JPH0623757U - シリアルプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低価格で信頼性の高いシリアルプリンタを提
供する。 【構成】 固定されたコネクタ６と印字ヘッド２とをつ
なぐフレキシブルプリントサーキット８の接続点より印
字ヘッド２側をコネクタ６と相対運動しない底板７に粘
着させた。 【効果】 安価で容易な方法で印字ヘッド２と印字ヘッ
ド駆動回路を高い信頼性を持って接続することができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は印字ヘッドを移動させながら印字を行うシリアルプリンタに関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

近年急速に普及したパーソナルコンピュータやワードプロセッサの出力端末と して低価格で多彩な印字の可能なシリアルプリンタに対する需要が高まっている 。シリアルプリンタは印字媒体を支持するプラテンに沿って印字ヘッドを移動さ せながら印字を行い、１行の印字が終わる度に印字媒体を１行分送って次の行の 印字を行うことで所望の文章や図形を印字媒体に対し印刷を行う。この為、印字 ヘッドはプリンタ本体に対し移動可能である必要がある。印字ヘッドの形式がイ ンパクト方式，インクジェット方式，サーマル方式の何れにしても印字ヘッドの 印字動作は電気的に供給されたエネルギーを印字エネルギーに変換して行われる ため、この印字ヘッドと駆動回路とは電気的に接続される必要がある。従って一 般に印字ヘッドとプリンタ本体に固定されたコネクタとの間はフレキシブルプリ ントサーキットやフラットケーブルのような弾性変形できる電気接続要素で接続 されている。しかし電気接続要素の端子とコネクタの機械的接続強度は弱いため 印字ヘッドのプラテンに沿っての往復運動に伴う弾性変形可能な電気接続要素の 振動や、これに加えられる不慮の力が電気接続要素とコネクタの接続部に加わら ないようにしなければならない。この為従来、図７に示すように短冊状の板片５ １の一端を本体フレームの底板５２に設けた係止部材５３のスリット５４に挿入 し、板片５１で電気接続要素５５をその上方から押接して板片の他端をネジで止 めることが行われていた。また、一方で実開昭６３ー７４０３２号公報で提案さ れている電気接続要素の固定方法が知られている。図８に示すように弾性変形可 能な電気接続要素５５の両側に係止部５６を突出形成すると共に、本体フレーム の底板５２のこれら係止部に対応した位置へスリット５７を設けておく。電気接 続要素５５を幅方向に屈曲することでこれら係止部５６をスリット５７へ挿入し 屈曲を解除すると電気接続要素５５自身の弾性力で復元力し固定が完了するとい うものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

図７に示した短冊状の板片５１の一端を本体フレームの底板５２に設けた係止 部材５３のスリット５４に挿入し、板片５１で電気接続要素５５をその上方から 押接して板片５１の他端を止める従来例では本体フレームの底板５２への電気接 続要素５５の固定作業が面倒で装置の組立に時間がかかるという問題点がある。 また、電気接続要素５５を固定するのに板片５１やネジ，ワッシャその他の部品 が必要で部品点数が多くなるという問題点もある。一方、実開昭６３ー７４０３ ２号公報で提案されている電気接続要素の固定方法は、組立は簡単になるものの 電気接続要素５５の両側に係止部５６を設けているため、印字ヘッドのプラテン に沿っての往復運動に伴う弾性変形可能な電気接続要素の振動や、これに不慮の 力が加えられたときに係止部５６の付け根に応力集中が起こる。それにより亀裂 が発生し、ひいては破断にいたる。このため信頼性が不十分で寿命が短いという 問題点を有していた。また、一般にフレキシブルプリントサーキットの様な電気 接続要素は大きなシート上に複数の導電パターンを形成し、その後輪郭を打ち抜 く事で製造されるが、電気接続要素の両側に係止部を設けると、同じ大きさの材 料シートから打ち抜ける製品数が減少するため材料の無駄が増加しコストが高く なるという問題点も有する。

【０００４】 そこで本考案は従来のこのような問題を解決し低コストで、組立易く、信頼性 の高いシリアルプリンタを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案のシリアルプリンタは、固定されたコネクタと 印字ヘッドとをつなぐ弾性変形可能な電気接続要素のコネクタとの接続点より印 字ヘッド側をコネクタと相対運動しない部材に粘着させたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案の上記の構成によれば安い部品，組立コストで、印字ヘッドのプラテン に沿っての往復運動に伴う、固定されたコネクタと印字ヘッドとをつなぐ弾性変 形可能な電気接続要素の振動や、この電気接続要素に加えられる不慮の力がコネ クタとの接続部に加わらないシリアルプリンタを得ることができる。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１は本考案をシリアルイ ンパクトドットプリンタに適用した実施例のメカニカルな部分の概略平面図であ り、図２は概略正面図である。このシリアルプリンタでは印字媒体としての印字 紙５を支持するプラテン３と平行の桁方向に印字ヘッド２を移動させながら印字 を行う為に印字ヘッド２をキャリッジ１上に搭載している。プラテン３とインク リボン４との間に配置された印字紙５に対してキャリッジ１を桁方向に移動しな がらドット印字し所望の文字，図形等が印刷される。

【０００８】 底板７の上に設けられたフォトカプラ９はキャリッジ１の下に設けられている フィン１０の存在の有無を検知することでキャリッジ１のホームポジションを検 出する機能を持っている。キャリッジ１はキャリッジ駆動モータ１１により駆動 ベルト１２を介して図１，図２の横方向に往復駆動される。この時にキャリッジ 駆動モータ１１に取り付けたエンコーダ１３がキャリッジ１の位置を検出する信 号を発生し、この信号を元に基準印字タイミング信号が作られる。

【０００９】 インパクト方式の印字ヘッド２は内部に装着された電磁コイル１４へ通電し印 字ワイヤをインクリボン４，印字紙５，プラテン３に対して打ち出すことにより 印字を行うため、図５に示す印字ヘッド駆動回路２６を形成できるように電磁コ イル１４を電気的に接続する必要がある。この印字ヘッド駆動回路２６を図５を 用いて説明する。電磁コイル１４とトランジスタ２７が直列に直流電源２８のプ ラス，マイナス間に接続されトランジスタ２７は電磁コイル１４への通電をＯＮ ，ＯＦＦするスイッチとしての機能を持っている。電磁コイル１４とトランジス タ２７のコレクタの中間と直流電源２８のプラス端子間にはダイオード２９，ツ ェナーダイオード３０，トランジスタ３１により構成されるスパークキラー回路 が接続されている。また、図５においては説明を簡単にするため１つの電磁コイ ル１４を駆動するための省略した回路を示したが、実際には印字ヘッド２に装着 した電磁コイル１４の個数分だけ電磁コイル１４とトランジスタ２７の組が存在 し、スパークキラー回路はこれらの組で各々独立ないし数組で共有などの形態で 設置されている。トランジスタ２７のベースに励磁信号ＯＮが入力されるとトラ ンジスタ２７はＯＮし電磁コイル１４に電流が流れ、印字ワイヤが駆動される。 その後トランジスタ２７のベースに励磁信号ＯＦＦが入力されるとトランジスタ ２７はＯＦＦし電磁コイル１４のトランジスタ２７側には逆起電力が発生するが ダイオード２９，ツェナーダイオード３０，トランジスタ３１により構成される スパークキラー回路により吸収され、電磁コイル１４を流れる電流は立ち下がる 。

【００１０】 底板７の上に固定された中継基板１７上に設置されたコネクタ６と印字ヘッド ２の電磁コイル１４はフレキシブルプリントサーキット８により結合され、印字 ヘッド駆動回路２６本体と印字ヘッド２は電気的に接続されている。フレキシブ ルプリントサーキット８は、図２に示されるようにＵ字状に曲げて設置されてお りキャリッジ１が桁方向に移動してもフレキシブルプリントサーキット８は弾性 的に変形するため印字ヘッド２のプラテン３に沿った運動に対応できる。

【００１１】 印字ヘッド２とフレキシブルプリントサーキット８をプリンタに取り付ける前 の図１の上側に対応する方向からみた状態を図３に示す。フレキシブルプリント サーキット８はプリンタに取り付けられている状態では図１と図２に示すように 印字ヘッド２を出てすぐの位置でほぼ直角に曲げられ、さらにコネクタ６までの 間でＵ字状に曲げられているが、プリンタから取り外された状態では図３で示さ れるようにＬ字状になっている。フレキシブルプリントサーキット８の断面Ａ− Ａは図４に示すように絶縁体からなるベースフィルム８ａの上に銅箔のパターン ８ｂを形成し、さらにその上を絶縁体からなるオーバーレイ８ｃで覆ったサンド イッチ状となっている。フレキシブルプリントサーキット８の端末８ｄではオー バーレイ８ｃが無く、銅箔パターン上にハンダメッキを施してフレキシブルプリ ントサーキットの端末８ｄをコネクタ６に差し込んだときフレキシブルプリント サーキット８の銅箔パターン８ｂとコネクタ６の端子が電気的に接続される端子 となっている。また、フレキシブルプリントサーキット８の端末８ｂから印字ヘ ッド２寄りの下面には両面テープ１６が粘着させてある。

【００１２】 印字ヘッド２をプリンタに取り付けるときは印字ヘッド２をキャリッジ１にネ ジ止めし、Ｕ字状に曲げたフレキシブルプリントサーキット８の端末８ｄをコネ クタ６に差し込む。その後、フレキシブルプリントサーキット８の端末８ｄから 印字ヘッド２寄りの下面に粘着させてある両面テープ１６の上を底板７に向かっ て押圧し、フレキシブルプリントサーキット８を底板７に粘着させる。このよう にフレキシブルプリントサーキット８の固定されたコネクタ６との接続点より印 字ヘッド２側をコネクタ６と相対運動しない底板７に粘着させる、という容易で 安価な手段により、印字ヘッド２のプラテン３に沿っての往復運動に伴うフレキ シブルプリントサーキット８の振動やこれに図６に示すような不慮の力Ｆが働い たとしても両面テープからフレキシブルプリントサーキット８の受ける反力は両 面テープの粘弾性により分散されるようにできるため、フレキシブルプリントサ ーキット８はダメージを受けず、しかもフレキシブルプリントサーキット８とコ ネクタ６との結合点には振動や力は到達しない。この為、印字ヘッド駆動回路２ ６と電磁コイルとは高い信頼性を持って電気的接続される。

【００１３】 本実施例は本考案をシリアルインパクトドットプリンタに適用したものである が、印字ヘッドをプラテンと平行に移動させながら印字するシリアルプリンタで あれば印字ヘッドの形式がインクジェット方式やサーマル方式であっても、まっ たく同様の効化を有することは明かである。

【００１４】

【考案の効果】

本考案のシリアルプリンタに於いては以上説明したように安価で容易な方法で 印字ヘッドと印字ヘッド駆動回路を高い信頼性を持って接続することができるた め、安価で信頼性の高いシリアルプリンタを提供できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のシリアルプリンタのメカニカルな部分
の概略平面図である。

【図２】本考案のシリアルプリンタのメカニカルな部分
の概略正面図である。

【図３】本考案の印字ヘッドとフレキシブルプリントサ
ーキットをプリンタに取り付ける前の図１の上側に対応
する方向からみた状態を示す図である。

【図４】本考案のフレキシブルプリントサーキットの図
３断面Ａ−Ａを示す断図である。

【図５】本考案の印字ヘッド駆動回路を示す図である。

【図６】本考案のフレキシブルプリントサーキットに不
慮の力が加わった状態を示す図である。

【図７】従来技術を用いたシリアルプリンタを説明する
図である。

【図８】従来技術を用いたシリアルプリンタを説明する
図である。

【符号の説明】

１ キャリッジ ２ 印字ヘッド ３ プラテン ４ インクリボン ５ 印字紙 ６ コネクタ ７ 底板 ８ フレキシブルプリントサーキット ９ フォトカプラ １０ フィン １１ キャリッジ駆動モータ １２ 駆動ベルト １３ エンコーダ １４ 電磁コイル １６ 両面テープ １７ 中継基板 ２６ 印字ヘッド駆動回路 ２７ トランジスタ ２８ 直流電源 ２９ ダイオード ３０ ツェナーダイオード ３１ トランジスタ ５１ 板片 ５２ 底板 ５３ 係止部材 ５４ スリット ５５ 電気接続要素 ５６ 係止部 ５７ スリット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字媒体を支持するプラテンと平行に印
   字ヘッドを移動させながら印字を行うシリアルプリンタ
   に於て、固定されたコネクタと前記印字ヘッドとをつな
   ぐ弾性変形可能な電気接続要素の前記コネクタとの接続
   点より前記印字ヘッド側を前記コネクタと相対運動しな
   い部材に粘着させたことを特徴とするシリアルプリン
   タ。