JPH06229680A - 加熱効率に優れた誘導加熱溶解用るつぼ - Google Patents

加熱効率に優れた誘導加熱溶解用るつぼ

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JPH06229680A
JPH06229680A JP5018745A JP1874593A JPH06229680A JP H06229680 A JPH06229680 A JP H06229680A JP 5018745 A JP5018745 A JP 5018745A JP 1874593 A JP1874593 A JP 1874593A JP H06229680 A JPH06229680 A JP H06229680A
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JP
Japan
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crucible
slit
width
slits
melting
Prior art date
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Application number
JP5018745A
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Inventor
Manabu Nishimoto
学 西元
Atsuhiko Kuroda
篤彦 黒田
Wataru Takahashi
渉 高橋
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】コールドクルーシブル溶解用のるつぼを提供す
る。 【構成】金属を溶解、鋳造するためのコールドクルーシ
ブル溶解用るつぼであって、その壁面に長さ方向の全長
にわたる複数のスリットを有し、その個々のスリット
が、等しい幅でるつぼ上部に設けた上部スリットと、等
しい幅でるつぼ下部に設けた下部スリットからなり、か
つ、上部スリット幅が下部スリット幅よりも大きく、そ
の幅が異なる上下部のスリットの境界部では段差を有し
て上下方向に連続する構造であることを特徴とする加熱
効率に優れた誘導加熱溶解用るつぼ。 【効果】接触ショートが発生せず、加熱と溶解の効率が
高い。しかも湯差しや充填材からの汚染が生じないか
ら、高品質の鋳片を得るのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導加熱により金属を
溶解、鋳造するためのるつぼに関する。
【0002】
【従来の技術】コールドクルーシブル溶解用るつぼは、
チタンやジルコニウム等の高融点で、かつ反応性に富む
金属材料を誘導加熱により溶解し、それらのインゴット
を製造する場合等に使用される水冷却式のものである。
【0003】広く知られているように、この種のるつぼ
として、その目的に応じたさまざまな形状と構造を有す
るものが提案されている。
【0004】図5は、仏国特許第 2609655号明細書に開
示されているるつぼのスリット構造を示す縦断面図であ
る。このるつぼ1は、その上部には縦方向に等しい幅で
平行な複数のスリット2とセグメント3とを有し、その
周囲には複数巻きで誘導加熱用コイル13が備えられてい
る。装置としては、誘導加熱で溶融金属9を形成し、る
つぼ1の下部でインゴット12を鋳造して引抜棒11により
連続的に引抜くものである。通常、4個から20個の複数
のセグメント3を含むるつぼ全体を、銅製の水冷式とし
たものが多いが、るつぼ径が大きい場合には、100 個程
度のセグメント3からなるものもある。さらにスリット
2の部分は空間であり、各セグメント3の間は電気的に
も絶縁されている。そして、複数のスリット2は、誘導
電流を発生させるとともに、溶融金属9の表面部に電磁
力を有効に作用させ、るつぼ1の内壁面と溶融金属9を
離反させる作用効果をもたらす。
【0005】図6は、本出願人が特開平4−162954号公
報に開示したるつぼのスリット構造を示す一部破断斜視
図である。この例では、るつぼ1は、セグメント3間の
スリット2がテーパー状に下方に広がり、下部の冷却装
置14と一体の構造を有している。この場合のスリット幅
は、るつぼ上端部の最狭部で0.2mm 、最広部で0.4mmで
ある。このような下方に広がるテーパー形状とする目的
は、スリット2内に溶融金属が浸入した場合でも、下部
方向にインゴットを引抜く際に、るつぼ1とインゴット
との間に発生する応力を緩和するためである。
【0006】本発明者らは、加熱効率の向上を図る目的
で、誘導加熱用コイルに対して、るつぼの位置を上下方
向に可変とすることができる装置と方法を発明し、特願
平3−195160号として出願した。この装置で用いるるつ
ぼは、基本的には前記図5のるつぼと同様に、縦方向に
等間隔で平行な幅のスリット構造を有するものである。
【0007】上記のるつぼのスリット形状はいずれも、
るつぼ壁の厚さ方向全てに単に切り込みを入れただけの
ものであるために、高加熱効率を狙ってスリット幅を拡
大すると、溶融金属がスリット内部に浸入、固化する、
いわゆる「湯差し」という問題が生じる。また逆に湯差
し防止のためにスリット幅を小さくすると、加熱効率が
低くなって使用電力が大幅に増大し、電力コスト(生産
コスト)を上昇させてしまう。
【0008】湯差し防止のために、スリット内部に Al2
O3、ZrO2などのセラミックスを充填する場合もあるが、
前記の従来のるつぼでは、図5に示すようにスリット部
の下端が溶融金属の表面よりも下に位置するため、溶融
金属と充填材であるセラミックスとが接触する。したが
って、例えば活性金属であるチタンの溶解では、溶融チ
タンによりセラミックス充填材が還元されてチタン中に
多くの酸素が侵入し、製品の品質悪化を招く。あるいは
上記の反応によりセラミックスが損壊し、充填材として
の役割を果たさなくなるという問題も生じる。特にスリ
ット幅が広いときにセラミックスを充填すると、接触面
積がますます増加するため上記の弊害の影響も大きくな
る。したがって、コールドクルーシブル溶解法の特徴の
一つである活性金属の高清浄溶解ができるというメリッ
トを生かすことができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、湯差しを防
止しながら、低電力で効率よく金属の加熱、溶解を行う
とともに、品質の良いインゴットを得ることができる誘
導加熱溶解用るつぼを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の
(1) 、(2) および(3) のるつぼにある。
【0011】(1) 金属を溶解、鋳造するためのコールド
クルーシブル溶解用るつぼであって、その壁面に長さ方
向の全長にわたる複数のスリットを有し、その個々のス
リットが、等しい幅でるつぼ上部に設けた上部スリット
と、等しい幅でるつぼ下部に設けた下部スリットからな
り、かつ、上部スリット幅が下部スリット幅よりも大き
く、その幅が異なる上下部のスリットの境界部では段差
を有して上下方向に連続する構造であることを特徴とす
る加熱効率に優れた誘導加熱溶解用るつぼ。
【0012】(2) 上記(1) のるつぼにおいて、るつぼ下
部の幅の小さいスリットを、るつぼ壁の厚さ方向の内面
側のみに設けてあることを特徴とする加熱効率に優れた
誘導加熱溶解用るつぼ。
【0013】(3) 上記(1) または(2) のるつぼにおい
て、そのスリットにセラミックスを充填したことを特徴
とする加熱効率に優れた誘導加熱溶解用るつぼ。
【0014】前記のように、冷却式るつぼの壁面が、ス
リットにより複数のセグメントに分割されてはじめて、
るつぼ内の金属が加熱、溶解される。そのため、るつぼ
のスリット構造が加熱効率に対して重要な意味を持ち、
なかでもスリット幅を拡大することが高加熱効率の達成
につながる。
【0015】本発明者らは、種々の基礎実験の結果から
以下の知見を得て本発明に至った。
【0016】スリット スリット長さ:溶解、加熱効率に影響を与える。その全
長はるつぼ内径の 1.5倍以上とすることが望ましい。
【0017】スリット幅:溶解、加熱効率に大きな影響
を与え、 0.1〜5mmの間で検討した結果、その幅が大き
いほど溶解効率が向上する。しかし、0.8mm 以上とする
と溶融金属の湯差しが生じ、インゴット引抜き時に大き
な問題となる。その解決法として、スリット部に Al
2O3、ZrO2などのセラミックスを充填することが行われ
るが、0.8mm 以上となるとチタンなどの活性金属の溶解
の場合、セラミックスとチタンが反応し、チタン中に酸
素が混入する。あるいは、セラミックスが損壊して充填
材としての役割を果たさなくなる。
【0018】上記の二つの要因では、スリット長さが、
るつぼの剛性、あるいはセグメントの内部構造に制約さ
れやすく、しかもスリット幅ほど溶解効率に影響を与え
ない。よって、スリット幅を拡大することが、溶解と加
熱との効率がともに高いるつぼに必須の条件である。
【0019】しかし、前述のような、スリット幅を拡大
したときの湯差しと、セラミックスを充填したときの溶
融金属の汚染の問題を、ともに解消しなければならな
い。溶融金属と物理的に接することがない条件を維持し
て、るつぼ上部でのみスリット幅を大きくし、一方、溶
融金属と接する可能性のあるるつぼ下部では、その幅を
小さくすることによって、スリット部にセラミックスを
充填する場合でも、上記の二つの問題が解決され、内
質、表面性状にも優れたインゴットを低電力(高溶解効
率)で得ることができる。
【0020】セラミックスによるスリットの充填 るつぼは、電気伝導度の高い純銅で作られる場合が多
い。純銅は軟らかいために、るつぼは剛性に乏しく、各
セグメントは少しの衝撃で隣接するセグメントと接触
し、電気的短絡を生じる。とりわけ、スリットの幅が小
さい部分ではその可能性が大きい。このような電気的短
絡を生じる場合は、極端に溶解効率が悪くなる。したが
って、電気的短絡防止のために、スリット内の一部ある
いは全てにセラミックスを充填することが必要である。
【0021】前記のように、スリットにセラミックスを
充填することは、湯差し防止にも役立つ。実験から、ス
リット幅が0.8mm 以下であれば、湯差しは軽減されるこ
とがわかったが、完全に防止できたわけではない。
【0022】実験結果からみると、充填セラミックス
は、溶融チタンと確かに反応するが、スリット幅が0.8m
m 以下であれば、溶融金属の表面張力および隣接する銅
製セグメントによって保護されるために、その損傷が軽
減されることがわかった。すなわち、スリット幅0.8mm
のスリットに、ZrO2を充填してチタンの溶解実験を4回
行ったが、充填セラミックスは損傷を受けていなかっ
た。しかし、スリット幅を1.2mm とした場合、充填した
ZrO2は1回のチタン溶解実験で損傷を受け、再充填する
必要があった。
【0023】
【作用】本発明のるつぼのスリット構造の例およびその
作用効果を図1、図2に基づいて説明する。
【0024】図1は、本発明のるつぼの概念を示す全体
斜視図である。るつぼ1は、複数のセグメント3と、る
つぼ長さL の全長にわたって縦方向に設けられたスリッ
ト2とからなる。ここでは便宜上スリット2は線で表し
てある。そして、るつぼ1全体は、複数のセグメント3
が円周上に併置されてなり、図示するような円筒状を呈
する。
【0025】図2(1) および図2(2) は、本発明のるつ
ぼのスリット構造の例を示す図である。それぞれの図
で、(a) は、るつぼの一部を上から見た平面図、(b) は
同じく正面図、(c) は線A−Aにおける縦断面図であ
る。
【0026】図示するように、るつぼ上部(L1の範囲)
のスリット(以下、上部スリットという)21 の幅d1
は、るつぼ下部(L2の範囲) のスリット(以下、下部ス
リットという)22 の幅d2 よりも大きい。図2(1) で
は、いずれのスリットも、るつぼ厚さ方向の幅d3 は、
るつぼ厚さtと同一であり、さらにd1 とd2 の幅は、
L1、L2の範囲でそれぞれ均一である。そして、上部スリ
ット21 と下部スリット22 との境界は、図2(1) の
(b) に示すように段差を有する構造である。
【0027】図2(2) でも、d1 とd2 の関係は同様で
あるが、下部スリット22 は幅d2が狭い状態で、るつ
ぼ壁の内面側のみに設けられている。このとき、図2
(2) の(c) にハッチングで示す下部スリット22 のるつ
ぼ壁厚さ方向の幅d3 は、溶解効率の向上を図るため、
るつぼ壁厚さtの1/2以下とするのが望ましい。
【0028】図2(2) は、下部スリット22 を、その段
差部において、平面的に見ても、正面からみても、図示
するようなコーナーRを有してセグメント3と連なる構
造とする例である。このような構造とすることで、セグ
メント3の強度維持が有利となるという効果が得られ
る。
【0029】前記のように、スリット幅が大きい方が高
溶解効率が得られるので、上部スリット21 の幅d
1 は、 0.8〜10mmの範囲とし、一方、溶湯と接する可能
性のある下部スリット22 の幅d2 は、 0.1〜0.8mm の
範囲とするのが好ましい。
【0030】本発明のるつぼでは、溶融金属の湯差しを
防止し、溶融金属と充填セラミックスとの接触を避ける
観点から、幅が大きい上部スリットの下端、すなわち段
差の位置を溶融金属と接触しない範囲に留めるのが望ま
しいので、上部スリット長さL1は、るつぼ上端からるつ
ぼ内径の1.2 倍以下、さらには、るつぼ内径の 0.2〜0.
8 倍とするのがよい。このL1がるつぼ内径の0.2 倍を下
回ると溶解効率がやや低下する。
【0031】スリット部のセラミックス充填は、その一
部または全部とすることができる。
【0032】しかし、幅が大きい上部スリット長さを上
記の範囲に維持しているから、この部分での湯差しは発
生しない。したがって、セラミックス充填は電気的短絡
や湯差しの可能性が高い下部スリットだけにしてもよ
い。
【0033】このようなるつぼにより、湯差しや汚染の
ない状態での高溶解効率が可能となる。特に図2(2) に
示するつぼでは、その下部までスリット幅が大きいの
で、さらに高い溶解効率を得ることができる。
【0034】図3は、本発明のるつぼを用いるコールド
クルーシブル溶解、鋳造装置の例を示す縦断面図であ
る。
【0035】この装置では、スリットで分割された複数
のセグメント3からなる銅製の水冷却式るつぼ1、るつ
ぼ1の下部冷却装置14、るつぼ1の外周面を囲繞する誘
導加熱用コイル13、鋳造されたインゴット12を引抜く引
抜棒11、原料15の投入用ホッパー10が、排気口8を有す
るチャンバー7内に配置されている。
【0036】すなわち、前述のように、るつぼ1は、4
個から100 個程度までの複数個の長手方向のセグメント
3に分割されている。これらの各セグメント3は、図1
に示すように円周状に並置されるとともに、互いに電気
的に絶縁されており、さらにセグメント3の内部を冷却
水が循環するように、冷却水路6を内蔵している。この
冷却水路6は、通常、冷却水入口4と同出口5を有する
冷却装置14に連設するのが最もよいので、るつぼ1と冷
却装置14とは一体で製作されることが多い。
【0037】るつぼ1の壁面がセグメント3に分割され
ていることによって、前記誘導加熱用コイル13に印加さ
れた中波または高周波の交流電流による交番磁場が、る
つぼ内の固体金属材料中に電流を誘導する。その結果、
金属材料は加熱、溶解され、溶融金属9を形成する。ま
た、溶融金属9は誘導電流により攪拌される。
【0038】このとき、溶融金属9の表面に作用する電
磁力によって、図示するように、溶融金属9の表面とる
つぼの内壁面との間には隙間が形成され、溶融金属9の
スリットへの湯差しや上部スリット部に充填したセラミ
ックスとの接触を回避し、また下部スリット部の充填材
との接触を最小限にすることができる。
【0039】
【実施例】図2に示す本発明のるつぼと図3に示す溶
解、鋳造装置を用いて、スポンジTiからTiインゴットを
製造する実験を実施した。比較例として、図4(1) 〜図
4(3) に示す、るつぼ全長にわたって等しい幅のスリッ
トを有する3種類のるつぼを用いたものも実施した。図
4(3) のるつぼでは、図示するようにスリットの充填材
16としてZrO2を用いた。
【0040】るつぼは全て、内径70mm、長さ140mm(下部
冷却装置の長さは90mm) 、壁厚さ10mmのものを用い、そ
のスリット本数、スリット全長は、それぞれ、14本、 1
40mmとした。チャンバー内はAr雰囲気、Tiインゴットは
直径φ70mm、長さ300mm とした。誘導加熱用コイルは、
るつぼの周囲にらせん状に4回巻いた構造とし、実験
は、25kHz 、30kw以上の高周波電流を流し、10mm/分の
引抜速度で連続鋳造する方法で行った。また、出力を30
〜60kwまで変化させ、溶解の可否によってるつぼの溶解
効率を比較、評価した。その他の条件を表1に、実験結
果を表2に、それぞれ示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表2から次の (1)〜(5) がわかる。
【0044】(1) 本発明例 No.1と比較例 No.4の結果
から明らかなように、上部スリット幅の拡大が加熱効
率、溶解効率向上に非常に寄与している。
【0045】(2) さらに、本発明例 No.1と同 No.2の
結果から明らかなように、図2 (2)に示す No.2のるつ
ぼのように、幅の小さい下部スリットをるつぼ壁の厚さ
方向の内面側のみに設け、その幅をるつぼ壁の外側に向
かって拡大させる構造とすることが、さらなる加熱、溶
解効率向上につながる。
【0046】(3) 本発明例 No.2のるつぼで、スリット
部の全てにZrO2を充填した No.3るつぼの場合では、る
つぼ(セグメント)の剛性が向上し、セグメント間の接
触ショートを防ぐことができるが、 No.2の場合では、
使用中に接触ショートが数回発生している。
【0047】(4) 比較例 No.4のるつぼでは、スリット
幅が小さいために湯差しは生じていないものの、溶解効
率が非常に悪い。
【0048】(5) 比較例 No.5、6のるつぼでは、加熱
効率こそよいが、湯差しが顕著であるか、あるいはスリ
ットの充填材(ZrO2)中の酸素がTiインゴット中に入り、
製品の品質を劣化させるという問題が生じている。
【0049】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明のるつ
ぼは、接触ショートが発生せず、加熱と溶解の効率が高
い。しかも湯差しや充填材からの汚染が生じないから、
高品質の鋳片を得るのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のるつぼの概念を示す全体斜視図であ
る。
【図2】本発明のるつぼのスリット構造の例を示す図で
ある。(a) は、るつぼの一部の平面図、(b) は同じく正
面図、(c) は線A−Aにおける縦断面図である。
【図3】本発明のるつぼを用いるコールドクルーシブル
溶解、鋳造装置の例を示す縦断面図である。
【図4】比較例のるつぼのスリット構造を示す図であ
る。(a) は、るつぼの一部の平面図、(b) は同じく正面
図である。
【図5】従来のるつぼのスリットの構造の例を示す縦断
面図である。
【図6】従来のるつぼのスリットの構造の例を示す一部
破断斜視図である。
【符号の説明】
1:るつぼ、 2:スリット、3:セグメント、4:
冷却水入口、5:冷却水出口、6:冷却水路、7:チャ
ンバー、8:排気口、9:溶融金属、 10:原料投入用
ホッパー、 11:引抜棒、12:インゴット、13:誘
導加熱用コイル、 14:冷却装置、15:スラグ剤
および金属材料、 16:充填材、L :るつぼ長さ、L1
L2:スリット長さ、d:スリット幅、t:るつぼ壁(セ
グメント)厚さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属を溶解、鋳造するためのコールドクル
    ーシブル溶解用るつぼであって、その壁面に長さ方向の
    全長にわたる複数のスリットを有し、その個々のスリッ
    トが、等しい幅でるつぼ上部に設けた上部スリットと、
    等しい幅でるつぼ下部に設けた下部スリットからなり、
    かつ、上部スリット幅が下部スリット幅よりも大きく、
    その幅が異なる上下部のスリットの境界部では段差を有
    して上下方向に連続する構造であることを特徴とする加
    熱効率に優れた誘導加熱溶解用るつぼ。
  2. 【請求項2】請求項1の誘導加熱溶解用るつぼにおい
    て、るつぼ下部の幅の小さいスリットを、るつぼ壁の厚
    さ方向の内面側のみに設けてあることを特徴とする加熱
    効率に優れた誘導加熱溶解用るつぼ。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2の誘導加熱溶解用
    るつぼにおいて、そのスリットにセラミックスを充填し
    たことを特徴とする加熱効率に優れた誘導加熱溶解用る
    つぼ。
JP5018745A 1993-02-05 1993-02-05 加熱効率に優れた誘導加熱溶解用るつぼ Pending JPH06229680A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002277169A (ja) * 2001-03-22 2002-09-25 Shinko Electric Co Ltd 誘導加熱溶解炉
JP2002286375A (ja) * 2001-03-28 2002-10-03 Shinko Electric Co Ltd 誘導加熱溶解炉
JP2010269333A (ja) * 2009-05-20 2010-12-02 Kobe Steel Ltd 鋳塊の製造方法

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