JPH06228412A - 防錆性に優れた樹脂組成物 - Google Patents

防錆性に優れた樹脂組成物

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JPH06228412A
JPH06228412A JP1346893A JP1346893A JPH06228412A JP H06228412 A JPH06228412 A JP H06228412A JP 1346893 A JP1346893 A JP 1346893A JP 1346893 A JP1346893 A JP 1346893A JP H06228412 A JPH06228412 A JP H06228412A
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JP
Japan
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resin
weight
epoxy resin
resin composition
adhesive
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JP1346893A
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Hiroyuki Kashiwagi
浩之 栢木
Tadashi Ashida
正 芦田
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 初期の接着強度を低下させることなく、耐久
試験中の強度低下および不均一な試験結果の原因となる
腐食の発生を抑制し、耐久信頼性が大きく向上した樹脂
組成物を得る。 【構成】 液状のエポキシ樹脂100重量部と、加熱活
性型の硬化剤と、金属化率が5〜70%で金属皮膜化し
た粒径5〜100μmの粉末状樹脂1〜5重量部と、膨
潤性を有するアクリル系粉末状樹脂5〜40重量部とを
含有する防錆性に優れた樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防錆性に優れ、かつ接着
性に優れたエポキシ系樹脂組成物に関するものであり、
更に特に、自動車の車体、ドアなどの構造体および他の
各種機器等の金属部材並びに金属構造体どうしの接着に
使用するエポキシ系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ系の接着性樹脂組成物は、接着
性および耐久性に優れているため、自動車製造工程に於
いて多岐にわたり使用されており、とくにフード、トラ
ンクリッドおよびドアなどのヘミング部並びにサイドシ
ルおよびピラーなどのフランジ部等にスポット溶接を廃
止することおよび剛性を付与すること等を目的として多
く用いられている。
【0003】一方、接着した鋼板に電着塗装する際に
は、耐食性を向上させるために、はみ出した接着剤の上
にも電着塗装を可能とすることが望まれている。しかし
ながらエポキシ樹脂は絶縁性が高いため、導電性接着剤
として用いる際には導電性の付与を行うことが必要であ
る。このため従来より導電性の充填剤を添加し接着剤に
導電性を付与する方法が用いられている。(特開昭59
−203070号、特開昭59−71380号、特開昭
59−81366号、特開昭59−124972号およ
び特開昭59−142270号各公報参照)。この場
合、導電性の充填剤としてアルミニウムおよび銀等の金
属粉末並びにカーボンブラックが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述する
方法により導電性を付与した場合、目的とする導伝性を
得るためには主剤に対して相当量の充填剤を添加する必
要があり、この結果、接着部の疲労強度が大幅に低下し
てしまうという問題点がある。また接着剤が導電性を有
するため接着層への電着塗装は可能になるが、塗膜焼付
け時に接着端部(接着剤、鋼板および外部雰囲気が交わ
るポイント)で接着剤が流出して接着剤上に密着してい
る未硬化の塗膜面を乱すことから部品の作り込みが不均
一となり、短期間に腐食が発生するものが認められ、耐
久信頼性上の大きな問題点となっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
の問題点に着目してなされたもので本発明者らは接着接
合部位の防食性能を向上させるため構造用接着剤に防食
機能を付与することを目的として鋭意検討した結果、従
来知られていない新たな接着剤の防食性能発現方法を見
いだした。すなわち液状のエポキシ樹脂に対して極めて
防潤性の高い粉末状のアクリル系樹脂と表面を金属皮膜
化した粉末状樹脂とを接着剤に同時に添加することによ
り接着剤の熱硬化前後で導電性を制御できる機能を発現
させ、上記目的を達成できることを見出し本発明を完成
するにいたった。本発明の接着性の樹脂組成物は熱硬化
前のペースト状態では絶縁性を保ち、熱硬化後にエポキ
シ樹脂が膨潤して粉末状のアクリル樹脂に浸入し、アク
リル樹脂が肥大化することにより金属皮膜化した粉末状
樹脂が連鎖して導電性の通路が形成され、接着性樹脂組
成物自体に導電性が発現する。この導電性の制御機構に
より熱硬化後の接着剤は外界との電子のやりとりが可能
な電極として機能できるようになり、腐食発生過程のア
ノード部で発生した電子を接着剤表面でリークすること
により著しい防食性が発現すると考えられる。
【0006】本発明の樹脂組成物は、液状のエポキシ樹
脂(A)100重量部と、加熱活性型の硬化剤(B)
と、金属化率が5〜70%で金属皮膜化した粒系5〜1
00μmの粉末状樹脂(C)1〜5重量部と、膨潤性を
有するアクリル系粉末状樹脂(D)5〜40重量部とを
含有することを特徴とする。
【0007】本発明で使用するエポキシ樹脂は、1分子
中に1個以上のエポキシ基を有する液状樹脂であれば任
意とすることができ、固体のエポキシ樹脂でも液体エポ
キシ樹脂に溶解して使用することができる。その例とし
ては、通常のビスフェノールAとエピクロルヒドリンと
の縮合物およびビスフェノールFとエピクロルヒドリン
との縮合物の如きジグリシジルエーテル、脂肪族のジグ
リシジルエーテル、脂環式エポキシド、フタル酸誘導体
とエピクロルヒドリンとの縮合物の如きジグリシジルエ
ステル、ヒダントイン系エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂並びにグリシジルアミン型エポキシ樹脂など
があげられ、単体でまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。
【0008】加熱活性型硬化剤としては、加熱により硬
化作用を発揮する通常の硬化剤とすることができ、例え
ば、ジシアンジアミド、4,4′−ジアミノジフェニル
スルホン、2−n−ペンタデシルイミダゾールの如きイ
ミダゾール誘導体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,
N′−ジアルキル尿素誘導体、N,N′−ジアルキルチ
オ尿素誘導体、アルキルアミノフェノール誘導体、メラ
ミンおよびグアナミンなどが挙げられる。これらは、使
用するエポキシ樹脂当量および硬化条件により、任意の
重量比で適宜組成物中に配合されるが、通常エポキシ樹
脂100重量部に対し1〜15重量部が好ましい。
【0009】イミダゾール誘導体、N,N′−ジアルキ
ル尿素誘導体およびアルキルアミノフェノール誘導体な
どは、促進剤としても使用できる。硬化剤および促進剤
の硬化に必要充分な配合量は予め試験することにより容
易に決定することができる。
【0010】本発明に用いられるアクリル系の粉末状樹
脂は乳化重合および懸濁重合によって得られる球形の粉
末重合体であり、加熱することによりエポキシ樹脂およ
び被接着体である鋼板上の油分を吸収する性質を有す
る。該重合体としてはポリ塩化ビニル(PVC)のよう
にハロゲンを含むものがあるがハロゲンを有する粉末状
樹脂は高熱処理時に塩素ガスが発生し金属の腐食を促進
させてしまう。このためハロゲンを含まない粉末状樹脂
を用いる必要がある。
【0011】アクリル系粉末樹脂として微粉末状の(メ
タ)アクリレート系重合体があげられる。(メタ)アク
リレート系重合体を構成する単量体としては、特に制約
はなく粉末状重合体が得られるものであればすべて使用
できる。例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリ
レートおよびステアリルメタクリレートなどのアルキル
メタクリレート、メチルアクリレートおよびブチルアク
リレートなどのアルキルアクリレート、ブトキシエチル
(メタ)アクリレートなどのアルコキシ(メタ)アクリ
レート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジル
エーテル、ヒドロキシルプロピルメタクリレートなどの
水酸基含有(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレ
ート並びにアクリロニトリルおよびN−メチロールアク
リルアミドなどがある。特に好ましくはグリシジルメタ
クリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ
基含有(メタ)アクリレートである。
【0012】これら(メタ)アクリレート系単量体は一
成分よりなる重合体、または2種以上の単量体を用いて
共重合体として用いることもでき、またグラフト重合に
より粉末樹脂を得ることも出来る。また異なる単量体よ
り得られた重合体を混合することにより粉末状樹脂とし
て利用することができる。粉末の粒系は10〜50μm
の範囲内が好ましい。粒系が50μmより大きい場合に
は粉末状樹脂が熱硬化しにくくなり、導電性も劣る。粒
系が10μmより小さい場合には粉体性が悪化し、生産
および混合時に支障をきたす。
【0013】本発明に用いる金属皮膜化された粉末状樹
脂の代わりに導電性の粒子としてカーボンブラックを用
いた場合には、カーボンブラック自体が高い導電性を有
さないため、熱硬化後の樹脂組成物に導電性が不足し、
所望の防錆性を発現することが困難である。また、金属
粒子を充てんした場合には、エポキシ樹脂中で金属粒子
が分散しやすく凝集しにくいため、エポキシ樹脂100
重量部に対して金属粒子を50重量部以上添加する必要
があり、Tはく離強度が著しく低下するという問題が発
生する。このため、導電性に優れ、低い重量比で所望の
防錆性を発現する金属皮膜化された粉末状樹脂が最適で
ある。
【0014】本発明に係る金属皮膜化された粉末状の樹
脂は微粉末状であれば特に限定するものではなく、フッ
素樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、
架橋アクリル樹脂、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、
ポリエチレン、フェノール樹脂、グアナミン樹脂および
シリコーン樹脂等を用いることができるが好ましくは耐
熱温度が180℃以上である架橋アクリル樹脂および架
橋ポリスチレンを用いる。耐熱温度が180℃以下の場
合には塗膜焼付け時に粉末状樹脂が熱変形するため熱硬
化後の樹脂組成物において所望の導電性が得られない。
また本発明に用いる粉末状樹脂の粒径は5〜100μm
が好ましく、より好ましくは10〜50μmである。粒
径が5μm以下の場合は粉体性が悪く、生産および混合
時に支障をきたし、粒径が100μm以上の場合には接
着剤組成物としたとき硬化性が劣り、硬化物が脆い性状
を示すばかりでなく導電性に悪影響を及ぼす。
【0015】本発明に使用される金属皮膜化された粉末
状樹脂に金属皮膜を行う方法は粉末樹脂の表面に適正な
金属皮膜が生成し得る方法であれば任意とすることがで
き特に限定しないが好ましくは下記に示す滴下法があ
る。始めにγ−アミノプロピルトリエトキシシランで有
機皮膜化処理を行い、ついでパラジウム水溶液中で触媒
付与を行いめっきに供す。粉末状樹脂へのニッケル皮膜
生成は滴下法による。反応槽にニッケルイオン4〜6g
/Lを含むめっき原液300mLを入れ、pH6.5〜
7.0に調整し65℃に加温し、この液中に粉末状樹脂
を投入した後、硫酸ニッケル6水和物、リン酸水素ニナ
トリウム1水和物、リンゴ酸およびコハク酸から成るめ
っき液を原液(表3に組成比を示す)として用い、蒸留
水と混合して得た濃度の異なるめっき液を攪拌しながら
1時間かけて滴下し粉末樹脂表面にニッケル量の異なる
皮膜を還元析出させる。析出皮膜はニッケル−リンの合
金皮膜であり、粉末状樹脂に析出したニッケル−リン量
は、めっきし、水洗し、熱風乾燥し、めっきした後の全
重量に対するニッケル−リン百分率で表わし、これを金
属化率と定義する。金属化率は5%〜70%が適してい
る。ニッケル−リン量が5%以下であると接着剤硬化後
の導電性が不十分となる。また70%以上であると、エ
ポキシ樹脂と、金属皮膜化した粉体状樹脂との親和性が
低下し物性を低下させる原因となる。
【0016】次に本発明の防錆性に優れた樹脂組成物の
組成比について説明する。本発明の導電性樹脂組成物の
組成は主剤エポキシ樹脂(A)100重量部に対して金
属皮膜化した粉末状樹脂組成物(C)が1〜5重量部、
膨潤性を有するアクリル系の粉末状樹脂(D)が5〜4
0重量部である。エポキシ樹脂100重量部に対して金
属皮膜化した粉末状樹脂(C)が1重量部未満である場
合には目的とする導電性が得られない。また5重量部以
上である場合には熱硬化後の絶縁性が保てないとともに
組成物全体が脆くなるため剥離強度が低下してしまう。
またエポキシ樹脂100重量部に対して膨潤性を有する
アクリル系の粉末状樹脂が5重量部未満である場合には
所望の導電性が得られない。また40重量部である場合
には、組成物全体が脆くなるため接着接合部の耐衝撃性
が著しく劣る。本発明の導電性接着剤の主成分のエポキ
シ樹脂の代わりに所要に応じてゴム変成エポキシ樹脂お
よびウレタン変性エポキシ樹脂などの可撓性を有するエ
ポキシ樹脂を用いてもよい。また上記(A)(C)およ
び(D)成分に応じてタルク、炭酸カルシウム、シリカ
粉等のフィラーおよびエラストマー類等の他の添加剤を
加えてもよい。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例および試験例
により説明する。
【0018】実施例1 (A)成分のエポキシ樹脂としてエピコート828(商
品名、油化シェルエポキシ(株)製)、(B)成分の熱
活性型硬化剤としてジシアンジアミド、(C)成分の金
属皮膜化した粉末樹脂として平均粒径40μm 、耐熱
温度200℃の架橋ポリスチレンであるファインパール
PB−3000(住友化学工業(株))に金属皮膜化し
た粉末状樹脂(金属化率=10%、以下実施例8,9と
比較例10,11以外のすべての実施例および比較例を
通じて一定)、(D)成分のアクリル系の粉末状樹脂と
して分子量約800,000、粒径30μmの懸濁重合
で得られたメチルメタクリレート(MMA)とグリシジ
ルメタクリレート(GMA)との共重合体(MMA/G
MA=90/10、ゲル分率=10%)並びに液状ゴム
としてハイカーCTBN1300×8(商品名、宇部興
産(株)製)を用いて表1で示す配合量にて三本ロール
を用いて30分間混練した。
【0019】実施例2 実施例1に於ける(C)成分を平均粒径30μm、耐熱
温度200℃のファインパールPB−3002(積水化
学工業(株))に実施例1と同様の金属化処理をほどこ
した樹脂に、および(D)成分を分子量約400,00
0、粒径40μmの懸濁重合で得られたMMAとGMA
との共重合体(MMA/GMA=90/10、ゲル分率
=10%)にそれぞれ変え、かつ配合量も表1に示すよ
うに変えたほかは実施例1と同様にした。
【0020】実施例3 実施例1に於ける(A)成分をR1309(商品名、エ
ーシーアール(株)製)に変え、(C)成分として実施
例1と同一のものを用いたが配合量を5重量部に変えた
他は実施例1と同様にした。
【0021】実施例4 実施例2に於ける(D)成分の配合量を、15重量部に
変えた他は、実施例2と同様にした。
【0022】実施例5 実施例2に於ける(D)成分の配合量を、35重量部に
変えた他は、実施例2と同様にした。
【0023】比較例1,2および3 実施例3に於て(C)成分の配合量を表1に示すように
本発明で規定した範囲外に変えた他は実施例3と同様に
した。
【0024】比較例4,5および6 実施例1に於て(D)成分の配合量を表1に示すように
請求の範囲外に変えた他は実施例2と同様にした。
【0025】実施例6 実施例1における(C)成分を平均粒径6μm 、耐熱
温度200℃ファインパール3000F(積水化学工業
(株))に実施例1と同様の金属化処理を施した樹脂
に、および(D)成分を分子量約700,000、粒径
40μm の懸濁重合で得られたゲル分率10%のMM
AとGMAとの共重合体(MMA/GMA=80/2
0)にそれぞれ変えたほかは実施例1と同様にした。
【0026】なおCおよびD成分の配合割合は実施例1
と同一とした。これは以下の実施例7並びに比較例7,
8および9を通じて一定である。
【0027】実施例7 実施例1における(C)成分を平均粒径50μm、耐熱
温度200℃ファインパールPB−3005(積水化学
工業(株))に実施例1と同様の金属化処理を施した樹
脂に、および(D)成分を分子量約700,000、粒
径40μmの懸濁重合で得られたゲル分率15%のMM
AとGMAとの共重合体(MMA/GMA=60/4
0)にそれぞれ変えたほかは実施例1と同様にした。
【0028】比較例7 実施例1において(C)成分を平均粒径3μm、耐熱温
度200℃のテクポリマーSBP(積水化学工業
(株))に金属皮膜化した粉末状樹脂に変えた他は、実
施例6と同様にした。
【0029】比較例8 実施例1において(C)成分を平均粒径200μm、耐
熱温度200℃のファインパールPB−3012(積水
化学工業(株))に金属皮膜化した粉末状樹脂に変えた
他は、実施例6と同様にした。
【0030】比較例9 実施例1において(C)成分を平均粒径400μm、耐
熱温度200℃のファインパールPB−3013(積水
化学工業(株))に金属皮膜化した粉末状樹脂に変えた
他は、実施例6と同様にした。
【0031】実施例8,9および比較例10,11 実施例2に於ける(C)成分の金属化率を表4に示すよ
うにそれぞれ変えた他は、実施例2と同様にした。
【0032】試験例 上記実施例1〜9および比較例1〜11で得られた各組成
物について、ペースト時の導電性、熱硬化後の導電性、
T剥離強度、衝撃接着強さおよび腐食環境後の腐食度合
を試験した。剥離強度はJIS K 6854に規定さ
れる方法に従って測定し、衝撃接着強さはJIS K
6855に規定される方法に従って測定した。
【0033】本試験例で用いた、接着接合部分の腐食の
程度をインピーダンス法により測定するための実験系の
断面図を図1に示す。図1において、鋼板1上に接着剤
4を円形に塗布し、電着塗装を施した。円形接着部にガ
ラスセル8をかぶせ、セル8中には0.5M塩化ナトリ
ウム溶液7を満たし、白金6と鋼板1とを電極とし、A
B間のインピーダンスを測定した。
【0034】インピーダンス測定のシステム図を図2に
示す。図1中のA−B部は、図2中のC部およびA−B
部に対応する。
【0035】上記各試験の結果を表1,表2および表4
に示す。表1は各成分の配合比を変化させた際の組成物
の物性についての結果である。表2は金属皮膜化した粉
末状樹脂の粒径を変化させた際の組成物の物性について
の結果である。表4は(C)成分の金属化率を変化させ
た際の組成物の物性についての結果である。表中ペース
ト時の導電性は、体積抵抗の値が8×108 Ωcmより
大きい場合〇で、小さい場合×で示し、熱硬化後の導電
性は、8×108 Ωcmより小さい場合を○、大きい場
合を×で示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明におい
て、液状のエポキシ樹脂(A)100重量部と、加熱活
性型の硬化剤(B)と、金属化率が5〜70%で金属皮
膜化した粒径5〜100μmの粉末状樹脂(C)1〜5
重量部と、膨潤性を有するアクリル系粉末状樹脂(D)
5〜40重量部とを含有する樹脂組成物としたことによ
り、初期の接着強度を低下させることなく、耐久試験中
の強度低下および不均一な試験結果の原因となる腐食の
発生を抑制し、耐久信頼性が大きく向上するという利点
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】接着接合部分の腐食の程度をインピーダンス法
により測定するための実験系の断面図である。
【図2】インピーダンス測定のシステム図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 電着膜 3 マスキングフィルム 4 接着剤 5 テフロンテープ 6 白金電極 7 0.5M塩化ナトリウム溶液 8 ガラスセル 9 周波数応答アナライザー 10 X入力 11 Y入力 12 X−Yレコーダー出力 13 出力 14 標準抵抗 15 エレクトラメーター 16 セル 17 X−Yレコーダー 18 インターフェース 19 マイクロコンピューター 20 プリンター 21 X−Yプロッター A テスト電極 B 対電極 C 5%塩化ナトリウム溶液(0.001N HClを
含む)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状のエポキシ樹脂(A)100重量部
    と、加熱活性型の硬化剤(B)と、金属化率が5〜70
    %で金属皮膜化した粒径5〜100μmの粉末状樹脂
    (C)1〜5重量部と、膨潤性を有するアクリル系粉末
    状樹脂(D)5〜40重量部とを含有することを特徴と
    する防錆性に優れた樹脂組成物。
JP1346893A 1993-01-29 1993-01-29 防錆性に優れた樹脂組成物 Pending JPH06228412A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0648716A1 (en) * 1993-10-13 1995-04-19 Mitsubishi Chemical Corporation Chopped strands of carbon fibers and reinforced hydraulic composite materials
JP2004189938A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Nippon Sheet Glass Co Ltd 導電性樹脂成形部品
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