JPH06230004A - 酸素検知剤組成物 - Google Patents
酸素検知剤組成物Info
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- JPH06230004A JPH06230004A JP1826493A JP1826493A JPH06230004A JP H06230004 A JPH06230004 A JP H06230004A JP 1826493 A JP1826493 A JP 1826493A JP 1826493 A JP1826493 A JP 1826493A JP H06230004 A JPH06230004 A JP H06230004A
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- water
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 色素の退色に対する抵抗性、酸素検知下限濃
度、耐水性、変色性、安全性等を改善した酸素検知剤組
成物を提供する。 【構成】 ハイドロタルサイト類、酸化還元色素、還元
性糖類および水溶性多価金属化合物を含有する酸素検知
剤組成物。ハイドロタルサイト類は、一般式(1) Mg(1−x)AIx(OH)2・(OC3)x/2・
mH2O (1) (式中、xは0<x≦0.33の範囲の数を表し、mは正
の整数を表す)で示される化合物であり、水溶性多価金
属化合物は、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛お
よびニッケルからなる群より選ばれた金属の水溶性塩類
である。
度、耐水性、変色性、安全性等を改善した酸素検知剤組
成物を提供する。 【構成】 ハイドロタルサイト類、酸化還元色素、還元
性糖類および水溶性多価金属化合物を含有する酸素検知
剤組成物。ハイドロタルサイト類は、一般式(1) Mg(1−x)AIx(OH)2・(OC3)x/2・
mH2O (1) (式中、xは0<x≦0.33の範囲の数を表し、mは正
の整数を表す)で示される化合物であり、水溶性多価金
属化合物は、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛お
よびニッケルからなる群より選ばれた金属の水溶性塩類
である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、雰囲気中の酸素濃度が
一定値以下となった時に変色することにより、目視によ
ってこれを検知することができる酸素検知剤組成物に関
する。
一定値以下となった時に変色することにより、目視によ
ってこれを検知することができる酸素検知剤組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】酸素検知剤、特に脱酸素包装中の低濃度
酸素を検知することができる酸素検知剤として実用に耐
えるものは、現在のところ酸化還元色素と強力な還元剤
とを組み合わせたものが唯一のものであり、この酸化還
元色素と還元剤との組み合わせについては、従来より多
くの提案がなされている。
酸素を検知することができる酸素検知剤として実用に耐
えるものは、現在のところ酸化還元色素と強力な還元剤
とを組み合わせたものが唯一のものであり、この酸化還
元色素と還元剤との組み合わせについては、従来より多
くの提案がなされている。
【0003】また、酸素検知剤の形態としては、粉末、
溶液、ゲル状物、成形品、あるいは溶液をシートや多孔
体に含浸させたもの等が提案されており、なかでも錠剤
型の成形品が最も広汎に用いられている。
溶液、ゲル状物、成形品、あるいは溶液をシートや多孔
体に含浸させたもの等が提案されており、なかでも錠剤
型の成形品が最も広汎に用いられている。
【0004】酸素検知剤の組成の代表的なものを挙げる
と、特公昭56−24906号公報は、メチレンブルー
等の酸化還元色素、還元剤であるグルコース等の還元糖
およびアルカリ土類金属水酸化物の組み合わせからなる
組成物を開示している。また、特開昭55−99069
号公報は、各種バット染料等の酸化還元色素、還元剤、
吸着剤および水からなる組成物を開示している。さら
に、特開平2−173566号公報は、メチレンブル
ー、キシロースおよびリン酸ナトリウム等の塩基性物質
に水酸化アルミニウムと結合剤とを加えてpH10.5〜
11.5に緩衝保持したものを打錠成型した組成物を開示
している。
と、特公昭56−24906号公報は、メチレンブルー
等の酸化還元色素、還元剤であるグルコース等の還元糖
およびアルカリ土類金属水酸化物の組み合わせからなる
組成物を開示している。また、特開昭55−99069
号公報は、各種バット染料等の酸化還元色素、還元剤、
吸着剤および水からなる組成物を開示している。さら
に、特開平2−173566号公報は、メチレンブル
ー、キシロースおよびリン酸ナトリウム等の塩基性物質
に水酸化アルミニウムと結合剤とを加えてpH10.5〜
11.5に緩衝保持したものを打錠成型した組成物を開示
している。
【0005】このように、従来の酸素検知剤は、基本的
にはメチレンブルー等の酸化還元色素、グルコース等の
還元剤およびアルカリ土類金属水酸化物等のアルカリ性
物質を主要な構成成分とし、これに適宜賦形剤や色調調
整用の赤色色素等を添加して打錠成型したものが普通の
形態となっている。
にはメチレンブルー等の酸化還元色素、グルコース等の
還元剤およびアルカリ土類金属水酸化物等のアルカリ性
物質を主要な構成成分とし、これに適宜賦形剤や色調調
整用の赤色色素等を添加して打錠成型したものが普通の
形態となっている。
【0006】しかしながら、これらの酸素検知剤成型品
には、下記のような欠点がある。
には、下記のような欠点がある。
【0007】(1).市販の酸素検知剤はもとより、前記特
許公報において提案されている各種酸素検知剤のほとん
どは、その酸素検知下限濃度が0.1V/V %程度である。
しかし、例えば好気性細菌は、酸素濃度が0.1V/V %の
環境下でも増殖する(相磯和喜著、医歯薬出版発行「食
品微生物学」P143参照)ので、上記の酸素検知下限
濃度は高すぎる。
許公報において提案されている各種酸素検知剤のほとん
どは、その酸素検知下限濃度が0.1V/V %程度である。
しかし、例えば好気性細菌は、酸素濃度が0.1V/V %の
環境下でも増殖する(相磯和喜著、医歯薬出版発行「食
品微生物学」P143参照)ので、上記の酸素検知下限
濃度は高すぎる。
【0008】(2).酸素検知剤の組成によっては、水に濡
れると色素が溶出したり、甚だしい場合には成型物が崩
壊したりするものがある。
れると色素が溶出したり、甚だしい場合には成型物が崩
壊したりするものがある。
【0009】(3).雰囲気中のガス成分、例えば二酸化炭
素、エタノール、酢酸等によって正常な変色が阻害され
るものがある。このような酸素検知剤は、二酸化炭素で
空気を置換した包装やエタノール、酢酸等を含有する多
くの食品に適用することができない。
素、エタノール、酢酸等によって正常な変色が阻害され
るものがある。このような酸素検知剤は、二酸化炭素で
空気を置換した包装やエタノール、酢酸等を含有する多
くの食品に適用することができない。
【0010】(4).強アルカリ成分が配合された酸素検知
剤は、誤食すると人体に危険を及ぼす虞れがある。
剤は、誤食すると人体に危険を及ぼす虞れがある。
【0011】従来より提案されている酸素検知剤のなか
には、上記した欠点(1) 〜(4) のいくつかを改善したも
のも存在するが、これらの欠点のすべてを克服した酸素
検知剤は未だ知られていなかった。
には、上記した欠点(1) 〜(4) のいくつかを改善したも
のも存在するが、これらの欠点のすべてを克服した酸素
検知剤は未だ知られていなかった。
【0012】そこで、本出願人は、先に特願平3−24
7491号において、上記した欠点のすべてを克服した
酸素検知剤組成物を提案した。この酸素検知剤は、ハイ
ドロタルサイト(hydrotalcite)類、酸化還元色素および
還元性糖類を主成分とするものであって、その特長とし
て、酸素検知下限濃度を従来品(0.1V/V %程度)よ
りも遙かに低く(0.03V/V %程度)することができ
る。ハイドロタルサイト類の吸着能が高いため、水に
濡れても色素が溶出したり、成型物が崩壊したりするこ
とがない。雰囲気中の二酸化炭素、エタノール、酢酸
等によって変色が阻害されたり、酸素検知下限濃度が高
くなったりすることがない。ハイドロタルサイト類自
体が非常に優れた賦形剤であることから、組成物を直打
できるので、錠剤成型工程を簡略化することができる。
成型物の硬度が高い等、極めて優れた性能を有してい
る。
7491号において、上記した欠点のすべてを克服した
酸素検知剤組成物を提案した。この酸素検知剤は、ハイ
ドロタルサイト(hydrotalcite)類、酸化還元色素および
還元性糖類を主成分とするものであって、その特長とし
て、酸素検知下限濃度を従来品(0.1V/V %程度)よ
りも遙かに低く(0.03V/V %程度)することができ
る。ハイドロタルサイト類の吸着能が高いため、水に
濡れても色素が溶出したり、成型物が崩壊したりするこ
とがない。雰囲気中の二酸化炭素、エタノール、酢酸
等によって変色が阻害されたり、酸素検知下限濃度が高
くなったりすることがない。ハイドロタルサイト類自
体が非常に優れた賦形剤であることから、組成物を直打
できるので、錠剤成型工程を簡略化することができる。
成型物の硬度が高い等、極めて優れた性能を有してい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記ハイド
ロタルサイト類、酸化還元色素および還元性糖類を主成
分とする酸素検知剤は、特に還元性糖類としてフラクト
ースなどを用いた場合、酸素含有雰囲気中で、特に光の
照射により酸化還元色素が徐々にその酸化色を失い、殆
どの場合無色乃至淡色に退色するという難点がある。
ロタルサイト類、酸化還元色素および還元性糖類を主成
分とする酸素検知剤は、特に還元性糖類としてフラクト
ースなどを用いた場合、酸素含有雰囲気中で、特に光の
照射により酸化還元色素が徐々にその酸化色を失い、殆
どの場合無色乃至淡色に退色するという難点がある。
【0014】そのため、この酸素検知剤は、使用前に
無酸素状態で保管しないと、使用時に酸素が存在しても
呈色しない場合がある。無酸素状態を保った包装中に
この酸素検知剤を添付して使用している間に包装が不完
全で酸素の侵入があった場合、当初は呈色していても次
第に退色し、無酸素状態との区別が出来なくなる可能性
がある等の不具合があった。
無酸素状態で保管しないと、使用時に酸素が存在しても
呈色しない場合がある。無酸素状態を保った包装中に
この酸素検知剤を添付して使用している間に包装が不完
全で酸素の侵入があった場合、当初は呈色していても次
第に退色し、無酸素状態との区別が出来なくなる可能性
がある等の不具合があった。
【0015】本発明の目的は、ハイドロタルサイト類を
含有する酸素検知剤の上記不具合を解消し、長期間の安
定使用が可能な酸素検知剤組成物を提供することにあ
る。
含有する酸素検知剤の上記不具合を解消し、長期間の安
定使用が可能な酸素検知剤組成物を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前述したハ
イドロタルサイト類を含有する酸素検知剤の不具合を解
消するために鋭意研究を重ねた結果、この酸素検知剤に
水溶性多価金属化合物を添加することが有効であること
を見出して本発明を完成させたものである。
イドロタルサイト類を含有する酸素検知剤の不具合を解
消するために鋭意研究を重ねた結果、この酸素検知剤に
水溶性多価金属化合物を添加することが有効であること
を見出して本発明を完成させたものである。
【0017】すなわち、本発明の酸素検知剤組成物は、
ハイドロタルサイト類、酸化還元色素、還元性糖類およ
び水溶性多価金属化合物を主成分として含有する。
ハイドロタルサイト類、酸化還元色素、還元性糖類およ
び水溶性多価金属化合物を主成分として含有する。
【0018】本発明組成物に用いる水溶性多価金属化合
物は、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛、ニッケ
ルなどの金属の水溶性塩類であって、具体的には、塩化
マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、
硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硫酸亜鉛、塩化
亜鉛、硝酸ニッケル、塩化ニッケル等を例示することが
できる。
物は、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛、ニッケ
ルなどの金属の水溶性塩類であって、具体的には、塩化
マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、
硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硫酸亜鉛、塩化
亜鉛、硝酸ニッケル、塩化ニッケル等を例示することが
できる。
【0019】これらの水溶性多価金属化合物が酸化還元
色素の退色を抑制する作用については明確ではないが、
水溶性多価金属塩のアニオンが炭酸型のアニオン交換体
であるハイドロタルサイト類とイオン交換して多価金属
炭酸塩となり、これがハイドロタルサイト類の表面に沈
着してその活性を適度に緩和するためと考えられる。他
方、水に不溶性の多価金属塩や、アルカリ性で沈殿しな
い1価のアルカリ金属塩を使用した場合には、かかる効
果は期待できない。
色素の退色を抑制する作用については明確ではないが、
水溶性多価金属塩のアニオンが炭酸型のアニオン交換体
であるハイドロタルサイト類とイオン交換して多価金属
炭酸塩となり、これがハイドロタルサイト類の表面に沈
着してその活性を適度に緩和するためと考えられる。他
方、水に不溶性の多価金属塩や、アルカリ性で沈殿しな
い1価のアルカリ金属塩を使用した場合には、かかる効
果は期待できない。
【0020】本発明組成物に用いるハイドロタルサイト
類は、下記の一般式
類は、下記の一般式
【0021】
【化2】
【0022】(式中、xはO<x≦0.33の範囲の数を
表し、mは正の整数を表す)で示される鉱物が好まし
い。
表し、mは正の整数を表す)で示される鉱物が好まし
い。
【0023】本発明組成物に用いる酸化還元色素は、酸
化状態と還元状態とで可逆的に色相が変化する色素であ
れば任意のものでよく、例えばメチレンブルー、ニュー
メチレンブルー、チオニン、メチレングリーン、インジ
ゴカルミン、サフラニンT、エリスロシン、キシレンブ
ルー、ニュートラルレッド、トルイジンブルー、メルド
ラブルー等の色素を挙げることができるが、なかでもメ
チレンブルーが好適に利用される。
化状態と還元状態とで可逆的に色相が変化する色素であ
れば任意のものでよく、例えばメチレンブルー、ニュー
メチレンブルー、チオニン、メチレングリーン、インジ
ゴカルミン、サフラニンT、エリスロシン、キシレンブ
ルー、ニュートラルレッド、トルイジンブルー、メルド
ラブルー等の色素を挙げることができるが、なかでもメ
チレンブルーが好適に利用される。
【0024】本発明組成物に用いる還元性糖類は、グル
コース、マンノース、ガラクトース、フラクトース、ア
ラビノース、キシロース、エリスロースをはじめとする
すべての単糖類、マルトースやラクトースのような還元
性基を有する二糖類、同じく還元性基を有する多糖類
等、一般に還元糖とされる糖類であるが、なかでもグル
コース、キシロース、フラクトース、ラクトース等が好
適に利用される。
コース、マンノース、ガラクトース、フラクトース、ア
ラビノース、キシロース、エリスロースをはじめとする
すべての単糖類、マルトースやラクトースのような還元
性基を有する二糖類、同じく還元性基を有する多糖類
等、一般に還元糖とされる糖類であるが、なかでもグル
コース、キシロース、フラクトース、ラクトース等が好
適に利用される。
【0025】本発明の酸素検知剤組成物は、上記した水
溶性多価金属化合物、ハイドロタルサイト類、酸化還元
色素および還元性糖類に加えてさらに高吸水性樹脂のよ
うな変色促進剤を添加することにより、酸化還元色素の
変色速度を増大させることができる。
溶性多価金属化合物、ハイドロタルサイト類、酸化還元
色素および還元性糖類に加えてさらに高吸水性樹脂のよ
うな変色促進剤を添加することにより、酸化還元色素の
変色速度を増大させることができる。
【0026】高吸水性樹脂の添加によって酸化還元色素
の変色速度が増大する作用については明確ではないが、
高吸水性樹脂を構成している高分子の網目構造等が酸素
の流通透過を容易にするためと推定される。
の変色速度が増大する作用については明確ではないが、
高吸水性樹脂を構成している高分子の網目構造等が酸素
の流通透過を容易にするためと推定される。
【0027】本発明の酸素検知剤組成物には、上記した
構成成分の他、組成物の変色を見易くするために、酸素
の有無によって変色しない色素や、多価アルコール、ポ
リエチレングリコール等、前記高吸水性樹脂以外の変色
促進剤を添加してもよい。また、必要に応じて賦形剤、
結合剤、増量剤、滑沢剤、水分等を添加したり、場合に
よってはアルカリ性物質を添加したりしてもよい。
構成成分の他、組成物の変色を見易くするために、酸素
の有無によって変色しない色素や、多価アルコール、ポ
リエチレングリコール等、前記高吸水性樹脂以外の変色
促進剤を添加してもよい。また、必要に応じて賦形剤、
結合剤、増量剤、滑沢剤、水分等を添加したり、場合に
よってはアルカリ性物質を添加したりしてもよい。
【0028】本発明の酸素検知剤組成物における各構成
成分の配合比率は、特に限定されるものではないが、通
常はハイドロタルサイト類15〜99%、酸化還元色素
0.001〜0.1%、還元性糖類1〜30%、水溶性多価
金属化合物2〜10%(無水物換算)が好適である。ま
た、高吸水性樹脂を添加する場合は、全量の50%以下
とするのが好適である。さらに、賦形剤、増量剤等は0
〜85%、高吸水性樹脂以外の変色促進剤、水分はそれ
ぞれ0〜30%を目安として必要に応じて添加する(%
はいずれも重量%)。
成分の配合比率は、特に限定されるものではないが、通
常はハイドロタルサイト類15〜99%、酸化還元色素
0.001〜0.1%、還元性糖類1〜30%、水溶性多価
金属化合物2〜10%(無水物換算)が好適である。ま
た、高吸水性樹脂を添加する場合は、全量の50%以下
とするのが好適である。さらに、賦形剤、増量剤等は0
〜85%、高吸水性樹脂以外の変色促進剤、水分はそれ
ぞれ0〜30%を目安として必要に応じて添加する(%
はいずれも重量%)。
【0029】本発明の酸素検知剤組成物は、その構成成
分の配合比率を適宜変更することにより、酸素検知下限
濃度を0.03V/V %程度以上の所望の値に設定すること
ができるばかりでなく、色素の退色に対する抵抗性が強
いことから長期間の安定使用が可能であり、しかも高吸
水性樹脂を添加することにより、色素の変色速度を増大
させることができる等、優れた性能を有している。
分の配合比率を適宜変更することにより、酸素検知下限
濃度を0.03V/V %程度以上の所望の値に設定すること
ができるばかりでなく、色素の退色に対する抵抗性が強
いことから長期間の安定使用が可能であり、しかも高吸
水性樹脂を添加することにより、色素の変色速度を増大
させることができる等、優れた性能を有している。
【0030】本発明の酸素検知剤組成物は、粉末状態の
ままで使用することもできるが、錠剤に成型して使用す
るのが便利である。また、水などに分散して紙、布、多
孔体等に塗布、印刷もしくは含浸させて使用することも
できる。
ままで使用することもできるが、錠剤に成型して使用す
るのが便利である。また、水などに分散して紙、布、多
孔体等に塗布、印刷もしくは含浸させて使用することも
できる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0032】〔実施例1〕メチレンブルー三水塩0.00
5部(部は重量部である。以下同様)、赤色106号0.
004部、ポリエチレングリコール#400 2部およびD-
フラクトース5部を水10部に溶解した溶液を80部の
ハイドロタルサイト〔組成=Mg6 Al2(OH)
16 (CO3)・4H2 O;商品名「キョーワード 500S
H」、協和化学工業株式会社製〕に滴下、混合した後、
塩化マグネシウム六水和物〔MgCl2 ・6H2 O〕1
2.7部(無水物換算6部)を添加し、さらにステアリン
酸マグネシウム0.5部を加えて混合した。この粉体に加
圧成型器にて1トンの圧力を5秒間加え、厚さ約2.5m
m、直径10mmφの錠剤型酸素検知剤を作製した。
5部(部は重量部である。以下同様)、赤色106号0.
004部、ポリエチレングリコール#400 2部およびD-
フラクトース5部を水10部に溶解した溶液を80部の
ハイドロタルサイト〔組成=Mg6 Al2(OH)
16 (CO3)・4H2 O;商品名「キョーワード 500S
H」、協和化学工業株式会社製〕に滴下、混合した後、
塩化マグネシウム六水和物〔MgCl2 ・6H2 O〕1
2.7部(無水物換算6部)を添加し、さらにステアリン
酸マグネシウム0.5部を加えて混合した。この粉体に加
圧成型器にて1トンの圧力を5秒間加え、厚さ約2.5m
m、直径10mmφの錠剤型酸素検知剤を作製した。
【0033】本錠剤を脱酸素雰囲気下(酸素濃度0.03
V/V %)に放置したところ、約6時間後に青紫からピン
クに変色することが明瞭に視認できた。続いて酸素濃度
が1V/V %となるまで酸素を供給したところ、約10分
後に元の青紫に復元した。また、本錠剤が青紫からピン
クに変色する酸素濃度は、0.04V/V %であった。
V/V %)に放置したところ、約6時間後に青紫からピン
クに変色することが明瞭に視認できた。続いて酸素濃度
が1V/V %となるまで酸素を供給したところ、約10分
後に元の青紫に復元した。また、本錠剤が青紫からピン
クに変色する酸素濃度は、0.04V/V %であった。
【0034】本錠剤は、空気中で暗所(40℃)に5日
間放置した後も青紫色を保っていた。また、室温で12
時間日光に曝露した後も青紫色を保っていた。
間放置した後も青紫色を保っていた。また、室温で12
時間日光に曝露した後も青紫色を保っていた。
【0035】〔比較例1〕塩化マグネシウム六水和物
〔MgCl2 ・6H2 O〕を添加しなかった他、前記実
施例1と同様に操作して錠剤型酸素検知剤を作製した。
〔MgCl2 ・6H2 O〕を添加しなかった他、前記実
施例1と同様に操作して錠剤型酸素検知剤を作製した。
【0036】本錠剤の脱酸素雰囲気下での変色は、約4
時間であったが、空気中で暗所(40℃)に1日放置す
るとピンク色に退色した。また、室温で12時間日光に
曝露した時もピンク色に退色した。
時間であったが、空気中で暗所(40℃)に1日放置す
るとピンク色に退色した。また、室温で12時間日光に
曝露した時もピンク色に退色した。
【0037】〔実施例2〜7〕塩化マグネシウム六水和
物〔MgCl2 ・6H2 O〕に代えて下記の表1に示す
各種の水溶性多価金属化合物を添加した他、前記実施例
1と同様に操作して錠剤型酸素検知剤を作製した。各錠
剤の空気中での退色試験結果を表1に示す。
物〔MgCl2 ・6H2 O〕に代えて下記の表1に示す
各種の水溶性多価金属化合物を添加した他、前記実施例
1と同様に操作して錠剤型酸素検知剤を作製した。各錠
剤の空気中での退色試験結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】〔実施例8〕アクリル酸−ビニルアルコー
ル共重合体からなる高吸水性樹脂(住友化学社製「スミ
カゲル SP-510 」)25部をさらに添加した他、前記実
施例1と同様に操作して錠剤型酸素検知剤を作製した。
ル共重合体からなる高吸水性樹脂(住友化学社製「スミ
カゲル SP-510 」)25部をさらに添加した他、前記実
施例1と同様に操作して錠剤型酸素検知剤を作製した。
【0040】本錠剤の退色性能は、実施例1の錠剤と同
等であったが、脱酸素雰囲気下に放置した時、約3時間
で変色を完了した。
等であったが、脱酸素雰囲気下に放置した時、約3時間
で変色を完了した。
【0041】〔実施例9〕アクリル酸−ビニルアルコー
ル共重合体からなる高吸水性樹脂(住友化学社製「スミ
カゲル SP-510 」)25部をさらに添加した他、前記実
施例6と同様に操作して錠剤型酸素検知剤を作製した。
ル共重合体からなる高吸水性樹脂(住友化学社製「スミ
カゲル SP-510 」)25部をさらに添加した他、前記実
施例6と同様に操作して錠剤型酸素検知剤を作製した。
【0042】本錠剤の退色性能は、実施例6の錠剤と同
等であったが、脱酸素雰囲気下に放置した時、約3時間
で変色を完了した。
等であったが、脱酸素雰囲気下に放置した時、約3時間
で変色を完了した。
【0043】〔比較例2〕塩化マグネシウム六水和物
〔MgCl2 ・6H2 O〕に代えて水酸化マグネシウム
〔Mg(OH)2〕7部を添加した他、前記実施例1と同
様に操作して錠剤型酸素検知剤を作製した。
〔MgCl2 ・6H2 O〕に代えて水酸化マグネシウム
〔Mg(OH)2〕7部を添加した他、前記実施例1と同
様に操作して錠剤型酸素検知剤を作製した。
【0044】本錠剤は、空気中で暗所(40℃)に1日
放置するとピンク色に退色した。また、室温で12時間
日光に曝露した時もピンク色に退色した。
放置するとピンク色に退色した。また、室温で12時間
日光に曝露した時もピンク色に退色した。
【0045】〔比較例3〕塩化マグネシウム六水和物
〔MgCl2 ・6H2 O〕に代えて塩化ナトリウム〔N
aCl〕6部を添加した他、前記実施例1と同様に操作
して錠剤型酸素検知剤を作製した。
〔MgCl2 ・6H2 O〕に代えて塩化ナトリウム〔N
aCl〕6部を添加した他、前記実施例1と同様に操作
して錠剤型酸素検知剤を作製した。
【0046】本錠剤は、空気中で暗所(40℃)に1日
放置するとピンク色に退色した。また、室温で12時間
日光に曝露した時もピンク色に退色した。
放置するとピンク色に退色した。また、室温で12時間
日光に曝露した時もピンク色に退色した。
【0047】
【発明の効果】本発明の酸素検知剤組成物によれば、下
記の効果を得ることができる。
記の効果を得ることができる。
【0048】(1).水溶性多価金属化合物の添加により、
酸化還元色素の退色が抑制されるため、長期間の安定使
用が可能であると共に、使用前に無酸素状態で保管する
手間も不要である。また、高吸水性樹脂の添加により、
色素の変色速度を増大させることもできる。
酸化還元色素の退色が抑制されるため、長期間の安定使
用が可能であると共に、使用前に無酸素状態で保管する
手間も不要である。また、高吸水性樹脂の添加により、
色素の変色速度を増大させることもできる。
【0049】(2).酸素検知下限濃度を従来品(0.1V/V
%程度)よりも遙かに低く(0.03V/V %程度)するこ
とができる。
%程度)よりも遙かに低く(0.03V/V %程度)するこ
とができる。
【0050】(3).耐水性が高く、水に濡れても色素が溶
出したり、成型物が崩壊したりすることがない。
出したり、成型物が崩壊したりすることがない。
【0051】(4).雰囲気中の二酸化炭素、エタノール、
酢酸等によって変色が阻害されたり、酸素検知下限濃度
が高くなったりすることがないので、二酸化炭素で空気
を置換した包装やエタノール、酢酸等を含有する各種食
品等に広く適用することができる。
酢酸等によって変色が阻害されたり、酸素検知下限濃度
が高くなったりすることがないので、二酸化炭素で空気
を置換した包装やエタノール、酢酸等を含有する各種食
品等に広く適用することができる。
【0052】(5).強アルカリ成分が配合されていないの
で安全性が高く、万一誤食しても人体への悪影響は極め
て少ない。
で安全性が高く、万一誤食しても人体への悪影響は極め
て少ない。
【0053】(6).組成物を直打することができるので、
錠剤成型工程が簡略化される。
錠剤成型工程が簡略化される。
【0054】(7).成型物の硬度が高い。
Claims (5)
- 【請求項1】 ハイドロタルサイト類、酸化還元色素、
還元性糖類および水溶性多価金属化合物を含有すること
を特徴とする酸素検知剤組成物。 - 【請求項2】 前記ハイドロタルサイト類は、一般式 【化1】 (式中、xはO<x≦0.33の範囲の数を表し、mは正
の整数を表す)で示される化合物であることを特徴とす
る請求項1記載の酸素検知剤組成物。 - 【請求項3】 前記水溶性多価金属化合物は、アルカリ
土類金属、アルミニウム、亜鉛およびニッケルからなる
群より選ばれた金属の水溶性塩類であることを特徴とす
る請求項1または2記載の酸素検知剤組成物。 - 【請求項4】 変色促進剤を含有することを特徴とする
請求項1、2または3記載の酸素検知剤組成物。 - 【請求項5】 前記変色促進剤は、高吸水性樹脂である
ことを特徴とする請求項4記載の酸素検知剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1826493A JPH06230004A (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | 酸素検知剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1826493A JPH06230004A (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | 酸素検知剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06230004A true JPH06230004A (ja) | 1994-08-19 |
Family
ID=11966816
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1826493A Pending JPH06230004A (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | 酸素検知剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06230004A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003066024A (ja) * | 2001-08-30 | 2003-03-05 | Toppan Forms Co Ltd | 可変色色素を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む可変色色素組成物、その製法およびそれを用いた偽造防止用シート |
WO2004077049A1 (ja) * | 2003-02-07 | 2004-09-10 | Powdertech Co., Ltd. | 物品の品質管理方法およびそれに用いられる酸素検知剤 |
JP2007333620A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 酸素インジケーター組成物および該組成物を用いてなる包装材 |
US20110097811A1 (en) * | 2009-10-28 | 2011-04-28 | Powdertech Co., Ltd. | Oxygen detector and method for manufacturing oxygen detector |
-
1993
- 1993-02-05 JP JP1826493A patent/JPH06230004A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003066024A (ja) * | 2001-08-30 | 2003-03-05 | Toppan Forms Co Ltd | 可変色色素を担持した高吸水性ポリマー微粒子を含む可変色色素組成物、その製法およびそれを用いた偽造防止用シート |
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KR101036369B1 (ko) * | 2003-02-07 | 2011-05-23 | 파우더테크 컴퍼니 리미티드 | 물품의 품질 관리 방법 및 이에 이용되는 산소 검지제 |
JP2007333620A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 酸素インジケーター組成物および該組成物を用いてなる包装材 |
US20110097811A1 (en) * | 2009-10-28 | 2011-04-28 | Powdertech Co., Ltd. | Oxygen detector and method for manufacturing oxygen detector |
US8415167B2 (en) * | 2009-10-28 | 2013-04-09 | Powdertech Co., Ltd. | Oxygen detector and method for manufacturing oxygen detector |
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