JPH06234773A - アルケニル基含有リチウムシラノレートの製造方法 - Google Patents

アルケニル基含有リチウムシラノレートの製造方法

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JPH06234773A
JPH06234773A JP782593A JP782593A JPH06234773A JP H06234773 A JPH06234773 A JP H06234773A JP 782593 A JP782593 A JP 782593A JP 782593 A JP782593 A JP 782593A JP H06234773 A JPH06234773 A JP H06234773A
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JP
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alkenyl group
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lithium
silanolate
lithium silanolate
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JP782593A
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Toshio Suzuki
俊夫 鈴木
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Dow Silicones Corp
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Dow Corning Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルケニル基含有ポリシロキサン製造の中間
体として有用なアルケニル基含有リチウムシラノレート
を簡単な操作で収率高く製造する方法を提供する。 【構成】 式R1 a R2 (3-a) SiOSiR1 a R2 (3-a) (式中、
1 はアルキル基、R2は炭素数2〜6のアルケニル
基、aは0〜2である。)で示されるジシロキサン化合
物と、1分子中の炭素数が3以下のアルキルリチウムを
適当な極性溶媒中で反応させて、アルケニル基含有リチ
ウムシラノレートを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリシロキサンの重合
開始剤、あるいはシリル化剤として有用な、アルケニル
基含有リチウムシラノレートの新規な製造方法に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、リチウムシラノレートは、原料の
シラノール化合物を単離した後にリチウム金属、水酸化
リチウム、アルキルリチウムなどのリチウム化合物と反
応させるのが一般的な製造方法であった。この方法で
は、シラノール化合物の製造時の合成手順が煩雑で収率
が低いという欠点と、シラノール化合物が貯蔵中に脱水
縮合してしまい、安定性に欠けるという欠点があった。
また、W.Noll 著、「Chemistry and technology of
silicones 」(Academic press, 1968年)の102頁に
は、ジシロキサン化合物とフェニルリチウム等のオルガ
ノリチウム類との反応による、リチウムシラノレートの
製造方法が示されているが、アルケニル基を含むジシロ
キサン化合物についての記載はない。一方、アルケニル
基を含むジシロキサンとリチウム化合物との反応が最近
研究されている。例えば Bull.Chem.Soc.Jpn第65巻、
949頁(1992年)には、1,1,3,3−テトラ
メチル−1,3−ジビニルジシロキサンとリチウムジエ
チルアミドとの反応では、ビニル基にリチウムアミドが
付加した化合物が生成し、シラノールのリチウム塩は生
成しないと報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡単
な操作で収率高くアルケニル基含有リチウムシラノレー
ト(シラノールのリチウム塩)を製造することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく検討を重ねた結果、本発明に到達した。即ち
本発明は、式、R1 a R2 (3-a) SiOSiR1 a R2 (3-a) で示さ
れるジシロキサン化合物と、1分子中の炭素数が3以下
のアルキルリチウムとを反応させることを特徴とする、
アルケニル基含有リチウムシラノレートの製造方法であ
り、式中R1 はアルキル基、R2 は炭素数2〜6のアル
ケニル基であり、aは0以上2以下の数である。
【0005】これを詳しく説明すると、式R1 a R2 (3-a)
SiOSiR1 a R2 (3-a) で示されるジシロキサン化合物は、
本発明による製造方法の主原料となるものであり、当業
者には製造容易な化合物である。式中R1 はアルキル基
とされるが、これにはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ベンチル基、ヘキシル基などが例示され
る。一般的に炭素原子数10以下のアルキル基であり、
経済的な観点からはR1はメチル基であることが好まし
い。R2 は炭素数2〜6のアルケニル基とされるが、こ
れにはビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル
基、ペンテニル基、ヘキセニル基が例示される。このア
ルケニル基の炭素数が7以上であると、合成が困難でな
るばかりでなく、アルキルリチウム化合物との反応性が
低くなり、好ましくない。商業的な入手の容易さの観点
からはR2 はビニル基、アリル基、ヘキセニル基が好ま
しい。aで示されるケイ素原子1個あたりのアルキル基
の数は0以上2以下とされ、従ってケイ素原子1個あた
りのアルケニル基の数は3個以下となる。通常、原料の
入手の容易さの観点からはaが2であることが好まし
い。
【0006】本発明による製造方法のもうひとつの主原
料となる、炭素数3以下のアルキルリチウムは、メチル
リチウム、エチルリチウム、プロピルリチウムから選ば
れた化合物である。このアルキルリチウムの炭素原子数
が4以上になると、アルキルリチウムのアルケニル基へ
の付加反応などにより、目的物であるリチウムシラノレ
ートの収率が非常に低くなり好ましくないものである。
炭素数3以下のアルキルリチウムの中では、入手の容易
さ、反応性の観点からメチルリチウムがもっとも好まし
い。
【0007】本発明の基本となる反応は、ジシロキサン
化合物のSi−O−Si結合をアルキルリチウムが切断
し、片方のケイ素原子が目的物であるリチウムシラノレ
ートの中心原子となり、もう片方のケイ素原子がトリア
ルキルアルケニルシランの中心原子となる反応である。
従って、生成するアルケニル基含有リチウムシラノレー
トは式R1 a R2 (3-a) SiOLi で表わされる。副成物である
トリアルキルアルケニルシランは通常反応活性が低く、
次のステップのために反応系から除去する必要はない
が、たとえ除去が必要であったとしても沸点が低い場合
が多いので、容易に除去することができる。
【0008】本発明によるリチウムシラノレートの製造
方法において、ジシロキサン化合物とアルキルリチウム
との反応は、適度な極性を有する有機溶媒中で行なうこ
とが推奨される。溶媒としては次のものが例示される。
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
系溶媒;ジメチルスルフォキシド、ヘキサメチルフォス
フォルトリアミド。また、これらの溶媒の2種以上を混
合して用いてもよい。
【0009】リチウムシラノレートを合成する際の反応
温度や圧力にはとくに制限はない。−80℃の低温か
ら、250℃程度の高温まで、どのような温度で反応を
行なっても差しつかえない。圧力も、減圧下、常圧下、
加圧下いずれでも差しつかえない。経済的および安全性
の観点からは、0℃から溶媒の沸点の間の温度で常圧下
反応を行なうのがもっとも好ましい。
【0010】本発明による製造方法で得られたアルケニ
ル基含有リチウムシラノレートは、様々な反応で利用す
ることができる有用な中間体である。例えば、クロロシ
ロキサンなどのケイ素原子に結合した塩素原子を有する
化合物と反応させると、即座にシロキサン結合を生成
し、アルケニル基含有のシロキサンを与える。また、ア
ルケニル基含有リチウムシラノレートとヘキサメチルシ
クロトリシロキサンとを反応させると、該シロキサンが
開環重合し、分子の片方の末端にアルケニル基を有する
ポリジメチルシロキサンが得られる。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。例
中、生成物の同定はガスクロマトグラフィー/質量分析
(GC−MS)により行ない、定量はガスクロマトグラ
フィーで行なった。
【0012】実施例1 フラスコ中に1,1,3,3−テトラメチル−1,3−
ジビニルジシロキサン1.86g(10mmol)、テトラ
ヒドロフラン5mlを投入し、攪拌しながら氷浴でフラス
コを冷却した。そこにメチルリチウムのジエチルエーテ
ル溶液(10mmol)をゆっくり投入し、30分間攪拌し
た。室温でさらに1時間攪拌した。
【0013】さらに上記の生成物にトリメチルクロロシ
ランを加えて、リチウムシラノレートをシロキサンに変
換した後に分析すると、原料のジシロキサンが完全に消
費され、ペンタメチルビニルジシロキサンとトリメチル
ビニルシランが生成していることが確認された。このこ
とから、ジメチルビニルシラノレートが定量的に生成物
したことが判明した。収率は95%であった。
【0014】比較例1 実施例1の反応において、メチルリチウムの代わりにn
−ブチルリチウムを用いた場合、生成物中のペンタメチ
ルビニルジシロキサンの含量は10%以下と低く、高分
子量化した副成物が全生成物の70%以上であった。
【0015】比較例2 実施例1の反応において、メチルリチウムの代わりにte
rt−ブチルリチウムを用いた場合、生成物中にペンタメ
チルビニルジシロキサンは検出されず、高分子量化した
副成物が全生成物の95%以上であった。
【0016】実施例2 フラスコ中に1,3−ジ(5−ヘキセニル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン2.98g(10mm
ol)、テトラヒドロフラン6mlを投入し、攪拌しながら
氷浴でフラスコを冷却した。そこにメチルリチウムのジ
エチルエーテル溶液(10mmol)をゆっくり投入し、3
0分間攪拌した後、3時間加熱還流した。
【0017】生成物にトリメチルクロロシランを加えて
分析すると、原料のジシロキサンが50%消費され、5
−ヘキセニルペンタメチルジシロキサンと5−ヘキセニ
ルトリメチルシランが生成していることが確認された。
このことから、5−ヘキセニルジメチルシラノレートが
50%の収率で生成したことが判明した。
【0018】比較例3 実施例2の反応において、メチルリチウムの代わりにn
−ブチルリチウムを用いた場合、原料のジシロキサンの
消費は20%以下であり、目的とする5−ヘキセニルジ
メチルシラノレートの収率は10%以下であった。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、アルケニル基含有リチウムシラノレートを簡
単に収率高く製造することができる。こうして得られた
アルケニル基含有リチウムシラノレートは、上述のよう
にアルケニル基含有ポリシロキサンを製造するのに有用
な合成中間体となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R1 a R2 (3-a) SiOSiR1 a R2 (3-a) (式中
    1 はアルキル基、R2 は炭素数2〜6のアルケニル基
    であり、aは0以上2以下の数である)で示されるジシ
    ロキサン化合物と、1分子中の炭素数が3以下のアルキ
    ルリチウムとを反応させることを特徴とする、アルケニ
    ル基含有リチウムシラノレートの製造方法。
  2. 【請求項2】 R1 がメチル基であり、R2 がビニル基
    またはヘキセニル基であることを特徴とする、請求項1
    に記載のアルケニル基含有リチウムシラノレートの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 1分子中の炭素数が3以下のアルキルリ
    チウムが、メチルリチウムであることを特徴とする、請
    求項1に記載のアルケニル基含有リチウムシラノレート
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 1,1,3,3−テトラメチル−1,3
    −ジビニルジシロキサンとメチルリチウムとを反応させ
    ることを特徴とする、リチウムジメチルビニルシラノレ
    ートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100445248B1 (ko) * 1996-05-10 2004-10-28 주식회사 엘지생활건강 발수성을갖는새로운항균성화합물
JP2008523190A (ja) * 2004-12-07 2008-07-03 ロディア・シミ 官能基を有するポリオルガノシロキサンをリチウムシラノレートの存在下で製造する方法

Cited By (3)

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