JPH06228066A - ヨウ素化されたベンゾイルアセタール及びケタール化合物並びにそれを含むx線造影組成物 - Google Patents

ヨウ素化されたベンゾイルアセタール及びケタール化合物並びにそれを含むx線造影組成物

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JPH06228066A
JPH06228066A JP5280903A JP28090393A JPH06228066A JP H06228066 A JPH06228066 A JP H06228066A JP 5280903 A JP5280903 A JP 5280903A JP 28090393 A JP28090393 A JP 28090393A JP H06228066 A JPH06228066 A JP H06228066A
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acid
aryl
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cycloalkyl
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Carl R Illig
アール.アイリグ カール
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C233/00Carboxylic acid amides
    • C07C233/01Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms
    • C07C233/45Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having the nitrogen atom of at least one of the carboxamide groups bound to a carbon atom of a hydrocarbon radical substituted by carboxyl groups
    • C07C233/53Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having the nitrogen atom of at least one of the carboxamide groups bound to a carbon atom of a hydrocarbon radical substituted by carboxyl groups with the substituted hydrocarbon radical bound to the nitrogen atom of the carboxamide group by a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • C07C233/54Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having the nitrogen atom of at least one of the carboxamide groups bound to a carbon atom of a hydrocarbon radical substituted by carboxyl groups with the substituted hydrocarbon radical bound to the nitrogen atom of the carboxamide group by a carbon atom of a six-membered aromatic ring having the carbon atom of the carboxamide group bound to a hydrogen atom or to a carbon atom of a saturated carbon skeleton
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記構造 具体的には,例えば2−ジアトリゾキシ−2−エトキシ
酢酸エチルで示される、ヨウ素化されたベンゾイルアセ
タール及びケタール。 【効果】 これ等の化合物はX線イメージング用の造影
剤として特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線イメージング用の
造影剤として特に有用であるヨウ素化されたベンゾイル
アセタール及びケタールに関する。
【0002】
【従来の技術】X線イメージングは、人体の様々な病状
を早期検出及び診断するための周知且つ極めて価値のあ
る手段である。医療用X線画像形成方法において、画像
を強調するために造影剤を使用することが広まってい
る。D.P. Swanson他, Pharmaceuticals in Medical Ima
ging, 1990, MacMillan Publishing Company,による
と、医療用イメージングのためのヨウ素化された造影剤
及び別の造影剤は優れたバックグラウンドを提供する。
【0003】以下の参考文献は、X線造影組成物を調製
する際に有用な種々のヨウ素含有化合物を記載する。米
国特許第 3,097,228号明細書は、下記構造を有する2,
4,6−トリヨードベンゾイルオキシアルカン酸の誘導
体類を記載する。
【0004】
【化5】
【0005】上式中、R1 は、Hもしくは低級アルキル
であり、R2 は、Hもしくは低級アルカノイルであり、
3 は、Hもしくは低級アルカノイルアミノであり、そ
してR 4 は、低級アルキルである。しかしながら、ベン
ゾイルアセタールもしくはケタールについての示唆は全
く存在しない。米国特許第 3,144,479号明細書は、下記
構造を有するヨウ素化された安息香酸エステル類を記載
する。
【0006】
【化6】
【0007】上式中、Xは、ヨウ素原子もしくはアミノ
基であり、そしてRは、H、アルキル、アルコキシアル
キル、即ち、−(CH2)m −O−R″(式中、R″はア
ルキルであり、そしてmは1もしくは2である)、フェ
ニル及び特定のヨウ素化された芳香族基より選ばれる。
しかしながら、ベンゾイルアセタールもしくはケタール
についての示唆は全く存在しない。米国特許第 4,567,0
34号明細書は、下記構造を有するX線造影剤としてジア
トリゾ酸のエステル類を開示する。
【0008】
【化7】
【0009】しかしながら、これらの薬剤は、加水分解
の際に望ましくないホルムアルデヒドを放出することが
できる。PCT/EP90/00053は、特にX線造影剤として使用
される下記構造を有するヨウ素含有炭酸エステル類を記
載する。
【0010】
【化8】
【0011】上式中、R1 及びR3 は、脂肪族、アリー
ル脂肪族(araliphatic)、アリールもしくは複素環基で
あり、そしてR2 は、H、脂肪族、アリールもしくはア
リール脂肪族である。EP-A 498,482は、医療用イメージ
ングに極めて有用であることが証明されたナノ粒子状X
線造影組成物を記載する。しかしながら、ある種の生体
内適用では、完全に理解されている訳ではないという理
由で、ヨウ素化されたエステル、例えば、WIN 8883、即
ち、ジアトリゾ酸のエチルエステルを含む造影剤は、決
して十分に満足のいく加水分解及び/又は代謝プロフィ
ールを示すことはできない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】加水分解及び/又は代
謝プロフィールの改良されたX線造影剤として使用する
ための化合物を提供することが望まれている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、X線造影組
成物の製造に際して有用である新規のヨウ素化された芳
香族ベンゾイルアセタール及びケタールを発見し且つ製
造した。より詳細には、本発明に従って、下記構造Iを
有する化合物を提供する。
【0014】
【化9】
【0015】上式中、(Z)−COOは、ヨウ素化され
た芳香族酸の残基であり、Rは、アルキル、シクロアル
キル、アリール、アラルキル、−CO−アルキル、−C
O−アリールもしくはアルケニルであり、R1 は、H、
アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルもし
くは−(CH2)m CO23 であり、R2 は、H、アル
キル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、−(C
2) n CO24 もしくは
【0016】
【化10】
【0017】(ここで、Z、R及びR1 は、上記定義の
通りである)であるか、又はR1 及びR2 は、それらが
結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキルを
表し、R3 は、H、アルキル、シクロアルキル、アリー
ルもしくはアラルキルであり、R4 は、H、アルキル、
シクロアルキル、アリールもしくはアラルキルであり、
そしてm、n及びpは、独立して0〜17までの整数で
あり、R1 及びR2 が、両方ともHであることはできな
いことを条件とする。
【0018】更に、本発明は、上記化合物を含むX線造
影組成物、及び試験被検体の体に、有効コントラスト生
成量の上記X線造影組成物を投与することを含んでなる
医療用X線診断画像の形成方法を提供する。X線造影剤
としての特定の用途を見出された新規化合物を提供する
ことが本発明の有利な特徴である。加水分解されて、体
内から速やかに排出されるヨウ素化された安息香酸(比
較的安全であることが知られている)になるか、排出可
能であり又は代謝可能であり且つ比較的非毒性である生
物学的に許容されるアルコール及び/又は酸並びにカル
ボニル化合物になる化合物を提供することが、本発明の
別の有利な特徴である。
【0019】
【具体的な態様】上記構造式Iでは、(Z)−COOは
ヨウ素化された酸の残基である。酸は、芳香族もしくは
非芳香族でありうる。生体内で使用したときに安全な芳
香族酸が好ましい。ヨウ素化された酸は、1分子当たり
1つ、2つ、3つ、もしくはそれ以上のヨウ素原子を含
むことができる。好ましい種は、1分子当たり少なくと
も2つのヨウ素原子を含み、そしてより好ましくは、1
分子当たり少なくとも3つのヨウ素原子を含む。ヨウ素
化された化合物は、化合物のコントラスト強調能力に悪
影響を及ぼすことのない置換基を含有できる。
【0020】適当な芳香族酸の具体例としては、ジアト
リゾ酸、メトリゾ酸、イオタラム酸、トリメシン酸、イ
オキサグル酸(ヘキサブリックス)、イオキシタラム
酸、テトラヨードテレフタル酸及びイオジパミドなどが
挙げられる。本発明の化合物では、選択された芳香族酸
の1つ以上のカルボキシル基が、構造式Iにおけるよう
に機能化される。好ましい態様では、(Z)−COO
が、置換トリヨード安息香酸、例えば、アシルアミノ及
び/又はカルバミル置換トリヨード安息香酸の残基であ
る。
【0021】Rは、H、好ましくは1〜20個、より好ま
しくは2〜8個の炭素原子を含有する置換もしくは非置
換の直鎖又は分枝鎖アルキル基、例えば、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、 sec−ブチ
ル、ペンチル及びヘキシルなど;好ましくは3〜8個の
炭素原子を含有するシクロアルキル、例えば、シクロペ
ンチル及びシクロヘキシル;好ましくは6〜10個の炭素
原子を含有するアリール、例えば、フェニル及びナフチ
ル;−CO−アルキル(そのアルキル部分は先にRにつ
いて記載した通りである);好ましくは7〜12個の炭素
原子を含有するアラルキル、例えば、ベンジル;−CO
−アリール(そのアリール部分は先にRについて記載し
た通りである);又は好ましくは2〜8個の炭素原子を
含有するアルケニル、例えば、エテニル及びプロペニル
を表す。
【0022】R1 は、H;好ましくは1〜20個の炭素原
子を含有するアルキル、例えば、先にRについて記載し
たもの;好ましくは3〜8個の炭素原子を含有するシク
ロアルキル、例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシ
ル;好ましくは6〜10個の炭素原子を含有するアリー
ル、例えば、フェニル及びナフチル;アラルキル、例え
ば、ベンジル;又は−(CH2)m CO23 (式中、m
は、0から17までの整数であり、そしてR3 は、先にR
1 について記載したようなH、アルキル、シクロアルキ
ル、アリールもしくはアラルキルである)でありうる。
【0023】R2 は、H;好ましくは1〜20個の炭素原
子を含有するアルキル、例えば、先にRについて記載し
たもの;好ましくは3〜8個の炭素原子を含有するシク
ロアルキル、例えば、シクロプロピル及びシクロブチ
ル;好ましくは6〜10個の炭素原子を含有するアリー
ル、例えば、フェニル及びナフチル;好ましくは7〜12
個の炭素原子を含有するアラルキル、例えば、ベンジ
ル;又は−(CH2)n CO24 (式中、nは、0から1
7までの整数であり、そしてR4 は、先にR1 について
記載したようなH、アルキル、シクロアルキル、アリー
ルもしくはアラルキルである);又は
【0024】
【化11】
【0025】(式中、Z、R及びR1 は、上記定義の通
りであり、そしてpは、0から17までの整数である)で
ありうる。R1 及びR2 は、それらが結合している炭素
原子と一緒になって、好ましくは3〜8個の炭素原子を
含有するシクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シ
クロブチル及びシクロペンチルなどを表すことができ
る。言及したように、R1 及びR2 が、両方ともHであ
ることはできない。
【0026】R3 は、H;好ましくは1〜20個の炭素原
子を含有し、より好ましくは2〜8個の炭素原子を含有
するアルキル、例えば、R1 について記載したもの;好
ましくは3〜8個の炭素原子を含有するシクロアルキ
ル、例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル;好ま
しくは6〜10個の炭素原子を含有するアリール、例え
ば、フェニル及びナフチル;又は好ましくは7〜12個の
炭素原子を含有するアラルキル、例えば、ベンジルであ
りうる。
【0027】R4 は、H;好ましくは1〜20個の炭素原
子を含有し、より好ましくは2〜8個の炭素原子を含有
するアルキル、例えば、R1 について記載したもの;好
ましくは3〜8個の炭素原子を含有するシクロアルキ
ル、例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル;好ま
しくは6〜10個の炭素原子を含有するアリール、例え
ば、フェニル及びナフチル;又は好ましくは7〜12個の
炭素原子を含有するアラルキル、例えば、ベンジルであ
りうる。
【0028】上記構造式Iにおけるアルキル、シクロア
ルキル、アリール、アラルキル及びアルケニル基は、非
置換であるか、又はX線造影剤としての化合物の効力に
悪影響を及ぼさない種々置換基、例えば、アルキル、シ
クロアルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、低
級アルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、例えば、塩素
及びヨウ素、アシルアミノ、カルボアルコキシ並びにカ
ルバミルなどで置換されていてもよい。
【0029】本発明の化合物は、ヨウ素化された芳香族
酸のカルボン酸塩を、次式で示されるアルコキシ誘導体
でアルキル化することにより製造できる。
【化12】
【0030】上式中、Xは脱離基であり、そしてR、R
1 及びR2 は上記定義の通りである。適する脱離基とし
ては、ハロゲン、例えば、Br、I及びCl、並びにス
ルホニルオキシ、例えば、メタンスルホニルオキシ及び
トルエンスルホニルオキシが挙げられる。本発明の化合
物の製造に際して出発物質として有用なヨウ素化された
芳香族酸のカルボン酸塩及びアルコキシ誘導体は、既知
化合物であるか、及び/又は当該技術分野で周知である
方法により製造できる。置換反応についての一般的な反
応スキームは以下の通りである。
【0031】
【化13】
【0032】反応は、−78℃〜 100℃、より好ましくは
−40℃〜50℃の範囲内の温度で実施できる。便宜上、反
応は大気圧で実施できるが、しかしながらより高圧及び
低圧が考えられる。反応用の溶剤は、出発物質もしくは
生成物に悪影響を及ぼさないいずれかのものでありう
る。適当な溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミ
ドが挙げられる。X線造影剤として使用される場合に
は、好ましくは本発明の化合物が、少なくとも35重量
%、より好ましくは少なくとも40重量%のヨウ素を含
む。
【0033】好ましい態様では、本発明の化合物を、粒
子状X線造影組成物、好ましくは EPO 498,482に記載さ
れるようなナノ粒子状X線造影組成物として処方でき
る。その開示は、引用することによりすべて本明細書に
組み入れられる。そのようなナノ粒子状組成物は、本発
明の化合物を液状分散媒に分散せしめ、そして硬質粉砕
媒体及び表面修飾剤の存在下で化合物を湿式粉砕してナ
ノ粒子を形成することにより製造できる。あるいは、磨
砕の後に表面修飾剤を化合物と接触せしめることができ
る。
【0034】本発明のX線造影組成物は、好ましくは粒
子状の上記化合物及びそのための担体を含む。例えば、
粒子は、X線造影剤用の担体として役立つ水性液体に分
散せしめることができる。別の適当な担体としては、液
状担体、例えば、混合された水性及び非水性溶剤、例え
ば、水及びアルコール、並びに適当な非水性溶剤、例え
ば、アルコール、ゲル、ガス、例えば、空気、そして粉
末が挙げられる。
【0035】X線造影組成物は、1〜99.9重量%、好ま
しくは2〜45重量%そしてより好ましくは10〜25重量%
の上記粒子を含むことができ、組成物の残りは、担体及
び添加剤などである。組成物が凍結乾燥された状態であ
る場合には、 100重量%までの粒子を含む組成物が考え
られる。投与しようとする造影剤の用量は、十分なコン
トラスト強調作用が得られるように、当業者らに既知で
ある技術に従って選択できる。典型的な用量は、多数の
イメージング適用について、被検体の体重1キログラム
当たりヨウ素50〜350 mgの範囲でありうる。幾つかの適
用、例えば、リンパ管造影法では、低い用量、例えば、
I 0.5〜20mg/kg が有効でありうる。
【0036】X線造影組成物は、X線造影剤の性質を調
節及び/又は増強するために使用される1つ以上の従来
の添加剤を含有できる。例えば、増粘剤(例えば、デキ
ストランもしくはヒト血清アルブミン)、緩衝剤、粘度
調整剤、懸濁化剤、解膠剤、抗凝固剤、混合剤及び別の
薬剤などを添加できる。ある種の特異的な添加剤を部分
的に列挙すると、ゴム類、糖類、例えば、デキストラ
ン、ヒト血清アルブミン、ゼラチン、アルギン酸ナトリ
ウム、寒天、デキストリン、ペクチン及びカルボキシメ
チルセルロースナトリウムが挙げられる。このような添
加剤、界面活性剤及び保存剤などは、本発明の組成物に
組み入れることができる。
【0037】本発明に従う医療処置の際に使用するため
の診断画像の形成方法は、X線検査の必要な試験被検体
の体に、有効コントラスト生成量の上記X線造影組成物
を投与することを含んでなる。ヒトの患者に加えて、試
験被検体としては、哺乳類種、例えば、ウサギ、イヌ、
ネコ、サル、ヒツジ、ブタ、ウマ及びウシなどの動物が
挙げられる。従って、少なくとも投与された造影剤を含
んでいる体の部分をX線に暴露して、造影剤の存在に対
応するX線画像パターンを形成する。次いで画像パター
ンを映像化できる。例えば、いずれかのX線可視化技
術、好ましくは硬調技術、例えば、コンピュータ断層撮
影法(CT)が従来のように適用できる。あるいは、X
線感受性リン光スクリーン−ハロゲン化銀写真フィルム
を併用することにより画像パターンを直接観察できる。
【0038】本発明の組成物は、方法のタイプ及び検査
される組織の解剖学的方向定位(orientation)によって
種々の経路で投与できる。適当な投与経路としては、カ
テーテルによる脈管内(動脈内もしくは静脈内)投与、
静脈内注射、直腸投与、皮下投与、筋肉内投与、病巣内
投与、髄腔内投与、槽内投与、経口投与、吸入による投
与並びに体腔への直接投与、例えば、関節造影法などが
挙げられる。
【0039】好ましい適用、即ち、血液貯留、肝臓、膵
臓及びリンパ節のイメージングに加えて、本発明のX線
造影組成物は、いかなる器官もしくは体腔に対しても造
影剤として有用であると予想される。例えば、本発明の
組成物が、血管造影剤、尿路造影剤、脊髄造影剤、胃腸
造影剤、胆嚢及び胆管造影剤、関節造影剤、子宮卵管造
影剤、経口造影剤及び気管支造影剤として有用であると
予想される。
【0040】
【実施例】以下の例は、本発明を更に具体的に説明する
ものである。実施例1 2−ジアトリゾキシ−2−エトキシ酢酸エチ
ル(WIN 65619)の調製 窒素下で、水素化ナトリウム2.05g (85.5ミリモル)
(乾燥粉末, Aldrich)を含有する火炎乾燥(flame-dry)
した1Lのフラスコに、乾燥N,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF) 450mLを添加した。ジアトリゾ酸50.0g
(81.4ミリモル)を、5回に分けて10分間に亘って攪拌
しながら添加した。十分なガス発生が観察された。混合
物を15分間室温で攪拌すると、淡黄色の透明な溶液が得
られた。乾燥DMF50mL中2−ブロモ−2−エトキシ酢
酸エチル(24.1g,114ミリモル,Carpino, J. Org. Che
m., 29, 2820 (1964) の方法に従って、2−エトキシ酢
酸エチルより調製した)を、10分間に亘って滴下漏斗か
ら滴下した。40分後、TLC(20%CH3OH-CH2Cl2 アリ
コート1mLを取り、水4mL中でクエンチし、濾過し、そ
して風乾した)は残留する酸が全くなく且つ新しい高−
f 生成物の存在を示した。
【0041】臭化物の添加からの総計2時間経過後、透
明な淡黄色の溶液を、激しく攪拌しながらNaHCO32.74g
(32.6ミリモル)を含有する蒸留水2200mLに注ぎ入れ
た。得られた透明な溶液は、30秒間以内に白色固体とし
て沈殿し始めた。混合物を室温で15分間攪拌し、次いで
攪拌しながら約15℃まで氷水中で冷却した。混合物を濾
過し、そして白色固体を50mLずつの水で3回洗浄した。
生成物を 1.5時間吸引しながら風乾し、次いでP2O5の上
で乾燥すると、上記構造Iを有する白色粉末3.72g (62
%)が得られた〔式中、(Z)−COO=ジアトリゾ酸
の残基、R=CH2CH3、R1 =H、そしてR2 =COOCH2CH
3 (WIN 65619) 〕。 1H及び13C NMR及び質量分光
分析は、所望の混合グリオキシレートアセタールと一致
した。mp 265〜267 ℃(分解)。
【0042】元素分析 C17H19I3N2O7についての 計算値:C) 27.44 H) 2.57 N) 3.76 I) 51.17 実験値:C) 27.44 H) 2.59 N) 3.73 I) 51.27 この化合物は、血液、肝臓、膵臓及びリンパ節につい
て、粒子状で良好なイメージングを提供する。更に、そ
れがエタノール、グリオキシル酸及びジアトリゾ酸へ代
謝分解されることにより、それは良好なクリアランスを
提供する。
【0043】実施例2 2−ジアトリゾキシ−2−n−
ヘキシルオキシ酢酸エチルの調製 タイトルの生成物を実施例1の方法と同様に調製した。
従って、Carpino, J.Org. Chem., 29, 2820 (1964)の
方法を再び用いて、n−ヘキシルオキシ酢酸エチル(H.
Gershon, 他, J. Pharm. Sci., 68, 82 (1979) の方法
論を用いて調製した)を、2−ブロモ−2−n−ヘキシ
ルオキシ酢酸エチルに変えた。上記のように、この臭化
物をDMF中のジアトリゾ酸ナトリウムと反応せしめる
と、収率53%で、mp 217〜219 ℃の、構造I〔式中、
(Z)−COO=ジアトリゾ酸の残基、R=(CH2)5CH
3 、R1 =H、そしてR2 =CO2CH2CH3 〕を有する白色
粉末が得られた。 1H及び13C NMR分光分析は、所
望の生成物と一致した。
【0044】本発明を、それらの或る好ましい態様につ
いて特に詳細に記載してきたが、変更及び修正が本発明
の精神及び範囲内で可能であることは理解されるであろ
う。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造 【化1】 (上式中、 (Z)−COOは、ヨウ素化された芳香族酸の残基であ
    り、 Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキ
    ル、−CO−アルキル、−CO−アリールもしくはアル
    ケニルであり、 R1 は、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ア
    ラルキルもしくは−(CH2)m CO23 であり、 R2 は、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ア
    ラルキル、−(CH2) n CO24 もしくは 【化2】 (ここで、Z、R及びR1 は、上記定義の通りである)
    であるか、 又はR1 及びR2 は、それらが結合している炭素原子と
    一緒になってシクロアルキルを表し、 R3 は、H、アルキル、シクロアルキル、アリールもし
    くはアラルキルであり、 R4 は、H、アルキル、シクロアルキル、アリールもし
    くはアラルキルであり、そしてm、n及びpは、独立し
    て0〜17までの整数であり、 R1 及びR2 が、両方ともHであることはできないこと
    を条件とする)を有する化合物。
  2. 【請求項2】 (Z)−COOが、ジアトリゾ酸、メト
    リゾ酸、イオタラム酸、トリメシン酸、イオキサグル
    酸、イオキシタラム酸、テトラヨードテレフタル酸及び
    イオジパミドより選ばれるヨウ素化された芳香族酸の残
    基である請求項1の化合物。
  3. 【請求項3】 (Z)−COOがジアトリゾ酸の残基で
    ある請求項1の化合物。
  4. 【請求項4】 Rがアルキルであり、R1 がHであり、
    2 が−CO23であり、且つR3 がアルキルである
    請求項1の化合物。
  5. 【請求項5】 下記構造 【化3】 を有する請求項1の化合物。
  6. 【請求項6】 下記構造 【化4】 を有する化合物。
  7. 【請求項7】 請求項1の化合物を含むX線造影組成
    物。
  8. 【請求項8】 更に医薬的に許容される担体を含む請求
    項7のX線造影組成物。
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