JPH06228496A - 水性塗料組成物 - Google Patents

水性塗料組成物

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JPH06228496A
JPH06228496A JP3748793A JP3748793A JPH06228496A JP H06228496 A JPH06228496 A JP H06228496A JP 3748793 A JP3748793 A JP 3748793A JP 3748793 A JP3748793 A JP 3748793A JP H06228496 A JPH06228496 A JP H06228496A
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JP
Japan
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water
solvent
weight
organic solvent
coating
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Application number
JP3748793A
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English (en)
Inventor
Makoto Asakura
信 朝倉
Akira Suehiro
明 末広
Tomoo Konakawa
共生 粉川
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コイルコート塗装に適した、造膜性、耐ワキ
性および塗料安定性に優れた水性塗料を提供する。 【構成】 芳香族エポキシ樹脂とカルボキシル基含有ア
クリル系樹脂とからなるカルボキシル基含有反応生成物
を塩基性化合物で中和して水を主成分とする溶媒中に分
散せしめることにより得られる該反応生成物の水分散化
物を主体とする水性塗料であって、該溶媒が水95.8
〜75重量%、特定組成の水混和性有機溶剤(a)4〜
20重量%、水と非混和性の特定組成の有機溶剤(b)
0.2〜6重量%およびその他の有機溶剤(c)0〜1
0重量%からなり、分散樹脂の平均粒径が0.10〜
0.50μm であり塗料固形分濃度が15〜35重量%
である水性塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性塗料に関し、さら
に詳しくは、コイルコート塗装、殊に缶胴及び缶蓋の内
面保護塗膜の形成に用いるロールによるコイルコート塗
装において有用な、造膜性、耐ワキ性および塗料安定性
に優れた水性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】塗布量が50〜200mg
/100cm2 、特に100〜200mg/100cm2 と多
く、焼付温度が230〜270℃と高く、しかも焼付時
間が10〜50秒間と高速硬化性が要求されるコイルコ
ート塗装は、一般に、缶胴及び缶蓋の内面用保護塗膜の
形成のために多く使用されているが、従来、そのような
目的に使用されるコイルコート用塗料としては、主とし
て塩化ビニルゾル系塗料が用いられてきた。塩化ビニル
ゾル系塗料は現在著しい伸長を示しているが、コーヒー
や紅茶飲料等の高温殺菌条件では耐レトルト性が劣って
おり、また塩化ビニルモノマーの毒性や、塗装廃缶の処
分時に塩素系環境汚染物質が発生することが懸念されて
いる。
【0003】一方、塩化ビニル系塗料の改良として、耐
熱性の高いエポキシ−フェノール樹脂系の開発も行われ
ているが、加工性が悪く、コーラやスポーツ飲料等の高
腐食性用途には問題がある。
【0004】しかも、これらは全て有機溶剤を溶剤また
は分散剤として用いており、環境衛生上および火災等の
安全上好ましくない。
【0005】そこで、缶用塗料として、水性塗料の開発
が行われている。従来、缶用の水性塗料としては、その
優れた特性故にエポキシ系樹脂をバインダーとして使用
することが種々提案されている。中でも缶内面用として
適している塗料としては、主としてエポキシ系樹脂を高
酸価アクリル系樹脂により変性し、過剰のカルボキシル
基をアンモニア又はアミンで中和し、これを水中に分散
せしめた組成物が挙げられる。例えば、特開昭53−1
228号公報には、ベンゾイルパーオキサイド等のラジ
カル発生触媒を用い、エポキシ樹脂の主鎖にカルボキシ
ル基含有モノマーを含むアクリル系モノマーをグラフト
重合させ、アンモニア、アミン等の塩基性化合物を用い
て水中に分散させる方法が開示されている。また、特開
昭55−3481号公報及び特開昭55−3482号公
報には、予めベンゾイルパーオキサイド等のラジカル発
生触媒により重合せしめられた高酸価アクリル系樹脂と
エポキシ樹脂とをエステル化触媒の下でエステル付加反
応させ、得られる付加物中のカルボキシル基をアンモニ
ア、アミン等の塩基性化合物で中和し、これを水中に分
散させた組成物が開示されている。
【0006】これらの樹脂分は水性希釈剤に分散容易で
あり、且つ缶胴金属への密着性に優れ、しかも耐腐食性
のある塗膜を形成しうるが、これらはいずれもスプレー
塗装用として提案されたものであって、有機溶剤にくら
べて揮発のおそい水系溶媒を使用しているため、これら
の塗料のスプレー塗装にあたっては、スプレー塗装むら
を極力おさえる厳しい塗装工程管理を必要とする等の問
題点がある。
【0007】一方、前記のコイルコート塗装のように、
膜厚が厚くしかも高温で短時間の焼付塗装が要求される
場合には、造膜性や耐ワキ性について不具合が生ずる。
【0008】しかして、環境衛生、労働衛生、防災上問
題がなく、コイルコート塗装条件下で、造膜性、耐ワキ
性に優れ、塗料安定性良好で且つ缶内面保護塗膜形成
上、当然具備すべき加工性、耐水密着性、耐食性、衛生
性およびフレーバー性等の性能が優れた缶内面保護塗膜
形成用水性塗料組成物の開発が待望されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
該コイルコート塗装条件下で上記の諸性能を満足する水
性塗料の開発について鋭意研究を行なった結果、今回、
特定の水混和性有機溶剤を特定量用い、さらに水と非混
和性の特定の有機溶剤を特定量用い、そして造膜成分と
してスプレー塗装用途等に提案されている前述の如きエ
ポキシ−アクリル系樹脂を使用し、且つ分散樹脂粒子の
粒子径を特定の範囲内に制御することにより、造膜性と
耐ワキ性を高水準に維持することのできる水性塗料が得
られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】かくして、本発明に従えば、「芳香族エポ
キシ樹脂とカルボキシル基含有アクリル系樹脂とからな
るカルボキシル基含有反応生成物を塩基性化合物で中和
して水を主成分とする溶媒中に分散せしめることにより
得られる該反応生成物の水分散化物を主体とする水性塗
料であって、該溶媒が水95.8〜75重量%、下記水
混和性有機溶剤(a)4〜20重量%、下記水と非混和
性の有機溶剤(b)0.2〜6重量%および(a)、
(b)以外の有機溶剤(c)0〜10重量%からなり、
かつ分散された樹脂粒子の平均粒子径が0.10〜0.
50μm であり、さらに塗料の固形分濃度が15〜35
重量%であることを特徴とする水性塗料 ・該水混和性有機溶剤(a)は沸点が175〜240℃
のエーテルアルコール系溶剤30〜70重量%と、沸点
が140℃以下のアルカノール70〜30重量%とから
なり、 ・該水と非混和性の有機溶剤(b)は沸点170〜24
0℃の炭化水素系溶剤20〜80重量%と沸点150〜
200℃の高級アルコール系溶剤80〜20重量%とか
らなる。」が提供される
【0011】本発明の水性塗料は、コイルコート塗装
性、造膜性、耐ワキ性、塗料安定性、塗装性能が優れて
おり、また、環境汚染を発生させることがなく塗装環境
の安全性、衛生性等にも優れている。
【0012】
【作用】本発明の重要な特徴は、芳香族エポキシ樹脂と
カルボキシル基含有アクリル系樹脂とを反応させて得ら
れる、自己乳化型かつ自己架橋型のカルボキシル基含有
反応生成物(以下、アクリル−エポキシ樹脂ということ
がある)をバインダーとして、水を主成分とし特定組成
の有機溶剤を含む溶媒中に分散せしめる点にある。
【0013】本発明の水性塗料において使用される水を
主成分とする溶媒は、基本的には、水と少量の特定の水
混和性有機溶剤(a)、水と非混和性の特定の有機溶剤
(b)および必要に応じて、その他の有機溶剤(c)か
らなるものであって、水95.8〜75重量%、好まし
くは95.0〜90.0重量%と、特定の水混和性有機
溶剤(a)4〜20重量%、好ましくは4〜10重量%
と、特定の水と非混和性の有機溶剤(b)0.2〜6重
量%、好ましくは1〜4重量%と、その他の有機溶剤0
〜10重量%とから構成される。有機溶剤量が25重量
%を超えると、目的の塗装環境の安全性や衛生性を損
う。
【0014】しかして、上記溶媒における水混和性有機
溶剤(a)は、20℃における水に対する溶解度が10
0gの水に対して5g以上である各有機溶剤の混合物で
あって、特定のエーテルアルコール系溶剤および特定の
アルカノールとからなる。上記特定のエーテルアルコー
ル系溶剤は沸点が175〜240℃の範囲であることが
必要であり、例えば、下記式(I)又は(II)
【0015】
【化1】
【0016】(上記各式中、R1 は炭素数5〜6個の直
鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表わし、R2 は同
一又は異なって水素原子又はメチル基を表わし、R3
炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を
表わす)で示されるモノ−もしくはジ−アルキレングリ
コールモノアルキルエーテルを代表例として挙げること
ができる。より具体的には、エチレングリコールモノヘ
キシルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル等が挙げられる。これらエーテル
アルコール系溶剤はそれぞれ単独で使用することがで
き、又は2種もしくはそれ以上組合わせて用いてもよ
く、水及び/又は樹脂バインダーとの相溶性や沸点等を
考慮して適宜選択することができる。
【0017】上記エーテルアルコール系溶剤としては、
沸点が175〜240℃、好ましくは180〜230℃
の範囲内にあるものが選ばれる。何となれば、コイルコ
ート塗装条件下では数秒から、数十秒間に200〜30
0℃の高温になるので、該エーテルアルコール系溶剤の
沸点が175℃より低いとオーブンに入った瞬間に突沸
しワキの原因になり、一方、沸点が240℃を越えると
バインダー粒子が融着し造膜した後に溶剤の沸騰が生
じ、ワキの原因となるばかりか、溶剤が膜中に残留する
恐れもあり好ましくない。
【0018】上記エーテルアルコール系溶剤とともに水
混和性有機溶剤(a)として使用されるアルカノールは
沸点が140℃以下、好ましくは80〜120℃の範囲
内の沸点を有するものであり、コイルコート塗装条件下
での塗膜の焼付時の昇温初期に水と共沸して水の突沸を
防止する効果を有する。上記アルカノールとしては代表
例として、例えばn−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、sec −ブタノール等が挙げられ、これらはそれ
ぞれ単独で又は2種以上の組合わせで使用することがで
きる。
【0019】かくして該水混和性溶剤は高沸点エーテル
アルコール系溶剤と、水と共沸可能な低沸点アルカノー
ルとの混合系であるが、その割合はエーテルアルコール
系溶剤が30〜70重量%の範囲である。エーテルアル
コール系溶剤が70重量%を越えると水と共沸可能な水
混和性有機溶剤の量が30重量%未満となり水の突沸が
起こりやすくなってワキの原因になり、一方、エーテル
アルコール系溶剤が30重量%より少ないと水性塗料の
安定性が不良になるばかりか、バインダー粒子の造膜性
や塗面の平滑性が不良となる。
【0020】上記溶媒において使用される、水と非混和
性の有機溶剤(b)は、20℃における水に対する溶解
度が100gの水に対して1g以下である各有機溶剤の
混合物であって、沸点170〜240℃の炭化水素系溶
剤20〜80重量%と沸点150〜200℃の高級アル
コール系溶剤80〜20重量%とからなる。
【0021】上記水と非混和性の有機溶剤(b)は、本
発明塗料組成物において、高速で回転するロールによっ
て塗装する際に塗料に巻き込まれるアワが焼付時にワキ
になることを防止する消泡効果を付与するものである。
【0022】理由は明らかではないが、本発明塗料にお
いては、沸点170〜240℃の炭化水素系溶剤20〜
80重量%と沸点150〜200℃の高級アルコール系
溶剤80〜20重量%との混合系である水と非混和性の
有機溶剤(b)が優れたワキ防止効果を示す。該水と非
混和性の有機溶剤(b)の量は水性媒体中0.2〜6重
量%の範囲であり、0.2重量%未満ではその効果が乏
しく、6重量%を超えると塗料系が不均一になり塗面異
常が発生し易くなる傾向にあり、甚だしくは塗面にハジ
キが発生するので好ましくない。
【0023】上記溶剤(b)に用いられる炭化水素系溶
剤は、沸点が170〜240℃の範囲の炭化水素系溶剤
であればよく、脂肪族、環式、芳香族のいずれであって
もよく、これらの混合物であってもよく、代表例とし
て、スワゾール1500、スワゾール1800〔以上、
コスモ石油社製〕、エクセゾールD60〔エクソン社
製〕、ソルベッソ150〔エッソ社製〕、シェルゾール
71L〔シェル化学社製〕などが挙げられる。
【0024】上記溶剤(b)に用いられる沸点が150
〜200℃の高級アルコール系溶剤としては、代表例と
して2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−ヘ
プタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2
−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
【0025】本発明において、上記溶媒には、水、前記
水混和性有機溶剤(a)および上記水と非混和性の有機
溶剤(b)以外に、(a)、(b)以外の有機溶剤
(c)が含有されていてもよい。有機溶剤(c)は、樹
脂合成時に使用され、不可避的に水性媒体中に混入され
てくるものであってもよいし、意図的に必要に応じて混
入するものであってもよい。
【0026】有機溶剤(c)の代表例としては、トルエ
ン、キシレンなどの沸点170℃未満の炭化水素系溶
剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコール
モノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノt−
ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコ
ールジブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタ
ノールなどの沸点175℃未満のエーテルアルコール系
溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキ
シブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルア
セテート、n−ブチルプロピオネート、エチルプロピオ
ネート、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶
剤;アセトン、メチル、エチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン系溶剤などを挙げることができ
る。有機溶剤(c)の量は水性媒体中0〜10重量%の
範囲であって、10重量%を超えると、水性塗料の安定
性が悪くなったり、塗面の平滑性が不良となったりす
る。
【0027】一方、以上に述べた水を主成分とする溶媒
中にバインダーとして分散せしめられる樹脂としては、
芳香族エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アクリル系樹
脂とからなる自己乳化型かつ自己架橋型のカルボキシル
基含有反応生成物が用いられる。かかるカルボキシル基
含有反応生成物は、金属への密着性に優れ、かつ耐腐食
性のある塗膜を形成することができるものであり、しか
も中和によって上記溶媒中に分散可能となる。該反応生
成物中に組み込まれたエポキシ樹脂分は優れた密着性を
与えるものであり、一方、該反応生成物中に組み込まれ
たアクリル樹脂分は、アンモニウム塩乃至はアミン塩の
形で水性希釈剤中への自己乳化性を付与する。更に、こ
れらのエポキシ樹脂分(オキシラン環や水酸基)とアク
リル樹脂分(カルボキシル基)とは、塗料焼付条件下で
自己架橋して、耐腐食性に優れた硬化塗膜を与える。
【0028】上記芳香族系エポキシ樹脂とカルボキシル
基含有アクリル系樹脂とからなるカルボキシル基含有反
応生成物の製造は、例えば以下に示す方法により行なう
ことができる。 (1)芳香族系エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アク
リル系樹脂とを、有機溶剤溶液中で第3級アミンの存在
下にエステル付加反応させる方法。 (2)有機溶剤溶液中でベンゾイルパーオキサイド等の
ラジカル発生剤の存在下に、芳香族系エポキシ樹脂に前
記ラジカル重合性不飽和単量体をグラフト重合反応させ
る方法。
【0029】しかして、上記カルボキシル基含有反応生
成物の製造に用いられる芳香族系エポキシ樹脂として
は、例えば、エピハロヒドリンとビスフェノール類(例
えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン等)とをアルカリ触
媒の存在下に高分子量まで縮合させたものや、エピハロ
ヒドリンとビスフェノール類とをアルカリ触媒の存在下
に低分子量のエポキシ樹脂に縮合させ、この低分子量エ
ポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させること
により得られたもの等の他、上記エポキシ樹脂と二塩基
酸とを反応させたエポキシエステル樹脂を用いることが
できる。ここで二塩基酸としては、炭素原子数3〜14
のアルカン二酸が好適に用いられ、具体的には、コハク
酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸、ヘキサヒドロフタル酸等を例示する
ことができる。
【0030】かかる芳香族系エポキシ樹脂の具体例とし
ては、例えば、シェル化学社製のエピコート1004
(エポキシ当量約900、数平均分子量約1,40
0)、エピコート1007(エポキシ当量約1,70
0、数平均分子量約2,900)、エピコート1009
(エポキシ当量約3,500、数平均分子量約3,75
0)、エピコート1010(エポキシ当量約4,50
0、数平均分子量約5,500)等が挙げられる。
【0031】上記エポキシ樹脂1分子当りのエポキシ基
の数は、特に制限されるものではなく、後記カルボキシ
ル基含有アクリル系樹脂との反応形態に応じて適宜選択
することができる。例えば、該反応形態がエステル化反
応である場合には、上記エポキシ樹脂1分子当りのエポ
キシ基の数は平均0.5〜2個、好ましくは0.5〜
1.6個であるのがよく、また、該反応形態がエポキシ
樹脂主鎖の水素引き抜きによるカルボキシル基含有アク
リル系モノマーを含むアクリル系モノマーのグラフト反
応である場合には、上記エポキシ樹脂中にエポキシ基は
実質上存在しなくてもよい。
【0032】また、上記エポキシ樹脂の数平均分子量
は、通常、1,400〜8,000程度、好ましくは
2,900〜7,000程度であることができる。エポ
キシ樹脂の数平均分子量が1,400より小さくなる
と、一般にエポキシ樹脂に起因する低分子量成分が殺菌
処理過程で缶内容物中に溶出し、衛生上好ましくないと
いう傾向が生ずる。また逆に、エポキシ樹脂の数平均分
子量が8,000より大きくなると、粘度が高くなり過
ぎ、反応生成物の安定な乳化が困難になるという傾向が
みられる。
【0033】カルボキシル基含有反応生成物を得るため
の前記(1)エステル付加反応において、上記エポキシ
樹脂と反応せしめられるカルボキシル基含有アクリル系
樹脂としては、下記(a)群に示す如きカルボキシル基
含有ラジカル重合性不飽和単量体の少なくとも1種の
(共)重合或いはかかる不飽和単量体の少なくとも1種
及びこれと共重合可能な下記(b)群に示す如きラジカ
ル重合性不飽和単量体の共重合により得られるアクリル
系樹脂が包含される。
【0034】(a)アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、クロトン酸等の如きα,β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸。 (b)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアク
リレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等の如き
アクリル酸又はメタクリル酸の炭素原子数が1〜8個の
ヒドロキシアルキルエステル; メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル
アクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアク
リレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアク
リレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルア
クリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキ
シルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタク
リレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタク
リレート、アクリル酸デシル等の如きアクリル酸又はメ
タクリル酸の炭素原子数が1〜24個のアルキル又はシ
クロアルキルエステル; アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチル
アクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチル
アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等
の如きアクリルアミド又はメタクリルアミドの誘導体; スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の
如き芳香族ビニル単量体; 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、ビニルプロピオネート、ビニ
ルピバレート、ベオバモノマー(シェル化学社製)等の
如きその他のビニル単量体。
【0035】上記した不飽和単量体の好ましい組合せの
例としては、例えば(イ)メタクリル酸メチル/アクリ
ル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸、(ロ)スチレン
/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/メタクリル
酸、(ハ)スチレン/アクリル酸エチル/メタクリル
酸、(ニ)メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/ア
クリル酸等が挙げられる。
【0036】これらのカルボキシル基含有アクリル系樹
脂の調製は、例えば、上記した不飽和単量体をラジカル
重合用開始剤の存在下に溶液重合する方法により容易に
行ないうる。上記カルボキシル基含有アクリル系樹脂の
数平均分子量は、通常、5,000〜100,000程
度、好ましくは7,000〜15,000の範囲内にあ
ることができ、また、酸価は樹脂固形分で通常、約50
〜約500mgKOH/g 、特に350〜450mgKOH/g の範
囲内が適当である。
【0037】上記(1)のエステル付加反応において用
いられる第3級アミンとしては、R456 N(式
中、R4 及びR5 は窒素原子に結合する炭素原子数1〜
2個の置換又は未置換の一価アルキル基を表わし、R6
は窒素原子に結合する1〜4個の炭素原子を有する置換
又は未置換の一価アルキル基又はヒドロキシアルキル基
を表わす。)で示されるアミン類、例えばトリエチルア
ミン、ジメチルエタノールアミン(ジメチルアミノエタ
ノール)、メチルジエタノールアミン、エチルメチルエ
タノールアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロ
ピルアミン、ジメチル−3−ヒドロキシ−1−プロピル
アミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチル−2−ヒド
ロキシ−1−プロピルアミン、ジエチルメチルアミン、
ジメチル−1−ヒドロキシ−2−プロピルアミン等、そ
の他N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、ピ
リジン、N−メチルピロール、N−メチルピペリジン等
を例示することができ、これらは1種単独で又は2種以
上混合して使用することができる。これらの中でもトリ
メチルアミン及びジメチルエタノールアミンが特に好適
である。
【0038】上記エステル付加反応において、使用され
る芳香族系エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アクリル
系樹脂の固形分濃度としては、特に制限はなく、これら
樹脂の最適粘度を有する範囲であることが望ましい。ま
た、第3級アミンは芳香族系エポキシ樹脂のエポキシ基
に対して通常0.1〜1当量の範囲内で使用するのが適
当である。
【0039】上記エステル付加反応は、それ自体既知の
方法で行なうことができ、例えば、芳香族系エポキシ樹
脂の有機溶剤溶液とカルボキシル基含有アクリル系樹脂
の有機溶剤溶液とを均一に混合せしめた後、第3級アミ
ン水性溶液の存在下に、通常約60〜約130℃の反応
温度において実質的にエポキシ基が消費されるまで約1
〜約6時間反応を行なうことができる。
【0040】カルボキシル基含有反応生成物を得るため
の前記(2)のグラフト重合反応において使用するラジ
カル重合性不飽和単量体としては、前記(1)のエステ
ル付加反応におけるカルボキシル基含有アクリル系樹脂
を構成する(a)群および(b)群の不飽和単量体と同
様のものを挙げることができる。
【0041】上記グラフト重合反応において、芳香族系
エポキシ樹脂と前記ラジカル重合性不飽和単量体との使
用割合は、特に制限されるものではないが、通常、芳香
族系エポキシ樹脂95〜70重量%及び前記ラジカル重
合性不飽和単量体5〜30重量%とするのがよい。この
場合、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体
は、全ラジカル重合性単量体中20〜80重量%の範囲
内で使用するのが好都合である。また、ラジカル発生剤
はラジカル重合性不飽和単量体に対して通常3〜15重
量%の範囲内で使用するのがよい。
【0042】上記グラフト重合反応は、それ自体既知の
方法で行なうことができ、例えば、約80〜約150℃
に加熱された芳香族系エポキシ樹脂の有機溶剤溶液にラ
ジカル発生剤を均一に混合せしめたラジカル重合性不飽
和単量体を1〜3時間要して添加し、更に同温度を1〜
3時間保持することにより行なうことができる。
【0043】上記エステル付加反応及びグラフト重合反
応において使用される有機溶剤としては、芳香族系エポ
キシ樹脂及びカルボキシル基含有アクリル系樹脂を溶解
し且つこれら樹脂の反応生成物のカルボン酸塩を水で希
釈する場合にエマルジョンの形成に支障をきたさない水
と混合し得る有機溶剤である限りいずれも使用できる。
しかし、最終的には本発明で特定する水性媒体の組成範
囲内に入ることが必要であり、例えば必要に応じて溶剤
置換の操作等を行なうことができる。
【0044】本発明において、上記芳香族系エポキシ樹
脂とカルボキシル基含有アクリル系樹脂とからなるカル
ボキシル基含有反応生成物は、その生成物中の少なくと
も一部のカルボキシル基が塩基性化合物で中和され水分
散化される。なお反応生成物の樹脂酸価は30〜100
の範囲にあることが水分散性、塗膜性能などの点から好
ましい。
【0045】上記カルボキシル基を中和するのに用いら
れる塩基性化合物は、通常、カルボキシル基含有樹脂の
水分散化に際してカルボキシル基の中和に用いられるも
のである限り殊に制限はなく各種のものを広く使用で
き、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミ
ン、水酸化第4級アンモニウム等が挙げられる。より具
体的には、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピル
アミン、イソプロピルアミン、n−ヘキシルアミン、モ
ノエタノールアミン、プロパノールアミン、ベンジルア
ミン、ジメチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルア
ミン、メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチ
ルシクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリ
ブチルアミン、ジメチルn−ブチルアミン、トリプロピ
ルアミン、γ−ピコリン、テトラヘキシルアンモニウム
ヒドロキサイド等が挙げられる。
【0046】本発明の水性塗料は、焼付時にバインダー
樹脂(固形分)粒子の融着を遅くし、水性希釈剤をワキ
を発生することなく容易に揮発せしめるため、分散樹脂
粒子の平均粒子径を0.10〜0.50μm 、好ましく
は0.20〜0.40μm の範囲内にする必要がある。
この範囲の粒子径は、例えば、アクリル−エポキシ樹脂
のカルボキシル基を中和して、バインダー樹脂を溶媒中
に分散せしめるに際して、上記中和剤の使用量を上記カ
ルボキシル基に対して0.2〜1.5当量、好ましくは
0.3〜0.8当量の範囲内とすることによって達成す
ることができる。
【0047】分散樹脂粒子が上記範囲の粒子径を有し
て、かつ、水性希釈剤中の分散状態が安定な水性塗料を
得るための分散機としては、通常の撹拌機を使用するこ
ともできるが、粘稠な場合には、バンバリミキサー、パ
イプラインミキサーなどを好適に用いることができる。
【0048】分散樹脂粒子の粒子径が0.10μm より
小さいと、焼付時にワキが発生しやすくなり、一方0.
50μm より大きくなると、造膜性が劣るばかりでな
く、水性塗料の安定性も低下する傾向がみられる。
【0049】また、水性塗料中におけるエポキシ樹脂と
アクリル樹脂とからなるカルボキシル基含有反応生成物
(固形分)の濃度は、15〜35重量%、好ましくは2
5〜35重量%の範囲内である。固形分の濃度が15重
量%より少ないと、コイルコート塗装時の膜厚調整がむ
ずかしくなり、膜厚が不均一になりやすく、一方35重
量%より大きくなると、水性塗料の安定性が低下するば
かりでなく、焼付時にワキが発生しやすくなる。
【0050】なお、本発明の水性塗料は自己架橋性を有
するが、バインダー樹脂が水酸基を有しているので、必
要に応じて、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−
ホルムアルデヒド樹脂等のアミノプラストや、フェノー
ル−ホルムアルデヒド樹脂、ブロックポリイソシアネー
トの如き架橋剤を添加することにより、高度の耐水性や
耐沸騰水性を有する塗膜を形成せしめることができる。
【0051】更に、本発明の水性塗料には、必要に応じ
て、塗料分野で一般に使用される添加剤、例えば凝集防
止剤、ワックス、流れ調整剤、顔料等を適宜配合するこ
とができる。
【0052】
【発明の効果】本発明の水性塗料は、コイルコート塗装
条件下でも造膜性、耐ワキ性に優れ、塗料の貯蔵安定性
が良好で、風味保持性、耐水密着性、耐食性、加工性、
衛生性およびフレーバー性等にも優れた塗膜を形成し得
るものであり、缶胴及び缶蓋の内面保護塗膜形成用塗料
としてコイルコート塗装するのに特に適している。
【0053】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、部及び%はいずれも重量基準であ
る。
【0054】カルボキシル基含有アクリル系樹脂溶液の
製造 製造例1 撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素導入
口を備えた四つ口フラスコにブタノール400部を秤取
した。次にメタクリル酸174部、スチレン87部、エ
チルアクリレート29部及びベンゾイルパーオキサイド
(75%水湿潤物)14.5部をビーカーに秤取し、よ
く混合撹拌し、予備混合物を調製した。フラスコ中のブ
タノールの温度を105℃に加熱し、この温度において
前記予備混合物を滴下ロートから3時間にわたって滴下
した。同温度で更に2時間保持し、共重合反応を完了さ
せた。次いで、ブタノール290部を加えて、粘度37
0センチポイズ、樹脂酸価390、固形分30%のカル
ボキシル基含有アクリル系樹脂溶液(以下、「アクリル
系樹脂溶液A」という)を得た。
【0055】エポキシ樹脂溶液の製造 製造例2 エピコート828(油化シェル社製エポキシ樹脂、エポ
キシ当量約190、粘度約130ポイズ、25℃)50
0部、ビスフェノールA286部、トリ−n−ブチルア
ミン0.5部及びメチルイソブチルケトン86部を反応
容器に入れ、窒素気流下で135℃に加熱したところ内
容物は180℃まで発熱した。このものを160℃まで
冷却し、約3時間反応を行なってエポキシ価0.05
2、溶液粘度(25℃における樹脂分40%のブチルカ
ルビトール溶液のガードナーホルト粘度)Z1 、固形分
90%のエポキシ樹脂溶液(以下、「エポキシ樹脂溶液
B」という)を得た。
【0056】アクリル−エポキシエマルジョン液の製造 製造例3 (1)製造例1で得たアクリル系樹脂溶液A 150部 (2)製造例2で得たエポキシ樹脂溶液B 283部 (3)n−ブタノール 103部 (4)エチレングリコールモノブチルエーテル 30部 (5)脱イオン水 3.6部 (6)N,N−ジメチルアミノエタノール 11.8部 (7)N,N−ジメチルアミノエタノール 5.0部 (8)脱イオン水 722部 合計 1,308.4部
【0057】反応容器に上記(1)〜(4)を入れ、窒
素気流下で115℃に加熱し、樹脂成分を溶解せしめ
た。溶解後105℃まで冷却し、(5)〜(6)の順に
加え、105℃で3時間保持した。反応生成物はアクリ
ル系樹脂/エポキシ樹脂の固形分重量比が15/85で
ある。反応は酸価を測定して追跡し、反応終点を酸価5
1とした。次いで3時間後に(7)を添加し、中和当量
0.6で中和分散しその後、(8)を30分間にわたっ
て添加してエマルジョン化を行なった。
【0058】次いで、50℃に保持して減圧下で脱溶剤
を行ない、メチルイソブチルケトン、n−ブタノールの
大部分、及びエチレングリコールモノブチルエーテルの
一部を留去除去し、固形分32%、分散粒子の粒子径
0.24μm の安定なアクリル−エポキシエマルジョン
液(以下、「エマルジョン液〔1〕」という)を得た。
得られたエマルジョン液〔1〕の溶媒中における溶剤組
成をガスクロマトグラフにより測定したところ、溶媒中
の有機溶剤量は2.1%であり、その内訳はn−ブタノ
ール0.1%、エチレングリコールモノブチルエーテル
2.0%であった。
【0059】フェノール樹脂溶液の製造 製造例4 ビスフェノールA100部、37%ホルムアルデヒド水
溶液178部及び苛性ソーダ1部を加え、60℃で3時
間反応させた後、減圧下50℃で1時間脱水した。次い
でn−ブタノール100部とリン酸3部を加え、110
〜120℃で2時間反応を行なった。反応終了後、溶液
をろ過して生成したリン酸ナトリウムをろ別し、n−ブ
タノールで加熱残分50%に調整し、粘度(ガードナー
泡粘度計、25℃)のフェノール樹脂溶液(以下、「フ
ェノール樹脂溶液C」という)約220部を得た。
【0060】水性塗料の製造 実施例1 (1)製造例3で得たエマルジョン液〔1〕 852部 (2)脱イオン水 30部 (3)n−ブタノール 22部 (4)エチレングリコールモノブチルエーテル 8部 (5)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 30部 (6)スワゾール1500 30部 (7)1−オクタノール 10部 (8)製造例4で得たフェノール樹脂溶液C 55部 (9)N,N−ジメチルアミノエタノール 5部
【0061】ステンレス容器に(1)を配合し、かき混
ぜながら(2)を加えて希釈した。別容器に(3)〜
(7)の溶剤を配合し、よくかき混ぜた後、この混合溶
剤に(8)を加え均一に溶解させた。このフェノール樹
脂溶解液を上記希釈したエマルジョン液中に撹拌下にて
加えた。その後、徐々に加温し、40℃で約1時間保持
した後(9)を加え、粘度を約40秒(フォードカップ
#4/25℃)に調整して水性塗料を得た。
【0062】実施例2〜3および6〜7ならびに比較例
1〜4 実施例1において、配合する有機溶剤(3)〜(7)の
種類、量を表1のとおりとする以外、実施例1と同様に
行ない水性塗料を得た。
【0063】製造例5 製造例3において、(7)N,N−ジメチルアミノエタ
ノールの量5.0部を0.3部にかえる以外は製造例3
と同様に行ない、固形分32%、分散粒子の粒子径0.
38μm の安定なアクリル−エポキシエマルジョン液
(以下、「エマルジョン液〔2〕」という)を得た。こ
のエマルジョン液の溶媒の組成は、製造例3のエマルジ
ョン液〔1〕における組成と同様であった。
【0064】実施例4および5 実施例1において、(1)製造例3で得たエマルジョン
液〔1〕のかわりに製造例5で得たエマルジョン液
〔2〕を使用し、さらに配合する有機溶剤(3)〜
(7)の種類、量を表1のとおりとする以外、実施例1
と同様に行ない水性塗料を得た。
【0065】
【表1】
【0066】表1中には、各塗料の溶媒中における溶剤
(水を含む)の割合、樹脂粒子の粒径および塗料固形分
も表示した。
【0067】得られた水性塗料について、塗膜性能試
験、塗料の経時安定性、塗料の低温造膜性の試験を行な
った。その結果を後記表2に示す。 試験方法 試験塗板の作成:厚さ0.3mmのアルミニウム板に乾燥
塗膜重量が120mg/100cm2 となるようにバーコー
タにて塗装し、100℃で2分間セッティングした後、
乾燥機にて素材到達最高温度が260℃となるよう雰囲
気温度280℃、風速25m/分の条件で30秒間焼付
けて試験板を得た。この試験板を、水抽出液フレーバー
性以外の塗膜性能の各試験に供した。また厚さ0.1mm
のアルミ箔を厚さ0.3mmのアルミニウム板のかわりに
使用し、乾燥機の雰囲気温度を275℃とする以外は、
上記試験板の作成と同様にして水抽出液フレーバー性試
験用の試験板を得た。
【0068】試験項目 塗面状態:塗面のワキの状態を目視観察し、下記の基準
で評価した。 ○:ワキが認められない。 △:ワキがわずかに認められる。 ×:ワキが著しい。 密着性:試験塗板の塗膜面にナイフを使用して約1.5
mmの幅で縦、横それぞれ11本の切り目をゴバン目状に
入れる。24mm幅のセロハン粘着テープを密着させ、強
く剥離した時のゴバン目部の塗膜の密着性を評価した。 ○:全く剥離なし △:若干剥離あり ×:著しい剥離あり
【0069】耐沸騰水性:試験塗板を100℃、30
分、沸騰水中に浸漬後、この試験塗板に上記密着性の試
験と同様の方法でゴバン目部の塗膜の密着性を評価し
た。評価基準は上記密着性の試験と同様とする。 加工性:特殊ハゼ折り型デュポン衝撃試験器を用い、下
部に2つ折にした試験塗板を置き、接触面が平らな重さ
1kgの鉄のおもりを高さ50cmから落下させた時に生じ
る折り曲げ部分の塗膜の亀裂の長さを測定し評価した。 ○:0〜10mm △:10〜20mm ×:20mm以上
【0070】水抽出液フレーバー性:厚さ0.1mmのア
ルミ箔に塗装した試験塗板を、塗布面積1cm2 当り活性
炭で処理した水道水が1ccとなるように該処理水を満た
した耐熱ガラス製ボトルに入れ、ふたをして、125
℃、30分間殺菌処理後、内容液のフレーバーテストを
実施した。そのフレーバー性を下記基準によって評価し
た。 ○:全く変化なし △:若干変化あり ×:著しく変化あり
【0071】塗料の経時安定性:水性塗料100ccを内
容量100ccのガラス製広口ビンに入れて密封し、50
℃の恒温槽中に1ケ月間保存した後開封して調査し、液
面に皮張りの有無、水性塗料の粘度、分散粒子の平均粒
径を調査し、総合的に状態変化を保存前と比較し評価し
た。 ○:変化がほとんど認められない。 △:若干変化あり ×:著しく変化あり 低温造膜性:水性塗料を厚さ0.21mmのブリキ板にバ
ーコータにて乾燥塗布量が140mg/cm2になるよう塗布
して20℃でセッティングした時に連続塗膜が形成され
るかどうかを目視判定した。 ○:異状なく連続塗膜が形成された。 △:部分的にクラックが入った。 ×:全面にクラックが入った。
【0072】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族エポキシ樹脂とカルボキシル基含
    有アクリル系樹脂とからなるカルボキシル基含有反応生
    成物を塩基性化合物で中和して水を主成分とする溶媒中
    に分散せしめることにより得られる該反応生成物の水分
    散化物を主体とする水性塗料であって、該溶媒が水9
    5.8〜75重量%、下記水混和性有機溶剤(a)4〜
    20重量%、下記水と非混和性の有機溶剤(b)0.2
    〜6重量%および(a)、(b)以外の有機溶剤(c)
    0〜10重量%からなり、かつ分散された樹脂粒子の平
    均粒子径が0.10〜0.50μm であり、さらに塗料
    の固形分濃度が15〜35重量%であることを特徴とす
    る水性塗料 ・該水混和性有機溶剤(a)は沸点が175〜240℃
    のエーテルアルコール系溶剤30〜70重量%と、沸点
    が140℃以下のアルカノール70〜30重量%とから
    なり、 ・該水と非混和性の有機溶剤(b)は沸点170〜24
    0℃の炭化水素系溶剤20〜80重量%と沸点150〜
    200℃の高級アルコール系溶剤80〜20重量%とか
    らなる。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004285219A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Sk Kaken Co Ltd 水性コーティング組成物及びその安定化方法
JP2006036992A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Sk Kaken Co Ltd 水性塗料及び塗装方法
JP2006045494A (ja) * 2004-07-07 2006-02-16 Sk Kaken Co Ltd 水性塗料
JP2006045495A (ja) * 2004-07-07 2006-02-16 Sk Kaken Co Ltd 水性塗料組成物
US8053084B2 (en) 2008-04-02 2011-11-08 Kansai Paint Co., Ltd. Aqueous coating composition

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