JPH0622659Y2 - 残穀処理のできる繰出しロール - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、穀物乾燥機の繰出し部に残留した穀物を効率
的に排出する残穀処理することができる繰出しロールに
関する。

「従来の技術」 従来、穀物乾燥機に充填された被乾燥穀物を繰出し羽根
の間欠回転作動と昇降機の運転作動とにより調質槽、通
風乾燥部、取出し室を経るよう複数回に亘り循環流動せ
しめながら乾燥せしめた際に、被乾燥穀物の一部が受樋
上に残留されるのを未然に防止するために繰出し羽根の
反回転面側にかき出し部材を抑え板を介し装着して受樋
内に残留した穀物を積極的にかき出すようにした穀物繰
出羽根における残穀処理装置は本出願前例えば実公昭54
-27010号公報に記載されていて公知である。

「考案が解決しようとする課題」 ところで、従前のこの種繰出し羽根においては、かき出
し部材を繰出し羽根の反回転面側に装着せしめる抑え板
は、先端側を繰出し羽根の反回転方向に向けて湾曲形成
せしめてあるので、残穀処理作業中においては繰出し羽
根とかき出し部材との間にどうしても隙間が生じ、この
隙間に穀物が挟まれるかき込み現象が発生して穀物が損
傷されるは勿論のこと残留穀物のかき出し能率が低下さ
れるという問題が生じた。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、残穀
処理作業のできるスクレパーを備えた弾性繰出し羽根と
通常の繰出し作業ができる複数枚からなる金属性の繰出
し羽根とを等間隔をおいて放射状に回転軸へ装着せしめ
て、残穀処理作業中において繰出し羽根とかき出し部材
との間に生ずる隙間を確実になくして穀物の損傷を皆無
ならしめると共に残穀処理作業能率の向上をより図るこ
とができる残穀処理のできる繰出しロールを提供しよう
とするものである。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案における残穀処理の
できる繰出しロールは、先端側を夫々反回転方向に向け
折曲した複数枚の金属性の繰出し羽根と一方の周端にス
クレパーを備え、かつ全体を略Ｖ字状に一体成形した弾
性繰出し羽根とを等間隔をおいて回転軸へ放射状に装着
するとともに、前記弾性繰出し羽根７の一方周端に一体
成形したスクレパー１０は、他方の羽根よりも長く外方
に向け延出せしめたものである。

「作用」 先端側を夫々回転方向に向け折曲した複数枚からなる金
属性の繰出し羽根と回転方向に対し後退側の羽根を前進
側の羽根より長く外方に向け延出せしめて、この部分を
スクレパーとした全体が略Ｖ字状となるよう一体成形し
た弾性繰出し羽根とを等間隔をおいて回転軸へ放射状に
装着して構成した繰出しロールを矢印方向へ向け間欠回
転せしめる。

さすれば、繰出し部に落入された穀物は金属性繰出し羽
根と弾性繰出し羽根の回転による繰出し作用で定量宛繰
出されると共に受樋内に残留された穀物は回転する弾性
繰出し羽根のスクレパーにより適確に排出せられる。

そして、上述のような残穀処理作業中においては、全体
が略Ｖ字状に一体成形された弾性繰出し羽根は、その一
方即ち回転方向に対し後退側に位置した羽根は他方即ち
前進側に位置した羽根より長く外方に向け延出され、こ
れが延出部分がスクレパーに形成されているので、通常
の穀物排出作業は回転する複数枚の金属性の繰出し羽根
と弾性繰出し羽根とにより軽快かつ定量宛排出されると
同時に受樋上に残留された穀物は後退側に設けられたス
クレパーによって、従来発生しがちな隙間に穀物が挟ま
れることで生ずる破砕粒の発生を皆無ならしめ適確に排
出され、穀物がかき込み作用で損傷されるのを未然に防
止することができる。

「実施例」 実施例について図面を参照して説明する。

第１図及び第２図において、１は、通風乾燥部２の下端
に繰出し部３を形成するために配設された受樋であつ
て、該受樋１の末端には繰出し口４が開口されている。
前記繰出し部３内には矢印方向に向け間欠回転される繰
出しロール５が収蔵軸架されている。前記の繰出しロー
ル５は、先端側を夫々反回転方向に向け折曲した複数枚
の金属性の繰出し羽根６と、全体が略Ｖ字状に一体成形
され、しかも回転方向に対し後退側に位置した一方の羽
根９は前進側に位置した他方の羽根８より長く外方に向
け延出せしめて、これが延出部分を薄板状のスクレパー
１０に形成した弾性繰出し羽根７とを等間隔をおいて回
転軸１１へ放射状に装着せしめて構成したものである。
１２は、弾性繰出し羽根７を回転軸１１へ装着せしめる
ためのリベットである。

「考案の効果」 本考案は、上述のとおりに構成されているので、次に記
載する効果を奏する。

繰出しロールを複数枚からなる金属性の繰出し羽根と一
方の周端にスクレパーを備え、かつ全体を略Ｖ字状に一
体成形した弾性繰出し羽根とを等間隔をおいて回転軸へ
放射状に装着して構成したから、通常の穀物排出作業時
は勿論のこと残穀処理作業時においても従来発生しがち
な隙間を生じさせることなく穀物を能率よく排出できる
ので、穀物の損傷を皆無ならしめることができる許り
か、スクレパーは他方の羽根よりも長く外方に向け述出
させたので、通常の穀物排出作業及び残穀処理作業を高
能率のもとに行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を切欠した繰出しロールの正面図、第２図
は同縦断側面図である。 １…受樋、５…繰出しロール、６…金属性の繰出し羽
根、７…弾性繰出し羽根、８…回転方向に対し前進側に
位置した羽根、９…回転方向に対し後退側に位置した羽
根、１０…スクレパー、１１…回転軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先端側を夫々反回転方向に向け折曲した複
   数枚の金属性の繰出し羽根と、一方の周端にスクレパー
   を備え、かつ全体を略Ｖ字状に一体成形した弾性繰出し
   羽根とを等間隔をおいて回転軸へ放射状に装着するとと
   もに、前記弾性繰出し羽根の一方周端に一体成形したス
   クレパーは、他方の羽根よりも長く外方に向け延出せし
   めたことを特徴とする残穀処理のできる繰出しロール。