JPH06228375A - ゴム組成物およびそれを用いるスチールコードとの接着方法 - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いるスチールコードとの接着方法

Info

Publication number
JPH06228375A
JPH06228375A JP1636493A JP1636493A JPH06228375A JP H06228375 A JPH06228375 A JP H06228375A JP 1636493 A JP1636493 A JP 1636493A JP 1636493 A JP1636493 A JP 1636493A JP H06228375 A JPH06228375 A JP H06228375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
weight
steel cord
parts
trimethyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1636493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3275419B2 (ja
Inventor
Naoki Inui
直樹 乾
Hideo Nagasaki
英雄 長崎
Tetsuo Yamaguchi
哲夫 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP01636493A priority Critical patent/JP3275419B2/ja
Priority to CA002113743A priority patent/CA2113743C/en
Priority to EP94300752A priority patent/EP0610070B1/en
Priority to DE69415355T priority patent/DE69415355T2/de
Priority to KR1019940001973A priority patent/KR100290128B1/ko
Priority to CN94101189A priority patent/CN1057546C/zh
Publication of JPH06228375A publication Critical patent/JPH06228375A/ja
Priority to US08/459,678 priority patent/US6310144B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3275419B2 publication Critical patent/JP3275419B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然ゴムまたはジエン系ゴムに特定化合物を
配合することにより、スチールコードを被覆するのに適
したゴム組成物を提供する。 【構成】 天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムからな
る原料ゴム100重量部に対して、(1)有機酸コバル
ト塩をコバルト量として0.1〜1重量部、(2)イオウ
を2〜10重量部、および(3)1級アミン含量が1重
量%以下、モノマー含量が3重量%以下、そしてダイマ
ー含量が30重量%以上である2,2,4−トリメチル
−1,2−ジヒドロキノリン重合物を0.5〜5重量部配
合する。また、こうして配合されたゴム組成物をスチー
ルコードとの接触下で加硫することにより、ゴムとスチ
ールコードとの接着が行われる。 【効果】 ゴムとスチールコードとの接着性が向上し、
特に湿熱老化後の接着力の低下が少ない。さらには、ゴ
ムの耐熱性や耐屈曲亀裂性も優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用タイヤ、コン
ベヤー用ベルト、ホースなどに用いられ、特にスチール
コードを被覆するのに好適なゴム組成物および、それを
用いるスチールコードとの接着方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車タイヤ、コンベヤー用ベルト、ホ
ースなどには通常、製品の強度、耐久性の向上および維
持のために、補強材として真鍮メッキや亜鉛メッキなど
のメッキ処理が施されたスチールコードが広く使用され
ている。そして、こうしたスチールコードと天然ゴムま
たは合成ゴムからなる被覆用ゴムとの接着性を向上させ
るために、従来よりナフテン酸コバルトのような有機酸
コバルト塩およびイオウをゴムに配合する方法が知られ
ている。
【0003】しかし、かかるゴム組成物をスチールコー
ドの被覆用ゴムとして用いた場合、ゴムとスチールコー
ドとの初期接着力は向上するものの、有機酸コバルト塩
を配合していることにより、ゴムの耐熱性および耐屈曲
亀裂性が著しく劣る傾向にあった。
【0004】一方、ゴムの耐熱性および耐屈曲亀裂性を
向上させる手段として、種々のアミン系劣化防止剤を配
合する手法が知られている。アミン系劣化防止剤として
は、例えばN−イソプロピル−N′−フェニル−p−ジ
アミノベンゼン、N−(1,3−ジメチルブチル)−
N′−フェニル−p−ジアミノベンゼン、N,N′−ジ
フェニル−p−ジアミノベンゼン、 N,N′−ジトリ
ル−p−ジアミノベンゼン、アセトンとジフェニルアミ
ンの縮合物、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒド
ロキノリン重合物などが知られている。
【0005】ところが、こうした従来の劣化防止剤を配
合してスチールコードとの接着を行った場合、耐熱性や
耐屈曲亀裂性などの劣化防止性能が十分でないばかり
か、ゴムとスチールコードとの接着力、特に湿熱履歴後
の接着性能にも悪影響を及ぼすという問題を有してい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる事
情に鑑み、公知の劣化防止剤が有していた欠点を解決す
べく種々研究を重ねた結果、所定の原料ゴムに、有機酸
コバルト塩、イオウおよび特定組成の2,2,4−トリ
メチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物を、それぞれ
特定量配合することによって、ゴムとスチールコードと
の接着性向上がはかられ、特に湿熱老化後の接着力の低
下が少なく、さらにはゴムの耐熱性および耐屈曲亀裂性
が改良される事実を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、天然
ゴムおよびジエン系ゴムから選ばれる原料ゴム100重
量部に対して、次の各成分を配合してなるゴム組成物を
提供するものである。
【0008】(1)有機酸コバルト塩をコバルト量とし
て0.1〜1重量部、(2)イオウを2〜10重量部、お
よび(3)1級アミン含量が1重量%以下、モノマー含
量が3重量%以下、そしてダイマー含量が30重量%以
上である2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキ
ノリン重合物を0.5〜5重量部。
【0009】このゴム組成物は、特にスチールコードと
の加硫接着に有効である。したがって本発明はまた、上
記ゴム組成物をスチールコードと接触させて加硫するこ
とにより、ゴムとスチールコードを接着する方法を提供
するものである。かかるゴム組成物を用いることによ
り、ゴムとスチールコードの間の高い接着性能を保持し
つつ、耐熱性および耐屈曲亀裂性に優れたスチールコー
ド補強ゴム製品が得られる。
【0010】本発明の第一の特徴は、ゴムとスチールコ
ードとの接着性能に劣化防止剤が悪影響を及ぼさないよ
うにするという観点より、劣化防止剤中の1級アミン含
量を1重量%以下とした点にある。すなわち、劣化防止
剤中の1級アミン成分は、ゴムとスチールコードの初期
接着力を低下させ、また大きな問題点として熱履歴後の
接着力を著しく低下させること、さらにこの1級アミン
成分は、未加硫ゴム中でゴム表面に容易にブルームし、
ゴムとスチールコードとの接着性低下を引き起こすこと
が見出された。そこで本発明では、劣化防止剤中の1級
アミン含量を1重量%以下に抑える必要がある。
【0011】本発明の第二の特徴は、ゴムの耐熱性およ
び耐屈曲亀裂性を高めるという観点より、長期にわたっ
て優れた劣化防止性能を発揮する2,2,4−トリメチ
ル−1,2−ジヒドロキノリンダイマーを30重量%以
上含有し、かつ低分子量で揮発しやすいモノマーの含量
を3重量%以下とした2,2,4−トリメチル−1,2
−ジヒドロキノリン重合物を劣化防止剤として用いる点
にある。すなわち、ゴムに劣化防止剤を配合した場合、
劣化防止剤のゴムへの分散性が高いことが必要であり、
またゴム製品使用時の耐熱性能や耐屈曲性能などの長期
にわたる持続性を考慮すると、熱老化条件下でも劣化防
止剤がゴムから蒸散しにくいことが必要である。したが
って、低分子量の劣化防止剤は揮発しやすいため好まし
くない。これらの観点より本発明では、モノマー含量が
少なく、かつダイマー含量の多い2,2,4−トリメチ
ル−1,2−ジヒドロキノリン重合物を劣化防止剤とし
て所定量配合する。モノマー含量は少ないほど好まし
く、例えば1重量%以下であればより好ましい。またダ
イマー含量は多いほど好ましく、例えば35重量%以上
であればより好ましい。
【0012】2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒド
ロキノリン重合物は通常、酸性触媒の存在下、アニリン
に、アセトン、ジアセトンアルコールまたはメシチルオ
キシドを加熱状態で反応させることにより、製造されて
いる。そして一般には、次式(I)で示される構造のも
のが主体である。
【0013】
【化1】
【0014】式中、nは1以上の整数を表す。
【0015】本発明でいうモノマーとは、上記式(I)
においてn=1の化合物であり、またダイマーとは、上
記式(I)においてn=2の化合物であり、以下、n=
3、4、……と増えていくに従って、トリマー、テトラ
マー、……となる。また1級アミンは主として原料のア
ニリンに起因して生成し、各種の構造をとりうるが、代
表例としては次式のような構造のものが挙げられる。
【0016】
【化2】
【0017】式中、mは1以上の整数を表す。
【0018】市販の2,2,4−トリメチル−1,2−
ジヒドロキノリン重合物は、メーカーや品名によって各
種の品位であるため、本発明で用いるものは注意深く選
定されなければならない。本発明においては、前述のよ
うに1級アミン含量およびモノマー含量が少なく、かつ
ダイマー含量の多い2,2,4−トリメチル−1,2−
ジヒドロキノリン重合物を用いる必要があり、こうした
本発明で特定する条件を満たすものを選定すればよい
が、かかる重合物は、好ましくは例えば次のようにして
製造される。
【0019】すなわち、まず塩酸、臭化水素酸、弗化水
素酸、ヨウ素、有機スルホン酸、三弗化ホウ素など、あ
るいはこれらの2種もしくはそれ以上の混合物のような
酸性触媒の存在下、アニリンに、アセトン、ジアセトン
アルコールまたはメシチルオキシドを加熱状態で反応さ
せ、得られる反応生成物を蒸留して精製することによ
り、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ンモノマーを製造する。蒸留によってモノマー純度を高
くするほど好ましく、一般には85重量%以上のモノマ
ー純度となるようにするのが好ましく、さらには90重
量%以上のモノマー純度まで精製するのがより好まし
い。
【0020】こうして精製された2,2,4−トリメチ
ル−1,2−ジヒドロキノリンモノマーを、さらに塩
酸、その他前記のような酸性触媒の存在下、加熱状態で
反応させることにより重合体混合物を得、この重合体混
合物から未反応モノマーを除去する。反応にあたって、
例えば塩酸触媒を用いた場合は、塩酸濃度が15〜25
重量%程度の範囲となるようにするのが好ましく、かつ
原料である2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロ
キノリンモノマーおよび不純物として含まれる他のアミ
ン類の合計に対して、塩酸を0.2〜0.5モル倍の範囲で
用いるのが好ましい。反応温度は80〜100℃程度が
好ましい。このようなマイルドな条件を採用することに
よって、ダイマー含量の多い重合物を得ることができ
る。また未反応モノマーの除去は通常、蒸留にて低沸点
留分を取り除くことにより行われる。
【0021】本発明では、以上説明したような特定組成
の2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン
重合物が使用されるが、特にダイマー、トリマーおよび
テトラマー、すなわち前記式(I)におけるnが2、3
および4である重合物を、合計で75重量%以上含有す
るものが好ましく、さらには、かかるダイマー、トリマ
ーおよびテトラマーを合計で80重量%以上含有するも
のがより好ましい。
【0022】このような、1級アミンおよびモノマーの
含量が少なく、かつダイマー含量の多い2,2,4−ト
リメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物は、本発明
に従って、原料ゴム100重量部あたり0.5〜5重量部
の範囲で配合される。その配合量が0.5重量部より少な
い場合にはゴムの耐熱性が十分でなく、また5重量部よ
り多い場合は接着性能が低下するので、好ましくない。
【0023】本発明に使用される原料ゴムは、天然ゴム
またはジエン系ゴムであり、それぞれ単独で用いること
もできるし、また2種以上のブレンド物として用いるこ
ともできる。ジエン系ゴムとしては、スチレン−ブタジ
エン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ク
ロロプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムなどが例示され
る。
【0024】原料ゴムに配合される有機酸コバルト塩
は、従来からスチールコード被覆用のゴムに用いられて
いるものであることができ、例えばナフテン酸コバル
ト、カプリル酸コバルト、ラウリル酸コバルト、トリデ
シル酸コバルト、パルチミン酸コバルト、ステアリン酸
コバルト、オレイン酸コバルト、アラニン酸コバルトな
どが挙げられる。有機酸コバルト塩の配合量は、原料ゴ
ム100重量部あたり、コバルト量として0.1〜1重量
部の範囲である。コバルト量として0.1重量部より少な
い場合はスチールコードとの十分な接着性が得られず、
また1重量部より多い場合はゴムの耐熱性や耐屈曲性が
低下するので、好ましくない。
【0025】本発明で使用されるイオウは、通常ゴム工
業で使用されているものであり、多くの場合不溶性イオ
ウが使用されるが、他の各種可溶性イオウであっても、
また各種イオウの混合物であってもよい。イオウの配合
量は、原料ゴム100重量部あたり2〜10重量部の範
囲である。2重量部より少ない場合はスチールコードと
の接着性が著しく低下するとともに、ゴムの補強性およ
び強度の面において好ましくない。また10重量部より
多い場合はゴムの耐熱性および耐屈曲亀裂性が著しく低
下するので、好ましくない。
【0026】また本発明においては、通常ゴム工業にお
いて使用される各種充填剤、例えばカーボンブラック、
シリカ、クレー、炭酸カルシウム、ガラス繊維のような
無機充填剤などを必要に応じて配合することができる。
なかでもカーボンブラックが好ましく使用される。配合
されるカーボンブラックは、通常ゴム工業において使用
されている種類のもの、例えばSAF、ISAF、HA
F、FEF、SRF、GPF、MTなどであることがで
きる。その配合量は特に制限されないが、補強性やゴム
の強度などの観点から、ゴム100重量部あたり20〜
150重量部の範囲が好ましい。また、カーボンブラッ
クとは別に、あるいはカーボンブラックに加えて、接着
性向上のため含水シリカを配合することが好ましく、そ
の配合量は、ゴム100重量部あたり5〜80重量部の
範囲が好ましい。
【0027】さらには、ゴム工業で通常使用されている
各種ゴム薬品、例えば他の劣化防止剤、架橋剤、加硫促
進剤、リターダー、しゃっ解剤、軟化剤、石油樹脂、滑
剤、可塑剤、粘着付与剤、レゾルシンやレゾルシン系樹
脂のような接着剤などを、必要に応じて併用してもよい
ことはいうまでもない。
【0028】かくして配合された本発明のゴム組成物
は、特にスチールコードで補強される用途に有効であ
り、自動車用タイヤの各種部材やその他のゴム製品に適
用した場合に、優れた接着性、耐熱性および耐屈曲亀裂
性を発揮する。ここで用いるスチールコードは、通常自
動車用タイヤ、コンベヤーベルト、ホースなどに使用さ
れているものであることができ、例えば真鍮メッキした
スチールコード、亜鉛メッキしたスチールコードなどが
例示される。
【0029】ゴム組成物とスチールコードとの接着は、
通常未加硫のゴム組成物中にスチールコードを埋め込ん
だ形で両者を接触させ、加硫することによって行われ
る。加硫条件に特別な制限はなく、従来から一般に採用
されている条件で行えばよい。用いるゴム組成なり目的
とする製品なりによって、適切な加硫条件はかなり変動
するが、通常は温度100〜200℃程度、時間1分〜
2時間程度の範囲から、ゴム組成なり製品なりに適した
条件が選択される。例えば、ゴム組成物をスチールコー
ドと接触させた状態で、タイヤの特にビード部やカーカ
ス部に適用し、タイヤ業界で通常行われている方法によ
り、成形、加硫工程を経て、タイヤが製造される。
【0030】
【実施例】次に、本発明について実施例をもって詳述す
るが、本発明はこれらの実施例にによって限定されるも
のではない。以下の例中、添加量ないしは含有量を表す
%および部は、特にことわりがないかぎり、それぞれ重
量%および重量部である。
【0031】参考例1
【0032】アセトン導入装置、温度計、攪拌機および
コンデンサーを備えた500ml四つ口フラスコに、アニ
リン121g(1.3モル)、p−トルエンスルホン酸一
水塩12.4g(p−トルエンスルホン酸として0.065
モル)を仕込み、加熱した。内温を95〜100℃に保
ちながら、755gのアセトンを8時間で導入した。反
応物はトルエン100mlで希釈し、85〜95℃に保ち
ながら苛性ソーダ2.6gおよび水50mlで中和し、静置
後分液して水層を除去した。油層は100mlの水で数回
洗浄し、溶液が中性になったらトルエン層を分取し、ト
ルエンを蒸留によって除き、さらに減圧下で精留するこ
とにより、沸点100℃/10mmHgまでで未反応のアニ
リン留分が20g得られ、また100℃/10mmHgから
90℃/2mmHgの間でモノマー留分142.4gが得られ
た。
【0033】このモノマー留分をガスクロマトグラフィ
ーにより分析したところ、その組成比は次のとおりであ
った。
【0034】 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン 97.0% アニリン 0.2% 低沸点不純物 2.8%
【0035】引き続き、温度計、攪拌機およびコンデン
サーを備えた500ml四つ口フラスコに、上記で得られ
たモノマー留分100g、濃塩酸20.9gおよび水20
mlを仕込み、90℃まで昇温した。さらに90〜100
℃で6時間保温攪拌した。その後、反応物を100mlの
トルエンで希釈し、85〜90℃に保ちながら45%苛
性ソーダ水溶液19.8gを加えて中和し、静置分液して
水層を除去した。トルエン層は100mlの水で数回洗浄
した。
【0036】トルエン層を分取し、トルエンを蒸留によ
って除いたのち、さらに内温200℃および減圧度2mm
Hgまでの条件で蒸留して21.8gの低沸分を留去するこ
とにより、残分として73.2gの2,2,4−トリメチ
ル−1,2−ジヒドロキノリン重合物を得た。この重合
物を劣化防止剤Aとする。劣化防止剤Aの成分を定量し
たところ、表1のとおりであった。
【0037】なお、モノマー、ダイマー、トリマーおよ
びテトラマーの定量は、ガスクロマトグラフィーを用
い、フタル酸ジブチルを内標準として、以下の条件で行
った。
【0038】カラム:担体のクロモソルブWAWに、液
層の3%シリコンOV−1をコートし、これを詰めた3
mmφ×0.5mの分離管(ジーエルサイエンス社製) インジェクション温度:350℃ カラム温度:100℃より350℃まで昇温速度10℃
/分で昇温 キャリヤーガス:窒素(50ml/分) 検出器:フレームイオン化検出器
【0039】また1級アミン含有量は、重合物をクロロ
ホルムに溶解させ、さらに塩酸およびp−ジメチルアミ
ノベンズアルデヒドを加えて試料溶液を調製し、この試
料溶液の吸光度を分光光度計(測定波長440nm)にて
測定し、得られた吸光度から空試験値を差引き、検量線
より求めた。
【0040】参考例2
【0041】アセトン導入装置、温度計、攪拌機および
上部で還流冷却器に連結した水分離器を装着した500
ml四つ口フラスコに、アニリン93.1g(1モル)、濃
塩酸27g(0.27モル)およびn−ヘキサン3gを仕
込み、加熱した。水分離器内には予めn−ヘキサンを入
れておいた。内温が85℃に達した時点でアセトンの導
入を開始し、内温を70〜90℃に保ちながら174g
(3モル)のアセトンを8時間かけて導入した。縮合反
応によって生成した水は、n−ヘキサンとともに共沸し
てフラスコから除かれ、水分離器内でn−ヘキサンと水
が上下に分離するので、分液して連続的に系外へ除去し
た。アセトンの導入終了後、60〜80℃に保ちなが
ら、28%苛性ソーダ水溶液15gおよび水100mlで
中和し、トルエン100mlで希釈したあと、ラジオライ
トをプレコートしたG3グラスフィルターを用いて濾過
し、触媒残渣を除去した。濾液は静置後分液して、水層
を除去した。
【0042】油層は100mlの水で数回洗浄し、溶液が
中性になったら油層を分取し、n−ヘキサン、トルエ
ン、未反応アセトン等の低沸分を蒸留によって除き、さ
らに減圧下で精留することにより、沸点100℃/10
mmHgまでで未反応のアニリン留分が23g得られ、また
100℃/10mmHgから90℃/2mmHgの間で2,2,
4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンモノマー留
分57.5g(ガスクロマトグラフィーによる純度96.8
%)が除去され、82.6gの2,2,4−トリメチル−
1,2−ジヒドロキノリン重合物を得た。この重合物を
劣化防止剤Xとする。劣化防止剤Xを、参考例1と同様
にして定量したところ、表1のとおりの成分であった。
【0043】参考例3
【0044】参考例1と同様にしてモノマー留分を得た
あと、そのモノマー留分100gを濃塩酸60.8g
(0.6モル)および水30mlとともに仕込んだ以外は、
参考例1と同様に重合反応および後処理を行い、 1
4.5gの低沸分を留去することにより、残分として8
0.5gの2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキ
ノリン重合物を得た。この重合物を劣化防止剤Yとす
る。劣化防止剤Yを、参考例1と同様にして定量したと
ころ、表1のとおりの成分であった。
【0045】参考例4
【0046】参考例1の操作を繰り返すが、モノマー縮
合後の精留において、沸点100℃/20mmHgまでを未
反応アニリン留分とし、14gを得、さらに100℃/
20mmHgから90℃/2mmHgの間でモノマー留分14
8.6gを得た (モノマー純度84.2%、アニリン含量
4.8%)。その後、参考例1と同様に重合反応および後
処理を行い、残分として71.6gの2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン重合物を得た。この重
合物を劣化防止剤Zとする。劣化防止剤Zを、参考例1
と同様にして定量したところ、表1のとおりの成分であ
った。
【0047】
【表1】
【0048】これら劣化防止剤A、X、YおよびZのほ
か、以下の実施例では、さらに比較のため、N−(1,
3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−ジアミノ
ベンゼン(劣化防止剤Vとする)も用いた。
【0049】実施例1
【0050】
【表2】 〈配合処方〉 天然ゴム(RSS#1) 100 部 HAFカーボンブラック(N330) 45 部 ステアリン酸 3 部 含水シリカ(日本シリカ工業製 Nipsil VN3 ) 10 部 亜 鉛 華 2 部 劣化防止剤 表3記載 ナフテン酸コバルト(コバルト含有量10%) 2 部 加硫促進剤 1.2部 (N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド) イ オ ウ 4 部
【0051】バンバリーミキサーとして東洋精機製の6
00mlラボプラストミルを用い、オイルバス温度150
℃で、上記配合処方に基づき、天然ゴムに、カーボンブ
ラック、ステアリン酸、含水シリカ、亜鉛華および劣化
防止剤を投入し、50rpm のミキサー回転数で15分間
混練した。このときのゴム温度は160〜170℃であ
った。次にこの配合物をオープンミルに移し、50〜7
0℃の温度にて、上記配合処方に示した加硫促進剤、イ
オウおよびナフテン酸コバルトを添加し、混練した。
【0052】混練後の試料の一部は、熱老化試験および
耐屈曲亀裂試験用に直ちに145℃で40分間加硫し
て、それぞれの試験片を作成した。さらに接着試験用と
して、未加硫ゴム配合物作成後直ちに、真鍮メッキされ
たスチールコードを埋め込み、加硫プレスにより145
℃で40分間加硫して、試験片を作成した。残りの試料
は、室温にて3日間放置後、真鍮メッキされたスチール
コードを埋め込み、上記と同条件で加硫して接着試験用
試験片とした。
【0053】そして、以下の方法でゴム物性の試験を行
い、結果を配合処方の変量値とともに表3に示した。
【0054】接 着 性 上記のようにして、未加硫ゴム配合物作成後直ちに加硫
接着した接着試験用試験片および未加硫ゴム配合物を3
日間放置後に加硫接着した接着試験用試験片を用い、AS
TM D 2138 に記載のHテスト法にて、接着性を評価し
た。なお、未加硫ゴム配合物作成後直ちに加硫接着した
試験片については、湿熱老化前に接着力の測定を行うと
ともに、温度50℃、相対湿度90%で7日間湿熱老化
させたあとの接着力も測定した。試験結果は12個の試
験片の平均値で表示した。
【0055】耐 熱 性 JIS K 6301 に準拠して、ダンベル状3号試験片を10
0℃で72時間熱老化させ、老化前後の引張強さを測定
し、引張強さの保持率を算出した。
【0056】耐屈曲亀裂性 JIS K 6301 に準拠して、試験片に原長2.0 mm の穴を
あけ、デマチヤ型試験機を用い、1万回屈曲後の亀裂の
長さをノギスで測定した。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明のゴム組成物はスチールコードを
被覆するのに有効であり、このゴム組成物を用いてスチ
ールコードとの加硫接着を行った場合、ゴムとスチール
コードとの接着性が向上し、特に湿熱老化後でも接着力
の低下が少なく、また、未加硫ゴムのまま長期間放置し
たあとでも良好な接着性が保たれ、さらにはゴムの耐熱
性、耐屈曲亀裂性などの諸特性にも優れている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然ゴムおよびジエン系ゴムから選ばれる
    原料ゴム100重量部に対して、(1)有機酸コバルト
    塩をコバルト量として0.1〜1重量部、(2)イオウを
    2〜10重量部、および(3)1級アミン含量が1重量
    %以下、モノマー含量が3重量%以下、そしてダイマー
    含量が30重量%以上である2,2,4−トリメチル−
    1,2−ジヒドロキノリン重合物を0.5〜5重量部配合
    してなることを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒド
    ロキノリン重合物が、ダイマー、トリマーおよびテトラ
    マーを合計で75重量%以上含有する請求項1記載のゴ
    ム組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のゴム組成物を、
    スチールコードとの接触下で加硫することを特徴とする
    ゴムとスチールコードとの接着方法。
JP01636493A 1993-02-03 1993-02-03 ゴム組成物およびそれを用いるスチールコードとの接着方法 Expired - Lifetime JP3275419B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01636493A JP3275419B2 (ja) 1993-02-03 1993-02-03 ゴム組成物およびそれを用いるスチールコードとの接着方法
CA002113743A CA2113743C (en) 1993-02-03 1994-01-19 Reinforced rubber article, production thereof and rubber composition suitable therefor
DE69415355T DE69415355T2 (de) 1993-02-03 1994-02-01 Verstärkter Gummiartikel, dessen Herstellung und eine hierfür geeignete Gummizusammensetzung
EP94300752A EP0610070B1 (en) 1993-02-03 1994-02-01 Reinforced rubber article, production thereof and rubber composition suitable therefor
KR1019940001973A KR100290128B1 (ko) 1993-02-03 1994-02-03 보강된 고무제품, 이의 제조방법 및 고무조성물
CN94101189A CN1057546C (zh) 1993-02-03 1994-02-03 增强橡胶制品,其生产方法以及适用的橡胶组合物
US08/459,678 US6310144B1 (en) 1993-02-03 1995-06-02 Reinforced rubber article, production thereof and rubber composition suitable therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01636493A JP3275419B2 (ja) 1993-02-03 1993-02-03 ゴム組成物およびそれを用いるスチールコードとの接着方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06228375A true JPH06228375A (ja) 1994-08-16
JP3275419B2 JP3275419B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=11914278

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01636493A Expired - Lifetime JP3275419B2 (ja) 1993-02-03 1993-02-03 ゴム組成物およびそれを用いるスチールコードとの接着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3275419B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231190A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Sumitomo Rubber Ind Ltd スチールコード被覆用ゴム組成物
JP2009051898A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物および空気入りタイヤ
WO2012053573A1 (ja) * 2010-10-18 2012-04-26 住友化学株式会社 2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合物含有組成物の製造方法
WO2012053572A1 (ja) * 2010-10-18 2012-04-26 住友化学株式会社 2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合物含有組成物の製造方法
JP2012527504A (ja) * 2009-05-19 2012-11-08 コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン アセチルアセトン酸塩化合物を含むタイヤ用ゴム組成物
WO2022024672A1 (ja) * 2020-07-29 2022-02-03 日本ゼオン株式会社 膜成形体

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231190A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Sumitomo Rubber Ind Ltd スチールコード被覆用ゴム組成物
JP2009051898A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物および空気入りタイヤ
US8418736B2 (en) 2007-08-24 2013-04-16 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition and pneumatic tire
JP2012527504A (ja) * 2009-05-19 2012-11-08 コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン アセチルアセトン酸塩化合物を含むタイヤ用ゴム組成物
WO2012053573A1 (ja) * 2010-10-18 2012-04-26 住友化学株式会社 2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合物含有組成物の製造方法
WO2012053572A1 (ja) * 2010-10-18 2012-04-26 住友化学株式会社 2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合物含有組成物の製造方法
WO2022024672A1 (ja) * 2020-07-29 2022-02-03 日本ゼオン株式会社 膜成形体
CN115803387A (zh) * 2020-07-29 2023-03-14 日本瑞翁株式会社 膜成型体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3275419B2 (ja) 2002-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2648113C2 (ru) Аминоалкоксимодифицированные силсесквиоксановые адгезивы для улучшения и сохранения адгезии металлов к вулканизированному каучуку
EP0610070B1 (en) Reinforced rubber article, production thereof and rubber composition suitable therefor
EP0700959A1 (en) A rubber composition and a vulcanizing adhesion method using the same
EP0602861A2 (en) Co-condensation product and rubber composition containing the same
US4421899A (en) Pneumatic tires having improved durability
KR20080112208A (ko) 고무 배합용 수지 및 고무 조성물
JP3246172B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いるスチールコードとの加硫接着方法
JP2009541098A (ja) 水素化ビニルポリブタジエンをベースにした層構造加硫物
EP0798324B1 (fr) Résines novolaques phenol/diene, procédé de préparation et compositions à base de caoutchouc renfermant lesdites résines
JP4762744B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JPH06228375A (ja) ゴム組成物およびそれを用いるスチールコードとの接着方法
JP3275418B2 (ja) 有機繊維で補強されたゴム製品およびその製造方法
TW201011072A (en) Rubber composition
JP3446346B2 (ja) 加工性に優れたゴム組成物
BRPI0716232A2 (pt) Composto de borracha e pneus produzidos pelo uso do mesmo
JPH1135735A (ja) ゴム組成物
JP3465369B2 (ja) ゴム組成物、それの製造に好適な添加剤およびクロマン系化合物
JPH0873662A (ja) ゴム組成物およびそれを用いる補強材との加硫接着方法
JPH07118621A (ja) 接着剤およびそれのゴムへの適用
WO2018163041A2 (en) Tyre for vehicle wheels
JPH0625285B2 (ja) ゴム組成物
WO2012053572A1 (ja) 2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合物含有組成物の製造方法
JPH06306211A (ja) ゴム組成物およびそれを用いる補強材との加硫接着方法
WO2010017673A1 (en) Resorcinol and m-aminophenol derivatives blends in rubber compounding applications
JPS63247102A (ja) タイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080208

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090208

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090208

Year of fee payment: 7

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090208

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100208

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100208

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120208

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120208

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120208

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130208

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term