JP2008218305A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】無加湿運転を継続させることが可能な、燃料電池を提供する。
【解決手段】中空形状の電解質膜、電解質膜の内周面側に配設される中空形状の第1触媒層、及び、電解質膜の外周面側に配設される中空形状の第2触媒層を備える中空形状の膜電極構造体と、第1触媒層の内周面側に配設される第1集電体及び第2触媒層の外周面側に配設される第2集電体と、少なくとも膜電極構造体と熱交換し得る冷却媒体を流通させる熱媒体管と、を具備し、酸素含有気体が第1触媒層へ供給されるとともに、水素含有気体が第2触媒層へ供給され、第1触媒層の内周面側に、酸素含有気体を流通させる流路が備えられ、酸素含有気体の流通方向と水素含有気体の流通方向とが逆方向であり、かつ、上記流路の出口における酸素含有気体の圧力を上記流路の入口における酸素含有気体の圧力よりも高くする圧力調整手段が備えられる、燃料電池とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、中空形状の膜電極構造体を備える燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質層(以下、「電解質膜」という。)と、電解質膜の両面側にそれぞれ配設される電極(アノード及びカソード)とを備える膜電極構造体(以下、「MEA」という。)における電気化学反応により発生した電気エネルギーを、MEAの両側にそれぞれ配設される集電体を介して外部に取り出している。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下、「PEFC」という。)は、低温領域での運転が可能である。また、PEFCは、高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車の動力源や携帯用電源として注目されている。
PEFCの単セルは、プロトン伝導性ポリマーを含有する電解質膜と、少なくとも触媒層を備えるカソード及びアノードと、を具備し、その理論起電力は1.23Vである。PEFCでは、アノードに水素含有ガスが、カソードに酸素含有ガスが、それぞれ供給される。アノードへと供給された水素は、アノードの触媒層(以下、「アノード触媒層」ということがある。)に含有される触媒(例えば、Pt等。以下において同じ。)の作用下でプロトンと電子へ分離し、水素から生じたプロトンは、アノード触媒層及び電解質膜を通ってカソードの触媒層(以下、「カソード触媒層」ということがある。)へと達する。一方、電子は、外部回路を通ってカソード触媒層へと達し、かかる過程を経ることにより、電気エネルギーを取り出すことが可能になる。そして、カソード触媒層へと達したプロトン及び電子と、カソード触媒層へと供給される酸素とが、カソード触媒層に含有される触媒の作用下で反応することにより、水が生成される。
PEFCの電解質膜に含有されるプロトン伝導性ポリマーは、含水状態下でプロトン伝導性能を発現するため、PEFCの運転時には、一般に、アノードに加湿された水素含有ガス(以下、「水素」ということがある。)が、カソードに加湿された酸素含有ガス(以下、「空気」ということがある。)が、それぞれ供給される。それゆえ、PEFCの単セルを具備する燃料電池システムには、通常、水素及び空気を加湿するための加湿手段が備えられている。
一方、単位体積当たりの発電量を向上させること等を目的として、近年、単セルが柱状のPEFC(以下、「チューブ型PEFC」という。)に関する研究が進められている。チューブ型PEFCのユニットセル(以下において、単に「セル」ということがある。)は、一般に、プロトン伝導性ポリマーを含有する中空形状の電解質膜と当該電解質膜の内周面側及び外周面側にそれぞれ配設される中空形状の触媒層とを備える中空形状のMEA、を備えている。そして、当該MEAの内周面側に水素又は空気を、外周面側に空気又は水素をそれぞれ供給することにより電気化学反応を起こし、この電気化学反応により発生した電気エネルギーを、中空形状のMEAの内周面側及び外周面側にそれぞれ配設される集電体を介して外部に取り出している。すなわち、チューブ型PEFCでは、各セルに備えられる中空形状のMEAの内周面側に一方の反応ガス(水素又は空気)を、外周面側に他方の反応ガス(空気又は水素)を供給することにより発電エネルギーを取り出すので、隣り合う2つのチューブ型燃料電池セルの外周面側に供給される反応ガスを同一とすることができる。したがって、チューブ型PEFCによれば、従来の平板型PEFCではガス遮蔽性能をも併せ持っていたセパレータが不要となるため、単位体積当たりの発電量を向上させることが容易になる。
チューブ型PEFCにおいても、中空形状の電解質膜に含有されるプロトン伝導性ポリマーは含水状態下でプロトン伝導性能を発現するので、通常、運転時には加湿された水素及び空気が供給される。それゆえ、チューブ型PEFCを備える燃料電池システムにも、一般に、水素及び空気を加湿するための加湿手段が備えられている。
このようなチューブ型PEFCに関する技術として、例えば、特許文献1に、一方の端部側の内径が、他方の端部側の内径と比較して小さくなるように形成されていることを特徴とするチューブ型燃料電池用膜電極複合体が開示されている。そして、当該技術によれば、フラッディングを防止することができ、コストの削減が可能であるチューブ型燃料電池用膜電極複合体が提供される、としている。
特開2006−216417号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、カソード触媒層で生成された水をアノード側へと移動(以下、「逆拡散」ということがある。)させることが困難である。そのため、PEFCの運転を継続するには、加湿器等によって加湿した水素及び空気をセルへ供給し続ける必要があり、無加湿の水素及び空気が供給されるとPEFCの運転継続が不可能になる(以下、アノードへ無加湿の水素が供給され、かつ、カソードへ無加湿の空気が供給された状態で継続される運転を、「無加湿運転」という。)。無加湿運転を継続させることが困難な特許文献1に開示されている技術では、運転時に加湿器等の補機によるエネルギー消費が増大しやすく、電気エネルギーの有効利用を図り難いという問題があった。
そこで本発明は、無加湿運転を継続させることが可能な、燃料電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明は、中空形状の電解質膜、電解質膜の内周面側に配設される中空形状の第1触媒層、及び、電解質膜の外周面側に配設される中空形状の第2触媒層を備える中空形状の膜電極構造体と、第1触媒層の内周面側に配設される第1集電体及び第2触媒層の外周面側に配設される第2集電体と、少なくとも膜電極構造体と熱交換し得る冷却媒体を流通させる熱媒体管と、を具備し、酸素含有気体が第1触媒層へ供給されるとともに、水素含有気体が第2触媒層へ供給され、第1触媒層の内周面側に、酸素含有気体を流通させる流路が備えられ、酸素含有気体の流通方向と水素含有気体の流通方向とが逆方向であり、かつ、上記流路の出口における酸素含有気体の圧力を上記流路の入口における酸素含有気体の圧力よりも高くする圧力調整手段が備えられることを特徴とする、燃料電池である。
ここに、本発明において、「中空形状の電解質膜」は、PEFCで使用可能なプロトン伝導性ポリマーを含有する中空形状の固体高分子膜であれば、その形態は特に限定されない。さらに、本発明において、「中空形状の第1触媒層」及び「中空形状の第2触媒層」は、PEFCで使用可能な触媒、並びに、当該触媒の作用下で生じたプロトンを伝導させ得るプロトン伝導性物質を備えていれば、その形態は特に限定されない。さらに、本発明において、「第1触媒層の内周面側に配設される第1集電体」とは、第1触媒層の内周面と第1集電体との間に中空形状の拡散層が配設される場合には、当該拡散層の内周面と第1集電体とが接触する形態で、第1集電体が配設されることを意味する。これに対し、第1触媒層の内周面側に中空形状の拡散層が配設されない場合には、第1触媒層の内周面と第1集電体とが接触する形態で、第1集電体が配設されることを意味する。本発明において、「第1集電体」は、PEFCの運転時の環境に耐え得る導電性材料により構成されていれば、その構成材料は特に限定されない。本発明における第1集電体は、平板型のPEFCに備えられるセパレータを作製する際に用いられる材料と同様の材料を用いて作製することができる。さらに、「第2触媒層の外周面側に配設される第2集電体」とは、第2触媒層の外周面と第2集電体との間に中空形状の拡散層が配設される場合には、当該拡散層の外周面と第2集電体とが接触する形態で、第2集電体が配設されることを意味する。これに対し、第2触媒層の外周面側に中空形状の拡散層が配設されない場合には、第2触媒層の外周面と第2集電体とが接触する形態で、第2集電体が配設されることを意味する。本発明において、「第2集電体」は、PEFCの運転時の環境に耐え得る導電性材料により構成されていれば、その構成材料は特に限定されない。本発明における第2集電体は、平板型のPEFCに備えられるセパレータを作製する際に用いられる材料と同様の材料を用いて作製することができる。さらに、本発明において、「冷却媒体」は、無加湿運転の継続中にセルを冷却するために流通させる熱媒体を意味する。冷媒の具体例としては、冷却水のほか、絶縁性の各種冷媒等を挙げることができる。さらに、本発明において、「少なくとも膜電極構造体と熱交換し得る冷却媒体を流通させる熱媒体管」とは、少なくとも冷却媒体が熱媒体管を流通可能であることを意味し、寒冷地等における低温始動性を向上させる等の目的で、熱媒体管に温熱媒体を流通させた後、無加湿運転中に冷却媒体を流通させる形態等も採り得ることを意味する。さらに、本発明において、「熱媒体管」は、本発明の燃料電池の無加湿運転時に、セルとの間で熱交換をすることにより、セルの温度を所定の範囲(例えば、70℃〜90℃程度の温度範囲)に制御することができるとともに、燃料電池の運転時の環境に耐え得る性質(例えば、耐熱性、耐酸性等)を有する材料によって構成され、かつ、内部に熱媒体を流通させ得る形態であれば、特に限定されない。
さらに、本発明において、「酸素含有気体」は、酸素を含有する気体であれば特に限定されず、例えば、空気等を用いることができる。本発明において、第1触媒層へと供給される酸素含有気体(以下、「酸素含有ガス」又は「空気」ということがある。)の相対湿度は特に限定されない。さらに、本発明において、「水素含有気体」(以下、「水素含有ガス」又は「水素」ということがある。)は、水素を含有する気体であれば特に限定されず、例えば、PEFCで使用される水素含有ガス等を用いることができる。さらに、「第1触媒層の内周面側に、酸素含有気体を流通させる流路が備えられ」とは、第1触媒層の内周面側に酸素含有ガスを供給可能な形態で、第1触媒層の内周面側に酸素含有ガス流通用の空間が備えられることを意味する。当該流路が採り得る形態の具体例としては、第1集電体の外周面に形成された凹部を流路として機能させる形態等を挙げることができる。このほか、第1集電体が複数の線材からなる場合には、第1触媒層の内周面(又は、第1触媒層の内周面側に中空形状の拡散層が備えられる場合には拡散層の内周面。以下、本段落において、第1触媒層の内周面、又は、当該第1触媒層の内周面側に備えられる拡散層の内周面をまとめて「第1触媒層の内周面」という。)と、当該第1触媒層の内周面と接触する複数の線材との間に形成される隙間を流路として機能させる形態を例示することができる。さらに、「酸素含有気体の流通方向と水素含有気体の流通方向とが逆方向」とは、上記流路の出口と水素含有ガスの入口とが隣接するように配置され、かつ、上記流路の入口と水素含有ガスの出口とが隣接するように配置されることにより、酸素含有ガスの流通方向と水素含有ガスの流通方向とが対向することを意味する。
上記本発明において、酸素含有気体の流通方向と冷却媒体の流通方向とが逆方向であることが好ましい。
ここに、「酸素含有気体の流通方向と冷却媒体の流通方向とが逆方向である」とは、上記流路の出口と上記熱媒体管の入口とが隣接するように配置され、かつ、上記流路の入口と上記熱媒体管の出口とが隣接するように配置されることにより、酸素含有ガスの流通方向と熱媒体管の内部を流通する冷却媒体の流通方向とが対向することを意味する。
また、上記本発明(変形例も含む。以下同じ。)において、圧力調整手段として、第1集電体の長手方向を法線方向とする平面による上記出口の断面積が、該平面による上記入口の断面積よりも小さい流路が備えられることが好ましい。
ここに、「圧力調整手段として、第1集電体の長手方向を法線方向とする平面による上記出口の断面積が、該平面による上記入口の断面積よりも小さい流路が備えられる」とは、第1集電体の長手方向を法線方向とする平面による流路出口の断面積が当該平面による流路入口の断面積よりも小さい形態の流路が備えられることにより、流路出口における酸素含有ガスの圧力が流路入口における酸素含有ガスの圧力よりも高くされることを意味する。
また、上記本発明において、圧力調整手段に、上記流路の出口における酸素含有気体の圧力を調整する圧力調整弁が備えられることが好ましい。
ここに、本発明における「圧力調整弁」は、酸素含有ガスに背圧を付加する際に用いられる圧力調整弁等を用いることができる。本発明における「圧力調整弁」は、流路の出口における酸素含有ガスの圧力を流路の入口における酸素含有ガスの圧力よりも高くするために、流路の出口側の酸素含有ガスへ圧力を付与する圧力調整手段としての機能を有する。
また、上記本発明において、第1触媒層及び/又は第2触媒層の出口側の厚さが、第1触媒層及び/又は第2触媒層の入口側の厚さよりも厚いことが好ましい。
ここに、「第1触媒層及び/又は第2触媒層の出口側の厚さが、第1触媒層及び/又は第2触媒層の入口側の厚さよりも厚い」とは、第1触媒層と第2触媒層の一方のみ、又は、第1触媒層と第2触媒層の両方が、部位によって厚さが異なり、上記流路の出口側における厚さが上記流路の入口側における厚さよりも厚いことを意味する。すなわち、上記流路の入口側よりも上記流路の出口側の方が厚い第1触媒層が備えられる形態と、上記流路の入口側よりも上記流路の出口側の方が厚い第2触媒層が備えられる形態と、上記流路の入口側よりも上記流路の出口側の方が厚い第1触媒層及び第2触媒層が備えられる形態と、が想定されることを意味する。本発明において、第1触媒層及び/又は第2触媒層の厚さは、流路の入口から出口へ向かうにつれて連続的に厚くなるように構成されていても良く、流路の入口から出口へ向かうにつれて段階的に厚くなるように構成されていても良い。
また、上記本発明において、さらに、第2触媒層と第2集電体との間に、中空形状の拡散層が備えられ、拡散層の上記出口側の厚さが、拡散層の上記入口側の厚さよりも厚いことが好ましい。
ここに、「中空形状の拡散層」は、拡散層の形状が中空形状であれば、その形態は特に限定されない。中空形状の拡散層の形態例としては、筒状に形成された形態の拡散層のほか、帯状の拡散層が第2触媒層の外周面上に巻回されることにより、中空形状の拡散層とされた形態等を挙げることができる。さらに、「拡散層の上記出口側の厚さが、拡散層の上記入口側の厚さよりも厚い」とは、部位によって拡散層の厚さが異なり、上記流路の出口側における拡散層の厚さが上記流路の入口側における拡散層の厚さよりも厚いことを意味する。本発明において、拡散層の厚さは、流路の入口から出口に向かうにつれて連続的に厚くなるように構成されていても良く、流路の入口から出口へ向かうにつれて段階的に厚くなるように構成されていても良い。
本発明によれば、酸素含有気体が流通する流路(以下、「酸素流路」ということがある。)出口の圧力が、圧力調整手段によって酸素流路入口の圧力よりも高くなるように調整されるので、第1触媒層で生成された水を液体状態のまま、酸素含有ガスとともに、酸素流路の出口側へと移動させることができる。本発明の燃料電池では、酸素含有ガス及び水素含有ガスが互いに逆方向へ流通するので、酸素流路の出口と水素含有ガスの入口とが隣接している。本発明の燃料電池の第2触媒層へと供給される水素含有ガスは相対湿度が100%未満なので、水素含有ガス入口側の第2触媒層の外周面と酸素流路出口との間に湿度勾配が生じ、酸素流路出口に存在する液体の水は、第1触媒層及び電解質膜を通過して第2触媒層の外周面へと移動する。第2触媒層の外周面へ水が移動すると、当該水によって、水素含有ガスを加湿することができる。水素含有ガスの加湿に利用されなかった第2触媒層内の残りの水は、水素含有ガスとともに、当該水素含有ガスの出口側へと移動する。燃料電池では、アノードで生じたプロトンが水とともにカソードへと移動するため、水素含有ガスの出口側へと移動した水は、第2触媒層で生じたプロトンとともに第1触媒層へと移動し、当該第1触媒層へと供給される酸素含有ガスを加湿することができる。このように、本発明の燃料電池によれば、第1触媒層で生成された水を第2触媒層へ逆拡散させることにより、第2触媒層へと供給される水素含有ガスを加湿し、さらに、第2触媒層の水を第1触媒層へ拡散させることにより、第1触媒層へと供給される酸素含有ガスを加湿することができる。したがって、本発明によれば、無加湿運転を継続させることが可能な、燃料電池を提供できる。
本発明において、酸素含有気体の流通方向と熱媒体の流通方向とが逆方向であることにより、酸素流路の出口と熱媒体管の入口とを隣接させることができ、酸素流路出口の温度を低下させることが容易になる。酸素流路出口の温度を低下させることにより、液体の水が酸素流路の出口側に存在しやすくなるので、第1触媒層から第2触媒層へと逆拡散させる水の量を増大させることができる。したがって、かかる形態とすることにより、無加湿運転を容易に継続させることが可能な、燃料電池を提供できる。
また、本発明において、圧力調整手段として、入口よりも狭い出口が備えられる酸素流路が備えられることにより、当該酸素流路出口における酸素含有ガスの圧力が高くなるので、酸素流路出口に液体の水を容易に存在させることができる。したがって、かかる形態とすることにより、第1触媒層から第2触媒層へと逆拡散させる水の量を増大させることができるので、無加湿運転を容易に継続させることが可能な、燃料電池を提供できる。
また、本発明において、圧力調整弁を用いて酸素流路出口の圧力を高めることにより、酸素流路出口に液体の水を存在させやすくなる。したがって、かかる形態とすることにより、無加湿運転を容易に継続させることが可能な、燃料電池を提供できる。
また、本発明において、酸素流路入口側よりも酸素流路出口側の方が厚い第1触媒層及び/又は第2触媒層が備えられることにより、酸素流路出口側に位置する、MEAの厚さ方向における湿度勾配を大きくすることができる。湿度勾配を大きくすることにより、第1触媒層から第2触媒層へ水を容易に逆拡散させることができる。したがって、かかる形態とすることで、無加湿運転を容易に継続させることが可能な、燃料電池を提供できる。
また、本発明において、第2触媒層と第2集電体との間に中空形状の拡散層が配設され、当該拡散層の厚さを、酸素流路入口側よりも酸素流路出口側で厚くすることにより、第1触媒層から第2触媒層へ水を容易に逆拡散させることができる。したがって、かかる形態とすることにより、無加湿運転を容易に継続させることが可能な、燃料電池を提供できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の燃料電池について具体的に説明する。
図1は、本発明の燃料電池の形態例を示す概念図であり、セル及び熱媒体管の断面図と、無加湿運転時における水素、空気、及び、冷媒の流通方向とを概略的に示している。図1の紙面左右方向が、セルの長手方向である。さらに、図1の紙面左側が、酸素流路の入口側、水素含有ガスの出口側、及び、熱媒体管の内部を流通する冷却媒体の出口側であり、図1の紙面右側が、酸素流路の出口側、水素含有ガスの入口側、及び、冷却媒体の入口側である。図2は、本発明の燃料電池に備えられるセルの形態例を示す概念図である。セルの構成を理解しやすくするため、図2では、第1集電体、MEA、及び、拡散層の断面と、拡散層の外周面に巻回される第2集電体の形態を概略的に示している。図2の紙面奥/手前方向が、セルの長手方向である。
図1及び図2に示すように、本発明の燃料電池100は、中空形状の電解質膜1、電解質膜1の内周面側に形成された中空形状の第1触媒層2、及び、電解質膜1の外周面側に形成された中空形状の第2触媒層3を備える中空形状のMEA4と、第2触媒層3の外周面に配設された中空形状の拡散層5と、第1触媒層2の内周面と接触するように配設された第1集電体6と、拡散層5の外周面に巻回された第2集電体7と、第1集電体6の外周面へ長手方向略全長に亘って流路断面積(第1集電体6の長手方向を法線方向とする平面による流路の断面積)が略一定となるように形成された流路6x、6x、…と、を具備するセル8を備える。加えて、燃料電池100は、セル8の第2集電体7と接触するように配設された熱媒体管9(以下、「冷却管9」という。)を備え、さらに、空気用マニホールド10、10、水素流通部11(以下、図1の紙面右側に備えられる水素の流入口を「水素入口11a」、同左側に備えられる水素の流出口を「水素出口11b」ということがある。)、及び、冷媒用マニホールド12、12を備えている。MEA4に備えられる第1触媒層2及び第2触媒層3は、流路6x、6x、…の入口側から出口側へ向かうにつれて連続的に厚さが増す形態で形成され、第2触媒層3の外周面に配設された拡散層5も、流路6x、6x、…の入口側から出口側へ向かうにつれて連続的に厚さが増す形態で形成されている。流路6x、6x、…の入口は、空気用マニホールド10(以下、「空気用マニホールド10a」という。)に、流路6x、6x、…の出口は空気用マニホールド10(以下、「空気用マニホールド10b」という。)に、それぞれ開口し、冷却管9の入口は、冷媒用マニホールド12(以下、「冷媒用マニホールド12a」という。)に、冷却管9の出口は、冷媒用マニホールド(以下、「冷媒用マニホールド12b」という。)に、それぞれ開口している。そして、燃料電池100の無加湿運転時には、圧力調整弁13によって、流路6x、6x、…の出口側の圧力が、流路6x、6x、…の入口側の圧力よりも高くなるように調整される。
燃料電池100の無加湿運転時には、水素入口11aを介して拡散層5の外周面側へ加湿されていない水素が供給され、当該水素が、拡散層5を通過して第2触媒層3へと達する。第2触媒層3へと達した水素は、当該第2触媒層3に含有される触媒(例えば、Pt等。以下同じ。)の作用下で、プロトンと電子に分離する。第2触媒層3で生じたプロトンは、第2触媒層3、電解質膜1、及び、第1触媒層2に含有されるプロトン伝導性物質を介して第1触媒層2へと伝導され、第1触媒層2に含有される触媒(例えば、Pt等。以下同じ。)へと達する。これに対し、第2触媒層3で生じた電子は、電解質膜1を透過することができないため、外部回路を経由して第1触媒層2に含有される触媒へと達する。
一方、燃料電池100の無加湿運転時には、空気用マニホールド10a、及び、流路6x、6x、…を介して、第1触媒層2へ加湿されていない空気が供給される。第1触媒層2へと供給された空気は、第1触媒層2に含有される触媒へと達し、当該触媒の作用下で、空気に含まれる酸素と第2触媒層3から移動してきたプロトン及び電子とが反応することにより、水が生成される。
第1触媒層2で生成された水は、流路6x、6x、…へと供給される空気とともに、流路6x、6x、…の出口側(空気用マニホールド10b側)へと移動する。上述のように、流路6x、6x、…の出口側は、冷却管9の入口側及び水素入口11a側に相当する。ここで、冷媒用マニホールド12aを介して冷却管9へと供給される冷媒は、冷却管9の入口側で温度が低く、その後、セル8との間で熱交換をすることにより、出口側(冷媒用マニホールド12b側)へ向かうにつれて温められる。すなわち、冷媒用マニホールド12a及び冷却管9の入口を介して供給される冷媒の温度は、冷却管9の出口及び冷媒用マニホールド12bを介して排出されて回収される冷媒の温度よりも低いので、冷却管9の出口側から入口側へと移動してきた水は、冷却管9の内部を流通する冷媒によって冷やされ、冷却管9の入口側(流路6x、6x、…の出口側)では液体の水として存在する。
燃料電池100の無加湿運転時には、水素入口11aを介して拡散層5の外周面側へ加湿されていない水素が供給される。セル8では、第1集電体6の流路6x、6x、…に液体の水が存在する一方、拡散層5へと供給される水素は乾燥しているので、第1集電体6から遠ざかるほど湿度が低下する湿度勾配が形成される。そして、当該勾配は、流路6x、6x、…の出口へ向かうにつれて厚さが増す第1触媒層2、第2触媒層3、及び、拡散層5によって、さらに顕著なものとされている。それゆえ、流路6x、6x、…の出口側に存在する液体の水は、蒸散効果によって、第1触媒層2、電解質膜1、及び、第2触媒層3を経て拡散層5へと達し、拡散層5の外周面へと達した水によって水素が加湿される。水素を加湿した後に残った水は、拡散層5へと供給される水素とともに、水素出口11b側へと移動し、水素出口11b側の第2触媒層3を加湿する。
ここで、燃料電池100の運転時には、第2触媒層3から第1触媒層2へプロトンが移動する。このプロトンは、水とともに第1触媒層2へと移動するので、水素出口11b側へと移動して第2触媒層3を加湿した水は、プロトンとともに第1触媒層2へと移動する。上述のように、空気用マニホールド10a及び流路6x、6x、…の入口を介して加湿されていない空気が供給されるので、水素出口11b側(空気用マニホールド10a側)の第1触媒層2へと移動した水は、空気用マニホールド10a及び流路6x、6x、…の入口を介して供給される空気を加湿する。
以上より、本発明の燃料電池100では、第1触媒層2で生成された水を、空気とともに流路6x、6x、…の出口側(空気用マニホールド10b側)へと移動させ、流路6x、6x、…の出口側へと移動させた水を第1触媒層2から第2触媒層3へと逆拡散させる過程を経て、セル8の外周面へと供給される水素を加湿する。そして、水素を加湿する際に利用された後の水は、水素入口11aを介して供給される水素とともに水素出口11b側へと移動し、水素出口11b側へと移動した水がプロトンとともに第2触媒層3から第1触媒層1へと移動することにより、第1触媒層1へと供給される空気を加湿する。このように、第1触媒層2側へ加湿していない空気を供給し、かつ、第2触媒層3側へ加湿していない水素を供給しても、セル8で生成される水をセル8の中で循環させることにより、セル8へと供給される空気及び水素を加湿できるので、本発明の燃料電池100によれば、無加湿運転を継続することができる。
本発明の燃料電池100は、例えば、以下の工程を経て製造することができる。まず、流路6x、6x、…を形成した第1集電体6の外周面に、第1触媒層2を構成する組成物(塗布時には流動状態の組成物。以下、「組成物A」ということがある。)を塗布し乾燥することにより、第1集電体6の外周面上に第1触媒層2を形成する。第1集電体6の外周面へ組成物Aを塗布する際に、例えば、塗布する組成物Aの量を部位毎に調整する等の方法により、流路6x、6x、…の入口側と出口側とで厚さの異なる第1触媒層2を形成することができる。第1触媒層2を形成したら、次いで、当該第1触媒層2の外周面へ電解質膜1を構成する組成物(塗布時には流動状態の組成物)を塗布し乾燥することにより、第1触媒層2の外周面上に電解質膜1を形成する。電解質膜1を形成したら、次いで、当該電解質膜1の外周面へ第2触媒層3を構成する組成物(塗布時には流動状態の組成物。例えば、上記組成物Aと同等の組成物)を塗布し乾燥することにより、電解質膜1の外周面上に第2触媒層3を形成する。電解質膜1の外周面へ組成物Aを塗布する際に、例えば、塗布する組成物Aの量を部位毎に調整する等の方法により、流路6x、6x、…の入口側と出口側とで厚さの異なる第2触媒層3を形成することができる。第2触媒層3を形成したら、次いで、カーボンペーパー等からなる帯状の拡散層を第2触媒層3の外周面へ隙間なく巻回することにより、第2触媒層3の外周面上に拡散層5を形成する。第2触媒層3の外周面へ帯状の拡散層を巻回する際に、例えば、流路6x、6x、…の出口側になるほど拡散層の厚さが厚くなる形態で帯状の拡散層を巻回する等の方法により、流路6x、6x、…の入口側と出口側とで厚さの異なる拡散層5を形成することができる。拡散層5を形成したら、当該拡散層5の外周面へ線状の第2集電体7を巻回することにより、セル8を作製することができる。このようにしてセル8を作製したら、当該セル8と冷却管9とが接触する形態で、セル8及び冷却管9を水素流通部11へ配置する。その後、セル8及び冷却管9と空気用マニホールド10、10との隙間にシール部材を配置することにより、空気用マニホールド10、10の気密性を確保する。そして、冷媒用マニホールド12、12と冷却管9との隙間にシール部材を配置して冷媒用マニホールド12、12の気密性を確保する工程を経て、本発明の燃料電池100を製造することができる。
本発明の燃料電池100に関する上記説明では、流路6x、6x、…の出口へ向かうにつれて連続的に厚さが増す形態の第1触媒層2、第2触媒層3、及び、拡散層5が備えられる形態について例示したが、本発明の燃料電池は当該形態に限定されるものではない。連続的に厚さが増す形態のほか、例えば、流路6x、6x、…の長手方向中央から流路6x、6x、…の入口側の第1触媒層、第2触媒層、及び、拡散層の厚さを相対的に薄くし、流路6x、6x、…の長手方向中央から流路6x、6x、…の出口側の第1触媒層、第2触媒層、及び、拡散層の厚さを相対的に厚くする等の形態とすることも可能である。
また、本発明の燃料電池100に関する上記説明では、流路6x、6x、…の出口へ向かうにつれて厚さが増す形態の第1触媒層2及び第2触媒層3が備えられる形態について例示したが、本発明の燃料電池は当該形態に限定されるものではない。上記形態のほか、第1触媒層又は第2触媒層のみが、酸素流路の出口へ向かうにつれて厚さを増すように構成される形態とすることも可能であり、第1触媒層及び第2触媒層が、酸素流路の入口側から出口側に亘って均一の厚さとなるように構成される形態とすることも可能である。ただし、湿度の勾配を大きくすることにより、酸素流路の出口側で第1触媒層から第2触媒層へ向けて水を逆拡散させやすい形態にするという観点からは、第1触媒層及び第2触媒層が、酸素流路の出口へ向かうにつれて厚さが増す形態とされることが好ましい。
また、本発明の燃料電池100に関する上記説明では、第2触媒層3と第2集電体7との間に、流路6x、6x、…の出口へ向かうにつれて連続的に厚さが増す形態の拡散層5が配設される形態を例示したが、本発明の燃料電池は当該形態に限定されるものではない。本発明の燃料電池は、第2触媒層と第2集電体との間に拡散層が備えられずに第2触媒層の外周面上へ第2集電体が配設される形態や、酸素流路の入口側から出口側に亘って均一の厚さとなるように構成された拡散層が第2触媒層と第2集電体との間に配設される形態とすることも可能である。ただし、第2触媒層へ水素を均一に拡散させることにより発電性能を向上させる等の観点からは、第2触媒層と第2集電体との間に拡散層が備えられる形態とすることが好ましい。さらに、濃度の勾配を大きくすることにより、酸素流路の出口側で第1触媒層から第2触媒層へ向けて水を逆拡散させやすい形態にするという観点からは、酸素流路の出口へ向かうにつれて厚さが増す形態の拡散層が備えられることが好ましい。
また、本発明の燃料電池100に関する上記説明では、長手方向略全長に亘って流路断面積が略一定となるように形成された流路6x、6x、…の出口側の圧力が、同入口側の圧力よりも高くなるように、圧力調整弁13によって調整される形態の圧力調整手段が備えられる場合を例示したが、本発明の燃料電池は当該形態に限定されるものではない。本発明の燃料電池は、入口側から出口側へ向かうにつれて流路断面積が狭くなる酸素流路が備えられることにより、当該酸素流路出口の圧力が同入口の圧力よりも高くなるように構成される形態とすることも可能である。このほか、入口側から出口側へ向かうにつれて流路断面積が狭くなる酸素流路の出口の圧力が、さらに、圧力調整弁によって調整されることにより、当該酸素流路出口の圧力が同入口の圧力よりも高くなるように構成される形態とすることも可能である。
また、本発明の燃料電池100に関する上記説明では、空気の流通方向と冷媒の流通方向とが逆方向となるように、空気用マニホールド10a、10b、及び、冷媒用マニホールド12a、12bが配置される形態を例示したが、本発明の燃料電池は当該形態に限定されず、空気の流通方向と冷媒の流通方向とが同じ方向とされていてもよい。ただし、酸素流路の出口から空気用マニホールドへと排出される空気とともに水蒸気の状態で空気用マニホールドへと排出される水の量を低減して、酸素流路の出口側に液体の水を留めやすくすることにより無加湿運転を容易に継続可能とする観点からは、空気の流通方向と冷媒の流通方向とが逆方向となるように構成されることが好ましい。
本発明の燃料電池100に備えられる中空形状の電解質膜1は、PEFCにて使用可能なプロトン伝導性ポリマーを含有する中空形状の固体高分子膜であれば、その形態は特に限定されるものではない。電解質膜1に含有されるプロトン伝導性ポリマーの具体例としては、含フッ素高分子を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及びリン酸基のうち一種を有するフッ素系のポリマーや、ポリオレフィンのような炭化水素を骨格とする炭化水素系のポリマー等を挙げることができる。上記フッ素系のポリマーを含有する電解質膜の具体例としては、Nafion(「Nafion」は米国デュポン社の登録商標。)やフレミオン(「フレミオン」は旭硝子株式会社の登録商標)等を挙げることができる。一方、上記炭化水素系のポリマーを含有する電解質膜の具体例としては、セレミオン等(「セレミオン」は旭硝子株式会社の登録商標)を挙げることができる。
本発明の燃料電池100に備えられる第1触媒層2及び第2触媒層3は、PEFCの単セルで生ずる電気化学反応の触媒として機能する物質(触媒)と、当該電気化学反応で生じるプロトンを伝導させ得る物質(プロトン伝導性物質)とを有していれば、その形態は特に限定されるものではない。触媒層に含有される触媒の具体例としては、Ptのほか、Co、Ru、Ir、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、Cr、Mn、V、Ti、Mo、Pd、Rh、Wからなる群より選択される1以上の金属とPtとを有するPt合金等を挙げることができる。触媒層に含有されるプロトン伝導性物質の具体例としては、上記電解質膜に含有され得る上記プロトン伝導性ポリマー等を挙げることができる。
本発明の燃料電池100に備えられる拡散層5は、PEFCの拡散層として利用可能な物質により構成されていれば、その構成材料は特に限定されない。拡散層5は、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロス等により構成することができる。
本発明の燃料電池100に備えられる第1集電体6及び第2集電体7は、良好な電子伝導性を有する材料によって構成されることが好ましく、構成材料の具体例としては、銅、銀、金、白金等の金属を挙げることができる。集電体の構成材料として銅が用いられる場合には、耐酸性を向上させるため、その表面を銀、金、白金等によって被覆することが好ましい。
本発明の燃料電池100に備えられる冷却管9は、冷媒を流通させる空間を内部に備え、かつ、燃料電池100の無加湿運転時にセル8(セル8に備えられるMEA4)と熱交換することにより、セル8(セル8に備えられるMEA4)の温度を制御可能な材料により構成されていれば、その形態は特に限定されない。冷却管9は、導電性材料によって構成可能であるほか、絶縁性材料によって構成することもできる。冷却管9が導電性材料によって構成される場合には、漏電を防止する等の観点から、冷却管9の内部を流通させる冷媒は絶縁性の冷媒とすることが好ましい。
なお、本発明の燃料電池において、中空形状のMEAに含まれる水が少ない状態のまま、加湿していない水素及び空気を供給すると、少なくとも酸素流路の入口側で、プロトンが第2触媒層から第1触媒層へ伝導され難い状態になると考えられる。そのため、プロトンの伝導抵抗を低減する等の観点からは、無加湿運転を開始する前に、中空形状のMEAへ水を含ませておくことが好ましい。中空形状のMEAへ水を含ませた状態で無加湿運転を開始する方法は特に限定されるものではなく、例えば、燃料電池の運転開始時にのみ加湿した空気及び/又は水素を供給し、無加湿運転開始後に空気及び水素の加湿を停止して無加湿運転を継続する形態のほか、運転開始前に例えば水素流通部及び/又は空気用マニホールドを介して中空形状のMEAへ液体の水を供給し、水の供給停止後に無加湿運転を開始する、等の方法を採ることができる。
本発明の燃料電池の形態例を示す概念図である。 本発明の燃料電池に備えられるセルの形態例を示す概念図である。
符号の説明
1…電解質膜
2…第1触媒層
3…第2触媒層
4…MEA(膜電極構造体)
5…拡散層
6…第1集電体
6x…流路
7…第2集電体
8…セル
9…冷却管(熱媒体管)
10、10a、10b…空気用マニホールド
11…水素流通部
11a…水素入口
11b…水素出口
12、12a、12b…冷媒用マニホールド
13…圧力調整弁(圧力調整手段)
100…燃料電池

Claims (6)

  1. 中空形状の電解質膜、前記電解質膜の内周面側に配設される中空形状の第1触媒層、及び、前記電解質膜の外周面側に配設される中空形状の第2触媒層を備える中空形状の膜電極構造体と、前記第1触媒層の内周面側に配設される第1集電体及び前記第2触媒層の外周面側に配設される第2集電体と、少なくとも前記膜電極構造体と熱交換し得る冷却媒体を流通させる熱媒体管と、を具備し、
    酸素含有気体が前記第1触媒層へ供給されるとともに、水素含有気体が前記第2触媒層へ供給され、
    前記第1触媒層の内周面側に、前記酸素含有気体を流通させる流路が備えられ、
    前記酸素含有気体の流通方向と前記水素含有気体の流通方向とが逆方向であり、かつ、前記流路の出口における前記酸素含有気体の圧力を前記流路の入口における前記酸素含有気体の圧力よりも高くする圧力調整手段が備えられることを特徴とする、燃料電池。
  2. 前記酸素含有気体の流通方向と前記冷却媒体の流通方向とが逆方向であることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記圧力調整手段として、前記第1集電体の長手方向を法線方向とする平面による前記出口の断面積が前記平面による前記入口の断面積よりも小さい前記流路が、備えられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 前記圧力調整手段に、前記流路の前記出口における前記酸素含有気体の圧力を調整する圧力調整弁が備えられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
  5. 前記第1触媒層及び/又は前記第2触媒層の前記出口側の厚さが、前記第1触媒層及び/又は前記第2触媒層の前記入口側の厚さよりも厚いことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池。
  6. さらに、前記第2触媒層と前記第2集電体との間に、中空形状の拡散層が備えられ、
    前記拡散層の前記出口側の厚さが、前記拡散層の前記入口側の厚さよりも厚いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池。
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