンの分解性;陽性 (3)澱粉の分解性;陽性 (4)硝酸塩の還元性;陽性 (5)カタラーゼ;陽性 (6)オキシダーゼ;陽性 (7)VP反応;陽性 (8)グルコースからの酸の生成;陽性 (9)グルコースからのガスの生成;陰性 (10)チロシンの分解;陰性 (11)クエン酸の生成(Koser's 培地);陽性 (12)アルギニンデヒドロラーゼの生成;陽性 (13)β−ガラクトシダーゼの生成;陽性 (14)アスキュリンの分解;陽性 (15)プロピオン酸塩を唯一の炭素源としての生育
(Koser's 培地);陽性
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明者らは本菌株バチルス・リケニホル
ミスNA2が有機質廃棄物のコンポスト化に際し、コン
ポスト化に寄与する他の微生物と共同して、後述のごと
くコンポスト化を著しく促進する性質を有することを見
出した。広範な探索試験の結果、このような性質はこれ
までに知られているバチルス・リケニホルミスに属する
一部の菌株にも認められたが、本発明者の確認したとこ
ろによれば、バチルス・リケニホルミスNA2は、それ
ら同種菌株に比較して、コンポスト化促進作用が特に顕
著であることが知られた。本菌は、工業技術院生命工学
工業技術研究所にFERM P-14203として寄託されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】実施例6 ファミリーレストランに設置した容量1m3のコンポス
ト化装置(新日鉄製、バイオメイト)に厨芥を入れて実
施例1で調製したバチルス・リケニホルミスNA2の生
菌製剤を実施例3と同じ割合で添加した。第4表に示す
通り、生菌製剤を投入した区では、コンポスト化物のp
Hが上昇し、灰分率が増えている。ファミリーレストラ
ンやホテル等の食堂厨房施設で利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/20 C12R 1:07)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンポスト化を促進する能力の高い微生
    物生菌剤を用いて、好気的条件下で厨芥ならびにその他
    の有機質廃棄物を処理しコンポスト化を効率良く行うこ
    とを特徴とする有機質廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 バチルス・リケニホルミスNA2(FERM
    P-14203)及びバチルス・リケニホルミス種に属しコン
    ポスト化促進作用を有する菌株を微生物構成成分として
    含有する請求項1記載の微生物生菌剤。
JP6040191A 1994-03-10 1994-03-10 有機質廃棄物の処理方法 Pending JPH07246381A (ja)

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JP6040191A JPH07246381A (ja) 1994-03-10 1994-03-10 有機質廃棄物の処理方法

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JP6040191A JPH07246381A (ja) 1994-03-10 1994-03-10 有機質廃棄物の処理方法

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