JPH0622785Y2 - オ−バ−ドアの落下防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車庫等の出入口を開閉するオーバードアにおい
て、該オーバードアの不測の落下を防止する装置の改良
に関するものである。

（従来の技術） 間口の広い出入口にオーバードアを配設する場合、オー
バードアを分割すると共に出入口の中間部に可動中柱を
設けて該可動中柱の両側ガイドレールと出入口の両側内
面に固着した固定ガイドレールとをガイドとしてオーバ
ードアを昇降させるように構成している。

この可動中柱は、出入口の上端に固定した横ガイドに沿
って横動自在に吊支され、オーバードアを開放している
時には出入口の一側方に移動させて収納しておく一方、
オーバードアの閉止時には出入口の中間部にまで移動さ
せて所定位置で固定しているが、この可動中柱を所定位
置にセッチトすることなくオーバードアを不測に降下さ
せると、オーバードアがガイドレールから外れて落下す
ることになる。

このため、従来からオーバードアを天井側から出入口側
にガイドする水平ガイドレールの下方先端部近傍に可動
中柱の上部施錠杆の係止動作と連動して水平ガイドレー
ルの下方先端部内に突出するストッパー部材を配設した
オーバードアの落下防止装置が考案されているが、スト
ッパー部材を上下方向に回動させるレバー方式を広く採
用いているため、該ストッパー部材を大きく回動させる
ための広い空間部を必要とし、水平ガイドレールの下方
先端部近傍の狭い空間部に設置が困難な場合が生じる。

本考案はこのような問題点を解消し、構造が簡単な確実
且つ円滑に作動するオーバードアの落下防止装置を提供
するものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案のオーバードアの落
下防止装置は、実施例に対応する図面に示すように、可
動中柱(1)の両側ガイドレール(2)の上端に連通する固定
ガイドレール(3)の下方先端部(3a)に棒状ストッパー挿
入孔(4)を穿設すると共に該固定ガイドレール(3)の下方
先端部(3a)の側方にピニオン(6)を回動自在に軸支し、
このピニオン(6)にラック体(9)を噛合させて該ラック体
(9)に取付けた棒状ストッパー(11)をピニオン(6)の回動
により前記挿入孔(4)に挿脱させるようにし、さらに、
前記可動中柱(1)に配設した施錠杆(19)の突き上げによ
り作動する突設部材(8)を前記ピニオン(6)に突設したこ
とを特徴とするものである。

（作用） 可動中柱(1)をオーバードア閉止位置に移動させたのち
施錠杆(19)を上動させて固定する際に、該施錠杆(19)の
先端が当接部材(8)を押し上げてピニオン(6)を回動させ
る。このピニオン(6)の回動によってラック体(9)が後退
し、該ラック体(9)に取付けた棒状ストッパー(11)が固
定ガイドレール(3)の下方先端部(3a)内から外れてオー
バードアが降下可能な状態にする。

次に、オーバードアを開放したのち、可動中柱(1)の施
錠を解くと、当接部材(8)が下動してピニオン(6)が逆方
向に回動し、ラック体(9)に取付けた棒状ストッパー(1
1)が前進して固定ガイドレール(3)の下方先端部(3a)内
に突出し、可動中柱(1)を出入口の一側方に移動させて
収納しても棒状ストッパー(11)によりオーバードアの不
測の落下を防止するものである。

（実施例） 本考案の実施例を図面について説明すると、(1)は両側
端部にオーバードアの垂直ガイドレール(2)(2)を一体に
設けている可動中柱で、出入口の上端縁に固定した横ガ
イド(13)に横動自在に吊支されてあり、その背面（室内
側）中央部には平面コ字状の台座(14)を固着して該台座
(14)に操作ハンドル(15)の左右レバー(16)(17)を上下方
向に回動自在に枢着し、この枢着部を中央にして左右レ
バー(16)(17)の上下部にリンク(18)を介して上下施錠杆
(19)(20)を夫々連結して操作ハンドル(15)の上下回動操
作により上下施錠杆(19)(20)を同時に上下方向に進退さ
せ、出入口の天井部と床面とに設けた固定係止孔(21)(2
2)に夫々係脱自在に係止させるように構成してある。

(3)(3)は室内の天井面に沿って前後方向に配設した左右
一対の中間固定水平ガイドレールで、その先端部を出入
口部分において下方に彎曲させて該彎曲部(3a)(3a)の開
口端を前記可動中柱(1)の垂直ガイドレール(2)(2)に連
通させるようにしてある。

(4)(4)はこれらの彎曲部(3a)(3a)の先端部両側壁面に貫
設した棒状ストッパー挿入孔である。

(5)は出入口の上部における水平ガイドレール(3)(3)の
彎曲部(3a)(3a)間に固定したケーシングで、その底面板
(5a)に前記上部施錠杆(19)の係止孔(21)を穿設してあ
る。

このケーシング(5)内にはピニオン(6)を回転自在に軸支
(7)していると共に該ピニオン(6)の側面に前記係止孔(2
1)の上方側に向かって突出した当接部材(8)を固定して
あり、さらに、上下部にピニオン(6)に噛合した水平ラ
ック体(9)(9)を保持部材(10)(10)によって摺動自在に支
持させてある。

又、上部のラック体(9)の端部下面に垂下材(9a)の上端
を一体に固着し、該垂下材(9a)の下端側面と前記上部の
ラック体(9)の端面とに同一軸線上で逆向きに棒状スト
ッパー(11)(11)を突設しこれらの棒状ストッパー(11)(1
1)を前記水平ガイドレール(3)(3)の彎曲部(3a)(3a)に穿
設した前記挿入孔(4)(4)に夫々臨ませてある。

(12)は下部のラック体(9)の内端面と保持部材(10)の外
端部間を連結した引張りスプリングで、棒状ストッパー
(11)(11)を常時突出する方向に付勢しているものであ
る。

なお、室内天井面の両端部から出入口の両側に沿って床
面まで固定ガイドレール(23)(23)が配設され、これらの
固定ガイドレール(23)と前記中間固定水平ガイドレール
(3)(3)及び可動中柱(1)の両側ガイドレール(2)(2)に沿
ってオーバードアが開閉するものである。

このように構成した実施例の作用を述べると、出入口を
閉止する場合、可動中柱(1)を横ガイド(13)に沿って出
入口の中間部にまで移動させたのち、操作ハンドル(15)
を下方に回動させれば、上下施錠杆(19)(20)が夫々突出
する方向に移動してその先端部を固定係止孔(21)(22)に
係止させるものであるが、上部施錠杆(19)がすれば、そ
の上動途上で先端が当接部材(8)の下面に当接し、上動
に従って該当接部材(8)を押し上げてピニオン(6)を回動
させる。このピニオン(6)の回動によって上下ラック体
(9)(9)が固定保持部材(10)をガイドとして後退し、これ
らのラック体(9)(9)に取付けている棒状ストッパー(11)
(11)が水平ガイドレール(3)(3)の先端下向き彎曲部(3a)
(3a)に穿設した挿入孔(4)(4)内から抜け出してオーバー
ドアが下降可能な状態にする。

この状態にしたのち、オーバードアを室内天井側から出
入口に降下させて出入口を閉止する。

次に、オーバードアを開放したのち、可動中柱(1)の操
作ハンドル(15)を上方に回動させて上下施錠杆(19)(20)
を係止孔(21)(22)から外すと、可動中柱(1)は横ガイド
(13)に沿って移動させて出入口の一側方に収納可能とな
るが、この時、当接部材(8)を押し上げていた上部施錠
杆(19)が下動し、それに従って当接部材(8)が下動して
ピニオン(6)が逆方向に回動し、上下ラック体(9)(9)に
取付けている棒状ストッパー(11)(11)が前進して水平ガ
イドレール(3)(3)の先端彎曲部(3a)(3a)内に挿入孔(4)
(4)を通して突出し、オーバードアを彎曲部(3a)から不
測に落下するのを防止するものである。

なお、引張りスプリング(12)は、棒状ストッパー(11)(1
1)を常に突出する方向に付勢しているものであるが、こ
のようなスプリングがなくても、当接部材(8)の自重に
よってピニオン(6)が回動して上下ラック体(9)(9)を棒
状ストッパー(11)(11)が突出する方向に移動させること
ができる。

（考案の効果） 以上のように本考案のオーバードアの落下防止装置によ
れば、可動中柱(1)の両側ガイドレール(2)の上端に連通
する固定ガイドレール(3)の下方先端部(3a)に棒状スト
ッパー挿入孔(4)を穿設すると共に該固定ガイドレール
(3)の下方先端部(3a)の側方にピニオン(6)を回動自在に
軸支し、このピニオン(6)にラック体(9)を噛合させて該
ラック体(9)に取付けた棒状ストッパー(11)をピニオン
(6)の回動により前記挿入孔(4)に挿脱させるようにし、
さらに、前記可動中柱(1)に配設した施錠杆(19)の突き
上げにより作動する当接部材(8)を前記ピニオン(6)に突
設しているので、可動中柱(1)を固定する際に、その施
錠杆(19)の上動に連動して当接部材(8)が押し上げら
れ、該当接部材(8)を突設しているピニオン(6)が回動し
てラック体(9)に取付けている棒状ストッパー(11)を固
定ガイドレール(3)の下方先端部(3a)に穿設している挿
入孔(4)から離脱させることができ、オーバードアを閉
止させることができるものである。

又、オーバードアを開放したのち、可動中柱(1)の施錠
を解くと、当接部材(8)が可動してピニオン(6)が逆方向
に回動し、ラック体(9)に取付けた棒状ストッパー(11)
が自動的に前進して固定ガイドレール(3)の下方先端部
(3a)内に挿入孔(4)を突出し、可動中柱(1)を出入口の一
側方に移動させて収納しても棒状ストッパー(11)により
オーバードアの不測の落下を確実に防止することができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は縦断正面
図、第２図は側面図、第３図は水平ガイドレールの彎曲
部間に配設した状態の正面図、第４図はその側面図、第
５図は出入口全体の簡略正面図、第６図はその簡略縦断
正面図である。 (1)……可動中柱、(2)(2)……両側ガイドレール、(3)
(3)……固定水平ガイドレール、(3a)(3a)……下方先端
部、(4)(4)……棒状ストッパー挿入孔、(6)……ピニオ
ン、(8)……当接部材、(9)(9)……上下ラック体、(11)
(11)……棒状ストッパー、(19)……施錠杆、(21)……固
定係止孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】可動中柱の両側ガイドレールの上端に連通
   する固定ガイドレールの下方先端部に棒状のストッパー
   挿入孔を穿設すると共に該固定ガイドレールの下方先端
   部の側方ピニオンを回動自在に軸支し、このピニオンに
   ラック体を噛合させて該ラック体に取付けた棒状ストッ
   パーをピニオンの回動により前記挿入孔に挿脱させるよ
   うにし、さらに、前記可動中柱に配設した施錠杆の突き
   上げにより作動する当接部材を前記ピニオンに突設して
   なるオーバードアの落下防止装置。