JPH06231791A - 燃料電池発電装置 - Google Patents

燃料電池発電装置

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JPH06231791A
JPH06231791A JP5019118A JP1911893A JPH06231791A JP H06231791 A JPH06231791 A JP H06231791A JP 5019118 A JP5019118 A JP 5019118A JP 1911893 A JP1911893 A JP 1911893A JP H06231791 A JPH06231791 A JP H06231791A
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JP
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cooling
supply
fuel cell
side manifold
cooling medium
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JP5019118A
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Toshihiro Sugiyama
智弘 杉山
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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    • H01M8/04Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids
    • H01M8/04007Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids related to heat exchange
    • H01M8/04029Heat exchange using liquids
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【目的】冷却体に供給する冷却用媒体の供給量を低減し
ても、燃料電池セル集積体が備える複数の単位燃料電池
セルの温度を均一化することが可能な燃料電池発電装置
を提供する。 【構成】冷却手段4は、スタック1の備える冷却体3に
冷却水9を供給する供給側マニホールドとして、冷却水
流入口52を備える端部に対して反対側となる他方の端
部に、余剰の冷却用媒体9bを流出させるバイパス流吐
出口53を備える供給側マニホールド5を、また、熱交
換器として、放熱器71にバイパス流吐出口53に接続
されて余剰の冷却用媒体9bを通流する配管93を接続
するようにした熱交換器7を備えており、冷却体3に供
給する冷却水9の供給量を低減しても、供給側マニホー
ルド5に通流する供給側冷却用媒体9aの流量が増大さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池発電装置に係
わり、燃料電池セル集積体が備える複数の単位燃料電池
セルの温度を、均一化することが可能なよう改良された
構成に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、これに使用される電解質の
種類により、固体高分子電解質型,りん酸型などの低温
動作型燃料電池と、溶融炭酸塩型,固体酸化物型などの
高温動作型燃料電池とに大別される。このうち、低温動
作型燃料電池においては、燃料電池に直流電気を発生さ
せる電気化学的反応が発熱反応であるので、燃料電池の
温度を許容される動作温度に維持するために、冷却手段
が備えられている。
【0003】図4は、低温動作型燃料電池である固体高
分子電解質型燃料電池を備える従来例の燃料電池発電装
置の冷媒回路の系統図である。図4において、1は、燃
料電池セル集積体であり、4Aは、供給側マニホールド
5A,回収側マニホールド6,熱交換器7A等から構成
された冷却手段である。なお、図4中には、図5,〜図
7中で付す符号については、代表的な符号のみを記し
た。
【0004】燃料電池セル集積体(以降、スタックと略
称することがある。)1は、図5にその構成を模式的に
示した如く、複数の単位燃料電池セル2を積層し、さら
にその両端部に単位燃料電池セル2で発生した直流電気
をスタック1から取り出すための集電板11a,11b
と、単位燃料電池セル2ないし集電板11a,11bを
構造体から電気的に絶縁するための電気絶縁板12a,
12bと、単位燃料電池セル2、集電板11a,11
b、電気絶縁板12a,12bを積層した積層体の両外
端部に配設される締付板13a,13bと、締付板13
a,13bに適度の加圧力を与える締め付けボルト14
とで構成されている。さらに、スタック1には、複数の
単位燃料電池セル2毎に冷却板3が介挿されている。
【0005】それぞれの単位燃料電池セル2は、単位燃
料電池セル2の各構成要素を展開した状態で表した図6
中に示した如く、電極部21と、この電極部21の一方
の側面に配設されて図示しない燃料ガスを通流させる溝
22aを多数有し,ガスを透過しない材料で製作された
セパレータ板22と、電極部21の他方の側面に配設さ
れて図示しない酸化剤ガスを通流させる溝23aを多数
有し、セパレータ板22と同様に、ガスを透過しない材
料で製作されたセパレータ板23とで構成されている。
【0006】電極部21は、薄い矩形状をなしており、
固体高分子電解質膜からなる電解質層21cと、電解質
層21cの一方の主面に密接して積層された燃料ガス
(例えば、水素あるいは水素を高濃度に含んだガスであ
る。)の供給を受ける燃料電極(アノード極でもあ
る。)21aと、電解質層21cの他方の主面に密接し
て積層された酸化剤ガス(例えば、空気である。)の供
給を受ける酸化剤電極(カソード極でもある。)21b
とで構成されている。燃料電極21aおよび酸化剤電極
21bは、共に触媒活物質を含む触媒層と、この触媒層
を支持するとともに反応ガス(燃料ガスと酸化剤ガスを
総称してこのように言う。)を供給しさらに集電体とし
ての機能を有する電極基材からなり、前記触媒層を電解
質層21cと密着させて構成されている。
【0007】燃料電極21aに燃料ガスを、また、酸化
剤電極21bに酸化剤ガスを供給することで、それぞれ
の電極21a,21bの触媒層と固体高分子電解質膜
(以降、SPE膜と略称することがある。)との界面に
三相界面(前記触媒層中の触媒と、SPE膜、いずれか
の反応ガスとが、互い接する界面のことを言う。)を形
成させ、電気化学反応を生じさせることで直流電気を発
生する。なお前記触媒層は、微小な粒子状の白金触媒と
はっ水性を有するフッ素樹脂から形成されており、しか
も多数の細孔を形成することで、反応ガスの三層界面ま
での効率的な拡散を維持するするとともに、十分広い面
積の三層界面が形成がなされる構成としている。
【0008】図7は、供給側マニホールド,回収側マニ
ホールドと共に示した冷却板の正面断面図である。冷却
板3は、図7(a)中に示す如く、電極部21とほぼ同
形の矩形状のカーボン製板で製作されており、その内部
に冷却用媒体である冷却水9を通流させる冷媒通路31
が形成されている。冷媒通路31の冷却水9の供給側端
部31aには、供給側マニホールド5Aから冷却水9を
流入させるための接続管路51が、また、冷媒通路31
の冷却水9の吐出側端部31bには、回収側マニホール
ド6に向けて冷却水9を送出させるための接続管路61
が装着される。
【0009】図7(a)中においては、冷却板3の備え
る冷媒通路31は、供給側端部31aから吐出側端部3
1bまでの間を、蛇行しつつ連続して構成されるものと
して示した。冷却板3の備える冷媒通路には、図7
(b)中に示した如く、供給側端部31aに接続する主
冷媒通路32と、吐出側端部31bに接続する主冷媒通
路33と、主冷媒通路32と主冷媒通路33との間を互
いに並列して接続する複数の枝冷媒通路34とにより構
成する事例も知られている。
【0010】冷却手段4Aは、スタック1に冷却水9を
供給する供給側マニホールド5Aと、供給側マニホール
ド5Aからスタック1の備える各冷却板3に向けて冷却
水9を分岐して送り込むための複数の接続管路51と、
各冷却板3においてスタック1が発生した反応熱を吸収
して温度が上昇した冷却水9を各冷却板3から受け取る
ための複数の接続管路61と、温度が上昇した冷却水9
を回収する回収側マニホールド6と、冷却媒体供給源で
ある熱交換器7Aと、冷却手段4A内を循環できるよう
に冷却水9を加圧する循環ポンプ8と、冷却水9の配管
91と、配管91に配設されて冷却水9の流量を調整す
る制御弁92とで構成されている。
【0011】供給側マニホールド5Aは、一方の端部に
配管91が接続される冷却水流入口52を備え、他方の
端部が水密に封止され,スタック1に沿って配置される
管状体であり、その側面にスタック1の備える冷却板3
と同一数の接続管路51が接続されている。回収側マニ
ホールド6は、一方の端部に配管91が接続される冷却
水吐出口62を備え、他方の端部が水密に封止され,ス
タック1に沿って配置される管状体であり、その側面に
スタック1の備える冷却板3と同一数の接続管路61が
接続されている。熱交換器7Aは、冷却水9から熱を除
去するとともに冷却水9を貯留する機能を備える放熱器
71と、放熱器71を冷却する冷却ファン72を備えて
いる。
【0012】ところで、電解質層21cを形成している
SPE膜は、分子中にプロトン(水素イオン)交換基を
有し、SPE膜を飽和に含水させることにより常温で2
0〔Ω・cm〕以下の抵抗率を示しプロトン導電性電解
質として機能する。SPE膜としては、現時点において
は、パ−フロロカ−ボンスルホン酸膜(米国、デュポン
社製、商品名ナフィオン膜)が知られている。
【0013】固体高分子電解質型燃料電池においては、
SPE膜の比抵抗を小さくして発電効率を高く維持する
ようにために、通常、50℃から100℃程度の温度条
件で運転される。固体高分子電解質型燃料電池において
は、発生電力にほぼ相当する熱量を反応熱として発生す
るので、この熱を除去して前記した適切な運転温度に維
持することが必要となる。固体高分子電解質型燃料電池
であっては、SPE膜を含む電極部21を冷却するため
に、スタック1には前記した冷却板3が備えられてい
る。
【0014】冷却板3は、SPE膜を含む電極部21
の温度を適温に維持し、しかも、電極部21の面方向
温度分布を適切に保ち、かつ、スタック1を構成する
各単位燃料電池セル2の間の温度をできるだけ均一にな
るようにする.必要が有り、このために、図7(a),
(b)に示した如く冷媒通路の配置についても充分配慮
したものが使用されているのである。それぞれの冷却板
3には、冷却手段4Aから適量の冷却水9が、供給側マ
ニホールド5A,接続管路51を介して供給されて、ス
タック1の備える電極部21の温度を、SPE膜の動作
に望ましい適温に維持している。
【0015】冷却板3の異なる実施形態として、図8に
示した構成のものも知られている。図8において、3A
は冷却板であり、図7(a)に示した冷却板3の場合と
同様に、電極部21とほぼ同形の矩形状のカーボン製板
で製作されており、その内部に冷却水9を通流させる冷
媒通路31と、供給側マニホールドの一部をなす貫通孔
35と、回収側マニホールドの一部をなす貫通孔36と
が形成されている。冷媒通路31は、その両端をそれぞ
れ貫通孔35および貫通孔36に接続されており、貫通
孔35と貫通孔36の間を蛇行しつつ連続して形成され
ている。なお、隣接する冷却板3Aの貫通孔35あるい
は貫通孔36の相互間は、図示しない接続管で水密に接
続され、一方の端部に位置する冷却板3Aの貫通孔35
および端部の端部に位置する冷却板3Aの貫通孔36に
は、それぞれ配管91が接続される。これにより、スタ
ック1の備える各冷却板3Aに形成された貫通孔35,
36は、それぞれ、供給側マニホールドおよび回収側マ
ニホールドの機能を果たし、しかも接続管路51,61
を不要なものとすることが可能なものである。
【0016】一方、固体高分子電解質型燃料電池の発電
効率を高く維持するためには、SPE膜の含水状態を飽
和状態に維持することも必要である。SPE膜を加湿し
て含水状態を飽和状態に維持するために、反応ガス中に
水を添加し、反応ガスの湿度を高めてスタック1へ供給
するようにし、SPE膜から反応ガスへの水の蒸発を抑
えて、SPE膜が乾燥するのを防止している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
る燃料電池発電装置においては、冷却板3により、電極
部21の温度を適温に維持することにより、高い発電効
率を得ることができているが、なお下記する問題点が残
存している。すなわち、燃料電池発電装置では、発電反
応に対する反応生成物として水を生成するので、反応ガ
スに含有される水分の量は、下流側の反応ガス中では増
加する。固体高分子電解質型燃料電池のスタック1にお
いては、反応ガスは飽和状態に加湿して供給されるの
で、したがって、スタック1の出口側の反応ガス中には
過飽和な水蒸気が含まれることになる。スタック1の出
口側の反応ガスが冷却される等により、この過飽和な水
蒸気が液体状態になってしまうと、反応ガスの図示され
ていない通路が塞がれるので、反応ガスの通流が阻害さ
れることとなる。
【0018】これを回避するために、単位燃料電池セル
2内部での反応ガスの流れ方向の水分の変化に対応させ
て、電極部21の温度分布を、反応ガスの下流側ほど高
い温度とすることで、反応ガス中の過飽和水蒸気が液化
するのを防止することが行われている。このような温度
分布は、冷却板3中の冷却水9を、反応ガスと同方向に
通流させることで得ることが可能であり、さらに、冷却
板3への冷却水9の供給量を減少することで、温度差の
大きい温度分布とすることが可能である。
【0019】しかしながら、このように冷却板3への冷
却水9の供給量が減少すると、各冷却板3に冷却水9を
分配供給する供給側マニホールド5A中においても冷却
水9の流量が減少することとなり、冷却水9が供給側マ
ニホールド5A中を通流している間に、供給側マニホー
ルド5Aの周囲の温度からの影響を受けることとなる。
このために、供給側マニホールド5A中の冷却水9の温
度は、冷却水流入口52が装着されている一方の端部に
対し、下流側となるほど差が生じる。すなわち、冷却水
量を減らして運転すると、供給側マニホールド5Aの周
囲の温度が低い場合には、冷却水温度は、供給側マニホ
ールド5Aの上流側よりも下流側の方が低くなる。この
結果、供給側マニホールド5Aの下流側から冷却水9の
供給を受ける冷却板3の近傍に位置する単位燃料電池セ
ル2の温度は、供給側マニホールド5Aの上流側から冷
却水9の供給を受ける冷却板3の近傍に位置する単位燃
料電池セル2の温度よりも低くなる。他方、供給側マニ
ホールド5Aの周囲の温度が高い場合には、この逆の傾
向となる。いずれの場合においても、スタック1を構成
する単位燃料電池セル2の間には、温度の差が生じるこ
ととなる。この結果、温度の高い単位燃料電池セル2に
おいては、運転温度と水蒸気量とのバランスが崩れてS
PE膜が乾燥することとなり、また、温度の低い単位燃
料電池セル2においては、液体状の水が反応ガス通路内
に滞留することで、反応ガスの通流を阻害することとな
り、いずれにしろ、単位燃料電池セル2を適切な条件で
の運転することが阻害されることとなる。
【0020】本発明は、前述の従来技術の問題点に鑑み
なされたものであり、その目的は、冷却体に供給する冷
却用媒体の供給量を低減しても、燃料電池セル集積体が
備える複数の単位燃料電池セルの温度を均一化すること
が可能な燃料電池発電装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明では前述の目的
は、 1)燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて直流電力
を発生する単位燃料電池セルを複数個数積層した燃料電
池セル集積体と、燃料電池セル集積体の単位燃料電池セ
ルの積層方向の複数個所に介挿された冷却板と、この複
数個の冷却板に冷却用媒体を並列的に供給する冷却手段
を備え、単位燃料電池セルは、一対の燃料電極および酸
化剤電極と、これら両電極に挟持された電解質層を備え
たものであり、冷却手段は、それぞれの冷却板に冷却用
媒体を供給する供給側マニホールドと、供給側マニホー
ルドに冷却用媒体を供給する冷却媒体供給源を備えたも
のである、燃料電池発電装置において、冷却手段の有す
る供給側マニホールドは、その冷却用媒体が流入する端
部に対して反対側となる端部に余剰の冷却用媒体を流出
させるバイパス流吐出口を備える構成とすること、によ
り達成される。
【0022】
【作用】本発明においては、冷却手段の有する供給側マ
ニホールドを、その冷却用媒体が流入する端部に対して
反対側となる端部に余剰の冷却用媒体を流出させるバイ
パス流吐出口を備える構成とすることにより、冷却媒体
供給源からは、冷却板に供給する冷却用媒体とともにバ
イパス流吐出口から流出する冷却用媒体が供給されるこ
とで、供給側マニホールドに供給される冷却用媒体の流
量が増大する。一方、供給側マニホールド中における冷
却用媒体の温度上昇値あるいは温度降下値は、供給側マ
ニホールドの周囲の温度からの受熱量が同一量であるな
らば、冷却用媒体の流量の逆数に比例するものである。
これらにより、供給側マニホールドに周囲温度からの影
響が与えられたとしても、供給側マニホールド中におけ
る冷却用媒体の温度上昇値あるいは温度降下値は、低減
されることになる。
【0023】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。図1は、本発明の一実施例による固体高分子
電解質型燃料電池を備える燃料電池発電装置の冷媒回路
の系統図である。図1において、図4に示した従来例に
よる燃料電池発電装置と同一部分には同じ符号を付し、
その説明を省略する。なお、図1においても、図5,〜
図7中で付した符号については、代表的な符号のみを記
した。
【0024】図1において、冷却手段4は、従来例の燃
料電池発電装置の備える冷却手段4Aに対して、スタッ
ク1に冷却水9を供給する供給側マニホールド,および
冷却媒体供給源である熱交換器として、供給側マニホー
ルド5,および熱交換器7を備えるようにしたことが主
たる相違点である。供給側マニホールド5は、従来例の
燃料電池発電装置の備える供給側マニホールド5Aに対
して、冷却水流入口52を備える端部に対して反対側と
なる他方の端部に、余剰の冷却用媒体9bを流出させる
バイパス流吐出口53を備えるようにしたことがその相
違点である。熱交換器7は、従来例の燃料電池発電装置
の備える熱交換器7Aに対して、放熱器71にバイパス
流吐出口53に接続されて余剰の冷却用媒体9bを通流
する配管93を接続するようにしたことがその相違点で
ある。冷却手段4は、上記に加えて、配管93に余剰の
冷却用媒体9bの流量を調整する制御弁94を備えてい
る。なお、9aは、冷却用媒体9と余剰の冷却用媒体9
bとを加えた熱交換器7が供給する供給側冷却用媒体で
ある。
【0025】本発明では前述の構成としたので、冷却媒
体供給源である熱交換器7からは、冷却板3に供給する
冷却用媒体9と共にバイパス流吐出口53から流出する
余剰の冷却用媒体9bが供給されることで、供給側マニ
ホールドに供給される冷却用媒体の流量は、冷却用媒体
9と余剰の冷却用媒体9bとの和である供給側冷却用媒
体9aとなる。これにより、供給側マニホールド5に通
流する供給側冷却用媒体9aの流量は、従来例の場合の
供給側マニホールド5Aに通流する冷却用媒体9の流量
よりも増大する。
【0026】供給側マニホールド5に周囲温度から与え
られる影響による供給側マニホールド5中における供給
側冷却用媒体9aの温度上昇値あるいは温度降下値は、
供給側マニホールド5が、従来例の燃料電池発電装置の
備える供給側マニホールド5Aに対して、バイパス流吐
出口53を追加したものであり、周囲温度から与えられ
る受熱(当然、周囲温度の値によっては、放熱であるこ
とも有りうるが、ここでは、それらを一括して受熱と表
現する。)量は不変であるので、冷却用媒体の流量の逆
数に比例することとなる。したがって、供給側マニホー
ルド5中における供給側冷却用媒体9aの温度上昇値あ
るいは温度降下値は、低減されることになる。
【0027】これにより、供給側マニホールド5の下流
側から冷却水9の供給を受ける冷却板3の近傍に位置す
る単位燃料電池セル2の温度と、供給側マニホールド5
の上流側から冷却水9の供給を受ける冷却板3の近傍に
位置する単位燃料電池セル2の温度との差を小さくする
ことが可能となる。なお、供給側マニホールド5の周囲
温度条件に対応させて制御弁94の弁開度を適切に設定
することにより、前記の温度差の値は、実用上支障の生
じない範囲に低減されることとなる。
【0028】
【発明の効果】本発明においては、冷却手段の有する供
給側マニホールドを、その冷却用媒体が流入する端部に
対して反対側となる端部に余剰の冷却用媒体を流出させ
るバイパス流吐出口を備える構成とすることにより、供
給側マニホールドに周囲の温度からの影響が与えられた
としても、供給側マニホールド中における冷却用媒体の
温度上昇値あるいは温度降下値が、低減されることによ
り、スタックの出口側の反応ガス中に過飽和な水蒸気が
含まれることによる問題を回避するために、スタックの
備える冷却体に供給する冷却用媒体の供給量を低減した
としても、供給側マニホールド中における冷却用媒体の
温度上昇値あるいは温度降下値は、低減されることにな
る。
【0029】図2は、本発明による冷却手段を採用し
て、57個の単位燃料電池セルを積層し,単位燃料電池
セル3個置きに冷却板を介挿したスタックを冷却するよ
うにした燃料電池発電装置における、代表的位置に配置
された単位燃料電池セル温度(図2中に黒丸で示す。)
を、従来例の冷却手段を採用した場合(図2中に四角形
で示す。)と対比させて示した測定結果の一例である。
図2に示した事例では、冷却板は図8に示した構造を備
え、しかも単位燃料電池セルの動作温度を70℃に設定
し、また、番号1の単位燃料電池セルが、供給側マニホ
ールドの最も上流側から冷却水の供給を受ける冷却板の
近傍に位置し,しかも最も端部に位置する単位燃料電池
セルであり、番号57の単位燃料電池セルが、供給側マ
ニホールドの最も下流側から冷却水の供給を受ける冷却
板の近傍に位置し,しかも最も端部に位置する単位燃料
電池セルである。本発明の冷却構造を採用した燃料電池
発電装置においては、単位燃料電池セル温度の相互差は
約0.5〔℃〕であり、従来例の冷却手段を採用した場
合の単位燃料電池セル温度の相互差の約2〔℃〕に対し
て約1/4に低減されている。なお、最も端部に位置す
る単位燃料電池セル(番号1と、番号57の単位燃料電
池セル)の温度が、他の単位燃料電池セルの温度よりも
低い理由は、端部効果によるものである。
【0030】また、供給側マニホールド中における冷却
用媒体の温度上昇値あるいは温度降下値が低減されるこ
とになる結果、前記したように、単位燃料電池セル温度
の相互差が低減されることになり、これにより、SPE
膜が乾燥する問題あるいは液体状の水が反応ガス通路内
に滞留して反応ガスの通流を阻害する問題が解消され
て、燃料電池発電装置の発電効率の向上、あるいは、発
電量の長時間の安定化を達成することが可能となる。
【0031】このことは、図3に示した運転時間に対す
る発生電圧の変化を示す測定結果の一例により確認する
ことができている。図3は、図2に示したものと同一の
燃料電池発電装置による長時間運転における、スタック
の発生電圧の推移である。なお、図3中の黒丸と四角形
の意味するところは、図2の場合と同一である。本発明
の冷却構造を採用した燃料電池発電装置は、長時間運転
に際してスタックの発生電圧は極めて安定したものにな
っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による燃料電池発電装置の冷
媒回路の系統図
【図2】本発明の一実施例による燃料電池発電装置の単
位燃料電池セルの温度分布を示す図
【図3】本発明の一実施例による燃料電池発電装置の運
転時間に対するスタック発生電圧の推移を示す図
【図4】従来例の燃料電池発電装置の冷媒回路の系統図
【図5】図4中示した燃料電池セル集積体の模式的に示
した側面図
【図6】図5中示した単位燃料電池セルの展開した状態
で表した上面図
【図7】図4および図5中示した冷却体のマニホールド
と共に示した側断面図で、(a),(b)はそれぞれ異
なる事例を示す
【図8】冷却体のさらに異なる事例の側断面図
【符号の説明】
1 燃料電池セル集積体(スタック) 2 単位燃料電池セル 21a 燃料電極 21b 酸化剤電極 21c 電解質層 3 冷却板 4 冷却手段 5 供給側マニホールド 52 冷却水流入口 53 バイパス流吐出口 6 回収側マニホールド 7 冷却媒体供給源(熱交換器) 71 放熱器 9 冷却用媒体(冷却水) 9a 供給側冷却用媒体 9b 余剰の冷却用媒体 93 配管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて
    直流電力を発生する単位燃料電池セルを複数個数積層し
    た燃料電池セル集積体と、燃料電池セル集積体の単位燃
    料電池セルの積層方向の複数個所に介挿された冷却板
    と、この複数個の冷却板に冷却用媒体を並列的に供給す
    る冷却手段を備え、 単位燃料電池セルは、一対の燃料電極および酸化剤電極
    と、これら両電極に挟持された電解質層を備えたもので
    あり、 冷却手段は、それぞれの冷却板に冷却用媒体を供給する
    供給側マニホールドと、供給側マニホールドに冷却用媒
    体を供給する冷却媒体供給源を備えたものである、 燃料電池発電装置において、 冷却手段の有する供給側マニホールドは、その冷却用媒
    体が流入する端部に対して反対側となる端部に余剰の冷
    却用媒体を流出させるバイパス流吐出口を備える、 ことを特徴とする燃料電池発電装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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