JP2892172B2 - 金属箔クラッドセラミックス製品およびその製造方法 - Google Patents
金属箔クラッドセラミックス製品およびその製造方法Info
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Description
(以下HIP法という)を利用した金属箔でクラッドさ
れたセラミックス製品およびその製造方法に関するもの
である。
性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性において、金属材
料を凌ぐものが多く、その機能を利用した種々の製品が
製造され実用に供されている。しかし、セラミックスに
共通した欠点、すなわち、基本的に脆性材料であること
から、実用に際しては、常に次の2つの問題についての
配慮が必要なことが、利用分野の進展を阻害してきた。
ここで、2つの問題とは、 脆性材料であるため、小
さな傷やクラック(亀裂)が発生するとこの伝播速度が
速いために瞬時にして破壊に至る。
る。通常、これらの問題を解決する方法としては、セラ
ミック部品の形状を簡素化して応力集中の発生を避け、
金属との結合には、焼嵌め、ボルト締め、あるいは表面
にメタライズ法や蒸着などの方法により金属被膜を形成
した後ロー付け、ハンダ付けする方法が用いられてい
る。
本来の機能を利用している部位は局所的であることが多
いので、この部分を除いて表面を靭性に富んだ金属材料
でクラッドしてやることにより、このような問題点を回
避することが可能である。しかし、残念ながら、これま
で安価にかつ確実に、セラミックス材料の表面を金属で
クラッドする方法がなく、実用化されているものがほと
んどないのが現状である。
り、被処理材を圧縮加工する技術であり、粉末材料の加
圧焼結、鋳造欠陥の圧潰、加圧拡散接合の方法として近
年急速に普及したものである。このHIP技術を用いる
ことにより、セラミックスの表面に金属をクラッドする
ことが可能であり、たとえば、特公平1−37238 号公報
には、HIP技術による金属クラッドセラミックパイプ
の製造方法が開示されている。
−37238 号公報に示された技術を除けば、セラミックス
の表面を金属で強固にクラッドした製品はほとんどない
のが実状である。セラミックスの表面にメタライズ法や
蒸着法を用いて金属被膜を形成した後、クラッド材をロ
ー付けやハンダ付けした製品では、必ずしも冶金学的に
十分接合されている訳ではなく、また、ロー材やハンダ
の耐熱性も低いことから、高温下で使用するには不適当
である。
技術は、円筒上のセラミックスの外表面にのみクラッド
するものであり、クラッド時にその幾何学的な特徴を利
用しているから、必ずしも一般性のある技術ではない。
本発明は、前述の如き、セラミックス材の脆性とくに引
張応力に起因するクラックの伝播に対する敏感さと、金
属材料との結合 (接合) の困難さを、低減もしくは改善
した金属クラッドセラミックス製品と、その製造方法を
提供する目的でなされたものである。
ための本発明は次の技術的手段を講じている。すなわ
ち、請求項1に係る本発明では、セラミックス焼結体の
外表面を厚さ30〜300 μm の金属箔でクラッドしかつH
IP接合して成り、HIPにより発生した金属箔中の引
張り応力が前記金属箔に残留していることを特徴とする
ものである。
ックス材を、厚さ30〜300 μm の金属箔で形成した容器
中に配置し、該容器中を外部に対して気密に封着した
後、前記金属箔の再結晶温度以上の温度でHIP処理す
ることでセラミックス材の表面に金属箔をクラッドした
状態でHIP接合し、HIP処理により発生した金属箔
中の引張り応力が前記金属箔に残留していることを特徴
とするものである。
の表面は30〜300 μm の金属箔2,3 でクラッドされ、か
つHIP接合されているのでその接合力は十分である。
また、セラミックス材1 の残留応力は金属箔2,3 で保持
されているので、本来的に脆性材料であるセラミックス
材1 の瞬時破壊などを防止する。
ると、図2〜図5は請求項1に係る本発明の実施例を示
しており、図2は、セラミックス焼結体又はセラミック
ス成形体等の板状とされたセラミックス材1の上下両表
面がクラッド材である金属箔2,3 で被覆され、HIP接
合してなり、金属箔2,3は厚さ30〜300 μm とされてい
て、該金属箔2,3 はHIP処理後において残留引張応力
をもっている。
あり、セラミックス材1 とともに金属材4 が厚み30〜30
0 μm の金属箔2,3 でクラッドされ、かつHIP接合さ
れていて、取付孔5 が形成してある。図4および図5は
軸受部材で例示した本発明実施例であり、軸受孔6 を有
するセラミックス材1 の上下両面および外周面が厚み30
〜300 μm の金属箔2,3 でクラッドされ、かつHIP接
合されており、金属箔2,3 は取付孔5 を有する周辺部7
として形成されている。
ても、HIP処理後において金属箔2,3 は残留引張応力
をもっており、セラミックス材1 の材質としては、アル
ミナ、部分安定化ジルコニア、ムライト、窒化ケイ素、
炭化ケイ素などのいわゆるファインセラミックスのほ
か、ガラスなども適用が可能である。また、金属箔2,3
としては、ステンレス、銅、アルミニウム、チタン、タ
ンタル、モリブデンなどが代表的な例としてあげられ
る。
製造方法が例示されている。図1において、母材となる
セラミックス材1 を、厚さ30〜300 μm 好ましくは50〜
150 μm の金属箔2,3 からなる袋状の容器8 の中に収納
する。この容器8 は、基本的に金属箔2,3 を2枚重ね
て、もしくは1枚の箔を折り曲げて、一方だけ開口する
ように、溶接により形成したものである。
接、シーム溶接、TIG溶接、あるいはエレクトロンビ
ーム溶接が適している。図の例では、重ね溶接構造を示
しており、破線部分が溶接線8Aであって完全に気密に溶
接されていることが必須要件である。次の工程で内部を
外部に対し気密に封着するが、この封着の際に内部を真
空引きしない場合には、内部の残存空気や湿気がクラッ
ド時の接合状態を不完全にするので、内部にセラミック
ス材1 および金属箔2,3 と反応しないゲッター材9 を入
れておくことが推奨される。この時、このゲッター材9
は、容器内でHIP処理後、切断して除去するような部
位に入れておくことは言うまでもない。
態としては、箔を用いることが容器形状の観点および効
率から好ましい。セラミックス材1および必要に応じゲ
ッター材9 を容器8 内にセットした後、開口部を他の部
分と同様の方法で溶接により封着する。この溶接は、真
空中で行なうことが最善であるが、TIG溶接のように
真空中での溶接が困難な場合には、容器内部のみを真空
引きするための脱気管を付与して脱気するか、ゲッター
材9 の使用が好ましい。
圧、加熱して金属箔2,3 を母材であるセラミックス材1
に密着せしめると同時にHIP接合される。ここで、図
1の符号FがHIP処理中の等方圧を示し、金属箔2,3
は厚みが30〜300 μm であるので、セラミックス材1 の
外表面になじみ易くHIP接合を十分に確保する。又、
金属箔2,3 は通常、圧延にて製作したものを用いるが厚
み30μm 以上であると圧延中に生じるピンホール等もな
く有利となる。
を下げて、HIP装置が取り出せば、セラミックス板1
は金属箔2,3 でクラッドされ、かつ、この金属箔2,3 は
残留引張応力を保持しており、逆に内部のセラミックス
材1 には残留圧縮応力が保持されている。HIP処理温
度・圧力のパターンは非常に重要で、元の金属箔が室温
近傍で十分な延性をもっている場合には、圧力をある程
度先に上げてから昇温するパターンで操業することが好
ましい。
箔2,3 は塑性変形して、細部を除いて密着し、外部から
圧力が加わっているため、次の加熱過程でセラミックス
材1などに吸着していたガス・水分が気化して内圧を発
生しても、ほとんど密着状態が損れない。また降温、降
圧工程では、とくに降温速度を余り速くしないことが重
要で、金属箔2,3 の再結晶温度以下になるまでは、200
℃/hr以下とすることが好ましい。このように降温速度
を抑えることにより、高温時に発生した温度の残留応力
は、クリープ現象によりその量が減少し、適度な残留応
力のみが残るようにすることが可能である。
断除去し、また必要に応じ、表面を研磨加工などして製
品を得る。金属箔2,3 の厚みが300 μm 以下であるので
ハサミ等で切断除去することも容易である。また、図2
に示す製品の製造はセラミックス材1 とともに、最初に
金属部材4 をセットしておいて、複合化することも、製
品の形状によって採択することができる。この場合、最
後に穴などの加工を加えて最終製品ができあがる。
る理由は下記の通りである。HIP後のセラミックスと
金属箔の間の熱応力に起因する残留応力があまり大きく
なると、セラミックスは壊れてしまうので金属箔はある
程度の応力以上になったら塑性変形してこの応力を緩和
してくれることが必要でこのためには、あまり厚いもの
は平均的な応力が小さくなって塑性変形してくれないた
め好ましくないと言えるからである。
製品の寸法、箔の厚さ、セラミックス材の材質、箔の材
質が大きく関与する。これらの組合せによっては、箔の
残留応力が大きくなりすぎて、裂けたり、内部のセラミ
ックスが割れることも生じる。このような場合には、セ
ラミックスと箔の間に、金属製のインサート材を挿入す
ることも必要である。この場合、インサート材は、厚さ
が箔と同等以下で、熱膨張係数がセラミックス板の材料
に近いものを選定することが好ましい。
条件を表1に示す。
は、衝撃力による割れの問題や、金属部材との結合が困
難であった部材の製造の問題が解消され、従来以上にセ
ラミックスの工業的な利用が推進されるなど産業上大き
な寄与が期待される。具体的には下記の通りである。
ラッドが可能である。代表的な例として、ステンレスや
Ti-6Al-4v 合金があげられる。 2)残留応力は、クラッド材料(金属箔)に引張応力、
母材のセラミックスに圧縮応力として残留しており、セ
ラミックスの引張りに弱く圧縮に強いという特徴を活か
した構造となる。
るクラッド材料が限定され、かつピンホールなどの欠陥
を含み易く、かつ接合強度が低いのに対し、本発明は、
これら全ての欠点が解消される。 4)スパッタリング、蒸着などで30〜300 μm のクラッ
ドを付与するには数日以上の時間を要し現実にはこのよ
うな厚いクラッドをこれらの方法で行う事は希であり、
生産性がよくない。また、接合強度もあまり高くないの
に対し、本発明では、これらの欠点が解消される。
材料が限定される(Cu,Mn etc) 。 6)溶射では基本的にポーラスなクラッド層しか付与し
えず、本発明のような良質なクラッド層は得られない。
Claims (2)
- 【請求項1】 セラミックス焼結体の外表面を厚さ30〜
300 μm の金属箔でクラッドしかつHIP接合して成
り、HIP処理により発生した金属箔中の引張り応力が
前記金属箔に残留していることを特徴とする金属箔クラ
ッドセラミックス製品。 - 【請求項2】 セラミックス材を、厚さ30〜300 μm の
金属箔で形成した容器中に配置し、該容器中を外部に対
して気密に封着した後、前記金属箔の再結晶温度以上の
温度でHIP処理することでセラミックス材の表面に金
属箔をクラッドした状態でHIP接合し、HIP処理に
より発生した金属箔中の引張り応力が前記金属箔に残留
していることを特徴とする金属箔クラッドセラミックス
製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9437891A JP2892172B2 (ja) | 1991-04-24 | 1991-04-24 | 金属箔クラッドセラミックス製品およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9437891A JP2892172B2 (ja) | 1991-04-24 | 1991-04-24 | 金属箔クラッドセラミックス製品およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04325470A JPH04325470A (ja) | 1992-11-13 |
JP2892172B2 true JP2892172B2 (ja) | 1999-05-17 |
Family
ID=14108656
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9437891A Expired - Lifetime JP2892172B2 (ja) | 1991-04-24 | 1991-04-24 | 金属箔クラッドセラミックス製品およびその製造方法 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (6)
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---|---|---|---|---|
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DE102013113734B4 (de) * | 2013-12-10 | 2018-03-08 | Rogers Germany Gmbh | Verfahren zum Herstellen eines Metall-Keramik-Substrates |
DE102020111700A1 (de) | 2020-04-29 | 2021-11-04 | Rogers Germany Gmbh | Trägersubstrat und Verfahren zur Herstellung eines Trägersubstrats |
DE102020111697A1 (de) | 2020-04-29 | 2021-11-04 | Rogers Germany Gmbh | Trägersubstrat und Verfahren zur Herstellung eines Trägersubstrats |
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DE102020120189A1 (de) | 2020-07-30 | 2022-02-03 | Rogers Germany Gmbh | Verfahren zur Herstellung eines Metall-Keramik-Substrats und ein Metall-Keramik-Substrat hergestellt mit einem solchen Verfahren |
-
1991
- 1991-04-24 JP JP9437891A patent/JP2892172B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH04325470A (ja) | 1992-11-13 |
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