JPH0623538Y2 - 溶滓注入冷却容器 - Google Patents

溶滓注入冷却容器

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JPH0623538Y2
JPH0623538Y2 JP11722688U JP11722688U JPH0623538Y2 JP H0623538 Y2 JPH0623538 Y2 JP H0623538Y2 JP 11722688 U JP11722688 U JP 11722688U JP 11722688 U JP11722688 U JP 11722688U JP H0623538 Y2 JPH0623538 Y2 JP H0623538Y2
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tilting
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cooling container
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仁 塩山
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、転炉、溶銑予備処理、溶鋼処理、造塊、連鋳
設備等で発生する溶融スラグを受滓し、冷却しつゝ所定
の処理場への搬送並びに排滓時に用いる溶滓注入冷却容
器に関する。
(従来の技術) 溶滓注入冷却容器は、転炉、溶銑予備処理、溶鋼処理、
造塊、連鋳設備等で発生する溶融スラグを受滓し、冷却
しつゝ所定の処理場への搬送並びに排滓時に用いられて
いるが、重機設備費、運搬作業費並びに小分割・破砕作
業費等多くの費用をかけてバラス製造及び地金回収をし
なくてもいゝように、溶滓や地金の小分割が容易で排滓
が簡便に作業が可能なように、浅底型の平面積部を有す
る構成の容器が使用されている。
ところが、この種容器における溶滓注入時には、それ自
体が高温溶融状態にあるから、容器本体の底板鉄皮内面
が高温に曝され、局部的に高温となり、更に、溶滓が注
入されて時間が経過するに伴って容器全体が高温化さ
れ、そして、溶滓の排滓後は容器が放冷され、容器内外
面が冷却される。従って、容器自体は溶滓注入時から排
滓までの間に加熱・冷却の反復による熱応力の影響によ
って変形し、それに加えて溶滓による底板鉄皮内面の焼
付き、上部補強部材の継手構造部に亀裂が生じ、そこに
溶滓の地金が詰まって容器自体の使用を不可能としてい
た。この打開策として、従来は容器の構成をその全体形
状の長手方向中心線に対し、左右対称構造に構成し、溶
滓注入時から排滓までの間の加熱・冷却の反復によって
生ずる熱応力の影響を最小限に抑止しようとしていた。
しかしながら、上述の構成の溶滓注入冷却容器にあって
も所定の耐用寿命を全うすることができなかった。
(考案が解決しようとする課題) 前掲の通り、従来の溶滓注入冷却容器においては、溶滓
注入時から排滓までの間の加熱・冷却の反復によって生
ずる熱応力の影響に対する底板等の各構成部材の変形を
抑止することが充分に行えず、又容器自体についてもそ
の変形の抑止が行えず、結局、早いものでは1〜2ケ月
で各部の変形が生じ、その部分の補修・取り替えが困難
となって使用に耐えられない結果となり、最終的には容
器を廃却せざるを得ず不経済であった。
更に、容器全体の変形が顕著になれば、その容器を構成
する各構成部材の多くに亀裂発生が見られ、それらの補
修が極めて困難となり、加えて、搬送台車や傾動装置と
の連携作動が円滑に行えない状況となっていた。
この為、この種溶滓注入冷却容器として耐用寿命の長
い、しかも溶滓の熱影響による容器の変形を最小に抑止
し得る構造のものが要望されているが、本考案は上記要
望を満足するために、次の問題点を解決することを課題
とした。
容器底部が容器の全高さの中央位置に近ずくに従って
耐変形抵抗が増大すること、初期の溶湯受滓機能が容器
の全高さの中央位置に近ずくに従って悪化するとの観点
から、容器の底板の設置高さを最適な位置に設置する必
要があること。
上記容器底板の耐変形性能向上をより一層高めたもの
とすること。
上記容器底板の耐変形性能向上をより一層高める為の
底板の構造及びその補強構造並びにその使用材料を最適
な材料にすること。
容器の傾動時に生ずる過大な曲げ応力に耐えられる傾
動用回転金具並びに吊り具構造とし、傾転不良がないよ
うにすること。
容器底板上に設ける区画部材部分の亀裂損傷が少ない
組立構造とすること。
本考案は前述の諸点に鑑み考案されたものであって、上
記乃至の問題点を解決した構造の溶滓注入冷却容器
を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 前掲の目的を達成する手段として本考案は、四周部に上
広がり状とした側板を配設した全体が矩形状の容器本体
と、該容器本体の側板下端部から100mm〜300mmの位置に
設置した底板とで全体が構成される他、上記底板の表裏
面に補強部材が配設され、更に、前記容器本体の一側に
傾転用吊持具を、又該傾転用吊持具の対向位置の他側に
傾転用回転具を設けた構成の溶滓注入冷却容器の基本構
成とし、上記底板の構成として、底板の裏面に不定形耐
火物を裏打ちした構成にしたこと、底板の特定区画部分
に耐火物を配設した構成にしたこと、及び底板を上底と
下底との中空構造とする他、該中空構造部に上底溶落防
止部材を配設した構成にして底板の耐変形性を向上させ
る構造としたこと、容器本体の一側に設けた3枚以上の
ブラケットと支軸とを一体的に構成した傾転用吊り具
と、又該傾転用吊り具の対向位置の他側に設けた2個以
上の傾転用回転具とを前記容器本体の重心点を通過する
延長線上に位置する如く配置させた構成、及び底板の上
部に縦横に配した上部補強部材の交差部に垂直柱状空間
部を形成し、該空間部に溶材を溶融充填して前記縦横補
強部材を底板に一体的に取りつけた構成を採用したもの
である。
(作用及び実施例) 以下、本考案溶滓注入冷却容器の実施例を第1図乃至第
9図に依拠して説明する。
先ず、本考案溶滓注入冷却容器の基本構成を第1図の平
面図、第2図の縦断正面図及び第3図の縦断側面図によ
り詳述する。
高さ815mm、板厚50mmの側板(1)を長辺側板(1a)として7.
9mの長さに形成し、又短辺側板(1b)として4.0mの長さ
に形成すると共にそれら四辺部が上広がりの勾配(15
度)となるように長方形に組立て、その後それら長辺と
短辺の側板(1a)(1b)相互間を溶接して容器本体(2)とし
て構成し、この容器本体(2)に厚さ80mm、縦長7.6m、横
長3.6mの底板(3)を上部より嵌め込み、該容器本体(2)
の下端より200mm、上端より500mmの位置に溶着する。
そして、上記底板(3)の上面には、高さ100mm、幅110mm
の上部補強部材(4)を格子状に枠組みして配設した後溶
着する。尚、該上部補強部材(4)は、底板(3)の変形防止
の補強用並びに地金小分割仕切用の為に配設している。
更に、底板(3)の裏面には下部補強部材(5)として110mm
角の鋼棒3本を長辺側板(1a)の長さ方向に沿って溶着
し、該下部補強部材(5)と前記上部補強部材(4)と相俟っ
て底板(3)の変形防止に寄与する。
溶滓注入冷却容器の基本構成は以上の通りであるが、こ
の容器は溶滓を充填・冷却後、処理場まで運搬され、そ
こで容器を傾転して排泄するようにしているが、その傾
転用として第1図及び第2図に示す如く、長辺側板(1a)
の一方の中央位置に4枚の鉤状のブラケット(6a)…を支
軸(6b)に固着して構成された傾転用吊金具(6)を取りつ
け、又底板の裏面には一枚の板材(7a)とピン(7b)からな
る傾転用回転金具(7)2個を、前記傾転用吊金具(6)と容
器(2)の重心点とを結ぶ延長線上の対向位置に取りつけ
た構成にしている。
本考案の溶滓注入冷却容器の全体構成は上述の通りであ
るが、上記実施例では底板(3)を容器本体(2)の下端より
200mm、上端より500mmの位置に溶着したが、それは後述
する理由により容器本体(2)の下端より100mm〜300mmの
範囲であればよい。
即ち、この種溶滓注入冷却容器は、該容器の底板(3)の
設置位置が容器の全高の中央位置に近ずくに従って耐変
形抵抗が増大すること、他方、初期の溶湯受滓機能が容
器の全高さの中央位置に近ずくに従って悪化するとの知
見に基づき、底板(3)の設置位置を上述の如き範囲に設
定したものであって、それが100mm未満の小寸法の位置
に設置した場合には、側板(1a)(1b)高温領域が下部へ集
中して該側板(1a)(1b)は底板(3)の変形に追随しながら
変形するので、その変形を拘束することができない。ま
た、底板(3)の設置位置を底部から300mmを越える位置に
設置した場合には、側板(1a)(1b)の縦長寸法を増大させ
ねばならず、その結果、容器本体(2)の全体重量が増加
し、更には運搬台車上に搭載する櫓状架台が高くなるこ
とや、傾転用回転心が遠方となる等操業上の問題がある
との理由から、上述の通り設定したものである。
尚、上述の実施例の変形例として図示は省略するが以下
の構成も有効である。
即ち、側板(1)の構成として、隅部(コーナ部)Rに曲
率を持ったプレス成形部材、鋳鋼製部材を配設すること
により容器本体の耐変形性の向上を図る構成、或いは底
板(3)の構成として複数本のスリットを形成するか、又
は底板(3)自体を小分割したものを集合一体化した構成
にし、底板(3)の可逆膨張収縮性の向上を図り、全体と
しての耐変形性の向上を期待した構成、更に、底板(3)
の表面に地金や溶滓の付着防止用の耐火・耐熱被覆処理
を施すこと、そして、底板(3)の中央部分に向かって下
傾斜するように全体を構成すると共にその中央部分に排
水用孔を穿設した構成にし、雨水等が溜まって水蒸気爆
発を起こすことがないように構成すること等も当該実施
例の範疇である。
本考案の溶滓注入冷却容器の基本構成は以上の通りであ
るが、該容器の耐変形性能向上を図る要因として、底板
(3)の変形を皆無にすることが挙げられるが、その構成
の実施例を第4図乃至第6図の各縦断正面図に基づき説
明する。
第4図において、容器(2)全体は前述の通りの基本構成
であるが、底板(3)の耐変形性能の向上を図る為に、そ
の下部に径3mm、高さ70mm、Y字開き角度90°のYスタ
ッドを150mm間隔に埋設し、次いで100mm程キャスターを
注入した後乾燥させた不定形耐火物(8)を裏打ちした構
成にした。
上記不定形耐火物(8)は、特に限定されることなく使用
できるが、セメント(ポルトランドセメント、高炉セメ
ント等)や屋根瓦用の粘土類であっても同効である。但
し、MgO−CaO系のドロマイト、特に不焼成ドロマ
イトのような潮解性がある物質は避けた方が良い。
そして、この不定形耐火物(8)の見掛け気孔率は、15〜2
5程度でよいが、これにランマー施工をすることによっ
てより一層の耐変形性能を発揮させることができる。
また、底板(3)に裏打ちする不定形耐火物(8)の変形例と
しては、半片煉瓦を張りつけ、それにキャスタブルを流
し込んで補強した構成にしてもよく、これにより底板
(3)を実質的に厚くした効果が期待できるばかりでなく
耐用寿命の延長化が図れるものである。
尚、上記ポルトランドセメント、高炉セメントを使用す
る場合には、補強材としてスティールウール、セラミッ
クウール、無アルカリ性のグラスロン、チョッブド、ス
トランド、マットなどのファイバー物質を混入する方が
良い。
第5図の縦断正面図は、他の底板(3)の変形例を示した
ものであるが、底板(3)上面に上部補強部材(4)で格子状
に区画された中央小区画部(前記第1図に示すA部2箇
所)部分に耐火物(9)を配設した構成にしたものであ
る。
上記構成にすることによって、溶滓注入時に生ずる底板
(3)の局部的な歪みの発生が抑止でき、容器本体(2)全体
の変形も極端に緩和される利点を有する。
以上要するに、第5図の実施例は、底板(3)の上面の中
央小区画部Aに該底板(3)とは異質の非金属耐火物によ
る区画部を形成し、これにより底板(3)の変形をなくす
る構成であるが、上記非金属耐火物は、定形或いは不定
形を問わず、組成としては硅石質、半硅石質、蝋石質、
シャモット質、ジルコン質、炭化硅素質、高アルミナ
質、クロム質、スピネル質、炭素質、フォルテライト
質、クロムマグネシヤ質、マグネシヤ質、ドロマイト質
等の中から任意に選択すれば良く、又耐火物の原料とし
ても、溶融耐火物、焼成耐火物、不焼成耐火物、等のい
づれにあってもよく、更に、その施工手段においても定
形煉瓦、キャスタブル、プラチック、ラミング、吹きつ
け、圧入、こて塗り等の何れの手段でもよい。
また、上記非金属耐火物(9)は、原則として底板(3)上面
と面一とするが、湯溜まり用として上部補強部材(4)で
格子状に区画された中央小区画部(第1図のA部2箇
所)の底板(3a)を約50mm陥没させて構成し、この部分に
耐火物(9)を配設させてもよく、又逆にその部分を約50m
m隆起させておくことも湯流れの面ではよく支障はな
い。
尚、前記不定形耐火物を使用する場合には金具や補強材
を併設すれば耐スポーリング性や脱落防止性が向上す
る。
非金属耐火物(9)を配設しない小区画部は鋼板である
為、その変形防止処理手段として耐熱薄膜コーティング
を補助的に併用することもよく、耐火物(11)の表面に防
火性補助膜、例えば、樹脂フイルムを貼設したり、樹脂
のガス溶射皮膜を施すことも有効である。
更に、長寿命化の為に耐火物(9)の表面に独立した冷し
金を設置することも一策である。
第6図の縦断正面図に示す他の実施例は、底板(3)の構
成を上底板(30)と下底板(31)との二重構造とし、これら
を側板(1a)(1b)に溶着して内部を中空部とした構成のも
のであって、この様な構成にすることによって溶滓の熱
影響による塑性変形が均等に発生する如く作用し、又、
傾転用回転金具(7)の取りつけ位置も下底板(31)とする
ことが可能となるので、容器の傾動が円滑に行える副次
的な利点も期待できる。
容器本体(2)の側板(1a)(1b)と底板(3)に係る耐変形性の
向上の為の構成は、第1図乃至第6図の実施例で記述し
た通りであるが、底板(3)に設置する上部補強部材(4)の
改善点について第7図乃至第9図により説明する。
上部補強部材(4)は底板(3)の変形防止の補強用並びに地
金小分割仕切用の為に配設されているが、上述のように
容器本体(2)に受滓した後は、溶滓による加熱・冷却の
反復によって底板(3)及び側板(1a)(1b)が熱影響を受け
て変形が発生することゝ相俟って上部補強部材(4)と底
板(3)との溶着部に亀裂が生じたり、外れたりし、その
箇所に地金が詰まったりして使用が不可能となることが
多々ある。
本考案はこの点の改善策として、上部補強部材(4)とし
て、高さHを100mm、断面において上辺lを60mm、下辺
Lを110mm及び上辺の長さ60mmを基準として45°の角度
で三角錐となる形状に成形し、又その全長を1100mmとし
た断面台形状に形成し(第7図参照)、又その端部も上
述と同様な形状に成形し、そして、該上部補強部材(4)
32本を第8図及び第9図に示す如く、格子状に枠組み
し、それらの交差部に区画された垂直柱状空間部Sを設
け、この垂直柱状空間部Sに底板(3)上から上部補強部
材(4)の上面に向けて連続的に溶接し、溶着金属を充分
にし、溶着部の強度を高くした構成を採択した。
当該構成の実施例の如く上部補強部材(4)構造によれ
ば、底板(3)上から上部補強部材(4)の上面に向けて連続
的に溶接されているので、格子状に枠組みする交差部に
おける上部補強部材(4)の相互間、並びにそれらと溶着
される底板(3)が一体化された構成であるから引っ張り
強度等に対して強い構造とすることができ、その部分の
仕上げ加工面積が減少するので、作業時間の短縮化、製
作費用の低減も図れる。
従って、この種容器本体(2)にある受滓から排滓間及び
排滓後に生ずる加熱・冷却の反復による底板(3)及び側
板(1a)(1b)が熱影響を受けて変形が発生することゝ相俟
って上部補強部材(4)と底板(3)との溶着部に亀裂が生じ
たり、外れたりし、その箇所に地金が詰まったりして使
用不可能となることはなくなった。
溶滓注入冷却容器の受滓後における熱影響によって生ず
る各部材の変形に対する構成上の改善は上記の通りであ
るが、この溶滓注入冷却容器には排滓時の傾転時におけ
る問題もある。
即ち、この種溶滓注入冷却容器は、上述の如くその全体
構成が溶滓や地金の小分割が容易に、又排滓も簡便に作
業ができるように、浅底型の平面積部を有する構成にさ
れているが、容器本体(2)に変形が生ずることは固よ
り、底板(3)上面に地金焼付による排滓の剥離作業が困
難となる問題も残っている。
排滓の剥離性の問題は、排滓時の容器本体(2)の傾転機
構にも影響が波及する。それは、何度も傾転操作を繰り
返して底板上面に焼付いた地金の排滓を行い、この傾転
操作で出来ない時には人為的に地金の除去作業を行って
いる現状であって、操業上、稼働率の低下を来すばかり
でなく容器本体自体の損傷も起こしていた。
この原因を見ると、従来の傾転用回転金具や傾転用回転
吊り具は、傾転用回転金具が一箇所しか設けられておら
ず、溶滓が長辺側板(1a)の一方に偏在した場合等では該
傾転用回転金具と傾転用回転吊り具とを結ぶ線を中心と
して回転するので傾転作用が円滑に行えないとの問題が
あり、排滓が充分にできず、又該回転金具に過大な曲げ
応力が負荷してそれ自体の劣化原因ともなっていた。
更に、傾転用回転吊り具は、二枚のブラケットを支軸で
連結した構成にしていたので、一点吊りの状態となっ
て、そこに掛け止める吊りフックを太径の物にしなけれ
ば成らないことや前記支軸の軸径も太くする必要があっ
て、これら両者の構成が大型化し、その重量も嵩み傾転
作用が円滑に行えなかった。
この観点に立って本考案は、この部分の改善策として前
記第1図乃至第3図に示す如く、長辺側板(1a)の一方の
中央位置に4枚の鉤状のブラケット(6a)…を支軸(6b)に
固着して構成された傾転用吊り金具(6)を取りつけ、又
底板(3)の裏面には一枚の板材(7a)とピン(7b)からなる
傾転用回転金具(7)2個を、前記傾転用吊り金具(6)と容
器本体(2)の重心点とを結ぶ延長線上の対向位置に取り
つけた構成にした。尚、上記の実施例ではブラケット(6
a)は、鉤状のブラケット4枚を使用するようにしたが、
これは3枚以上であれば良く、又傾転用吊り金具は傾転
作動が円滑に行くならば2箇所以上設置してもい。
以上の改善された構成であれば、傾転作用が円滑に行え
るようになり、その結果として底板(3)表面に付着した
地金焼き付による排滓物の剥離作業容易に、しかも簡便
に行うことが可能となる。また、これら傾転用回転金具
(7)と傾転用回転吊り具(6)がコンパクトな構成となるの
で、容器全体の構成も小型となり、周辺設備との干渉も
ない。
(本考案の効果) 本考案の溶滓注入冷却容器によれば、底板(3)を容器本
体(2)の下端より100mm〜300mmの範囲内に設置するよう
にしたので、該容器底板の設置位置が容器の全高の中央
位置に近ずくに従って耐変形抵抗が増大すること、他方
では初期の溶湯受滓機能が容器の全高さの中央位置に近
ずくに従って悪化するとの従来の溶滓注入冷却容器の持
つ欠陥が解消できること、底板の下部に不定形耐火物を
裏打ちした構成、底板上面に上部補強部材で格子状に区
画された中央小区画部(図では2箇所)部分に耐火物を
配設させた構成並びに底板の構成を上底板と下底板との
二重構造とし、これらを側板に溶着して内部を中空部と
した構成を採用したので、底板自体が溶滓の熱影響によ
る塑性変形が均等に発生することゝなり、溶滓注入時に
生ずる局部的な歪みの発生が抑止でき、容器本体全体の
変形も極端に緩和される利点を有する。
そして、上部補強部材自体を断面台形状に形成し、これ
らを格子状に枠組みする交差部に区画された垂直柱状空
間部Sを設け、この垂直柱状空間部に底板上から上部補
強部材の上面に向けて連続的に溶接し、溶着金属量を充
分にし、溶着部の強度を高くした構成を採択したので、
格子状に枠組みする交差部における上部補強部材の相互
間、並びにそれらと溶着される底板が一体化された構成
であるから引っ張り強度等に対して強い構造とすること
ができ、受滓から排滓間及び排滓後に生ずる加熱・冷却
の反復による底板及び側板が熱影響を受けて変形が発生
することゝ相俟って上部補強部材と底板との溶着部に亀
裂が生じたり、外れたりし、その箇所に地金が詰まった
りして使用不可能となる等の問題点の解消が可能となっ
た。
また、傾転用回転金具2個以上を、前記傾転用吊り金具
と容器の重心点とを結ぶ延長線上の対向位置に取りつけ
た構成を採用したので、傾転作用が円滑に行えるように
なり、その結果として底板表面に付着した地金焼き付に
よる排滓物の剥離作業容易に、しかも簡便に行うことが
可能となる。
また、これら傾転用回転金具と傾転用回転吊り具がコン
パクトな構成となるので、容器全体の構成も小型とな
り、周辺設備との干渉もなくなる。
以上要するに、本考案の溶滓注入冷却容器は従来容器の
持って種々の問題点の全てを解消し得たものであって、
この種産業分野における利用価値の高い考案である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例に係る溶滓注入冷却容器の基本
構成を示す平面図、第2図は同縦断正面図、第3図は同
縦断側面図、第4図乃至第6図の各々は本考案の他の実
施例に係る溶滓注入冷却容器を示す縦断正面図、第7図
乃至第9図は本考案の溶滓注入冷却容器の上部補強部材
の継手構造の実施例に係る要部平面図、要部拡大平面図
及び上部補強部材の縦断正面図である。 符号の名称は以下の通りである。 (1)……側板、(1a)……長辺側板、(1b)……短辺側板、
(2)……容器本体、(3)……底板、(4)……上部補強部
材、(5)……下部補強部材、(6)……傾転用回転金具、(6
a)……ブラケット、(6b)……支軸、(7)……傾転用回転
吊り具、(7a)……板材、(7a)……ピン、(8)……不定形
耐火物、(9)……非金属耐火物、(30)……上底板、(31)
……下底板、S……垂直柱状空間。

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】四周部に上広がり状とした側板を配設した
    全体が矩形状の容器本体と、該容器本体の側板下端部か
    ら100mm〜300mmの位置に設置した底板とで全体が構成さ
    れる他、上記底板の表裏面に補強部材が配設され、更
    に、前記容器本体の一側に傾転用吊り具を、又該傾転用
    吊り具の対向位置の他側に傾転用回転具を設けてなる構
    成の溶滓注入冷却容器。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の溶滓注入冷却容器にあっ
    て、底板の裏面に不定形耐火物を裏打ちした構成にした
    ことを特徴とする溶滓注入冷却容器。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載の溶滓注入冷却容器にあっ
    て、底板の特定区画部分に耐火物を配設した構成を特徴
    とする溶滓注入冷却容器。
  4. 【請求項4】請求項(1)記載の溶滓注入冷却容器にあっ
    て、底板を上底と下底との中空構造として構成する他、
    該中空構造部に上底溶落防止部材を配設した構成を特徴
    とする溶滓注入冷却容器。
  5. 【請求項5】請求項(1)記載の溶滓注入冷却容器にあっ
    て、容器本体の一側に設けた3枚以上のブラケットと支
    軸とを一体的に構成した傾転用吊り具と、又該傾転用吊
    り具の対向位置の他側に設けた2個以上の傾転用回転具
    とを前記容器本体の重心点を通過する延長線上に位置す
    る如く配置させた構成の溶滓注入冷却容器。
  6. 【請求項6】請求項(1)記載の溶滓注入冷却容器にあっ
    て、底板上面に上細台形状の上部補強部材を縦横に交差
    させて配置し、これら上部補強部材の交差部に垂直柱状
    空間部を形成すると共に該空間部を底板から上部補強部
    材の上面まで連続的に溶接して一体化されて成る構成の
    溶滓注入冷却容器。
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