JP2774706B2 - ステンレスクラッド製品の製造方法 - Google Patents

ステンレスクラッド製品の製造方法

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JP2774706B2
JP2774706B2 JP3097526A JP9752691A JP2774706B2 JP 2774706 B2 JP2774706 B2 JP 2774706B2 JP 3097526 A JP3097526 A JP 3097526A JP 9752691 A JP9752691 A JP 9752691A JP 2774706 B2 JP2774706 B2 JP 2774706B2
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隆男 藤川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静水圧力およびガス圧
を利用した固相拡散接合方法を用いて、ステンレスクラ
ッドされた金属製品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、我々の日常生活で目に触れる金属
製品で、錆が美観や機能の点で問題となるものでは、従
来の普通鋼からステンレス鋼に、もしくはステンレスで
クラッドした普通鋼に材料が変化しつつある。とくにス
テンレスでクラッドした製品の普及は、建材、日用製品
を主体に急速に進みつつある。建材としては、電車等の
内装材、日用製品としては物干しざおや鍋釜の類がそれ
らの例としてあげられる。これら製品の製造方法として
は、大きく分けて2つの方法が知られている。
【0003】その1つは、圧延や押出し加工時に、芯材
とクラッド材を重ねて素材としてこの加工時に接合させ
て、ステンレスでクラッドされた板やパイプなどの中間
素材を得、この中間素材を更に絞り加工して鍋・釜とす
る方法である。もう1つは、ステンレスの熱膨張係数が
大きいことを利用して、焼嵌め的な方法で、パイプなど
の外面にステンレス箔を密着させる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の2つの従来方法
には、下記の如き欠点がある。まず、第1に、両方法と
も、表面に数mmレベル以上の凹凸のあるような製品を得
ることが不可能である。また、前者の中間素材としてク
ラッドした板を用いる方法の場合には、これを必要な大
きさに切出して使用することとなるが、この際、切断端
面では、内部の素材が露出するため、この内部素材が普
通鋼であれば、この部分が錆びるという問題がある。さ
らに、この中間素材を溶接して製品とする場合には、溶
接部の溶接金属は内部の普通鋼と表面のステンレス鋼が
混じった組成となり、同様に錆の問題や、とくに応力腐
食割れの問題を生じやすくなる。
【0005】一方、後者の焼嵌め的な方法の場合には、
形状が限定されること、および冶金学的にクラッドされ
たステンレスが母材と結合していないため、とくに面方
向に大きな摩擦力を受けるような部材には適用ができな
い。本発明は、上記の如き従来技術の欠点を解消し、種
々の形状、とくに表面に凹凸を持つような製品にも適用
が可能な方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、厚さ30〜300 μm のステンレス箔を袋状も
しくは容器状に形成し、その内部に被クラッド部材を挿
入して内部を気密に封入した後、冷間で 100kgf/cm2
以上の等方圧力を作用させてステンレス箔を被クラッド
部材の外面形状に沿って変形させ、次いで、10kgf/cm
2 以上の等方圧力下で加熱してステンレス箔と被クラッ
ド部材を固相拡散接合させる構成を採用し、更に冷間で
の等方圧力による加工と、固相拡散接合とを、HIP装
置内で連続して行うという構成を採用したものである。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図9により詳
細に説明する。図1〜図4は本発明方法の工程を順次示
した説明図である。図1において、1 は被クラッド部材
であり、該部材1 をステンレス箔を溶接して作製した封
筒状の袋2 に収納する。ステンレス箔の厚さは、30〜30
0 μm 、好ましくは50〜150 μm である。なお、本発明
で箔の厚さを30〜300 μm に限定したのは30μm 未満で
は箔にピンホール状の孔が含まれることが多く、等方圧
を作用させる際にシール不良となって接合されなかった
り、また強度不足で破れることも多いことによる。
【0008】一方、300 μm を越えると装着性を良くす
るのに大きな圧力が必要となり、従ってコスト高の要因
ともなり、また、通常の用途では厚いクラッドは不変で
ある。また後述するように、冷間圧縮時の破損軽減の観
点から焼なまし処理をして、延性を充分に付与したもの
を使用する。袋状への加工は、ハイパルスTIG、シー
ム溶接あるいはYAGレーザ溶接法を用いて、重ね溶接
したものが、簡便かつ気密性確保の観点から推奨され
る。この場合の溶接線は符号3 の如くである。
【0009】次いで図2Aに示すように、袋2 を溶接線
3 の部分で開口4 部分を溶接して気密に封入する。袋2
の内部は真空とすることが好ましいが、後述の拡散接合
のための加熱時の温度で、空気の主成分である窒素と酸
素を吸収しやすいジルコニウムやチタンなどをゲッター
材として袋の中に入れておいても真空封入に近い効果を
得ることが可能である。なお、図2Bは図2Aの断面図
を示す。
【0010】次いで、図3Aに示すようにこの袋全体を
たとえば、冷間静水圧プレス(CIP)装置に入れて 1
00kgf/cm2 以上の静水圧力を作用させて、ステンレス
箔を被クラッド材1 の外面形状に沿うように変形させ
る。圧力は、ステンレス箔の厚さ、硬さ、被クラッド材
1 の凹部の形状によって適宜選択する。しかしながら、
本発明で前記 100kgf/cm2 以上に限定したのは、多く
の材料で 100kgf/cm2未満では形が不十分であり、
特に凹形のコーナ部での密着性が乏しくなるという理由
からである。アニール処理して硬さをHv〜180 kgf/mm
2 とした 100μm厚のSUS304箔であれば、100 kg
f/cm2 の圧力で凹のRが1mm弱のものにまで密着変形
させることが可能である。また、この静水圧圧縮時に箔
の表面が圧媒の水に接触して汚れることがあるが、これ
を防止するため全体をさらにポリエチレンの袋に封入す
ることが好ましい。なお、図3Bは図3Aの断面図を示
す。
【0011】このようにして、準備した被処理体をHI
P装置6 などの高温下でガス圧力を作用させる装置に入
れ、昇温・昇圧する (図4A、図4B参照)。昇温・昇
圧のパターンおよび最終的な温度・圧力は、被クラッド
材1 の材質や、ステンレス箔袋内の真空度の完全さなど
によるが、図5に示すように、少なくとも最初に10kgf
/cm2 以上の圧力をかけて、昇温に伴う袋の膨張を抑制
することが推奨される。このさい前記圧力に限定したの
は300 μm 以下の箔であればこの程度の圧力で接合に必
要な密着性が得られるという理由からである。被クラッ
ド材がSS41などの普通鋼の場合、温度が1000℃以上
であれば10kgf/cm2 以上の圧力で一応の拡散接合が可
能である。なお、前記温度は被クラッド材の材質により
適宜選択するが、再結晶温度より高い温度であることが
必要である。この拡散接合処理工程では、基本的にはア
ルゴンなどの不活性ガスを加圧媒体として使用するが、
このガスが不純物等で汚れている場合には、クラッド後
の製品の表面が光沢を失いかつ変色するので、ガスの純
度を保つため、ゲッター材を炉の中に配置したり、製品
をステンレス製の袋の中に入れて(溶接封入はしない)
セットするなどの方策を併用することが推奨される。
【0012】以上のように拡散接合処理の終った製品
は、余分なステンレス箔部を切断除去して、最終製品
(図示せず) となる。本発明の注目すべき点は、まず冷
間でクラッドしようとするステンレス箔を被クラッド部
材の外面形状に沿うように変形させる点にある。すなわ
ち、比較的硬度の低い(Hvで 250kgf/mm2 以下) 、た
とえばアニールされたステンレス箔は、冷間での変形能
に富んでおり、流体圧力を用いれば、被クラッド部材の
凹凸部の高さの差が、箔の厚さの50〜100 倍程度までで
あれば、圧力値やエッジの有無にもよるが、破断するこ
となく変形させることが可能との知見を得たことによ
り、なしえたものである。また、高温下で同様のステン
レス箔の変形加工をしようとすると、被クラッド部材が
SS41などの普通鋼や銅合金の場合、高温下ではこれ
ら材料の強度低下が著るしく、ステンレス箔の変形と同
時に被クラッド部材まで変形してしまうという現象を発
見したことによりなし得たものである。
【0013】この冷間でのステンレス箔成形の圧力は、
箔の厚さと被クラッド部材の形状、とくに凹部エッジの
曲率Rなどにより選定される。前述の如く、ステンレス
箔の厚さが 100μm 程度の場合、100 kgf/cm2 の圧力
でR〜1mm程度まで成形が可能であるが、箔厚が更に大
きい場合や、Rがもっと小さいものを含む被クラッド部
材の場合には、数千kgf/cm2 以上の圧力を付与するこ
とが好ましい。
【0014】なお、本発明は場合によっては、前述の冷
間静水圧処理とガス圧下での拡散接合処理を、同一の装
置で連続的に行うことも実施可能で、この場合には、H
IP装置を用いることが適している。圧力・温度のパタ
ーンは、たとえば図6のようになる。この場合の利点と
しては、ステンレス箔が水(通常は防錆油を含む)に接
触しないのでクリーンなまま全処理が可能であること、
および拡散接合処理時の圧力を数100 kgf/cm2 以上の
高圧にする場合には、トータルの処理時間を短縮できる
ことがあげられる。
【0015】以下、本発明の具体的実施例を比較例と共
に、表1および図7〜図9により説明する。図7、図
8、図9に示す被クラッド部材は、いずれも、従来技術
では製造が困難なものである。
【0016】
【表1】
【0017】上記表1における実施例1〜3によれば、
得られた製品は何れも良好なクラッド状況を呈してい
た。特に形状的には最も単純な実施例3のSUS304
クラッド銅材は、圧延などの従来法では強固な接合状態
が得られなかったものであるが、前記のように強固な接
合状態が得られ、この材料を使用して、塑性加工により
鍋などの成形が可能となったのである。
【0018】一方、比較例1は、本発明の拡散接合条件
であるガス圧が5kgf/cm2 と低く、比較例2はステン
レス箔の厚さが20mmと薄く、比較例3は 500℃の熱間成
形であり、何れも表1の結果に記載したように良好な製
品が得られなかった。
【0019】
【発明の効果】本発明は、厚さ30〜300 μm のステンレ
ス箔を袋状若しくは容器状に形成し、その内部に被クラ
ッド部材を挿入して内部を気密に封入した後、冷間で特
定の静水圧力を作用させ、ステンレス箔の被クラッド部
材の外面形状に変形させ、次いで特定のガス圧力下で加
熱してステンレス箔と被クラッド部材を固相拡散接合さ
せるようにしたので、従来技術では製造の困難であった
凹凸を有するような被クラッド部材に対し強固なクラッ
ド状態が得られ、また、従来技術では強固な接合が得ら
れなかった銅材へのステンレスクラッドも可能になるな
ど、種々の産業分野への寄与するところ頻る大きいと考
えられる。とりわけ、近年の建材や日用品の装飾性の向
上の観点から、錆を発生しないステンレス鋼を安価な普
通鋼材の表面に、比較的安価にクラッドしうる本発明
は、時代の要請に応える技術として大きな期待が寄せら
れるものと考える。
【0020】また、本発明において、特に冷間でのステ
ンレス箔の静水圧力による加工と、ガス圧下で拡散接合
を同一装置を用い、ガス圧力で連続して行なうと、ステ
ンレス箔が水に接触しないので、クリーンなまゝ全処理
が可能であり、かつ拡散接合処理時の圧力を数100 kgf
/cm2 以上の高圧にする場合には、トータルの処理時間
を短縮することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の最初の工程であるセットを示す説
明図である。
【図2】本発明方法の次の工程である真空封入を示す説
明図Aと断面図Bである。
【図3】本発明方法の、更に次の工程であるステンレス
箔成形(CIP)を示す説明図Aと断面図Bである。
【図4】本発明方法の、更に次の工程である拡散接合
(HIP)を示す説明図Aと断面図Bである。
【図5】本発明方法の昇温・昇圧のパターンを示したグ
ラフ図である。
【図6】本発明方法の昇温・昇圧のパターンを示したグ
ラフ図である。
【図7】被クラッド部材の1例斜視図である。
【図8】被クラッド部材の1例斜視図である。
【図9】被クラッド部材の1例斜視図である。
【符号の説明】
1 被クラッド部材 2 ステンレス箔の袋 3 溶接線 4 開口 5 溶接線 6 HIP装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−13283(JP,A) 特開 平1−225505(JP,A) 実願 昭63−144557号(実開 平2− 65492号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 20/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ30〜300 μm のステンレス箔を袋状も
    しくは容器状に形成し、その内部に被クラッド部材を挿
    入して内部を気密に封入した後、冷間で 100kgf/cm2
    以上の等方圧力を作用させてステンレス箔を被クラッド
    部材の外面形状に沿って変形させ、次いで、10kgf/cm
    2 以上の等方圧力下で加熱してステンレス箔と被クラッ
    ド部材を固相拡散接合させることを特徴とするステンレ
    スクラッド製品の製造方法。
  2. 【請求項2】冷間での等方圧力による加工と、固相拡散
    接合とを、HIP装置内で連続して行うことを特徴とす
    る請求項1に記載のステンレスクラッド製品の製造方
    法。
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