JPH06234723A - 2,6,2’−トリイソシアネートエチルヘキサノエートの製造方法 - Google Patents

2,6,2’−トリイソシアネートエチルヘキサノエートの製造方法

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JPH06234723A
JPH06234723A JP5045655A JP4565593A JPH06234723A JP H06234723 A JPH06234723 A JP H06234723A JP 5045655 A JP5045655 A JP 5045655A JP 4565593 A JP4565593 A JP 4565593A JP H06234723 A JPH06234723 A JP H06234723A
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JP
Japan
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reaction
hexanoate
triisocyanatoethyl
ethylhexanoate
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JP5045655A
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English (en)
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Kiyoshi Tezaki
清 手崎
Shigeki Suga
繁己 菅
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Nippon Soda Co Ltd
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Nippon Soda Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】2,6,2' −トリイソシアネートエチルヘキ
サノエートを、従来法に比してより短時間で製造する新
しい製造方法を提供する。 【構成】2,6,2' −トリアミノエチルヘキサノエー
ト・三塩酸塩を、4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩
又はホスホニウム塩の少なくとも一種の触媒存在下にホ
スゲン化して、2,6,2' −トリイソシアネートエチ
ルヘキサノエートを製造する。 【効果】4級アンモニウム塩等が存在しない場合に比べ
て、より短時間、かつ、高収率で目的物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,6,2' −トリイ
ソシアネートエチルヘキサノエートの製造方法に関する
ものであり、特にホスゲン化の際の製造条件に関するも
のである。本発明の方法で製造される2,6,2' −ト
リイソシアネートエチルヘキサノエート等の脂肪族ポリ
イソシアネートは、いわゆる無黄変ウレタン用原料とし
て用いられ、該ウレタン類は塗料、接着剤、シール剤等
として有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】2,6,2' −トリイソシアネートエチ
ルヘキサノエートは、2,6,2' −トリアミノエチル
ヘキサノエート・三塩酸塩のホスゲン化により製造され
る。この製造方法に関しては、2,6,2' −トリイソ
シアネートエチルヘキサノエートの物質特許として特開
昭53−135931号公報、反応温度を100〜15
0℃とすることを特徴とする方法(特開昭57−776
56号公報)、ホスゲン化工程の前に2,6,2' −ト
リアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩をo−ジクロ
ロベンゼンで懸濁濾過、洗浄することにより、アルコー
ル、水を除去することを特徴とする方法(特開昭60−
188356号公報、特開昭60−222450号公
報、特開昭61−53249号公報)、2,6,2'
トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩のα晶を原
料とすることを特徴する方法(特開昭61−53254
号公報)、反応溶媒としてエステル類を使用する方法
(特開平3−204851号公報)等が知られている。
【0003】しかしながら、このホスゲン化反応では、
ピリジン、ピロリン等の第三級アミンの添加が可能であ
る旨の記載はあるものの(特開昭57−77656号公
報参照)、4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩又はホ
スホニウム塩を添加してホスゲン化する方法は知られて
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、2,6,2'
トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩をo−ジク
ロロベンゼン中、ホスゲン化によって、2,6,2'
トリイソシアネートエチルヘキサノエートを得る反応
は、一般に反応の進行が遅く、大過剰のホスゲンを使用
する必要があった。
【0005】この反応を速くするためには、反応温度を
高くする必要があるが、反応温度が150℃以上になる
と原料である2,6,2' −トリアミノエチルヘキサノ
エート・三塩酸塩の結晶がα晶からβ晶に結晶変態する
ため、逆に反応が遅くなる。また、ホスゲンガスの吹き
込み速度を速くすることにより反応を早めることも可能
であるが、ホスゲンガスの反応効率の低下をもたらし、
大規模なホスゲンガスの回収設備が必要となる等の問題
点がある。従って、150℃以下の温度で、過剰のホス
ゲンガスを使用することなく、反応を速く完結させると
ができる製造方法が要望されている。
【0006】本発明は、このような背景のもとになされ
たものであり、2,6,2' −トリアミノエチルヘキサ
ノエート・三塩酸塩をホスゲン化によって、2,6,2
' −トリイソシアネートエチルヘキサノエートを得るに
際し、特定の4級アンモニウム塩を反応系に添加するこ
とによって、より速く、かつ、収率よく目的物を得る製
造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、2,6,2' −トリ
アミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩を出発原料とし
て、2,6,2' −トリイソシアネートエチルヘキサノ
エートを得るに際し、特定の4級アンモニウム塩、ピリ
ジニウム塩又はホスホニウム塩を反応系に添加すること
によって、従来の製造方法に比べて、より短時間で反応
が完結し、しかも高収率で目的物が得られることを見い
出した。以下、本発明を具体的に説明する。
【0008】本発明において用いることができる4級ア
ンモニウム塩とは、下記化1に示す一般式で表される化
合物である。
【0009】
【化1】
【0010】(式中、Xは、塩素、臭素、フッ素等のハ
ロゲン原子、R5 SO3 、R6 SO4 、HSO4 、IO
4 、ClO4 又はCNを表し、R1 〜R6 は、それぞれ
1〜C 25 の直鎖又は分枝のアルキル基又はアリール
基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル
基、n−ペンチル基、c−ペンチル基、n−ヘキシル
基、c−ヘキシル基、ベンジル基、4−クロロベンジル
基、4−メチルベンジル基、2−クロロベンジル基等の
置換されていてもよいベンジル基、フェニル基、4−ク
ロロフェニル基、4−メチルフェニル基、3−クロロフ
ェニル基等の置換されていてもよいフェニル基、α−ナ
フチル基、β−ナフチル基等を示す。なお、R3 とR4
は一緒になって環を形成していてもよい。)
【0011】又は、下記化2に示されるピリジニウム塩
も用いることができる。
【化2】
【0012】(式中、Yは、塩素、臭素、フッ素等のハ
ロゲン原子、R8 SO3 、R9 SO4、HSO4 、IO
4 、ClO4 又はCNを表し、Zは、炭素数1から6ま
での直鎖又は分枝のアルキル基、置換されていてもよい
アリール基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シ
アノ基、ニトロ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ
基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1
から6までの直鎖又は分枝のアルコキシ基、メチルチオ
基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペ
ンチルチオ基、ヘキシルチオ基等の炭素数1から6まで
の直鎖又は分枝のアルキルチオ基、メチルスルフィニル
基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、
イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、
ペンチルスルフィニル基、ヘキシルスルフェニル基等の
炭素数1から6までの直鎖又は分枝のアルキルスルフィ
ニル基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プ
ロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチ
ルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスル
ホニル基等の炭素数1から6までの直鎖又は分枝のアル
キルスルホニル基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N
−ジエチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ
基、N−メチル−N−ベンジルアミノ基等のN,N−ジ
アルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−フェニル
−N−(4−クロロフェニル)アミノ基等のN,N−ジ
アリールアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ
基、N−ベンジル−N−フェニルアミノ基等のN−アル
キル−N−アリールアミノ基等のいずれかを表す。ま
た、R7 〜R9 は、それぞれメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、c−
ヘキシル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、3─
メチルベンジル基、オクチル基、ノニル基等のC1 〜C
25 の直鎖又は分枝のアルキル基を表し、nは0〜5の
整数を示す。)
【0013】さらにまた、本発明においては、下記化3
に示すホスホニウム塩を用いることができる。
【化3】
【0014】(式中、Wは、塩素、臭素、フッ素等のハ
ロゲン原子、R14SO3 、R15SO4、HSO4 、IO
4 、ClO4 又はCNを表し、R10〜R15は、それぞれ
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、t−ブチル基、ペンチル基、c−ペンチル基、
ヘキシル基、c−ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、
ベンジル基、4−クロロベンジル基、3−メチルベンジ
ル基、フェニル基、4−クロロフェニル基、3−メチル
フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基等のC1
〜C 25 の直鎖又は分枝のアルキル基又は置換されてい
てもよいアリール基を示す。)
【0015】本発明は、これらのアンモニウム塩、ピリ
ジニウム塩又はホスホニウム塩の少なくとも一種を使用
することができるが、添加する量は、通常、原料の2,
6,2' −トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩
の0.05重量%〜10重量%である。
【0016】本発明においてホスゲン化反応は、100
℃〜150℃の範囲で円滑に進行するが、原料の2,
6,2' −トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩
を溶媒中に懸濁させた後に、時間当たり原料1モルに対
して0.1モル〜10モル比のホスゲンガスを吹き込ん
で行われる。
【0017】このホスゲン化反応においては、クロロベ
ンゼン、o−ジクロロベンゼン等の芳香族塩素系溶媒、
トルエン、キシレン、クメン、シメン、メシチレン等の
芳香族炭化水素系溶媒、ベンゾニトリル、トルニトリル
等の芳香族ニトリル系溶媒等を使用することができる。
溶媒量は、溶媒/原料のアミンの重量比で5/1〜20
/1の範囲が好ましい。
【0018】このホスゲン化反応は、通常10時間から
15時間で完結し、反応終了後、窒素ガス等により未反
応のホスゲン及び塩酸をパージし、溶媒を留去した後に
蒸留精製等により目的物を高収率で得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら制
限されるものではない。 (実施例1)還流冷却器、温度計、ホスゲン吹き込み管
及び攪拌機を備えた内容量1lの反応フラスコに、キシ
レン520g、95%純度の2,6,2' −トリアミノ
エチルヘキサノエート・三塩酸塩63.0g(0.20
モル換算)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド
3.15gを加えて、攪拌しながら133℃まで加熱昇
温し、昇温した後、ホスゲンを19.8g/hrの速度
で吹き込み、133〜138℃を保ちながら15時間反
応を続けた。反応終了後、窒素ガスをブローして未反応
のホスゲン及び塩酸をパージした後、不溶物質を濾別
し、濾液から溶媒を減圧留去して、油状の純度88%の
2,6,2' −トリイソシアネートエチルヘキサノエー
ト57.3g(純度換算収率94,3%)を得た。
【0020】(比較例1)実施例1と同一の反応容器
に、キシレン520g及び95%純度の2,6,2'
トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩63g
(0.20モル)を仕込み、実施例1と反応時間を25
時間にした以外は同様に反応、後処理を行い、油状の純
度88.5%の2,6,2' −トリイソシアネートエチ
ルヘキサノエート52.9g(純度換算収率87.6
%)を得た。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造法は、反応系に4級アンモ
ニウム塩、ピリジニウム塩又はホスホニウム塩を添加す
るものであり、従来法に比較し、短時間、かつ、高収率
で目的とする2,6,2' −トリイソシアネートエチル
ヘキサノエートを製造することができ、使用するホスゲ
ンも少なくてすますことができ、大規模なホスゲンの回
収設備も不要である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月24日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,6,2’−トリイ
ソシアネートエチルヘキサノエートの製造方法に関する
ものであり、特にホスゲン化の際の製造条件に関するも
のである。本発明の方法で製造される2,6,2’−ト
リイソシアネートエチルヘキサノエート等の脂肪族ポリ
イソシアネートは、いわゆる無黄変ウレタン用原料とし
て用いられ、該ウレタン類は塗料、接着剤、シール剤等
として有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】2,6,2’−トリイソシアネートエチ
ルヘキサノエートは、2,6,2’−トリアミノエチル
ヘキサノエート・三塩酸塩のホスゲン化により製造され
る。この製造方法に関しては、2,6,2’−トリイソ
シアネートエチルヘキサノエートの物質特許として特開
昭53−135931号公報、反応温度を100〜15
0℃とすることを特徴とする方法(特開昭57−776
56号公報)、ホスゲン化工程の前に2,6,2’−ト
リアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩をo−ジクロ
ロベンゼンで懸濁濾過、洗浄することにより、アルコー
ル、水を除去することを特徴とする方法(特開昭60−
188356号公報、特開昭60−222450号公
報、特開昭61−53249号公報)、2,6,2’−
トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩のα晶を原
料とすることを特徴する方法(特開昭61−53254
号公報)、反応溶媒としてエステル類を使用する方法
(特開平3−204851号公報)等が知られている。
【0003】しかしながら、このホスゲン化反応では、
ピリジン、ピロリン等の第三級アミンの添加が可能であ
る旨の記載はあるものの(特開昭57−77656号公
報参照)、4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩又はホ
スホニウム塩を添加してホスゲン化する方法は知られて
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、2,6,2’−
トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩をo−ジク
ロロベンゼン中、ホスゲン化によって、2,6,2’−
トリイソシアネートエチルヘキサノエートを得る反応
は、一般に反応の進行が遅く、大過剰のホスゲンを使用
する必要があった。
【0005】この反応を速くするためには、反応温度を
高くする必要があるが、反応温度が150℃以上になる
と原料である2,6,2’−トリアミノエチルヘキサノ
エート・三塩酸塩の結晶がα晶からβ晶に結晶変態する
ため、逆に反応が遅くなる。また、ホスゲンガスの吹き
込み速度を速くすることにより反応を早めることも可能
であるが、ホスゲンガスの反応効率の低下をもたらし、
大規模なホスゲンガスの回収設備が必要となる等の問題
点がある。従って、150℃以下の温度で、過剰のホス
ゲンガスを使用することなく、反応を速く完結させると
ができる製造方法が要望されている。
【0006】本発明は、このような背景のもとになされ
たものであり、2,6,2’−トリアミノエチルヘキサ
ノエート・三塩酸塩をホスゲン化によって、2,6,
2’−トリイソシアネートエチルヘキサノエートを得る
に際し、特定の4級アンモニウム塩を反応系に添加する
ことによって、より速く、かつ、収率よく目的物を得る
製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、2,6,2’−トリ
アミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩を出発原料とし
て、2,6,2’−トリイソシアネートエチルヘキサノ
エートを得るに際し、特定の4級アンモニウム塩、ピリ
ジニウム塩又はホスホニウム塩を反応系に添加すること
によって、従来の製造方法に比べて、より短時間で反応
が完結し、しかも高収率で目的物が得られることを見い
出した。以下、本発明を具体的に説明する。
【0008】本発明において用いることができる4級ア
ンモニウム塩とは、下記化1に示す一般式で表される化
合物である。
【0009】
【化1】
【0010】(式中、Xは、塩素、臭素、フッ素等のハ
ロゲン原子、RSO、RSO、HSO、IO
、ClO又はCNを表し、R〜Rは、それぞれ
〜C25の直鎖又は分枝のアルキル基又はアリール
基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル
基、n−ペンチル基、c−ペンチル基、n−ヘキシル
基、c−ヘキシル基、ベンジル基、4−クロロベンジル
基、4−メチルベンジル基、2−クロロベンジル基等の
置換されていてもよいベンジル基、フェニル基、4−ク
ロロフェニル基、4−メチルフェニル基、3−クロロフ
ェニル基等の置換されていてもよいフェニル基、α−ナ
フチル基、β−ナフチル基等を示す。なお、RとR
は一緒になって環を形成していてもよい。)
【0011】又は、下記化2に示されるピリジニウム塩
も用いることができる。
【化2】
【0012】(式中、Yは、塩素、臭素、フッ素等のハ
ロゲン原子、RSO、RSO、HSO、IO
、ClO又はCNを表し、Zは、炭素数1から6ま
での直鎖又は分枝のアルキル基、置換されていてもよい
アリール基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シ
アノ基、ニトロ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ
基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1
から6までの直鎖又は分枝のアルコキシ基、メチルチオ
基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペ
ンチルチオ基、ヘキシルチオ基等の炭素数1から6まで
の直鎖又は分枝のアルキルチオ基、メチルスルフィニル
基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、
イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、
ペンチルスルフィニル基、ヘキシルスルフェニル基等の
炭素数1から6までの直鎖又は分枝のアルキルスルフィ
ニル基、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プ
ロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチ
ルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスル
ホニル基等の炭素数1から6までの直鎖又は分枝のアル
キルスルホニル基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N
−ジエチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ
基、N−メチル−N−ベンジルアミノ基等のN,N−ジ
アルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−フェニル
−N−(4−クロロフェニル)アミノ基等のN,N−ジ
アリールアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ
基、N−ベンジル−N−フェニルアミノ基等のN−アル
キル−N−アリールアミノ基等のいずれかを表す。ま
た、R〜Rは、それぞれメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、c−
ヘキシル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、3−
メチルベンジル基、オクチル基、ノニル基等のC〜C
25の直鎖又は分枝のアルキル基を表し、nは0〜5の
整数を示す。)
【0013】さらにまた、本発明においては、下記化3
に示すホスホニウム塩を用いることができる。
【化3】
【0014】(式中、Wは、塩素、臭素、フッ素等のハ
ロゲン原子、R14SO、R15SO、HSO
IO、ClO,又はCNを表し、R10〜R
15は、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、
c−ペンチル基、ヘキシル基、c−ヘキシル基、オクチ
ル基、ノニル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、
3−メチルベンジル基、フェニル基、4−クロロフェニ
ル基、3−メチルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナ
フチル基等のC〜C25の直鎖又は分枝のアルキル基
又は置換されていてもよいアリール基を示す。)
【0015】本発明は、これらのアンモニウム塩、ピリ
ジニウム塩又はホスホニウム塩の少なくとも一種を使用
することができるが、添加する量は、通常、原料の2,
6,2’−トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩
の0.05重量%〜10重量%である。
【0016】本発明においてホスゲン化反応は、100
℃〜150℃の範囲で円滑に進行するが、原料の2,
6,2’−トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩
を溶媒中に懸濁させた後に、時間当たり原料1モルに対
して0.1モル〜10モル比のホスゲンガスを吹き込ん
で行われる。
【0017】このホスゲン化反応においては、クロロベ
ンゼン、o−ジクロロベンゼン等の芳香族塩素系溶媒、
トルエン、キシレン、クメン、シメン、メシチレン等の
芳香族炭化水素系溶媒、ベンゾニトリル、トルニトリル
等の芳香族ニトリル系溶媒等を使用することができる。
溶媒量は、溶媒/原料のアミンの重量比で5/1〜20
/1の範囲が好ましい。
【0018】このホスゲン化反応は、通常10時間から
15時間で完結し、反応終了後、窒素ガス等により未反
応のホスゲン及び塩酸をパージし、溶媒を留去した後に
蒸留精製等により目的物を高収率で得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら制
限されるものではない。 (実施例1)還流冷却器、温度計、ホスゲン吹き込み管
及び攪拌機を備えた内容量11の反応フラスコに、キシ
レン520g、95%純度の2,6,2’−トリアミノ
エチルヘキサノエート・三塩酸塩63.0g(0.20
モル換算)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド
3.15gを加えて、攪拌しながら133℃まで加熱昇
温し、昇温した後、ホスゲンを19.8g/hrの速度
で吹き込み、133〜138℃を保ちながら15時間反
応を続けた。反応終了後、窒素ガスをブローして未反応
のホスゲン及び塩酸をパージした後、不溶物質を濾別
し、濾液から溶媒を減圧留去して、油状の純度88%の
2,6,2’−トリイソシアネートエチルヘキサノエー
ト57.3g(純度換算収率94,3%)を得た。
【0020】(比較例1)実施例1と同一の反応容器
に、キシレン520g及び95%純度の2,6,2’−
トリアミノエチルヘキサノエート・三塩酸塩63g
(0.20モル)を仕込み、実施例1と反応時間を25
時間にした以外は同様に反応、後処理を行い、油状の純
度88.5%の2,6,2’−トリイソシアネートエチ
ルヘキサノエート52.9g(純度換算収率87.6
%)を得た。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造法は、反応系に4級アンモ
ニウム塩、ピリジニウム塩又はホスホニウム塩を添加す
るものであり、従来法に比較し、短時間、かつ、高収率
で目的とする2,6,2’−トリイソシアネートエチル
ヘキサノエートを製造することができ、使用するホスゲ
ンも少なくてすますことができ、大規模なホスゲンの回
収設備も不要である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,6,2' −トリアミノエチルヘキサノ
    エート・三塩酸塩を、4級アンモニウム塩、ピリジニウ
    ム塩又はホスホニウム塩の少なくとも一種の存在下にホ
    スゲン化することを特徴とする、2,6,2' −トリイ
    ソシアネートエチルヘキサノエートの製造方法。
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