JPH06228570A - 燃料電池用炭化水素原料の脱硫方法 - Google Patents

燃料電池用炭化水素原料の脱硫方法

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JPH06228570A
JPH06228570A JP5033927A JP3392793A JPH06228570A JP H06228570 A JPH06228570 A JP H06228570A JP 5033927 A JP5033927 A JP 5033927A JP 3392793 A JP3392793 A JP 3392793A JP H06228570 A JPH06228570 A JP H06228570A
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desulfurizing agent
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的低圧でも炭化水素類から硫黄分を効率
よく十分に除去することができる脱硫剤を開発し、この
脱硫剤を用いることによって各種の燃料電池用炭化水素
原料から硫黄分を効率よく除去する燃料電池システムに
有利に用いられる脱硫方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 炭化水素原料を、水蒸気改質反応によって水
素主成分の燃料ガスに改質するに先立ち、共沈法で製造
した銅、ニッケル及び酸化亜鉛からなる脱硫剤に接触さ
せる燃料電池用炭化水素原料の脱硫方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池用炭化水素原
料の脱硫方法に関し、より詳しく言うと、炭化水素類を
少なくとも水蒸気改質反応によって水素主成分の燃料ガ
スに転化し、得られた水素を燃料として用いる燃料電池
システムに極めて有利に用いられる方法である炭化水素
原料の効率よい脱硫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素を燃料とする燃料電池は、すでに実
用化されており、今後ますます普及が見込まれている。
この燃料電池に用いる水素若しくは水素含有燃料ガス
は、各種の方法によって得ることができるが、汎用の燃
料電池システムとしては、灯油やナフサ等の比較的軽質
の炭化水素類を原料として用い、これを適当な触媒によ
って水蒸気改質することによって得る方法が注目されて
いる。また、炭化水素類の水蒸気改質反応では、一般
に、水素の他に一酸化炭素等も生成するので、該水蒸気
改質反応の生成物を更に適当な触媒によって変性処理
し、一酸化炭素を水性ガスシフト反応によって水と反応
させ二酸化炭素と水素に変え、水素の得率を更に向上さ
せるとともに、有害で燃料電池電極の活性低下の原因と
なりがちな一酸化炭素を低減することも一般に行われて
いる。
【0003】このように、水蒸気改質手段及び変性手段
を具備した炭化水素類を原料とする燃料電池システムが
開発され、その普及が進められている。
【0004】このような燃料電池システムでは、水蒸気
改質による水素製造原料として、例えばLPG、ナフ
サ、灯油等の石油系炭化水素類をはじめとする各種の炭
化水素類(天然ガスや都市ガス等の炭化水素含有ガスや
合成石油類など)が使用可能であるが、こうした炭化水
素原料中には、予め水素化精製によって脱硫した市販の
ものでもなおかなりの濃度の硫黄分が含まれており、例
えば灯油(市販脱硫灯油)の場合でも、通常、数ppm
〜100ppm程度の硫黄分が含まれている。この硫黄
分は、有機硫黄化合物のままでも、水素化脱硫によって
硫化水素としても系から除去しない限り、水蒸気改質反
応触媒や変性触媒の触媒毒となるし、燃料電池電極の活
性を低下させるなど悪影響を及ぼす。
【0005】それゆえ、こうした炭化水素類を原料とす
る燃料電池システムにおいては、原料中の硫黄分を十分
に除去することが、後段の水蒸気改質触媒、変性触媒及
び電極の保護のために重要な技術となっている。なお、
硫黄分は、水蒸気改質反応に先立って、通常、0.1p
pm以下にまで低減することが望ましい。
【0006】このような燃料電池システムにおいて原料
中の硫黄分を除去する方法として、原料炭化水素類を適
当な脱硫触媒によって水素化脱硫し、有機硫黄化合物を
吸着除去しやすいH 2Sに代え、該H 2Sを適当な吸着剤
によって除去する方法が有効と思われる。そこで、水素
化脱硫触媒として一般に汎用されているCo−Mo、N
i−Mo 等の脱硫触媒を用い、吸着剤として酸化亜鉛
を用い、これらを組み合わせて、原料中の硫黄分(有機
硫黄化合物及びH2S)を除去する方式が考えられる。
しかしながら、このような一般の水素化脱硫触媒を用い
る上記脱硫剤では、水素化脱硫自体が水素圧をかなり高
圧にしないと有効でないし、脱硫性能も不十分であるの
で、硫黄分を目的とする0.1ppm以下にまで低減す
ることは困難である。それゆえ、このような脱硫剤は、
燃料電池システム、特に、運転圧が大気圧〜10kg/
cm2 G程度と低い汎用の燃料電池システムには適用し
がたい。
【0007】したがって、そのような低圧でも十分な水
素化脱硫機能と硫黄分の吸着除去機能を有し、硫黄分を
0.1ppm以下にまで効率よく低減することができる
脱硫能力の高い脱硫剤を開発することが重要な課題とな
っている。
【0008】そこで、こうした点を考慮し、本発明者ら
は、炭化水素類の脱硫剤として従来どようなものが提案
されているかを広く調査し、検討を行った。その結果、
従来の脱硫剤では、目的とする高度の脱硫技術を実現す
るには不十分であることが判明した。
【0009】例えば、特開平2−204301号公報に
は、灯油に対する脱硫剤としてNi系の脱硫剤が提案さ
れている。その説明文中には、Ni含有量が30〜70
%で、Cuを添加し、担体として酸化亜鉛を用いること
が記載されているが、その脱硫剤の具体的な調製法や脱
硫性能等の具体的な記載はない。
【0010】また、特開平2−302302号公報に
は、都市ガス(13A)、LPG、フルレンジナフサに
対する脱硫剤としてCu−Zn系あるいはCu−Zn−
Al23 系のものが効果があるとしている。しかしな
がら、これら従来の脱硫剤では、脱硫成績は不十分であ
る。
【0011】すなわち、このような脱硫性能が不十分な
脱硫剤を上記のような燃料電池システムに用いる場合に
は、後段の水蒸気改質触媒等の触媒の活性や寿命を十分
に確保するためにも、脱硫剤を多量に用いる必要がある
ので経済的に不利であるし、システムのコンパクト化が
困難であるなどの問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較
的低圧でも炭化水素類から硫黄分を効率よく十分に除去
することができる高性能の脱硫剤を開発し、該脱硫剤を
用いることによって各種の燃料電池用炭化水素原料から
硫黄分を効率よく除去する方法、すなわち、炭化水素類
を少なくとも水蒸気改質反応によって水素主成分の燃料
ガスに転化し、得られた水素を燃料として用いる燃料電
池システムに極めて有利に用いることができる方法であ
る炭化水素原料の効率よい脱硫方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、共沈法という特定
の調製法によって調製した特定の成分からなる脱硫剤
(すなわち、銅、ニッケル及び酸化亜鉛からなる脱硫
剤)が、灯油、LPG、ナフサ等の各種の燃料電池用炭
化水素原料の脱硫剤として極めて有効であり、これを用
いることによって、比較的低い圧力でも該原料中の硫黄
分を容易に0.1ppm以下という低濃度にまで除去低
減することができることを見いだした。そこで、実際、
この新規な高性能の脱硫剤を用いて該燃料電池用炭化水
素原料の脱硫処理を水蒸気改質反応に先立って行い、改
質ガスを必要に応じて変性触媒によって処理し水素含有
燃料電池用燃料ガスとする燃料電池システムを構成し評
価した結果、脱硫剤の性能が著しく向上しているので、
後段の水蒸気改質触媒等の触媒の活性が十分に発揮さ
れ、触媒寿命も著しく延びることが確認された。また、
この脱硫剤の場合には、使用量が少量でも十分な効果を
発揮するので、燃料電池システムのコンパクト化も容易
に図れることができることも判明した。本発明者らは、
主として、これらの知見及び事実に基づいて、本発明を
完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、炭化水素原料を、水
蒸気改質反応によって水素主成分の燃料ガスに改質する
に先立ち、共沈法で製造した銅、ニッケル及び酸化亜鉛
からなる脱硫剤に接触させることを特徴とする燃料電池
用炭化水素原料の脱硫方法を提供するものである。
【0015】この脱硫方法は、各種の炭化水素類を水蒸
気改質反応によって水素主成分の改質ガスに転化し、該
改質ガスを必要に応じて変性処理し、燃料電池用の水素
含有燃料ガスに転化して用いるタイプの各種の燃料電池
システムにおいて、その水素含有燃料ガスの製造に用い
る炭化水素含有原料(すなわち、燃料電池用炭化水素原
料)から硫黄分を十分に除去する手段として好適に利用
することができる。なお、その際、該脱硫処理は、水蒸
気改質反応に先だって実施する。
【0016】本発明の脱硫方法においては、前記炭化水
素原料から硫黄分を十分に除去すべく、少なくとも、前
記特定の脱硫剤、すなわち、共沈法で製造した銅、ニッ
ケル及び酸化亜鉛からなる脱硫剤(以下、これを一般の
脱硫剤と区別するために脱硫剤[A]と呼ぶことがあ
る。)を使用する。
【0017】該脱硫剤[A]は、共沈法によって調製す
ることが重要であり、一般に、以下に示す方法によって
好適に得ることができる。
【0018】すなわち、この脱硫剤[A]を製造するに
は、まず、少なくとも銅成分とニッケル成分と亜鉛成分
からなる沈殿物を、これらの原料金属化合物の水溶液に
適当な沈殿剤を作用させて共沈させることによって形成
させる(なお、該沈殿物を形成に使用する原料金属化合
物、沈殿剤及び共沈法の詳細については後述する。)。
このように共沈法によって生成させた該沈殿物を、必要
に応じて熟成させた後、濾別等によって液から分離し、
必要に応じて水洗する。このようにして通常粒子状の固
体を得る。こうして得た固体は、通常、適当な温度(好
ましくは100〜120℃)で乾燥後、適当な温度(好
ましくは300〜600℃)温度において焼成するのが
好ましい。なお、この焼成は、通常、空気気流中で行う
のが好ましい。更に、このようにして得た焼成物等の粒
子状の固体を、必要に応じてグラファイト等の添加物を
添加した後、例えば打錠成形等によって適当なサイズに
成形して用いるのが好ましい。
【0019】以上のようにして、目的とする脱硫剤
[A]の前駆体を好適に製造することができる。こうし
て得た該前駆体は、通常、少なくとも酸化銅と酸化ニッ
ケルと酸化亜鉛からなっている。目的とする前記脱硫剤
[A]は、この複合酸化物状の前駆体を、例えば水素、
一酸化炭素、あるいはこれらの混合ガス等の還元性ガス
雰囲気中で、適当な温度(好ましくは、200〜500
℃の温度)において還元処理し、酸化銅と酸化ニッケル
をそれぞれ、金属状態に還元し、銅−ニッケル−酸化亜
鉛とすることによって得ることができる。この還元は、
還元性ガスを適宜例えば窒素等の不活性ガスで希釈して
行ってもよい。なお、この還元処理は、燃料電池システ
ムにおける脱硫反応器中で行ってもよいし、予め別途に
実施してもよい。
【0020】この脱硫剤[A]を製造するに際し、前記
共沈法による沈殿物の形成に使用するそれぞれの金属化
合物(銅化合物、ニッケル化合物及び亜鉛化合物)は、
所定の水溶液が得られ、かつ、共沈法に供せられるもの
であれば特に制限はなく、例えば、硝酸塩、硫酸塩、塩
化物等の無機酸塩、酢酸塩等の有機酸塩、アルコキシ
ド、アンミン錯体等を多種多様な化合物が使用する可能
である。これらの中でも、特に、硝酸銅、硝酸ニッケル
及び硝酸亜鉛が好ましく使用される。
【0021】一方、前記共沈法による沈殿物の形成に使
用する前記沈殿剤としても特に制限はなく、使用する原
料金属化合物の種類やその水溶液の組成等の他の条件に
応じて適宜適当なものを選定して使用するばよいのであ
るが、通常は、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属
元素あるいはアルカリ土類金属元素の水酸化物又は炭酸
塩等が好適に使用され、これらはそのままあるいは水溶
液として使用することができる。また、アンモニア水等
も好適に使用するされる。
【0022】なお、前記共沈法は、一般の共沈法の場合
のように、使用する原料金属化合物(この場合、銅化合
物、ニッケル化合物及び亜鉛化合物)の種類及びその水
溶液の組成、添加若しくは混合する沈殿剤の種類やその
使用形態(例えば、水溶液として添加するか、そのまま
添加するか、等)、金属化合物の水溶液と沈殿剤との混
合方式等に応じて、種々の変形があり、各種の方式を適
用することができる。一般的には、例えば硝酸銅と硝酸
ニッケルと硝酸亜鉛を溶解した水溶液等の銅化合物とニ
ッケル化合物と亜鉛化合物が溶解されている水溶液を調
製し、これに、例えば炭酸ナトリウムの水溶液等の沈殿
剤を混合し、共沈させる方法が好適に採用されるが、必
ずしもこうした銅化合物とニッケル化合物と亜鉛化合物
の3種類の金属成分を含む水溶液を用いる方法に限定さ
れるものではなく、例えば硝酸銅と硝酸ニッケル等のア
ンモニア性水溶液と硝酸亜鉛の水溶液を混合する方法な
ど種々の変形が可能である。
【0023】以上のよう共沈法によって、少なくとも
銅、ニッケル及び酸化亜鉛からなる前記脱硫剤[A]を
好適に得ることができる。なお、この脱硫剤[A]にお
ける、銅成分、ニッケル成分及び亜鉛成分の割合は、原
子比[Cu:Ni:Zn]で、通常、[(1〜3):
(1〜5):(3〜7)]、好ましくは、[(0.5〜
2.0):(2.0〜4.0):(5.0〜7.0)]
の範囲に選定するのが適当である。
【0024】本発明の脱硫方法においては、上記のよう
にして製造した脱硫剤[A]に、適当な反応条件で所定
の炭化水素原料(各種の燃料電池用炭化水素原料)を接
触させることによって脱硫し、該原料中に含まれる硫黄
分を十分に除去する。
【0025】ここで脱硫に供する炭化水素原料として
は、水蒸気改質反応によって水素主成分の燃料ガスに転
化可能な炭化水素を1種又は2種以上含有する種々の組
成の炭化水素系原料を対象とすることができ、通常は、
メタンから軽油留分に至る各種の沸点範囲にある各種の
炭化水素を1種又は2種以上含有する炭化水素系原料
(好ましくはアルカン類を主成分とするもの)が好適に
使用される。こうした炭化水素原料は、石油系のものに
限定されるものではなく、天然ガス系のものや石炭系の
ものなど種々の系統のものを適用することができる。こ
れらの中でも特に好適に使用することができるものとし
て、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の比
較的低級なアルカン類を主成分とする炭化水素含有ガ
ス、天然ガス若しくはLNG、各種の都市ガス、LP
G、ナフサ、灯油、各種軽油類等を例示することができ
る。なお、これら炭化水素原料は、予め、通常の水素化
脱硫によってその硫黄分が低減されているものでもよ
い。
【0026】この脱硫方法において、前記脱硫に供する
原料中に含まれる硫黄分の濃度としては、硫黄Sに換算
した重量基準で、通常、0.1〜100ppm、好まし
くは、5〜65ppmの範囲にあるものが好適な対象と
なる。ここで、これらの原料は、硫黄分として、有機硫
黄化合物(メルカプタンでもよい。)のみを含有するも
のでもよいし、硫化水素のみを含有するものでもよい
し、もちろん、両者を共に含有するものでもよい。
【0027】前記脱硫剤[A]を用いて行う脱硫処理
は、通常、以下に示す反応条件によって好適に実施する
ことができる。
【0028】なお、この脱硫処理は、供給する原料中に
有機硫黄化合物を含有する場合には、通常、水素の共存
下で実施するのが望ましい。すなわち、前記のように共
沈法によって製造した脱硫剤[A]は、硫黄分(特に硫
化水素)に対する高い化学吸着能を有する。一方、硫黄
分として、硫化水素のみを含有する場合には、必ずしも
水素を添加しないでも吸着反応によってこれを十分に除
去することができる。したがって、場合に応じて、水素
を添加して脱硫処理に供すればよい。その際、添加する
水素若しくは水素含有ガスは、別途に容易したものを使
用してもよいし、後段の水蒸気改質反応以降の生成物中
に含まれる水素若しくは水素含有ガスの一部をリサイク
ルして流用してもよいし、これらの組み合わせによって
もよい。
【0029】該脱硫処理における反応温度は、通常、2
80〜380℃、好ましくは、330〜360℃の範囲
に選定するのが好適である。
【0030】反応圧力は、通常、1.0〜10.0kg
/cm2 G、好ましくは、5.0〜6.0kg/cm2
Gの範囲に選定するのが好適である。
【0031】供給原料の空間速度は、使用する脱硫剤
[A]の見かけの体積と供給原料中の炭化水素類の液化
されている場合の体積から計算した液空間速度(LHS
V)として、通常、0.1〜2.0h-1、好ましくは、
0.2〜1.0h-1の範囲に選定するのが好適である。
【0032】なお、水素の添加割合は、原料中に有機硫
黄化合物として含まれる硫黄分(硫黄S)に対して、通
常、等モル以上、好ましくは、0.05〜0.5H2
Nl/灯油・gの範囲に選定するのが好適である。
【0033】この脱硫処理における反応方式としては、
特に制限はないが、通常、固定床方式による連続流通法
が好適に使用される。
【0034】以上のようにして、原料中の硫黄分(有機
硫黄化合物及び硫化水素)を十分に低濃度まで容易に低
減することができ、燃料電池システムにおける水蒸気改
質反応の原料として好適な低硫黄分の炭化水素含有生成
物を効率よく得ることができる。なお、硫黄分は、硫黄
Sに換算した重量基準で、通常、0.1ppm以下にま
で低減することが望ましく、この脱硫方法によって、そ
のような低硫黄分の水蒸気改質反応に好適な炭化水素含
有物を容易に得ることができる。
【0035】すなわち、本発明の脱硫方法を、燃料電池
システムにおける従来の水蒸気改質反応に先立って適用
することによって、各種の燃料電池用炭化水素原料から
硫黄分を十分に低濃度まで効率よく低減することができ
るので、その後の水蒸気改質触媒や変性触媒の活性の低
下を著しく抑制することができ、触媒寿命も著しく増加
させることができる。また、この方法に用いる脱硫剤
[A]は、その脱硫性能が従来の脱硫剤に比べて著しく
優れているので、その使用量もずっと少なくすることが
でき、したがって、脱硫装置ひいては燃料電池システム
のコンパクト化を容易に実現することができる。
【0036】なお、後段の水蒸気改質反応や変性処理
は、従来通りの方法によって行うことができ、この脱硫
剤[A]による脱硫工程を従来の燃料電池システムにお
ける水蒸気改質反応工程の前段の脱硫工程として組み込
むだけで、従来よりもずっと優れた燃料電池システムを
構成することが可能となる。
【0037】
【実施例】以下に、本発明の実施例及びその比較例を示
し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
【0038】実施例1 硝酸銅(3水塩)36.2gと硝酸ニッケル(6水塩)
130.8gと硝酸亜鉛(6水塩)267.7gをイオ
ン交換水に溶解し、これらの金属硝酸塩の混合水溶液
1.5リットルを調製し、一方、炭酸ナトリウム(無水
塩)159gイオン交換水に溶解し、炭酸ナトリウムの
水溶液1.5リットルを調製し、それぞれの水溶液を8
0℃に加熱した。次いでこれらの水溶液を素早く混合
し、80℃攪拌下で沈殿を形成させ、沈殿の形成が完了
した後、80℃で2時間攪拌を続け熟成させた。
【0039】その後、沈殿物を濾過によって液から分離
し、適量のイオン交換水で数回水洗した。こうして得た
固体を120℃で12時間乾燥した後、空気気流中、4
50℃で2時間焼成し、粉末状の固体を得た。この粉末
にグラファイトを該グラファイト含量が5重量%となる
ように添加混合し、打錠成型して目的とする脱硫剤の前
駆体(平均粒径約5mm)を得た。ここで得られた脱硫
剤前駆体は、酸化銅、酸化ニッケル及び酸化亜鉛からな
る複合酸化物状の組成物であり、その組成は、原子比で
Cu:Ni:Zn=1:3:6であった。
【0040】このように共沈法で製造した脱硫剤前駆体
を、下記に示すように、所定量を脱硫試験のための連続
流通式評価試験機の反応管に充填し、予め水素気流中、
300℃、1時間還元することによって目的とする脱硫
剤(Cu−Ni−ZnO)としてから、該脱硫剤層に下
記の反応条件で炭化水素原料と水素の混合物を連続流通
し、所定の脱硫試験(加速評価試験)を行なった。
【0041】(加速評価試験の条件) 脱硫試験装置:連続流通式評価試験機(内径1インチ、
長さ90cmの反応管を具備) 脱硫剤使用量:60g(脱硫剤前駆体としての重量) 供給炭化水素原料:灯油(含有硫黄濃度 62ppm) 反応温度:330℃;反応圧力:6kg/cm2G LHSV:1h-1;供給H2/oil比:0.36Nl
/g この脱硫試験(加速評価試験)の結果を表1に示す。
【0042】比較例1 硝酸銅(3水塩)36.2gと硝酸ニッケル(6水塩)
130.8gをイオン交換水に溶解し、その水溶液に担
体として粉末状の酸化亜鉛121gを加え、蒸発乾固
し、得られた固体を、空気気流中、450℃で2時間焼
成し、粉末状の固体を得た。この粉末にグラファイトを
該グラファイト含量が5重量%となるように添加混合
し、打錠成型して目的とする脱硫剤の前駆体(平均粒径
約5mm)を得た。ここで得られた脱硫剤前駆体は、酸
化銅と酸化ニッケルが酸化亜鉛に担持されている担持型
の組成物であり、その組成は、原子比でCu:Ni:Z
n=1:3:6であった。
【0043】このように含浸法で製造した従来型の脱硫
剤前駆体を用い、これを実施例1の場合と同様にして脱
硫剤(この場合、Cu−Ni/ZnO)に変え、この従
来型の脱硫剤を用い、実施例1と同様の条件で、脱硫試
験(加速評価試験)を行なった。
【0044】この脱硫試験(加速評価試験)の結果を表
1に示す。
【0045】比較例2〜4 脱硫剤として、表1に示すそれぞれの市販触媒(日産ガ
ードラー社製)を用いた以外は、実施例1と同様の条件
で、脱硫試験(加速評価試験)を行なった。
【0046】これらの脱硫試験(加速評価試験)の結果
を表1に示す。
【0047】
【表1】 *硫黄の分析は電量測定法及び電導度法によった。
【0048】実施例2 実施例1で、共沈法により製造した脱硫剤前駆体を用
い、これを実施例1の場合と同様にして脱硫剤(Cu−
Ni−ZnO)に変え、この脱硫剤を用い、実施例1と
同様の条件で、脱硫試験(加速寿命評価試験)を行なっ
た。
【0049】この脱硫試験(加速寿命評価試験)の結果
を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の脱硫方法においては、比較的低
圧でも炭化水素含有原料から硫黄分(有機硫黄化合物及
び硫化水素)を効率よく十分に除去することができる高
性能の脱硫剤(すなわち、共沈法で製造した銅、ニッケ
ル及び酸化亜鉛からなる前記脱硫剤[A])を開発し、
これを脱硫剤を用いているので、例えば、灯油、軽油、
LPG、都市ガス、天然ガス等の各種の燃料電池用炭化
水素原料から硫黄分を効率よく除去することができる。
したがって、この脱硫処理を、該炭化水素原料を水蒸気
改質反応に供して水素主成分の燃料ガスに改質するに先
立って行うことによって、硫黄分による水蒸気改質触媒
や変性触媒の活性の低下を大幅に低減することができ、
それらの触媒寿命を著しく増加させることができる。ま
た、本発明の方法で用いる前記脱硫剤[A]は、従来の
脱硫剤に比べて、脱硫能力が著しく高いので、その使用
する量を低減することもでき、これによって、燃料電池
システムの構成を従来のものに比べて、大幅にコンパク
化することができる。
【0052】すなわち、本発明によると、特に、運転圧
が10kg/cm2 G程度以下と比較的低い場合の燃料
電池システムをはじめとする各種の水素燃焼型燃料電池
システムにおける各種の炭化水素含有原料の脱硫手段と
して好適に利用することができる優れた燃料電池用炭化
水素原料の脱硫方法を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素原料を、水蒸気改質反応によっ
    て水素主成分の燃料ガスに改質するに先立ち、共沈法で
    製造した銅、ニッケル及び酸化亜鉛からなる脱硫剤に接
    触させることを特徴とする燃料電池用炭化水素原料の脱
    硫方法。
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