JPH0622657U - 変速機の変速制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は運転者が急加速、坂道での発進等必要
に応じ早い変速を指示できる変速機の変速制御装置を提
供することを目的としている。 【構成】急変速要求スイッチを設け、その急変速要求ス
イッチからの信号によりサブ変速機がローレンジのまま
メイン変速機の高速段を変速する制御装置を設けてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、メイン変速機とハイロー２段切換のレンジ式サブ変速機とを有し、 ローレンジではメイン変速機の高速段のギヤを使用しない形式の電子制御機械式 自動変速機の変速制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

機械式変速機を電子制御方式で制御する場合、ドライバの変速指示によりマグ ネチックバルブでアクチュエータを作動して変速を行うため、変速ミスは防止で きるが変速時間はアクチュエータ出力と制御方法とで決まる。特に、変速指示が レンジ式サブ変速機の変速を伴う場合は、変速がメイン、サブの両変速機に跨が るので時間が掛かる（例えば、本出願人による実願平３−５９０２号参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、ドライバが登坂のシフトアップ等で早く変速しようとしても出来ない ので坂道での発進後等に車両が止まってしまうと言う問題が有る。

【０００４】 また、本出願人による実願平２−１０１０１０号が有るがメインとサブの変速 機を同時に変速すると、シンクロが摩耗しやすいと言う問題がある。

【０００５】 本考案は運転者が急加速、坂道での発進等必要に応じ早い変速を指示できる変 速機の変速制御装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、メイン変速機とハイロー２段切換のレンジ式サブ変速機とを 有し、ローレンジではメイン変速機の高速段のギヤを使用しない形式の電子制御 機械式自動変速機の変速制御装置において、運転者が早い変速を要求するための 急変速要求スイッチを設け、前記急変速要求スイッチからの信号によりサブ変速 機をローからハイに変速せずにメイン変速機の高速段のギヤを作動させる制御装 置を設けている。

【０００７】 上記の急変速要求スイッチは、アクセルペダルの全開時にキックダウン領域を 設けるか、シフトレバーにスイッチを設ける事が好ましい。

【０００８】

【作用】

ローレンジではメイン変速機の低速段のギヤしか使用しないこの形式において 、本願では、レンジ部の変速を伴うシフトアップの変速指示が出た場合、ローレ ンジからハイレンジに切換えてメイン変速機の低速段のギヤを使用しないで、ロ ーレンジのままでメイン変速機の高速段を使用するので、レンジ切換えの時間だ け変速時間が短縮できる。

【０００９】 なお、ローレンジでメイン変速機高速段で走行中に急変速要求スイッチをオフ とした場合、そのまま走行しても良く、ハイレンジに切換えても良い。

【００１０】

【実施例】

以下、図面を参照して、本考案の実施例を説明する。

【００１１】 図１において、エンジン１にはメカニカルクラッチ２を介して変速機３が取付 けられ、その変速機３にはサブ変速機３Ａが取付けられ、その出力軸はプロペラ シャフト４を介して図示しないリアアクスルに連結され、エンジン１には燃料噴 射ポンプ５が設けられ、その燃料噴射ポンプ５には駆動部５ａが設けられている 。

【００１２】 また、変速機３の上部にはシフトセット制御装置１０が設けられ、サブ変速機 ３Ａにはサブ変速機をレンジタイプに作動するレンジセット装置１２が設けられ ている。

【００１３】 さらに、シフトタワー１９のレバー位置に基いて変速機３をコントロールする 制御装置２０には、それぞれシフトセット制御装置１０、クラッチストロークセ ンサ６、クラッチアクチュエータ７、ギヤ回転センサ８、車速センサ９、シフト 位置検出装置１１、レンジ位置検出装置１４ａが接続されている。

【００１４】 また、クラッチペダル１７にはクラッチスイッチ１８が設けられ、アクセルペ ダル１５にはポテンショメータ１６が取付けられ、そのポテンショメータ１６は 制御装置２０に接続されると共に、前記燃料噴射ポンプ５の駆動部５ａは制御装 置２０に接続されている。

【００１５】 図２において、レンジセット制御装置１２、レンジ位置検出装置１４ａ、シフ トセット制御装置１０、シフト位置検出装置１１、ギヤ回転センサ８および車速 センサ９はそれぞれ変速機（Ｔ／Ｍ）制御回路２０ｄに接続されている。

【００１６】 クラッチアクチュエータ７とクラッチストロークセンサ６とはクラッチ制御回 路２０ｆに接続され、噴射ポンプ駆動部５ａはアクセル制御回路に、アクセルポ テンショメータはシフトチェンジ制御部２０ａに接続されている。

【００１７】 図３はアクチュエータ１６のアクセル開度と出力電圧との関係を示す特性図で、 全開域をキックダウン領域として、このときの出力が急変速信号としてシフトチ ェンジ制御部に入力される。

【００１８】 以下、図４を参照して、作用について説明する。

【００１９】 作動に際し、急変速を指示するためアクセルペダルを図３に示すキックダウン 領域まで踏み込み、シフトレバーをシフトアップ段位置に移動してシフトアップ を指示する（ステップＳ１）。クラッチを切り（ステップＳ２）、クラッチ切り が完了したか否かを判断する（ステップＳ３）。ＮＯの場合は戻り、ＹＥＳだっ たら、メイン変速機の噛み合っているギヤを抜く（ステップＳ４）。メイン変速 機はニュートラルになったか否かを判断する（ステップＳ５）。ＮＯの場合は戻 り、ＹＥＳだったら、メイン変速機を変速する（ステップＳ６）。メイン変速機 の変速は完了したか否かを判断し（ステップＳ７）、ＮＯの場合は戻り、ＹＥＳ だったら、クラッチを繋ぐ（ステップＳ８）。クラッチの繋ぎが完了したか否か を判断し（ステップＳ９）、ＮＯの場合は戻り、ＹＥＳだったら制御を終る。

【００２０】 ここで、図７に示す従来の制御のフローチャートと比較すると、図８をも参照 して、従来はレンジ部の変速（ステップＳ５＋ａ、図８でＬ→Ｈ）とレンジ部変 速完了か否かを判断する（ステップＳ５＋ｂ）との２ステップが多いことが分か る。そして、この２ステップで、例えば０．４秒掛かるので、本願は変速時間が ０．４秒短縮できる。

【００２１】 図８はシフトパターンを示し、従来のＬ２−Ｌ−Ｈ−Ｈ１がＬ２−Ｌ３とシフ トが簡単になり時間が短縮され、制御が簡略になる。

【００２２】 図５は本考案の別の実施例を示し、シフトタワー１９のシフトレバー１９ａに 制御装置に急変速を指示するファンクションスイッチ２１を設け、アクセルペダ ルのキックダウンを取除いた事以外は、第１の実施例と同じである。

【００２３】 図６は、図５の制御装置のブロックダイヤグラムを示し、図２に対しシフトレ バーファンクションスイッチ２１が追加されただけである。

【００２４】 したがって、作用についてもアクセルペダルのポテンジョメータのキックダウ ン領域に換えてシフトレバーのファンクションスイッチ２１で急変速を指示して 変速するのでその他の作動は同じである。

【００２５】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、例えば急加速や坂道での 発進等、急変速が必要な時、急変速要求スイッチであるキックダウン領域までア クセルペダルを踏み込むか、シフトレバーに設けたファンクションスイッチをＯ Ｎして変速すれば変速時間が短縮できる。

【００２６】 また、ローレンジでメイン変速機高速段で走行中に急変速要求スイッチをオフ とした場合、そのまま走行しても良く、ハイレンジに切換えても良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す全体構成図。

【図２】図１の制御ブロックダイアグラム図。

【図３】図１のアクセル開度と出力電圧との関係を示す
図。

【図４】図１の制御フローチャート図。

【図５】本考案の別の実施例を示す全体構成図。

【図６】図５の制御ブロックダイヤグラム図。

【図７】従来の技術の制御フローチャ−トの例を示す
図。

【図８】シフトパターンを例示する図。

【符号の説明】

１…エンジン ２…クラッチ ３…変速機 ３Ａ…サブ変速機 ５…燃料噴射ポンプ １０…ギヤシフトユニット １５…アクセルペダル １６…ポテンショメータ １９…シフトタワー ２０…制御装置 ２１…ファンクションスイッチ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 メイン変速機とハイロー２段切換のレン
   ジ式サブ変速機とを有し、ローレンジではメイン変速機
   の高速段のギヤを使用しない形式の電子制御機械式自動
   変速機の変速制御装置において、運転者が早い変速を要
   求するための急変速要求スイッチを設け、前記急変速要
   求スイッチからの信号によりサブ変速機をローからハイ
   に変速せずにメイン変速機の高速段のギヤを作動させる
   制御装置を設けたことを特徴とする変速機の変速制御装
   置。