JPH0623567A - 熱間静水圧加圧法を用いた金属接合方法 - Google Patents
熱間静水圧加圧法を用いた金属接合方法Info
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- JPH0623567A JPH0623567A JP4168999A JP16899992A JPH0623567A JP H0623567 A JPH0623567 A JP H0623567A JP 4168999 A JP4168999 A JP 4168999A JP 16899992 A JP16899992 A JP 16899992A JP H0623567 A JPH0623567 A JP H0623567A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】組立て時、接合面間にギャップが存在する被接
合材を熱間静水圧加圧法を用いて接合する場合、良好な
接合体を得るようにした。 【構成】複数の被接合材11,12,13の接合面間に
ギャップ14,15を有し、これらの被接合材11,1
2,13を熱間静水圧加圧法を用いて拡散接合する金属
接合方法において、上記熱間静水圧加圧処理に臨んで、
被接合材11,12,13からの脱ガスにより接合面に
反応膜が生成する温度以下で、熱間静水圧加圧処理炉内
にて被接合材11,12,13間のギャップ14,15
をなくし、接合面同士が密着するように圧力を加え、そ
の後上記熱間静水圧加圧処理炉内で所定の接合圧力、接
合温度に保持して拡散接合するようにした。
合材を熱間静水圧加圧法を用いて接合する場合、良好な
接合体を得るようにした。 【構成】複数の被接合材11,12,13の接合面間に
ギャップ14,15を有し、これらの被接合材11,1
2,13を熱間静水圧加圧法を用いて拡散接合する金属
接合方法において、上記熱間静水圧加圧処理に臨んで、
被接合材11,12,13からの脱ガスにより接合面に
反応膜が生成する温度以下で、熱間静水圧加圧処理炉内
にて被接合材11,12,13間のギャップ14,15
をなくし、接合面同士が密着するように圧力を加え、そ
の後上記熱間静水圧加圧処理炉内で所定の接合圧力、接
合温度に保持して拡散接合するようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱間静水圧加圧法(HI
P:Hot Isostatic Pressing)を用いた接合方法に係
り、特に接合面間のギャップが大きい構造で、また昇温
時に脱ガス量が多い材料を良好に接合する熱間静水圧加
圧法を用いた金属接合方法に関する。
P:Hot Isostatic Pressing)を用いた接合方法に係
り、特に接合面間のギャップが大きい構造で、また昇温
時に脱ガス量が多い材料を良好に接合する熱間静水圧加
圧法を用いた金属接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間静水圧加圧法(以下、HIPとい
う。)を用いた拡散接合は、一般的に行われ、同種材
間,異種材間の接合が可能である。また、拡散接合は被
接合材の溶融を伴わないので、特に脆い相が生成し易い
異種材間の接合に有効である。
う。)を用いた拡散接合は、一般的に行われ、同種材
間,異種材間の接合が可能である。また、拡散接合は被
接合材の溶融を伴わないので、特に脆い相が生成し易い
異種材間の接合に有効である。
【0003】図5は従来の接合方法における異種材間の
組合せの代表例として銅とステンレス鋼とのキャニング
状態を示し、被接合材としての銅1およびステンレス鋼
2を軟鋼製缶3に収納して電子ビーム溶接で真空封止し
たものである。銅1の耐力は400℃で約5kg/mm2 以
下であり、また軟鋼製缶3は厚さ1mm程度である。この
ため、HIPを用いて加熱・加圧すると、400〜50
0℃程度の温度で変形し、被接合材としての銅1とステ
ンレス鋼2との接合面は密着する。
組合せの代表例として銅とステンレス鋼とのキャニング
状態を示し、被接合材としての銅1およびステンレス鋼
2を軟鋼製缶3に収納して電子ビーム溶接で真空封止し
たものである。銅1の耐力は400℃で約5kg/mm2 以
下であり、また軟鋼製缶3は厚さ1mm程度である。この
ため、HIPを用いて加熱・加圧すると、400〜50
0℃程度の温度で変形し、被接合材としての銅1とステ
ンレス鋼2との接合面は密着する。
【0004】図6は従来の接合方法における同種材間の
組合せ例を示し、被接合材としてのステンレス鋼4,5
の接合面を突き合わせた後、電子ビーム溶接で溶接して
溶接部6を形成し、真空封止したものである。この場
合、機械加工精度を高めることで、真空封止時に接合面
同士を強力に密着させておくことが可能である。
組合せ例を示し、被接合材としてのステンレス鋼4,5
の接合面を突き合わせた後、電子ビーム溶接で溶接して
溶接部6を形成し、真空封止したものである。この場
合、機械加工精度を高めることで、真空封止時に接合面
同士を強力に密着させておくことが可能である。
【0005】図7は従来の接合方法における3層のリン
グの組合せ例を示し、被接合材としてのステンレス鋼リ
ング7,8と銅リング9とを焼きばめし、これらの上下
に円板10を載せて電子ビーム溶接して溶接部11,1
2とする。この場合、3層のリングは焼きばめしたの
で、組立て時から接合面間のギャップは零である。
グの組合せ例を示し、被接合材としてのステンレス鋼リ
ング7,8と銅リング9とを焼きばめし、これらの上下
に円板10を載せて電子ビーム溶接して溶接部11,1
2とする。この場合、3層のリングは焼きばめしたの
で、組立て時から接合面間のギャップは零である。
【0006】図5〜図7はいずれも組立て時あるいは遅
くとも400〜500℃に加熱した時点で、接合面間の
ギャップは零である。これらをさらに接合条件まで加熱
・加圧すると、接合面でミクロ的なクリープ変形が起こ
り、ミクロ的に密着するとともに、相互拡散が生じて接
合が達成される。
くとも400〜500℃に加熱した時点で、接合面間の
ギャップは零である。これらをさらに接合条件まで加熱
・加圧すると、接合面でミクロ的なクリープ変形が起こ
り、ミクロ的に密着するとともに、相互拡散が生じて接
合が達成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年大形構
造物にも拡散接合が適用されてきている。上記従来の接
合方法を大形構造物に適用する場合には種々の問題が生
ずる。すなわち、大形構造物のため、加工精度を高める
ことが困難であり、且つ非常に高価となり、被接合材を
組立てた際の接合面間のギャップが大きくなる。
造物にも拡散接合が適用されてきている。上記従来の接
合方法を大形構造物に適用する場合には種々の問題が生
ずる。すなわち、大形構造物のため、加工精度を高める
ことが困難であり、且つ非常に高価となり、被接合材を
組立てた際の接合面間のギャップが大きくなる。
【0008】また、接合面間のギャップを大きくしない
と、組立てが困難な場合も生じてくる。さらに、大形構
造物のため一般的に厚肉となる。その結果、常温組立て
の時のみならず、HIPを用い加熱・加圧を開始後40
0〜500℃になっても、接合面間にギャップが存在す
ることが多くなる。この温度域以上になると、材料から
の脱ガス量が指数関数的に増加する。
と、組立てが困難な場合も生じてくる。さらに、大形構
造物のため一般的に厚肉となる。その結果、常温組立て
の時のみならず、HIPを用い加熱・加圧を開始後40
0〜500℃になっても、接合面間にギャップが存在す
ることが多くなる。この温度域以上になると、材料から
の脱ガス量が指数関数的に増加する。
【0009】したがって、接合面間にギャップが存在す
る状態で脱ガス量が増加すると、接合面に酸化膜などの
反応膜が生成してくる。接合面がこのような状態になる
と、その後接合条件まで加熱・加圧しても、相互拡散が
生じにくく接合不良が生じ易くなる問題点がある。
る状態で脱ガス量が増加すると、接合面に酸化膜などの
反応膜が生成してくる。接合面がこのような状態になる
と、その後接合条件まで加熱・加圧しても、相互拡散が
生じにくく接合不良が生じ易くなる問題点がある。
【0010】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、組立て時、接合面間にギャップが存在する被接
合材をHIPを用いて接合する場合、良好な接合体を得
るようにした熱間静水圧加圧法を用いた金属接合方法を
提供することを目的とする。
もので、組立て時、接合面間にギャップが存在する被接
合材をHIPを用いて接合する場合、良好な接合体を得
るようにした熱間静水圧加圧法を用いた金属接合方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ための解決手段を図1および図2(A),(B)を用い
て説明する。
ための解決手段を図1および図2(A),(B)を用い
て説明する。
【0012】すなわち、図1は本発明に係る熱間静水圧
加圧法を用いた金属接合方法の原理を示し、組立て時に
接合面間にギャップが存在する被接合材の組立て状態を
示す。図1に示すように金属製の第1の被接合材11の
内側に金属製の第2の被接合材12、さらに金属製の第
3の被接合材13が同心状に挿入されている。これら第
1の被接合材11と第2の被接合材12との間、第2の
被接合材12と第3の被接合材13との間にはそれぞれ
ギャップ14,15が存在する。これらを真空シールす
るため、上下に蓋16,17を配置して第1の被接合材
11および第3の被接合材13との接触部を電子ビーム
溶接している。
加圧法を用いた金属接合方法の原理を示し、組立て時に
接合面間にギャップが存在する被接合材の組立て状態を
示す。図1に示すように金属製の第1の被接合材11の
内側に金属製の第2の被接合材12、さらに金属製の第
3の被接合材13が同心状に挿入されている。これら第
1の被接合材11と第2の被接合材12との間、第2の
被接合材12と第3の被接合材13との間にはそれぞれ
ギャップ14,15が存在する。これらを真空シールす
るため、上下に蓋16,17を配置して第1の被接合材
11および第3の被接合材13との接触部を電子ビーム
溶接している。
【0013】図2(A),(B)は被接合材をHIP処
理する際の温度、圧力条件を示す。図2(A),(B)
においてTB は接合温度、PB は接合圧力をそれぞれ示
している。TG は第1,第2,あるいは第3の被接合材
11,12,13からの脱ガス量が接合面の接合性に悪
影響を及ぼす反応膜の生成に無視できなくなる温度を示
す。t2 は温度TG に達するまでの時間である。PY は
第1の被接合材11および第3の被接合材13が容易に
変形し、ギャップ14,15の存在がなくなる圧力であ
る。t1 は圧力がPY になるまでの時間である。そし
て、TY はPY の時の温度である。したがって、温度T
Y 、圧力PY では第1の被接合材11および第3の被接
合材13は容易に変形し、ギャップ14,15の存在が
なくなる。
理する際の温度、圧力条件を示す。図2(A),(B)
においてTB は接合温度、PB は接合圧力をそれぞれ示
している。TG は第1,第2,あるいは第3の被接合材
11,12,13からの脱ガス量が接合面の接合性に悪
影響を及ぼす反応膜の生成に無視できなくなる温度を示
す。t2 は温度TG に達するまでの時間である。PY は
第1の被接合材11および第3の被接合材13が容易に
変形し、ギャップ14,15の存在がなくなる圧力であ
る。t1 は圧力がPY になるまでの時間である。そし
て、TY はPY の時の温度である。したがって、温度T
Y 、圧力PY では第1の被接合材11および第3の被接
合材13は容易に変形し、ギャップ14,15の存在が
なくなる。
【0014】その後、時間t2 になると温度はTG とな
る。接合圧力PB 、温度TG では被接合材から接合面を
汚す脱ガス量が多くなるが、既に被接合材11,12,
13同士はギャップ14,15がなく密着しているた
め、接合面には反応膜が生成されず汚れることがない。
次いで、上記接合圧力PB 、温度TG に保持して拡散接
合するようにした。
る。接合圧力PB 、温度TG では被接合材から接合面を
汚す脱ガス量が多くなるが、既に被接合材11,12,
13同士はギャップ14,15がなく密着しているた
め、接合面には反応膜が生成されず汚れることがない。
次いで、上記接合圧力PB 、温度TG に保持して拡散接
合するようにした。
【0015】
【作用】上記の構成を有する本発明において、各被接合
材11,12,13は電子ビーム溶接されているので、
ギャップ14,15部分は真空になっている。次いで、
この組立てた被接合材をHIP炉に挿入し、温度・圧力
を上昇させていく。図2(A),(B)に示すように時
間t1 になると、圧力はPY 、温度はTY となる。した
がって、温度TY 、圧力PY では第1の被接合材11お
よび第3の被接合材13は容易に変形し、ギャップ1
4,15の存在がなくなる。
材11,12,13は電子ビーム溶接されているので、
ギャップ14,15部分は真空になっている。次いで、
この組立てた被接合材をHIP炉に挿入し、温度・圧力
を上昇させていく。図2(A),(B)に示すように時
間t1 になると、圧力はPY 、温度はTY となる。した
がって、温度TY 、圧力PY では第1の被接合材11お
よび第3の被接合材13は容易に変形し、ギャップ1
4,15の存在がなくなる。
【0016】その後、時間t2 になると温度はTG とな
る。温度TG では被接合材から接合面を汚す脱ガス量が
多くなるが、既に被接合材同士はギャップがなく密着し
ているため、接合面には反応膜が生成されず汚れない。
る。温度TG では被接合材から接合面を汚す脱ガス量が
多くなるが、既に被接合材同士はギャップがなく密着し
ているため、接合面には反応膜が生成されず汚れない。
【0017】すなわち、本発明では、組立て時にギャッ
プ14,15を有し、被接合材11,12,13をHI
Pを用いて接合する場合、被接合材11,12,13か
らの脱ガス量が接合面の反応膜生成に無視できない温度
になる前に、ギャップ14,15をなくし、良好な接合
体を得るようにした。
プ14,15を有し、被接合材11,12,13をHI
Pを用いて接合する場合、被接合材11,12,13か
らの脱ガス量が接合面の反応膜生成に無視できない温度
になる前に、ギャップ14,15をなくし、良好な接合
体を得るようにした。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0019】図3は本発明に係る熱間静水圧加圧法を用
いた金属接合方法の一実施例を示し、図3に示す被接合
材としてのステンレス鋼製外筒20、内筒21は次の寸
法である。すなわち、外筒20は外径700mm,内径6
60mm,長さ2000mm、内筒21は外径632mm,内
径592mm、長さ2000mm、この外筒20と内筒21
との間に外径656mm、内径636mm、長さ2000mm
の無酸素銅製の中間筒22が同心状に挿入されている。
いた金属接合方法の一実施例を示し、図3に示す被接合
材としてのステンレス鋼製外筒20、内筒21は次の寸
法である。すなわち、外筒20は外径700mm,内径6
60mm,長さ2000mm、内筒21は外径632mm,内
径592mm、長さ2000mm、この外筒20と内筒21
との間に外径656mm、内径636mm、長さ2000mm
の無酸素銅製の中間筒22が同心状に挿入されている。
【0020】これらの上下にはステンレス鋼製の下蓋2
3および上蓋24が配置され、これら下蓋23および上
蓋24の外周部は外筒20の外周部とTIG溶接され
る。また、内筒21の上下端内周部は下蓋23および上
蓋24との接触部がTIGで隅肉溶接される。これらの
溶接部分は図3における溶接部25および26である。
なお、真空引き口27は外筒20と中間筒22との間、
中間筒22と内筒21との間にそれぞれ形成されたギャ
ップ28,29内の真空引きを行うための引き口であ
る。次に、本実施例の作用について説明する。
3および上蓋24が配置され、これら下蓋23および上
蓋24の外周部は外筒20の外周部とTIG溶接され
る。また、内筒21の上下端内周部は下蓋23および上
蓋24との接触部がTIGで隅肉溶接される。これらの
溶接部分は図3における溶接部25および26である。
なお、真空引き口27は外筒20と中間筒22との間、
中間筒22と内筒21との間にそれぞれ形成されたギャ
ップ28,29内の真空引きを行うための引き口であ
る。次に、本実施例の作用について説明する。
【0021】上記のように被接合材を組立てた後、真空
引き口27に図示しない真空ポンプを接続し、真空引き
口27から筒内部の真空引きを行う。この際、筒外周お
よび内周にフレキシブルヒータ(図示せず)からなる巻
き筒を200℃前後に加熱し、水分の除去を確実に行
う。そして、筒内部の真空度が10-4〜10-5Torrより
良好になった後、真空引き口27部分を鍛接し、さらに
TIG溶接により封止を確実に行う。
引き口27に図示しない真空ポンプを接続し、真空引き
口27から筒内部の真空引きを行う。この際、筒外周お
よび内周にフレキシブルヒータ(図示せず)からなる巻
き筒を200℃前後に加熱し、水分の除去を確実に行
う。そして、筒内部の真空度が10-4〜10-5Torrより
良好になった後、真空引き口27部分を鍛接し、さらに
TIG溶接により封止を確実に行う。
【0022】このように真空封止した筒全体をHIP炉
に挿入する。そして、図4(A),(B)に示す温度、
圧力のパターンでHIP処理を行う。ステンレス鋼(S
US304)は約600℃以上で、材料から脱ガス量が
多くなり、接合性が劣化する酸化膜などの反応膜が接合
面に多量に生成するようになる。この600℃をTGと
する。
に挿入する。そして、図4(A),(B)に示す温度、
圧力のパターンでHIP処理を行う。ステンレス鋼(S
US304)は約600℃以上で、材料から脱ガス量が
多くなり、接合性が劣化する酸化膜などの反応膜が接合
面に多量に生成するようになる。この600℃をTGと
する。
【0023】この実施例では温度TG に達する前に温度
TY で圧力PY となるようにパターンを決定している。
SUS304の0.2%耐力は500℃で約10kg/mm
2 である。そこで、温度TY =500℃で圧力PY =1
500atm となるようなパターンとする。このパターン
とすると、温度TG 以下の500℃で図3に示す外筒2
0および内筒21は変形し、これらが中間筒22に密着
する。
TY で圧力PY となるようにパターンを決定している。
SUS304の0.2%耐力は500℃で約10kg/mm
2 である。そこで、温度TY =500℃で圧力PY =1
500atm となるようなパターンとする。このパターン
とすると、温度TG 以下の500℃で図3に示す外筒2
0および内筒21は変形し、これらが中間筒22に密着
する。
【0024】その後、接合温度TB =800℃、接合圧
力PB =1500atm に2時間保持して密着した面同士
を拡散接合させる。そして、温度および圧力を常温、常
圧に戻して接合を完了させる。
力PB =1500atm に2時間保持して密着した面同士
を拡散接合させる。そして、温度および圧力を常温、常
圧に戻して接合を完了させる。
【0025】このように本実施例によれば、外筒20お
よび内筒21から接合性を劣化させるような酸化膜など
の反応膜を多量に生成させる脱ガスが起こる温度TG 以
下の温度TY で、既にHIP圧力をこの温度における
0.2%耐力以上の圧力PY としている。このため、温
度TG 以下で内筒21と中間筒22との間、および外筒
20と中間筒22との間の各ギャップ28,29はなく
なり、密着している。
よび内筒21から接合性を劣化させるような酸化膜など
の反応膜を多量に生成させる脱ガスが起こる温度TG 以
下の温度TY で、既にHIP圧力をこの温度における
0.2%耐力以上の圧力PY としている。このため、温
度TG 以下で内筒21と中間筒22との間、および外筒
20と中間筒22との間の各ギャップ28,29はなく
なり、密着している。
【0026】故に、温度がTG に達して内筒21および
外筒20からの脱ガスが多量になってきても接合面の酸
化などは多量に起こらず、その後接合温度TB に達し、
相互に拡散し接合するステップでの拡散を妨げない。
外筒20からの脱ガスが多量になってきても接合面の酸
化などは多量に起こらず、その後接合温度TB に達し、
相互に拡散し接合するステップでの拡散を妨げない。
【0027】したがって、大形の接合体で組立て時に接
合面間にギャップが生じることがやむを得ない構造物で
も良好に拡散接合することが可能である。なお、温度T
G 以下での密着を確実にするため、温度TY 、圧力PY
で保持し、ここでのクリープ変形を十分にさせた後、接
合させてもよい。
合面間にギャップが生じることがやむを得ない構造物で
も良好に拡散接合することが可能である。なお、温度T
G 以下での密着を確実にするため、温度TY 、圧力PY
で保持し、ここでのクリープ変形を十分にさせた後、接
合させてもよい。
【0028】なお、上記実施例では被接合材として外筒
20、内筒21および中間筒22の3つの筒を用いた
が、その数に限定することなく、複数であればよい。ま
た、外筒20、内筒21および中間筒22は同心状に配
置したが、必ずしも同心状に配置することはない。次
に、工業用純チタン同士を接合する本実施例の変更例に
ついて説明する。
20、内筒21および中間筒22の3つの筒を用いた
が、その数に限定することなく、複数であればよい。ま
た、外筒20、内筒21および中間筒22は同心状に配
置したが、必ずしも同心状に配置することはない。次
に、工業用純チタン同士を接合する本実施例の変更例に
ついて説明する。
【0029】すなわち、母材からの脱ガスは約600℃
程度で増加するが、酸化量が急激に増加するのは、85
0℃以上である。また、脆弱で接合を劣化させる酸化物
は約700℃以上で生成したものである。
程度で増加するが、酸化量が急激に増加するのは、85
0℃以上である。また、脆弱で接合を劣化させる酸化物
は約700℃以上で生成したものである。
【0030】そこで、この変更例では600℃で接合面
同士が密着するような温度・圧力パターンとした。ま
た、600℃における工業用純チタンの耐力は約10kg
/mm2 である。そのため600℃において1500atm
のHIP圧力をかけて2時間保持した後、接合温度90
0℃で30分間保持して接合させた。
同士が密着するような温度・圧力パターンとした。ま
た、600℃における工業用純チタンの耐力は約10kg
/mm2 である。そのため600℃において1500atm
のHIP圧力をかけて2時間保持した後、接合温度90
0℃で30分間保持して接合させた。
【0031】この変更例によれば、脆弱な酸化物が急激
に生成する温度に達する前に、接合面同士が密着してい
るので、良好な接合が行われ、また接合部に脆弱な酸化
物が残存することも防止される。
に生成する温度に達する前に、接合面同士が密着してい
るので、良好な接合が行われ、また接合部に脆弱な酸化
物が残存することも防止される。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る熱間
静水圧加圧法を用いた金属接合方法によれば、組立て時
に接合面間にギャップが存在する被接合材をHIPを用
いて接合する場合、被接合材からの脱ガス量が接合性に
悪影響を及ぼす反応膜を多量に生成する温度になる前
に、被接合材が変形可能なHIP圧力を加え、接合面間
のギャップをなくし、接合面同士を密着させるようにし
たので、接合面間にギャップが大きく、昇温時に脱ガス
量が多い材料でも良好な接合が可能になる。
静水圧加圧法を用いた金属接合方法によれば、組立て時
に接合面間にギャップが存在する被接合材をHIPを用
いて接合する場合、被接合材からの脱ガス量が接合性に
悪影響を及ぼす反応膜を多量に生成する温度になる前
に、被接合材が変形可能なHIP圧力を加え、接合面間
のギャップをなくし、接合面同士を密着させるようにし
たので、接合面間にギャップが大きく、昇温時に脱ガス
量が多い材料でも良好な接合が可能になる。
【図1】本発明に係る熱間静水圧加圧法を用いた金属接
合方法の原理を説明するための断面図。
合方法の原理を説明するための断面図。
【図2】(A),(B)は図1の被接合材をHIP処理
する際の温度、圧力条件を示すグラフ図。
する際の温度、圧力条件を示すグラフ図。
【図3】本発明に係る熱間静水圧加圧法を用いた金属接
合方法の一実施例における具体例を示す断面図。
合方法の一実施例における具体例を示す断面図。
【図4】(A),(B)は図3の被接合材をHIP処理
する際の温度、圧力条件を示すグラフ図。
する際の温度、圧力条件を示すグラフ図。
【図5】従来の金属接合方法を示す説明図。
【図6】従来の別の金属接合方法を示す説明図。
【図7】従来のさらに別の金属接合方法を示す断面図。
11 第1の被接合材 12 第2の被接合材 13 第3の被接合材 14 ギャップ 15 ギャップ 16 蓋 17 蓋 20 外筒 21 内筒 22 中間筒 23 下蓋 24 上蓋 25 溶接部 26 溶接部 27 真空引き口 28 ギャップ 29 ギャップ
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の被接合材の接合面間にギャップを
有し、これらの被接合材を熱間静水圧加圧法を用いて拡
散接合する金属接合方法において、上記熱間静水圧加圧
処理に臨んで、上記被接合材からの脱ガスにより接合面
に反応膜が生成する温度以下で、熱間静水圧加圧処理炉
内にて上記被接合材間のギャップをなくし、接合面同士
が密着するように圧力を加え、その後上記熱間静水圧加
圧処理炉内で所定の接合圧力、接合温度に保持して拡散
接合するようにしたことを特徴とする熱間静水圧加圧法
を用いた金属接合方法。 - 【請求項2】 上記複数の被接合材は同心状に配置され
るとともに、接合面間にギャップを有する請求項1記載
の熱間静水圧加圧法を用いた金属接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4168999A JPH0623567A (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 熱間静水圧加圧法を用いた金属接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4168999A JPH0623567A (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 熱間静水圧加圧法を用いた金属接合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0623567A true JPH0623567A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=15878477
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4168999A Pending JPH0623567A (ja) | 1992-06-26 | 1992-06-26 | 熱間静水圧加圧法を用いた金属接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0623567A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11491568B2 (en) | 2016-09-30 | 2022-11-08 | Hitachi Metals, Ltd. | Method for manufacturing solenoid sleeve |
-
1992
- 1992-06-26 JP JP4168999A patent/JPH0623567A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11491568B2 (en) | 2016-09-30 | 2022-11-08 | Hitachi Metals, Ltd. | Method for manufacturing solenoid sleeve |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |