JP3472281B2 - 樹脂ブレンドの水ベースビニルコーティング組成物およびその使用 - Google Patents

樹脂ブレンドの水ベースビニルコーティング組成物およびその使用

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、修飾エポキシ樹脂
を有する樹脂ブレンドにおけるビニル(アクリル)樹脂
およびその使用に関する。本発明の有用性は、缶または
コイルのコーティングに非常に適切であると見出されて
いる、樹脂ブレンドの水ベースコーティング組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】特に缶コーティングの領域において、食
品および飲料工業における使用が意図されるコーティン
グは、一般に市販により受容可能となるための多くの必
要性を満たすことが予想される。このコーティングは、
ベース金属に充分接着すべきであり、そして容器自体の
処理に耐える柔軟特性、伸長特性、および接着特性を有
すべきである。コーティングはまた、ときには容器およ
びその内容物の処理の間に遭遇し得る熱に耐え得るもの
でなければならない。さらに、コーティング自体は、コ
ーティングされた容器内に入れられる食品または飲料の
味覚に影響を及ぼすべきでない。フィルムの連続性は、
求められている別の特性であり、そしてこの必要性の1
つの局面は、コーティングにより突起が形成されないこ
とである。突起形成(blistering)は、コー
ティング内にトラップされてなるコーティングの硬化時
のガス副生成物から生じる欠陥であり、そしてコーティ
ングが比較的厚いようなコーティング領域と特に関連し
た問題である。突起形成の傾向があるコーティングに
は、最大の許容され得るコーティングの厚みがコーティ
ングされる物品の任意の部分を超えないことを確実にす
るために、コーティングの間に取られるべき特別な予防
策が要求される。突起形成を含むことなく許容され得る
コーティングの厚みについて、より大きな範囲が許容さ
れ得るか否かが所望されている。耐突起形成はまた、
(例えば、金属の連続したストリップをコーティングす
るための製造ラインロール上の)コーティングラインの
速度に関連する。突起形成は、実際に塗布されるコーテ
ィングの厚みにも関わらず、比較的突起形成のない状態
の低い(low blister−free)厚みを有
するコーティングを用いる高いライン速度により、誘発
され得ることが見出された。従って、コーティングに対
して、より高いライン速度のために、突起形成のない状
態のより高い厚みを有することが所望されている。
【0003】好ましくは避けられる別の欠陥は白化であ
る。この白化は、水の吸収により生じると考えられてい
るフィルム内のくもり(haziness)である。白
化は、製缶プロセスの間に高温、高湿条件に曝される容
器のコーティングで特に明らかである。
【0004】従来技術は、代表的には実質的に過剰量の
アミンまたはアンモニアを用いて、比較的低分子量を維
持するために、本明細書中に含まれるタイプの水分散性
組成物の使用が意図されるエポキシ樹脂を脱官能基化し
ていた。1:1に近い当量比を用いることは、樹脂をゲ
ル化する危険を伴い、コーティングの目的を無用にする
と考えられていた。しかし、このアプローチは、過剰の
アミンまたはアンモニアが続いて脱官能基化した生成物
から生じる(drive)場合に、大気への放出を防ぐ
ための高価な捕集装置を必要としていた。
【0005】米国特許第4,605,476号(Har
tら)は、エポキシ樹脂のブレンドを含有する、水性缶
コーティングを開示している。このブレンドは、アンモ
ニアまたはアミン、およびN−(アルコキシメチル)ア
クリルアミドまたはメタクリルアミドを取り込み得るア
クリル酸コポリマーで脱官能基化されている。モノアル
コールは、アクリル酸成分の共重合溶媒として開示され
ている。これらのコーティングは、比較的低いライン速
度で受容可能な性能を提供するが、突起形成に対する感
受性はライン速度の増大と共に増加する。より速いライ
ン速度を含むコーティング塗布条件におけるより大きな
範囲(特に、改良された耐突起形成性)を提供すること
が所望されている。
【0006】米国特許第4,174,333号(Har
tmanら)は、アンモニアまたはアミンで脱官能基化
され、そして無水物と反応したエポキシ樹脂を含有する
水性の缶コーティングを開示している。これらのコーテ
ィングは、上記特許に関して上述した同様の改良点の利
点を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐突
起形成性を示すより大きな厚みの範囲を有し、耐白化性
および耐染色性を有するコーティング組成物、および水
分散性コーティングに使用するポリエポキシドを、アミ
ンまたはアンモニアとゲル化することなく1:1の当量
比で脱官能基化させるための方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】従来技術は、本明細書中
に開示されるタイプの水分散性コーティングに使用する
ポリエポキシドを脱官能基化するために実質的に過剰の
アンモニアおよび/またはアミンを用いていたが、本発
明はエポキシ基の当量とアンモニアまたはアミンの当量
との比を1:1近くで用いている。この当量比は1:
1.5から1.5:1、好ましくは1:1.3から1.
3:1の範囲であり得る。これは、過剰のアミンまたは
アンモニアの発散が捕集される必要がある限界を実質的
に減少させるだけでなく、脱官能基化したエポキシを含
有するコーティング組成物が、高温の処理条件に曝され
る場合に、改良された耐白化性および耐染色性を示すこ
とが見出されている。さらに、これらのコーティングの
金属基材への接着は、アルミニウム基材が代表的に曝さ
れるコーティング前の前処理(例えば、クロム化合物と
の前処理)が、本発明のコーティングを用いる場合に、
実施され得るという点で充分優れている。
【0009】本発明はさらに、必須のフィルム形成体
(film−former)として、以下の樹脂ブレン
ドを含有するコーティング組成物を含む: (i)5重量%〜95重量%の、(a)ポリエポキシド
と(b)アミン、アンモニア、およびそれらの混合物か
らなる群より選択されるメンバーとの反応生成物(ここ
で、(a)の当量と(b)の当量との比は1.5:1〜
1:1.5の範囲である)、ならびに(ii)約5重量
%〜95重量%の、酸基含有モノマーから生成されたビ
ニル付加コポリマー。
【0010】本発明はまた、ポリエポキシドを脱官能基
化する方法を包含し、以下の工程を含む:ポリエポキシ
ドを溶媒中に溶解する工程;およびアンモニア、アミ
ン、またはそれらの混合物をポリエポキシド溶液に導入
して、少なくとも1時間の期間で60℃未満の温度に維
持しながらそれらを反応させる工程。このプロセスによ
り、上記のほぼ1:1の比は、ゲル化することなく達成
され得る。
【0011】特定のビニル付加コポリマーが、水性コー
ティング中で脱官能基化されたエポキシ樹脂とブレンド
する場合に、耐突起形成に関する改良された範囲を提供
することが、さらに発見されている。これらの新規なビ
ニル付加コポリマーは、酸基含有モノマー、N−(アル
コキシメチル)アクリルアミドまたはN−(アルコキシ
メチル)メタクリルアミドモノマーと、少なくとも1つ
の他のビニルモノマーとから生成され、共重合は、ポリ
オールを含む溶媒の存在下で行われ、ここで、このポリ
オール分子は、異なる反応性を有するOH基を含有す
る。
【0012】さらに、コーティングの厚みの範囲の増加
は、共重合がビニル付加コポリマーのアクリルアミド基
と反応性を示すアルコール溶媒の存在下で行われる場合
に生じる。ポリオールは、これに関してモノアルコール
よりも実質的に反応性が高いことが見出されている。し
かし、多くのポリオールは、この目的のために使用され
る場合、受容され得ない分子量の増加を生じ、いくつか
の場合において、樹脂を意図される目的に対して無用に
させるゲル化を生じることが見出されている。ゲル化を
避けるために、このポリオールはアクリルアミド基に対
して異なる反応性を有するOH基により特徴づけられる
ものである。言い換えれば、ポリオールは一級OH基、
二級OH基、または三級OH基の組合せを包含するが、
2つまたはそれ以上の一級OH基、2つまたはそれ以上
の二級OH基、あるいは2つまたはそれ以上の三級OH
基を有する組合せは避けられる。
【0013】本発明はさらに、必須のフィルム形成体と
して、以下の樹脂ブレンド: (i)約5重量%〜95重量%のアンモニアまたはアミ
ン脱官能基化エポキシ;ならびに(ii)約5重量%〜
95重量%の、酸基含有モノマー、N−(アルコキシメ
チル)アクリルアミドまたはN−(アルコキシメチル)
メタクリルアミドモノマーと、少なくとも1つの他のビ
ニルモノマーとから生成されるビニル付加コポリマー、
を含有するコーティング組成物を含み、この反応は、ポ
リオールを含む溶媒の存在下で行われ、ここで、ポリオ
ール分子は、異なる反応性を有するOH基を含有する。
【0014】本発明はまたさらに、必須のフィルム形成
体として、以下の樹脂ブレンドを含有するコーティング
組成物を含む: (i)約5重量%〜95重量%のアンモニアまたはアミ
ン脱官能基化エポキシ;ならびに(ii)約5重量%〜
95重量%の、酸基含有モノマーと少なくとも1つの他
のビニルモノマーとから生成されたビニル付加コポリマ
ー。
【0015】コーティングの塗布範囲の改良は、樹脂が
ビニル付加樹脂中に含まれる酸基をむしろ完全に中和し
ないことによって水中に分散される場合、このタイプの
組成物を用いて見出されている。特に、これらの改良
を、65%未満の中和、好ましくは50%未満の中和で
見出した。
【0016】上記およびこの記載を通じての重量%の値
は、特に指示がない限り、全樹脂固形分含量に関する樹
脂固形分含量に基づく。
【0017】本発明の実施において、コーティング組成
物は、さらにアミノプラスト、フェノール樹脂、および
/または尿素−ホルムアルデヒド樹脂のような硬化剤を
含有し得る。それから得られるコーティングは、優れた
フィルム特性を有する連続フィルムである。
【0018】
【発明の実施の形態】(ビニル付加樹脂)好適なビニル
付加樹脂は、約5重量%〜約25重量%のα,β−エチ
レン性不飽和カルボン酸と、約75重量%〜約95重量
%の少なくとも1つの他の共重合可能なビニルモノマー
との重合により形成され得る。得られるコポリマーは、
約20〜約350、好ましくは約45〜約150の酸価
を有する。好適なビニル付加樹脂は、約7%〜約15%
のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸と約85%〜約
93%の他の共重合可能なビニルモノマーとから形成さ
れる。適切なα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の例
としては、アクリル酸およびメタクリル酸のような3個
〜8個の炭素原子を含有するものが挙げられる。両方と
も好ましい。イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、不飽
和ジカルボン酸のモノエステル(例えば、メチル水素マ
レエートおよびエチル水素フマレート)ならびにそれら
が存在する無水物のような酸も用いられ得る。
【0019】ビニル付加樹脂に対する他の共重合可能な
ビニルモノマーは、所望の特性に依存して広範な材料か
ら選択され得る。例えば、他の共重合可能なモノマーの
少なくとも一部分が、スチレン、α−メチルスチレン、
t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、およびビニルキ
シレンのようなビニル芳香族化合物であり得る。このよ
うなモノマーは、これらの優れた耐水性および耐低温殺
菌性のために好ましい。用いられ得るさらなるモノマー
は、アルキル基内に1個〜3個の炭素原子を含有するメ
タクリル酸のアルキルエステルである。このようなエス
テルの具体的な例としては、メチルメタクリレートおよ
びエチルメタクリレートがある。用いられ得、そしてコ
ーティングに対して柔軟性を提供するモノマーは、アル
キル基内に2個〜17個の炭素原子を有するアクリル酸
のアルキルエステルおよびアルキル基内に4個〜17個
の炭素原子を有するメタクリル酸のアルキルエステルで
ある。このタイプのモノマーの例としては、エチルアク
リレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアク
リレート、ブチルメタクリレート、2−エチル−ヘキシ
ルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、およびス
テアリルメタクリレートがある。さらなる他のモノマー
としては、エチレン、プロピレンなどのようなビニルモ
ノマー、ビニルハライド、ビニリデンハライド、ビニル
バーサテート(vinyl versatate)、ビ
ニルアセテート、ジアルキルマレエート、アリルクロラ
イド、アリルアルコール、1,3−ブタジエン、2−ク
ロロブテン、メチルビニルエーテル、アクリルアミド、
メタクリルアミド、アクリロニトリル、およびメタクリ
ロニトリルが挙げられる。任意の上記ビニルモノマーの
混合物が用いられ得、そして好ましい。別々に形成され
たビニル付加樹脂の混合物がまた使用され得る。
【0020】さらに、モノマーは、ビニル付加コポリマ
ー(copolymerization)内に含まれ得
る。ビニル付加コポリマー樹脂内に含まれる第3のモノ
マーの好適な例としては、アルコキシ基内に1個〜4個
の炭素原子を有するN−(アルコキシメチル)アクリル
アミドまたはN−(アルコキシメチル)メタクリルアミ
ドがある。この群の好適なメンバーとしては、N−(ブ
トキシメチル)アクリルアミドがある。他のメンバーの
例としては、N−(ブトキシメチル)メタクリルアミド
およびN−(エトキシメチル)アクリルアミドが挙げら
れる。これらのアクリルアミドモノマーは、代表的には
モノマー混合物の10重量%〜50重量%の範囲の量で
含有され得る。
【0021】上記ビニル付加樹脂は、溶液重合技術によ
る共重合可能なアクリルモノマーの混合物の重合を開始
するフリーラジカルにより調製され得る。通常、モノマ
ーは、溶媒または溶媒混合物内に溶解され、そして遊離
モノマーの含量を約0.5%未満、好ましくは約0.1
%未満まで減少させるまで重合される。フリーラジカル
開始剤の例としては、アゾビス(α−γ)−ジメチルバ
レロニトリル、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチ
ルパーアセテート、およびベンゾイルパーオキシドが挙
げられる。通常、溶媒はまず加熱により還流され、そし
てモノマーとフリーラジカル開始剤との混合物が同時か
つ徐々に還流する溶媒に添加される。さらなる触媒が必
要に応じて添加され、そして反応混合物は、反応混合物
の遊離モノマー含量を減じるように重合温度で保持され
る。
【0022】共重合は、溶媒の存在下で行われる。塗布
範囲における利点は、溶媒中にポリオールを含有するこ
とにより得られ得ることがまた発見された。ここで、こ
のポリオール分子は種々の反応性を有するOH基を含有
する。コーティングの厚みの範囲の増大は、共重合が、
好ましくはビニル付加コポリマー中に含まれるアクリル
アミド基と反応性を示すアルコール溶媒の存在下で行わ
れる場合に生じることが見出された。ポリオールは、こ
れに関してモノアルコールよりも実質的により反応性を
示すことが見出された。しかし、多くのポリオールの使
用は、受容され得ない分子量の増加を導き、いくつかの
場合においては、意図される目的に対して樹脂を無用に
させるゲル化を生じる。
【0023】ゲル化を避けるために、この目的に有用な
ポリオールは、アクリルアミド基に関して種々の反応性
を有する(すなわち、一級OH基、二級OH基、または
三級OH基の組合せでなる分子構造を有するが、1つの
分子上に2つまたはそれ以上の一級OH基、2つまたは
それ以上の二級OH基、あるいは2つまたはそれ以上の
三級基であることを避ける)OH基により特徴付けられ
るものである。好ましくは、ポリオールは、1つの一級
OH基と1つの二級OH基とを含有し、例としてはプロ
ピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,
3−ブタンジオール、1,2−オクタンジオール、2−
メチル−2,4−ペンタンジオール、および2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが挙げられ
る。一級、二級、および三級アルコールの組合せを有す
る適切なポリオールの例としては、3−メチル−1,
2,3−ヘキサントリオールがある。
【0024】これらのポリオールの類似のより高い同族
体の使用がさらに意図される。好ましくは、いくつかの
モノアルコールではなく、上記で特徴付けられるポリオ
ールの1つまたはそれ以上からなる溶媒の全アルコール
含量は、本発明の利点から著しく逸脱することなく含有
され得る。他の非アルコール溶媒は、ポリオールと混合
され得る。ポリオールと使用され得る非アルコール溶媒
の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、および
メチルイソブチルケトンのようなケトンが挙げられる。
トルエンまたはキシレンのような穏やかなレベルの水不
溶性溶媒がさらに使用され得る。上記のような種々の反
応性を示すOH基を有するポリオールは、ビニル付加共
重合の間に用いられる全溶媒の少なくとも5重量%、好
ましくは少なくとも20重量%、最も好ましくは少なく
とも50重量%を含む。
【0025】ビニル付加共重合がプロピレングリコール
のようなポリオール中で行われる場合、約50モル%の
N−(アルコキシメチル)アクリルアミド基がポリオー
ル溶媒と反応することを観察した。モノアルコールは、
かなり低い程度(例えば、ブチルCarbitol(登
録商標)の場合では約12モル%)に対して反応する。
【0026】これらの反応は、ガスクロマトグラフィー
およびC13 NMRのプロピレングリコールのメチレン
ピークのシフトによって測定されるようなポリオールの
損失により確認される。N−(アルコキシメチル)アク
リルアミド基の間の反応がまた生じると考えられてお
り、この反応は他の場合で予想されるよりも大きな分子
量の増加を説明する。ビニル付加コポリマーを含有する
コーティング中のこの反応生成物の存在は、観察される
改良された塗布範囲の少なくともいくつかの原因である
と考えられている。しかし、ポリオールの使用は一般
に、ゲル化を生じる過度の分子量の増加により、多くの
場合において受容され得ないことが見出された。このゲ
ル化は、意図される使用に対して樹脂を無用にさせる。
【0027】アクリル酸由来の酸基の存在は、水分散能
を提供するためにこれらの樹脂に必要とされており、さ
らに、ゲル化の問題に含まれるようである。酸基は反応
に加わらないようである(なぜなら、酸価が変化しない
から)が、酸基は、OH基とN−(アルコキシメチル)
アクリルアミドとの反応を触媒すると考えられている。
【0028】モノマー仕込み物内にアクリル酸を有しな
いコポリマーは、ゲル化の問題を伴うことなく製造され
得る。OH基とN−(アルコキシメチル)アクリルアミ
ドとの所望の反応をゲル化することなく提供するため
に、2つの一級OH基を有するポリオールは避けられる
べきであることが見出された。2つの一級OH基を有す
るポリオール内で行われた共重合が最も迅速にゲル化し
たが、ヒドロキシル基が両方とも二級であるポリオール
にもまた、ゲル化の問題が存在することが見出された。
ゲル化することなく、所望の反応生成物を首尾良く生成
することが必要とされると見出されたのは、異なる反応
性を示すOH基(例えば、1つの一級OHおよび1つの
二級OH)を有するポリオールを使用することであっ
た。ゲル化に関わるのがN−(アルコキシメチル)アク
リルアミドであるということは、それをブチルメタクリ
レートと置き換えた場合に、コポリマーが、溶媒として
用いたポリオールのタイプに関わらず、比較的低分子量
の増加と共に生成されたという事実により確認された。
【0029】(エポキシ樹脂)本発明のコーティング処
方物のアミン脱官能基化エポキシ成分は、ポリエポキシ
ドとアンモニアまたは少なくとも2つの活性水素原子を
有するアミンとを反応させることにより調製され得る。
本明細書中で有用なポリエポキシド樹脂は、1分子当た
り1.0個を上回るエポキシ基を有する化合物またはそ
の化合物の混合物である。
【0030】ポリエポキシドの好ましいクラスは、ビス
フェノールAのようなポリフェノールのポリグリシジル
エーテルである。これらは、アルカリの存在下でポリフ
ェノールとエピクロロヒドリンとのエーテル化により生
成される。フェノール化合物は、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン;1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)イソブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキ
シt−ブチルフェニル)プロパン;ビス(2−ヒドロキ
シナフチル)メタン;1,5−ジヒドロキシナフタレ
ン;および1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−アリル
フェニル)エタンであり得る。ポリエポキシドの他の非
常に有用なクラスは、ポリフェノール樹脂から同様に生
成される。
【0031】多価アルコールの類似のポリグリシジルエ
ーテルがさらに適切である。このエーテルは、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチ
レングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,
6−ヘキサントリオール、グリセロール、および2,2
−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのよ
うな多価アルコールから誘導される。
【0032】環脂肪族ポリエポキシド樹脂がまた用いら
れ得る。このような樹脂は環状オレフィンと有機過酸
(例えば、過酢酸)とのエポキシ化により調製される。
【0033】上記ポリエポキシド樹脂に加えて、ペンダ
ントエポキシ基を含有する付加重合ポリマーは本発明に
利用され得る。このようなポリマーは、グリシジルアク
リレートおよびグリシジルメタクリレートのようなモノ
マーを包含する広範な重合性ビニルモノマーを共重合さ
せることにより製造される。適切なビニルモノマーは、
エポキシ基と反応性を示す基を含有しないものを包含
し、好ましくは1個〜8個の炭素原子を含有する飽和ア
ルコールのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステ
ルおよびベンゼンのクラスのモノビニル芳香族モノマー
(例えば、スチレンおよびビニルトルエン)を包含す
る。
【0034】上記のように、ポリエポキシド樹脂は、ア
ンモニアまたは少なくとも2個の活性水素原子を有する
アミンと反応させられる。活性水素原子は、化合物中の
同一の窒素原子(例えば、一級アミン)または異なる窒
素原子(例えば、ジ−またはポリアミン)上に存在し
得、ここで、活性水素原子は同一の窒素原子上、あるい
は2つまたはそれ以上の窒素原子上に存在し得る。一級
アミンの例としては、エチルアミン、プロピルアミン、
イソプロピルアミン、およびブチルアミンが挙げられ
る。ポリアミンの例としては、ヒドラジン、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキ
シレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレ
ンペンタミン、N−メチルエチレンジアミン、N−メチ
ルブチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミ
ン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、およびN,
N−ジメチルヘキシレンジアミンが挙げられる。好まし
くは、アンモニアまたはモノエタノールアミンが別々に
または任意に組み合わせて用いられ、最も好ましくはア
ンモニアである。代表的には、アンモニアは水酸化アン
モニウムとして溶液で用いられる。
【0035】ポリエポキシドとアンモニアまたはアミン
との反応は開環反応を伴い、得られるゲル化していない
生成物は、ポリエポキシド樹脂のアミン末端生成物であ
る。ポリエポキシド樹脂中に含まれる1,2−エポキシ
基の実質的に全てがアンモニアまたはアミンと反応させ
られることが所望される。この理由のために、エポキシ
脱官能基化反応におけるエポキシ基に対して過剰モルの
アンモニアまたはアミンが代表的には用いられる。過剰
とは、エポキシ基と一級アミン基との比が1:1.5〜
1:6であるとして表され得る。より大過剰が用いられ
得るが、アンモニアまたはアミンの過度の放出により好
ましくない。
【0036】製造設備において捕獲される必要のある過
剰の揮発性アンモニアまたはアミンの量を最小限にする
ことが所望される際には、製造設備において捕獲される
必要のある過剰の揮発性アンモニアまたはアミンの量を
最小限にするために、エポキシと一級アミン基との比が
1:1またはほぼ1:1で使用され得ることを見出し
た。例えば、過剰の揮発性アンモニアまたはアミンの量
を最小限にすることが所望される場合においては、1.
5:1〜1:1.5の比が用いられ得る。本発明の特別
な実施態様では、好ましい比は1.3:1〜1:1.3
の間の範囲である。
【0037】ポリエポキシド樹脂とアンモニアまたはア
ミンとの反応は、広範な温度、好ましくは30℃〜10
0℃にわたって起こる。反応時間は、反応に用いられる
温度によって変化する。しかし、エポキシ基と一級アミ
ン基とのモル比が1.5:1〜1:1.5の間の範囲に
ある場合、ポリエポキシド樹脂とアンモニアまたはアミ
ンとの反応は、その後除去される必要のある有機溶媒で
希薄にする不必要な量を必要とすることなくゲル化を避
けるために制御された条件下で行われる。詳細には、エ
ポキシとアミンとの間の反応は、比較的低温(60℃未
満)で比較的長時間(少なくとも1時間)にわたって行
われる。これらの反応条件下で、反応するのは実質的に
一級アミンのみであると考えられている。
【0038】溶媒または溶媒混合物が、好ましくはより
優れた反応制御を達成する目的でエポキシ樹脂とアンモ
ニアまたはアミンとの反応において含まれる。任意の非
反応性溶媒が用いられ得、例としてはケトンおよびアル
コールが挙げられる。生成物はさらなる溶媒で適切な粘
度まで希釈され得る。このさらなる溶媒の例としては、
メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、キシレン、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、エチレングリコールのブチルエーテル、およびプ
ロピレングリコールが挙げられる。
【0039】(コーティング組成物)好ましい実施態様
のコーティング組成物は、約5%〜約95%、好ましく
は約20%〜約75%のビニル付加樹脂および約5%〜
約95%、好ましくは約20%〜約75%の修飾または
脱官能基化エポキシ樹脂を有する樹脂ブレンドを含む。
組成物の固形分含量は、水、有機溶媒、または水と有機
溶媒との混合物を含む組成物と平衡して約20%〜約6
0%の範囲である。水が主な液体媒体である組成物が好
ましい。
【0040】樹脂ブレンドは、上記ビニル付加樹脂およ
び修飾または脱官能基化エポキシ樹脂から2つの(al
ternative)方法で調製される。2つのうちの
一方において、ビニル付加樹脂および修飾または脱官能
基化エポキシ樹脂が別々に製造される。樹脂ブレンドを
本明細書中において有用な水ベースの組成物に適合させ
る場合において、酸基含有ビニル付加コポリマーは、修
飾または脱官能基化エポキシ樹脂とブレンドする前後の
いずれかに塩基で少なくとも部分的に中和され、続いて
水が加えられてコーティング組成物を形成する。
【0041】有機または無機の塩基が本明細書中におい
て有用であり得る。塩基の例示的な例としては、アンモ
ニア、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、または
トリアルキルアミン(例えば、エチルアミン、プロピル
アミン、ジメチルアミン、ジブチルアミン、およびシク
ロヘキシルアミン);モノアルカノールアミン、ジアル
カノールアミン、またはトリアルカノールアミン(例え
ば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、プロパノールアミン、ジイソプロパノー
ルアミン、ジメチルエタノールアミン、およびジエチル
エタノールアミン);モルホリン;ならびに無機水酸化
物(例えば、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム)
がある。通常、最終水性分散体のpHは、7〜10、好
ましくは9未満に調節される。中和の割合は、樹脂ブレ
ンドを水分散性にするような割合である。樹脂ブレンド
は、ビニル付加コポリマー内の酸基に基づいて20%か
ら95%まで部分的に中和され得る。
【0042】コーティングの塗布範囲に対するさらなる
改良は、樹脂ブレンドのカルボキシル基含量を部分的に
中和することから見出された。例えば、本発明のコーテ
ィングの塗布範囲に対する改良は、(ビニル付加コポリ
マー内の酸基に基づいて)65%未満、好ましくは50
%未満の樹脂ブレンドのカルボキシル基含量を部分的に
中和することから見出された。
【0043】樹脂ブレンドを調製するための別の方法
は、ビニル付加樹脂とポリエポキシド樹脂とをブレンド
する工程、および次いで、エポキシド基とアンモニアま
たはアミンとを反応させる工程を包含する。
【0044】より耐久性を有するフィルムを得るため
に、外部架橋剤を上記コーティング組成物に添加するこ
とがしばしば所望される。その例としては、アミノプラ
スト樹脂、フェノプラスト(phenoplast)樹
脂、およびイソシアネート、好ましくはブロックポリイ
ソシアネートが挙げられる。フィルム形成樹脂の一部と
して用いられる架橋剤のレベルは、約40%までの範囲
であり得、好ましくはフィルム形成樹脂の約5%〜約2
0%である。N−(アルコキシメチル)メタクリルアミ
ドおよびN−(アルコキシメチル)アクリルアミドから
誘導されるビニル付加樹脂が外部架橋剤なしで架橋し得
る間、このような試薬が添加され得る。
【0045】アミノプラスト樹脂はアルデヒド(例え
ば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンア
ルデヒド、およびベンズアルデヒド)とアミノまたはア
ミド基含有物質(例えば、尿素、メラミン、およびベン
ゾグアナミン)との縮合生成物である。アルコールおよ
びホルムアルデヒドとメラミン、尿素、またはベンゾグ
アナミンとの反応から得られる生成物が、それらの優れ
た水分散性のために水性ベースのコーティング組成物に
おいて好ましい。エーテル化された生成物を製造するた
めに使用される有用なアルコールは、1価アルコール
(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロ
ヘキサノール、およびエトキシエタノール)である。エ
ーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が好ま
しいアミノプラスト樹脂である。
【0046】フェノール樹脂は、アルデヒドとフェノー
ルとの縮合生成物を含む。ホルムアルデヒドおよびアセ
トアルデヒドが好ましいアルデヒドである。種々のフェ
ノールが用いられ得る(例えば、フェノール、クレゾー
ル、p−フェニルフェノール、p−tert−ブチルフ
ェノール、p−tert−アミルフェノール、およびシ
クロペンチルフェノール)。
【0047】多くのブロックポリイソシアネートは満足
し得る架橋剤である。これらの試薬は当該分野において
周知である。一般に、有機ポリイソシアネートは揮発性
アルコール、ε−カプロラクタム、またはケトキシムで
ブロックされる。これらのブロックポリイソシアネート
は、高温(例えば、約100℃を超えて)でブロックさ
れなくなる。
【0048】本発明のコーティング組成物は、他の任意
の成分(例えば、顔料、充填剤、酸化防止剤、流動制御
剤、界面活性剤など)を含有し得る。
【0049】本発明のコーティングは、容器に意図され
るシート状のアルミニウムのストックをコーティングす
るために高速ロールコーティングライン上で用いられる
場合に特に利点を有することが見出されたが、このコー
ティングは任意の基材、特に金属製の基材に、任意の従
来のプロセスにより塗布され得た。このコーティングは
また、電着に適合され得る。代表的には、このコーティ
ングは、200℃〜300℃のオーダーの高温下で硬化
される。
【0050】
【実施例】本発明の実施態様と本発明の範囲外の実施態
様との比較を以下に示す。
【0051】実施例A1〜A17は、種々のアルコール
溶媒を用いるビニル付加共重合の手順を開示している。
表1に示される結果は、実施例A1〜A14において、
分子量におけるこれらの溶媒の選択の効果を表す。
【0052】実施例A1〜A10およびA12〜A14
においては、27.5%のN−(ブトキシメチル)アク
リルアミド(NBMA)、10%のブチルアクリレー
ト、50%のスチレン、および12.5%のアクリル酸
の、同様のモノマー混合物の共重合を種々のジヒドロキ
シ官能性アルコール中で行った。実施例A11において
は、N−(ブトキシメチル)アクリルアミドを、比較の
ためにブチルメタクリレートで置き換えた。実施例A1
5においては、メチルエチルケトンをプロピレングリコ
ールで置き換え;実施例A16においては、それをプロ
ピレングリコールのプロピルエーテルで置き換え;そし
て実施例A17においては、それをプロピレングリコー
ルのブチルエーテルで置き換えた。全ての反応条件を一
定に保った。これは、温度をメチルエチルケトンの添加
によって調節したことを含む。
【0053】実施例E1においては、ビニル付加コポリ
マーとブレンドされ得る修飾エポキシ樹脂を開示してい
る。
【0054】実施例D1〜D5は、実施例E1の修飾エ
ポキシ樹脂とブレンドした実施例A1〜A14のビニル
付加コポリマーのいくつかの分散体の製造を開示してい
る。次いで、これらの分散体を実施例F1〜F5に示さ
れるようなコーティング処方物中に取り込んだ。
【0055】実施例D6〜D9は、実施例E1の修飾エ
ポキシ樹脂とブレンドした実施例A1のビニル付加コポ
リマーの分散体の製造を開示している。これらの分散体
を種々の量のアミンで中和し、次いで、実施例F6〜F
9に示されるようなコーティング処方物中に取り込ん
だ。
【0056】実施例D10〜D14は、実施例E1の修
飾エポキシ樹脂とブレンドした実施例A1、A2、およ
びA15〜A17のビニル付加コポリマーのいくつかの
分散体の製造を開示している。次いで、これらの分散体
を実施例F10〜F15に示されるようなコーティング
処方物中に取り込んだ。
【0057】実施例F1〜F9のコーティング処方物を
コーティングの塗布範囲について試験した。観察結果を
表2に示す。実施例F10〜F15のコーティング処方
物を、クロスハッチテープ試験により接着性について試
験し、そして白化、退色性、突起形成性、および接着性
の劣化について評価した。これらの観察結果を表3に示
す。
【0058】(実施例A1)酸基含有ビニル付加樹脂を
以下のように調製した:
【0059】
【表1】
【0060】*Shellmaxワックスは、Shel
l Chemical Companyより入手可能な
長鎖の飽和炭化水素分子の精製石油ワックスである。固
形分100%である。
【0061】**N−(ブトキシメチル)アクリルアミド
は、8%のキシレンおよび36.6%のn−ブタノール
中で55.4%の固形分を有する。
【0062】***ベンゾイルペルオキシドは水中で78
%の固形分を有する。
【0063】フラスコ仕込み物を、スターラー、滴下漏
斗、温度計、冷却器、および窒素導入口を備えた5リッ
トルの丸底フラスコ内に入れた。混合物を加熱して、1
40℃で還流した。モノマーおよび開始剤仕込み物を4
時間にわたって反応混合物に同時に供給した。これらの
添加の完了時に開始剤(スカベンシャー)仕込み物を3
つに等しく分けて添加した。各添加後、反応混合物を
1.5時間保持した。得られた生成物を60℃未満に冷
却し、続いて希薄溶媒を添加した。生成物を室温で保存
した。生成物の分析は以下の通りであった:固形分理論
値46%、粘度3275センチポアズ(第4号(num
ber 4)のスピンドルを有するBrookfiel
d粘度計、20rpmにて)、ガスクロマトグラフィー
で測定したプロピレングリコール含量14.56%(理
論値17.36%)、塩基滴定により測定した酸当量1
403.0(理論値1410)、重量平均分子量70,
000。
【0064】(実施例A2)フラスコ仕込み物のプロピ
レングリコールをブチルCarbitol(登録商標)
(ジエチレングリコールのブチルエーテル)で置き換え
たこと以外は、実施例A1と同様にした。分析:固形分
理論値46%、粘度5360センチポアズ、ガスクロマ
トグラフィーによるブチルCarbitol(登録商
標)含量15.86%(理論値17.18%)、重量平
均分子量約130,000。
【0065】(実施例A3)フラスコ仕込み物のプロピ
レングリコールをPropasol(登録商標)B(プ
ロピレングリコールのブチルエーテル)で置き換えたこ
と以外は、実施例A1と同様にした。分析:固形分理論
値46%、粘度2890センチポアズ、Propaso
l(登録商標)B含量16.62%(理論値17.36
%)、重量平均分子量約112,000。
【0066】(実施例A4)プロピレングリコールをP
ropasol(登録商標)P(プロピレングリコール
のプロピルエーテル)で置き換えたこと以外は、実施例
A1と同様にした。分析:固形分理論値46%、粘度1
920センチポアズ、Propasol(登録商標)P
含量17.05%(理論値17.36%)、重量平均分
子量約93,000。
【0067】(実施例A5)プロピレングリコールをエ
チレングリコールで置き換えたこと以外は、実施例A1
と同様にした。分析:生成物は、最後のモノマーの供給
物(feed)の添加後、粘度が非常に高く、そして最
初の1/3の開始剤(スカベンジャー)供給物の添加の
間にゲル化した。
【0068】(実施例A6)エチレングリコールをジエ
チレングリコールで置き換えたこと以外は、実施例A5
と同様にした。分析:反応生成物は、モノマーおよび開
始剤供給物の添加の間にゲル化した。
【0069】(実施例A7)プロピレングリコールをD
PG(ジプロピレングリコール)で置き換えたこと以外
は、実施例A1と同様にした。分析:反応生成物は、2
/3の開始剤(スカベンジャー)供給物の添加後、非常
に粘稠であり、そして保持期間の間にゲル化した。
【0070】(実施例A8)プロピレングリコールをポ
リプロピレングリコール(分子量425;1モルのプロ
ピレングリコールと6モルのプロピレンオキシドとの反
応生成物)で置き換えたこと以外は、実施例A1と同様
にした。分析:反応生成物は、モノマーおよび開始剤供
給物の添加の完了後にゲル化した。
【0071】(実施例A9)プロピレングリコールをD
owanol(登録商標)DPMアセテート(プロピレ
ングリコールアセテートのメチルエーテル)で置き換え
たこと以外は、実施例A1と同様にした。分析:反応生
成物は、モノマーおよび開始剤供給物の添加の完了時に
ゲル化した。
【0072】(実施例A10)プロピレングリコールを
キシレンで置き換えたこと以外は、実施例A1と同様に
した。分析:固形分理論値46%、キシレン含量20.
17%(理論値20.18%)、および重量平均分子量
66,800。
【0073】(実施例A11)モノマー供給物におい
て、N−(ブトキシメチル)アクリルアミドを、ブチル
メタクリレートで置き換えたこと以外は、実施例A2と
同様にした。分析:固形分理論値45%、重量平均分子
量約10,000。
【0074】(実施例A12)プロピレングリコールを
1,3−ブタンジオールで置き換えたこと以外は、実施
例A1と同様にした。分析:固形分理論値46%、粘度
4,460センチポアズ、1,3−ブタンジオール含量
13.65%(理論値17.41%)、および重量平均
分子量約33,660。
【0075】(実施例A13)プロピレングリコールを
1,3−プロパンジオールで置き換えたこと以外は、実
施例A1と同様にした。生成物はゲル化した。
【0076】(実施例A14)プロピレングリコールを
1,2−オクタンジオールで置き換えたこと以外は、実
施例A1と同様にした。分析:固形分理論値35.45
%、粘度380センチポアズ、1,2−オクタンジオー
ル含量12.19%(理論値16.5%)、および重量
平均分子量約60,744。
【0077】(実施例A15)希薄仕込み物において、
メチルエチルケトンをプロピレングリコールで置き換え
たこと以外は、実施例A1と同様にした。分析:固形分
理論値46%、粘度13,380センチポアズ、および
重量平均分子量169,344。
【0078】(実施例A16)希薄仕込み物において、
メチルエチルケトンをPropasol(登録商標)P
(Union Carbideより入手可能なプロピレ
ングリコールのプロピルエーテル)で置き換えたこと以
外は、実施例A1と同様にした。分析:固形分理論値4
6%および粘度4380センチポアズ。
【0079】(実施例A17)希薄仕込み物において、
メチルエチルケトンをPropasol(登録商標)B
(Union Carbideより入手可能なプロピレ
ングリコールのブチルエーテル)で置き換えたこと以外
は、実施例A1と同様にした。分析:固形分理論値46
%、粘度5380センチポアズ。
【0080】
【表2】
【0081】表1の結果は、両方のOH基が同様の反応
性を有する(すなわち、全てが一級または全てが二級
の)ジオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレ
ングリコール、およびポリプロピレングリコール)中で
行われた共重合反応がゲルを生じたことを示す。一方、
反応が、片方のヒドロキシル基が一級であり、そして他
方が二級であるジオール(プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,2−オクタンジオール)中で
行われた場合に、得られたポリマーはゲル化せず、例え
ば、150,000未満の測定可能な分子量を有してい
た。モノアルコール中で調製されたコポリマーは、OH
基が一級または二級のいすれであるかに関わらず、ゲル
を形成する傾向がないことを示した。しかし、モノアル
コール中で調製されたそれらのコポリマーは、本発明の
実施態様に対して見出されたコーティングの塗布範囲に
おいて改良点を示さなかった。
【0082】(実施例E1)修飾エポキシ官能性樹脂を
以下のように調製した:
【0083】
【表3】
【0084】*EPON(登録商標)828はShel
l Chemical Companyから入手可能な
エポキシ官能性樹脂(エポキシ当量188)である。
【0085】**ブチルCarbitol(登録商標)
は、Union Carbideから入手可能なジエチ
レングリコールのブチルエーテルである。
【0086】仕込み物1を5リットルのフラスコに入
れ、そして105℃〜110℃まで加熱した。フラスコ
の内容物を30分間または溶解するまで、この温度に保
持した。溶解した場合、仕込み物2を添加し、そして混
合物を135℃まで加熱した。次いで、反応混合物を1
60℃〜190℃まで発熱させ、次いで、160℃で
1.5時間保持した。保持期間に続いて、生成物を90
℃まで冷却させた。仕込み物3を添加し、そして生成物
を冷却し、そして室温で保存した。重合したエポキシ樹
脂は約1450のエポキシ当量および65%の固形分理
論値を有していた。
【0087】(実施例D1)修飾エポキシ樹脂のエポキ
シ基とアンモニアとの脱官能基化、ビニル付加(アクリ
ル)コポリマーとの混合、および水中での混合物の分散
を以下のようにして行った: 仕込み物 の番号 成分 重量部 1 実施例E1の修飾エポキシ 1750.1 2 水酸化アンモニウム(28%水溶液) 205.4 3 アクリルポリマー(実施例A1) 1112.3 4 ジメチルエタノールアミン(DMEA) 30.4 5 脱イオン水 474.3 6 脱イオン水 837.1 仕込み物1を5リットルの丸底フラスコに入れ、そして
35℃〜37℃まで加熱した。次いで、仕込み物2を1
5分にわたって表面下に添加した。フラスコの内容物を
30分にわたって55℃まで加熱し、そして2時間この
温度で保持した。90℃未満の温度に保持しながら、過
剰のアンモニアおよび修飾エポキシからのいくらかの溶
媒を留去した。次いで、仕込み物3をフラスコに添加
し、そして内容物を30分間撹拌(mix)した。アク
リルポリマーのいくらかの溶媒を、内容物を110℃ま
で加熱することにより留去した。次いで、仕込み物4を
添加し、そして内容物を15分間保持した。仕込み物5
および6をそれぞれ90分および120分にわたって添
加した。生成物を冷却し、そして室温で保存した。分
析:反応生成物は42%の固形分含量、1240センチ
ポアズの粘度(第4号のスピンドルを有するBrook
field粘度計、20rpmにて)、8.51のp
H、約5800Åの粒径を有しており、そして43.5
%の酸基がジメチルエタノールアミンで中和された。
【0088】(実施例D2)実施例A1のアクリルポリ
マーを実施例A2のアクリルポリマー(ブチルCarb
itol(登録商標)溶媒)で置き換えたこと以外は、
実施例D3と同様にした。分析:得られたポリマー性分
散体は、11,900Åの粒径および42%の固形分含
量を有していた。
【0089】(実施例D3)アクリルポリマーA1をア
クリルポリマーA3(Propasol(登録商標)B
溶媒)で置き換えたこと以外は、実施例D3と同様にし
た。得られたポリマー性分散体は、4010Åの粒径、
8.7のpH、596センチポアズの粘度、および42
%の固形分含量を有していた。
【0090】(実施例D4)アクリルポリマーA1をア
クリルポリマーA4(Propasol(登録商標)P
溶媒)で置き換えたこと以外は、実施例D3と同様にし
た。得られたポリマー性分散体は、4270Åの粒径、
8.55のpH、790センチポアズの粘度、および4
2%の固形分含量を有していた。
【0091】(実施例D5)アクリルポリマーA1をア
クリルポリマーA12(溶媒として用いた1,3−ブタ
ンジオールと共に)で置き換えたこと以外は、実施例D
3と同様にした。得られたポリマー性分散体は、4,1
70Åの粒径、8.25のpH、1,640センチポア
ズの粘度、および42%の固形分含量を有していた。
【0092】(実施例D6)使用したDMEAの量が4
3.6部であり、その結果アクリルポリマーにおける酸
基の中和の割合が62.5%であったこと以外は、実施
例D1と同様にした。得られたポリマー性分散体は、3
900Åの粒径、8.9のpH、3590センチポアズ
の粘度、および42%の固形分含量を有していた。
【0093】(実施例D7)使用したDMEAの量が3
5.5部であり、その結果アクリルポリマーにおける酸
基の中和の割合が50%であったこと以外は、実施例D
1と同様にした。得られたポリマー性分散体は、540
0Åの粒径、8.65のpH、2290センチポアズの
粘度、および42%の固形分含量を有していた。
【0094】(実施例D8)使用したDMEAの量が2
7.5部であり、その結果アクリルポリマーにおける酸
基の中和の割合が39%であったこと以外は、実施例D
1と同様にした。得られたポリマー性分散体は、9,6
60Åの粒径、8.3のpH、500センチポアズの粘
度、および42%の固形分含量を有していた。
【0095】(実施例D9)使用したDMEAの量が2
5.4部であり、その結果アクリルポリマーにおける酸
基の中和の割合が36%であったこと以外は、実施例D
1と同様にした。得られたポリマー性分散体は、11,
700Åの粒径、8.2のpH、570センチポアズの
粘度、および42%の固形分含量を有していた。
【0096】(実施例D10)本発明の好ましくない実
施態様により、修飾エポキシ樹脂E1のエポキシ基と小
過剰のアンモニアとの脱官能基化(エポキシとアンモニ
アとの当量比1:1.5)、実施例A1のビニル付加共
重合した(アクリル)ポリマーとの混合、および水中で
の混合物の分散を以下のようにして行った: 仕込み物 の番号 成分 重量部 1 修飾エポキシ(実施例E1) 1337.50 2 水酸化アンモニウム(29%水溶液) 54.5 3 アクリルポリマー(実施例A1) 850.0 4 ジメチルエタノールアミン(DMEA) 13.3 5 脱イオン水 738.5 6 脱イオン水 416.5 仕込み物1を5リットルの丸底フラスコに入れ、そして
35℃〜37℃まで加熱した。次いで、仕込み物2を1
5分にわたって表面下に添加した。フラスコの内容物を
30分にわたって55℃まで加熱し、そしてエポキシ当
量が無限大になるまでこの温度で保持した(4時間から
6時間)。次いで、仕込み物3をフラスコに添加し、そ
して内容物を30分間撹拌し、続いて、仕込み物4を添
加した。仕込み物5を2時間にわたって添加し、続いて
仕込み物6を添加した。次いで、反応混合物を加熱して
還流し、そして300gの溶媒を留去した。生成物を4
0℃未満に冷却し、そして室温で保存した。分析:反応
生成物は42%の理論固形分含量、1890センチポア
ズの粘度、8.59のpH、約4040Åの粒径を有し
ていた。39.0%の酸基がジメチルエタノールアミン
で中和された。
【0097】(実施例D11)本実施例においては、小
過剰のアンモニアを再び用いた(エポキシとアンモニア
との当量比1:1.5)。仕込み物3のポリマーを実施
例A15の生成物で置き換えたこと以外は、分散体を実
施例D10と同様の方法で調製した。得られたポリマー
性分散体は不安定であり、そして2層に分離した。
【0098】(実施例D12)本実施例において、エポ
キシとアンモニアとの当量比は、本発明の好ましい実施
により1:1であった。水酸化アンモニウムの量を3
6.4gまで減らし、そして仕込み物3のポリマーを実
施例A2の生成物で置き換えたこと以外は、分散体を実
施例D10と同様の方法で調製した。得られたポリマー
性分散体は、6100Åの粒径、995センチポアズの
粘度、7.85のpH、および42%の固形分理論値を
有していた。
【0099】(実施例D13)本実施例において、エポ
キシとアンモニアとの当量比は、本発明の好ましい実施
により1:1であった。仕込み物3のポリマーを実施例
A16の生成物で置き換えたこと以外は、分散体を実施
例D12と同様の方法で調製した。得られたポリマー性
分散体は、800センチポアズの粘度、7.9のpH、
および39.2%の固形分を有していた。
【0100】(実施例D14)本実施例において、エポ
キシとアンモニアとの当量比は、本発明の好ましい実施
により1:1であった。仕込み物3のポリマーを実施例
A17の生成物で置き換えたこと以外は、分散体を実施
例D12と同様の方法で調製した。得られたポリマー性
分散体は、1090センチポアズの粘度、8.0のp
H、および39.0%の固形分含量を有していた。
【0101】(比較分散体)最初に1:1のエポキシと
アンモニアとの当量比、次いで1:1.5のエポキシと
アンモニアとの当量比を用いて、両方の場合の反応を6
5℃の高温で行ったこと以外は、実施例D1およびD1
0〜D14と同様の手順を用いた。両方の場合におい
て、生成物は、エポキシ脱官能化反応の間にゲル化し
た。
【0102】(コーティング処方物)実施例D1〜D1
4に記載のポリマー性分散体を、さらなるフィルム形成
体(例えば、フェノール樹脂および/または尿素−ホル
ムアルデヒド樹脂、ならびに水)と合わせて、コーティ
ング処方物F1〜F15を作製した。使用したさらなる
フィルム形成体の量は重要ではないが、代表的には各
々、樹脂固形分を基準として0重量%〜3重量%の量で
存在し得る。以下の実施例F1〜F15の各々におい
て、尿素−ホルムアルデヒド樹脂は「Beetle 8
0」(American Cyanamidのエーテル
化し、ブチル化した尿素−ホルムアルデヒド)であり、
そしてフェノール樹脂は「Uravar FB209」
(DSM Resinsのブタノールおよびトルエンの
57%固形分溶液)である。次いで、これらの処方物
を、塗布特性について評価する前に、さらなる水を用い
て#4フォードカップで代表的には15秒から25秒の
塗布粘度にした。
【0103】 (実施例F1) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D1) 2,512 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 40 フェノール樹脂溶液 66 脱イオン水 359 (実施例F2) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D2) 31182 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 53 フェノール樹脂溶液 87 脱イオン水 259 (実施例F3) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D3) 2,501 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 39 フェノール樹脂溶液 64 脱イオン水 360 (実施例F4) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D4) 2,501 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 38 フェノール樹脂溶液 62 脱イオン水 279 (実施例F5) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D5) 2556 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 38 フェノール樹脂溶液 62 脱イオン水 546 (実施例F6) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D6) 2,514 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 40 フェノール樹脂溶液 66 脱イオン水 425 (実施例F7) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D7) 2,555 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 42 フェノール樹脂溶液 69 脱イオン水 387 (実施例F8) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D8) 2,513 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 39 フェノール樹脂溶液 65 脱イオン水 377 (実施例F9) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D9) 2,500 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 40 フェノール樹脂溶液 67 脱イオン水 275 (実施例F10) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D6) 153.5 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 2.2 フェノール樹脂溶液 3.6 脱イオン水 16.5 (実施例F11) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D10) 150.0 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 2.2 フェノール樹脂溶液 3.6 脱イオン水 20.0 (実施例F12) 実施例D11の分散体の分離により評価しなかった。
【0104】 (実施例F13) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D12) 153.5 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 2.2 フェノール樹脂溶液 3.6 脱イオン水 16.5 (実施例F14) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D13) 168.2 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 2.2 フェノール樹脂溶液 3.6 脱イオン水 1.5 (実施例F15) 成分 重量部 エポキシ−アクリル分散体(実施例D14) 169.3 尿素−ホルムアルデヒド樹脂 2.2 フェノール樹脂溶液 3.6 脱イオン水 0.4 (性能試験)各処方物F1〜F9についての塗布特性を
Gasway Corporation lab co
ater(モデルRPP044)およびGrieve
Corporation高速オーブン(モデルVA−1
000)を用いて評価した。lab coaterをス
テンレス鋼製のピックアップロールおよびウレタンゴム
で被覆した塗布ロール(両方とも直径8インチ)を用い
てセットアップした。これらのロールを代表的な2本ロ
ールリバースモードで操作した。lab coater
のライン速度は、代表的には1分当たり150メートル
〜165メートルであった。塗布ロールの速度は、代表
的には1分当たり150メートル〜170メートルであ
り;そしてピックアップロールの速度は、代表的には1
分当たり30メートル〜60メートルであった。オーブ
ンの温度は、滞留時間10秒〜15秒で、代表的には2
60℃〜288℃であった。
【0105】処方物F1〜F9を各々リザーバー内に濾
過し、ピックアップロールをリザーバー内に一部浸漬
し、そして塗布ロールおよびピックアップロールを駆動
するモータをスタートさせた。0.019ゲージ(0.
48ミリメートルの厚み)のアルミニウムパネル(Al
uminum Company of America
のA272A前処理した5182H19合金)を、ライ
ンとして作動するステンレス鋼製のベルトに取り付け
た。ラインを上記の速度でスタートし、そしてコーティ
ングをアルミニウムパネルに塗布した。次いで、コーテ
ィングしたアルミニウムパネルを即座に高速オーブンに
移し、硬化させた。冷却後、次いで、4平方インチ(2
5.8平方センチメートル)当たりのフィルム重量を測
定し、そしてこのフィルムを溶媒の突起形成または空気
の混入のようないくつかの欠点の徴候について検査し
た。フィルムの欠点が肉眼で観察されるまで、この手順
をフィルムの重量を増加させて繰り返した。次いで、欠
点のない最大のフィルムの厚みを、表2に示すように記
録した。フィルムの厚みを、基材の4平方インチ(2
5.8平方センチメートル)当たりの乾燥コーティング
重量として表す。
【0106】
【表4】
【0107】実施例F10〜F15の処方物を、40%
の共通した固形分含量に調節し、そして巻き線型ドロー
ダウンバーにより市販の前処理したアルミニウムシート
ストックに塗布した。試験の苛酷さを増大するために、
これらのコーティングを前処理を行っていないアルミニ
ウム基材上に塗布した。ガス燃焼オーブン内でパネルを
465°F(240℃)のピーク金属温度まで焼成する
ことにより、硬化を完結させた。次いで、コーティング
したそれぞれのパネルをGatorade(登録商標)
スポーツ飲料を満たした容器中にシールし、そして蒸気
レトルト内で250°F(121℃)にて1時間処理し
た。次いで、パネルをクロスハッチテープ試験により接
着性について評価し、そして白化、退色性、突起形成
性、および接着性の劣化について評価した。
【0108】クロスハッチテープ接着試験を以下のよう
に行った:コーティングに、フィルムの約1/16イン
チ(1.6ミリメートル)間隔で11個の平行な切り目
を入れた。11個の同様の切り目を90°で最初の11
個の切り目と交差させて作製した。接着テープを、コー
ティングに対して堅く押圧することにより切り目の領域
にわたって付与し、空隙と空気ポケットとを取り除い
た。次いで、テープをコーティングした表面の平面に対
して直角に急激に引っ張った。接着性を切り目を入れた
領域内の基材に残る正方形のパーセントとして記録し
た。
【0109】比較目的のために、同様の試験を市販によ
り入手可能なビニル樹脂ベースのコーティング処方物
(比較処方物)を用いて行った。この処方物は、アルミ
ニウム缶の最終ストックに対して工業的に標準のコーテ
ィングである。比較コーティングを前処理したアルミニ
ウム基材(これは未処理の基材よりもより優れた接着性
および白化結果を生じると予想される)上に塗布した。
結果を表3に示す。
【0110】
【表5】
【0111】驚くべきことに、全てのアクリル/脱官能
基化エポキシコーティングは、たとえ市販のビニルベー
スのコーティングが前処理した面上に塗布されたとして
も、市販のビニルベースのコーティングよりも優れた耐
白化性および耐着色性を示した。表3のデータは、脱官
能基化工程においてアンモニアの量を低下させることが
さらになお性能を向上させたことを示す。過剰のアンモ
ニアを有することなく脱官能基化されたエポキシ樹脂を
含む例は、最も優れた耐白化性と耐着色性とを示した。
【0112】本発明を実施する最良の形態を開示するた
めの特別な実施態様を参照して、本明細書中に本発明を
開示したが、当業者に公知の他の改変および変更が、添
付の請求の範囲により規定される本発明の範囲を逸脱す
ることなく取り込まれ得ることを理解すべきである。
【0113】
【発明の効果】本願発明によれば、アクリルアミド基に
対して異なる反応性を示すOH基を有するポリオールを
含む溶媒中で、1)酸基含有モノマー、2)N−(アル
コキシメチル)(メタ)アクリルアミドモノマー、およ
び3)少なくとも1つのほかのビニルモノマーとから生
成されるビニル付加コポリマーを水性コーティング中で
脱官能基化されたエポキシ樹脂とブレンドすることによ
って、耐突起性を有するコーティングの厚みが増大し
た。また、樹脂ブレンドのカルボキシル基含有量を部分
的に中和することによって、コーティングの塗布範囲を
さらに改良した。さらに、ポリエポキシドの脱官能基化
を、エポキシとアミンまたはアンモニアの反応を1:1
付近の当量比でゲル化することなく達成し、過剰のアン
モニアを有することなく脱官能基化されたエポキシ樹脂
を含む組成物は、優れた耐白化性および耐着色性を示し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド アール. アンブローズ アメリカ合衆国 ペンシルバニア 15101, アリソン パーク,ウィンチ ェスター ドライブ 4312 (72)発明者 ジェイムズ ビー. オードワイヤー アメリカ合衆国 ペンシルバニア 16059, バレンシア,スプリング バ レー ロード 111 (72)発明者 ローレンス ジェイ. フィッツジェラ ルド アメリカ合衆国 ペンシルバニア 15044, キブソニア, ラムスゲート ドライブ 316 (56)参考文献 特開 平1−240515(JP,A) 特開 昭56−112969(JP,A) 特開 平2−255878(JP,A) 特開 平5−239404(JP,A) 特開 平2−163123(JP,A) 特開 昭62−223211(JP,A) 特開 平6−166994(JP,A) 特開 昭60−135461(JP,A) 特開 昭55−149318(JP,A) 特開 昭58−25326(JP,A) 特開 昭59−117560(JP,A) 特開 平2−4820(JP,A) 特許3321171(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/14 C08G 59/42 C08L 63/00 - 63/10 C09D 163/00 - 163/10 C09D 133/00 - 133/26

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下を含有する水性分散体: (a)5重量%から95重量%の、(a)ポリエポキシ
    ドと、(b)アミン、アンモニア、およびそれらの混合
    物からなる群より選択されるメンバーとの反応生成物、
    ここで、(a)のエポキシ基当量と(b)の一級アミン
    またはアンモニア当量との比は1.5:1から1:1.
    5の範囲である; (b)95重量%から5重量%の、酸基含有モノマーを
    含むビニルモノマーの付加共重合反応生成物;ならびに (c)該分散体を水分散性にするに十分なアミン。
  2. 【請求項2】 前記成分(b)がアンモニアである、請
    求項に記載の分散体。
  3. 【請求項3】 前記アンモニアが水溶液である、請求項
    に記載の分散体。
  4. 【請求項4】 (a)のエポキシ基当量と(b)の一級
    アミン基またはアンモニア当量との比が、1.3:1か
    ら1:1.3の範囲である、請求項に記載の分散体。
  5. 【請求項5】 (a)のエポキシ基当量と(b)の一級
    アミン基またはアンモニア当量との比が実質的に1:1
    である、請求項に記載の分散体。
  6. 【請求項6】 前記付加共重合反応生成物が、酸基含有
    モノマーを含むビニルモノマーと少なくとも1つの他の
    ビニルモノマーとの反応生成物を含有し、ここで、該付
    加共重合反応が溶媒の存在下で行われる、請求項に記
    載の分散体。
  7. 【請求項7】 前記付加共重合反応生成物が、ポリオー
    ル溶媒の存在下での前記モノマーの反応生成物であり、
    該ポリオール分子が異なる反応性を有するOH基を含有
    する、請求項に記載の分散体。
  8. 【請求項8】 前記ポリオールが一級OH基と二級OH
    基とを含む、請求項に記載の分散体。
  9. 【請求項9】 前記ビニルモノマーが、N−(アルコキ
    シメチル)アクリルアミドまたはN−(アルコキシメチ
    ル)メタクリルアミドモノマーを含む、請求項に記載
    の分散体。
  10. 【請求項10】 前記酸基含有ビニルモノマーが、アク
    リル酸、メタクリル酸、およびそれらの混合物からなる
    群より選択される、請求項に記載の分散体。
  11. 【請求項11】 前記酸基含有モノマーが、前記付加共
    重合において反応したモノマーに基づいて5重量%から
    25重量%の樹脂固形分を含有する、請求項10に記載
    の分散体。
  12. 【請求項12】 以下を含有する水性分散体: (a)5重量%から95重量%の、(a)ポリエポキシ
    ドと、(b)アミン、アンモニア、およびそれらの混合
    物からなる群より選択されるメンバーとの反応生成物、
    ここで、(a)のエポキシ基当量と(b)の一級アミン
    またはアンモニア当量との比は1.5:1から1:1.
    5の範囲である; (b)95重量%から5重量%の、酸基含有モノマーを
    含むビニルモノマーと少なくとも1つの他のビニルモノ
    マーとのゲル化していない付加共重合反応生成物、ここ
    で、該付加共重合反応は溶媒の存在下で行われる;なら
    びに (c)該付加反応生成物を水分散性にするに十分なアミ
    ン、ここで、該付加共重合反応生成物中の65%未満の
    酸基が中和されている。
  13. 【請求項13】 前記付加共重合反応生成物中の50%
    未満の前記酸基が中和されている、請求項12に記載の
    水性分散体。
  14. 【請求項14】 前記ビニルモノマーが、N−(アルコ
    キシメチル)アクリルアミドまたはN−(アルコキシメ
    チル)メタクリルアミドモノマーを含む、請求項12
    記載の水性分散体。
  15. 【請求項15】 前記ビニルモノマーが、N−(ブトキ
    シメチル)アクリルアミドを含む、請求項14に記載の
    水性分散体。
  16. 【請求項16】 前記他のビニルモノマーが、さらにア
    ルキルアクリレートモノマーを含む、請求項12に記載
    の水性分散体。
  17. 【請求項17】 前記アルキルアクリレートモノマーが
    ブチルアクリレートである、請求項16に記載の水性分
    散体。
  18. 【請求項18】 前記他のビニルモノマーが、さらに芳
    香族ビニルモノマーを含む、請求項16に記載の水性分
    散体。
  19. 【請求項19】 前記芳香族ビニルモノマーがスチレン
    である、請求項18に記載の水性分散体。
  20. 【請求項20】 前記酸基含有ビニルモノマーが、アク
    リル酸、メタクリル酸、およびそれらの混合物からなる
    群より選択される、請求項12に記載の水性分散体。
  21. 【請求項21】 前記酸基含有モノマーが、反応した全
    モノマーに基づいて5重量%から25重量%の樹脂固形
    分を含有する、請求項20に記載の水性分散体。
  22. 【請求項22】 前記ビニルモノマーの共重合がポリオ
    ール溶媒の存在下で起こり、ここで、該ポリオール分子
    が異なる反応性を有するOH基を含む、請求項14に記
    載の水性分散体。
  23. 【請求項23】 前記ポリオールが一級OH基と二級O
    H基とを含有する、請求項22に記載の水性分散体。
  24. 【請求項24】 前記ポリオールのOH基が、1つの一
    級OH基と1つの二級OH基とからなる、請求項23
    記載の水性分散体。
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