JPH06226033A - 生物脱臭方法 - Google Patents

生物脱臭方法

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JPH06226033A
JPH06226033A JP5015476A JP1547693A JPH06226033A JP H06226033 A JPH06226033 A JP H06226033A JP 5015476 A JP5015476 A JP 5015476A JP 1547693 A JP1547693 A JP 1547693A JP H06226033 A JPH06226033 A JP H06226033A
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sprinkling
biological deodorizing
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biological deodorization
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一水 立川
Tomoaki Inagaki
智亮 稲垣
Atsushi Miyata
篤 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水や薬品の使用量を節減しつつ高い脱臭効果
を得ることができる生物脱臭方法を提供すること。 【構成】 微生物が固定化された担体を充填した生物脱
臭塔を複数段接続し、後段の生物脱臭塔の散水排水を前
段の生物脱臭塔の散水として使用する。第2の発明で
は、散水のpH域を後段ほど高くなるように設定してお
き、設定pH域内にあるときには散水を同一の生物脱臭塔
内で循環使用し、散水が設定pH域を下回るときに後段の
生物脱臭塔の散水排水を前段の生物脱臭塔の散水として
使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水処理場等から発生
する悪臭物質を微生物により脱臭する生物脱臭方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】生物脱臭装置は、悪臭物質を分解する微
生物が固定化された担体を生物脱臭塔内に充填してお
き、その内部に悪臭物質を含むガス(以下、臭気ガスと
いう)を通して脱臭を行わせるものである。そして1段
の生物脱臭塔では完全な脱臭ができない場合には、生物
脱臭塔を直列に接続して生物脱臭を行わせている。
【0003】このような生物脱臭塔内には散水を必要と
するが、従来は未だ生物脱臭塔に散水してしない水(以
下、新水という)を一過式に散水するか、同一の生物脱
臭塔内で水を循環使用する方法が取られていた。ところ
が一過式の散水を行う場合には水の使用量が多大とな
り、また同一の生物脱臭塔内で水を循環使用する場合に
は散水中の悪臭物質あるいはそれが酸化された形の成分
の濃度が高くなり、一定以上の濃度となると脱臭性能が
劣化するという問題があった。
【0004】また生物脱臭塔は悪臭を分解する微生物の
活性を維持するためにpH制御を行っているが、薬品によ
るpH制御を行っていたために薬品コストが高くなり、特
に前段の生物脱臭塔においてはpHを中性に保つために大
量の水を一過式に散水する必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、水や薬品の使用量を節減しつつ装置
全体としての脱臭性能を高めることができる生物脱臭方
法を提供するために完成されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた第1の発明は、悪臭物質を分解する微生物
が固定化された担体を充填した複数の生物脱臭塔を直列
に接続しておき、後段の生物脱臭塔の散水排水を前段の
生物脱臭塔の散水として使用することを特徴とするもの
である。また同一の課題を解決するためになされた第2
の発明は、直列に接続された複数の生物脱臭塔の散水の
pH域を後段ほど高くなるように設定しておき、散水がpH
域内にあるときには散水を同一の生物脱臭塔内で循環使
用し、散水がpH域を下回るときには後段の生物脱臭塔の
散水排水を前段の生物脱臭塔の散水として使用すること
を特徴とするものである。
【0007】以下に本発明を、図1のフローによって更
に詳細に説明する。図1では生物脱臭塔を2段とした
が、これに限定されるものではない。図1において、1
は水洗塔、2、3は直列に接続された生物脱臭塔であ
る。水洗塔1の内部には通気上の圧力損失が小さく、気
液が物理的に接触し易い構造の担体を粗に充填した充填
層4が設けられており、生物脱臭塔2、3の内部には通
気上の圧力損失が小さく、気液が物理的に接触し易い担
体に、悪臭物質を分解する微生物を高密度に固定化した
充填層5、6が設けられている。
【0008】7は水洗塔1に臭気ガスを送るブロアであ
る。8は水洗塔1の散水ポンプであり、水洗塔1の底部
の散水排水又は水洗塔1の底部に設けられた水槽9内の
散水排水を汲み上げてノズル10から散水する。同様に、
生物脱臭塔2、3の底部にも水槽11、12が設けられてお
り、散水ポンプ13、14がその底部から散水排水を汲み上
げて、又は水槽11、12から散水排水を汲み上げてノズル
15、16から散水するようになっている。この実施例で
は、水洗塔1の底部に設けられた水槽9には生物脱臭塔
2の散水排水が導入され、生物脱臭塔2の底部に設けら
れた水槽11にはその後段の生物脱臭塔3の散水排水が導
入され、生物脱臭塔3の底部に設けられた水槽12には新
水が導入されている。
【0009】なお、新水としては下水処理場の処理水を
利用することが好ましい。これは処理水にpH緩衝効果が
あること、上水よりも低コストであること、微生物の成
長に必要なミネラルを多く含むので生物脱臭効果が向上
すること等の理由による。
【0010】前段の生物脱臭塔2はpH域が2〜3に設定
されており、後段の生物脱臭塔3はpH域が6〜8に設定
されている。このように設定pH域を異ならせれば、充填
層5、6の悪臭物質を分解する微生物に住み分けを行わ
せることができるので、その臭気ガスに応じ悪臭物質を
分解する微生物を適当に繁殖させることにより、装置全
体の処理性能を向上させることができる。また一般に後
段ほど臭気ガス中の硫化水素等の硫黄系臭気成分が少な
くなり、散水排水中の硫酸イオンが減少するためにpHは
高い値となるが、本発明では後段側の生物脱臭塔3の散
水排水を前段の生物脱臭塔2に散水できるので、前段の
生物脱臭塔2のpHが2を下回りそうになったときに、そ
の生物脱臭塔3の散水排水を水槽11から生物脱臭塔2に
散水することによりpHを高めて、生物脱臭塔2のpHを設
定域に維持することができる。
【0011】第1の発明では、水洗塔1には生物脱臭塔
2の散水排水が散水され、生物脱臭塔2にはその後段の
生物脱臭塔3の散水排水が散水される。これにより、装
置全体で使用される水の量を大幅に減少させることがで
き、従って排水量も減少させることができる。また本発
明では、後段の生物脱臭塔3の充填層6から流出した微
生物を前段の生物脱臭塔2で回収することができるた
め、微生物の馴致も容易である。馴致とは担体に悪臭物
質を分解する微生物を種菌・付着させることであり、通
常は各生物脱臭塔毎に行う必要がある。しかし本発明で
は、後段の生物脱臭塔3の充填層6への馴致を行うこと
によりその前段の生物脱臭塔2の充填層5への馴致も行
われることとなる。
【0012】なお、第2の発明は散水が設定pH域内にあ
るときには散水を同一の生物脱臭塔2、3内で循環使用
し、散水が設定pH域を下回るときにはpHがより高い後段
の生物脱臭塔3の散水排水を前段の生物脱臭塔2の散水
として使用する。後段の生物脱臭塔3についてはそれよ
りも後段はないため、新水を導入する。このためにはバ
ルブ17、18、19をpH計の出力に応じて開閉させればよ
い。
【0013】第2の発明によれば上記した第1の発明の
効果の他に、pH制御用の薬品を一切使用せずに生物脱臭
塔2、3内のpH制御を行える効果がある。このように種
々のpHを設定することによりそのpHに応じた悪臭物質を
分解する微生物を生息させることができ、種々の悪臭物
質を効率的に脱臭処理することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。メチルメルカ
プタン0.2ppm、硫化水素8ppm 、アンモニア10ppm 、二
硫化メチル3ppm 、硫化メチル2ppm を含む同一の臭気
ガスを、従来の1塔式の生物脱臭装置と図1に示した本
発明の生物脱臭装置とによって処理した。その際のSV
(空塔速度)、風量、担体量は表1の通りであり、散水
量は表2の通りであった。その結果を表3に示す。表3
は各悪臭物質濃度をppm の単位で示し、括弧内は原臭に
対する除去率を%の単位で示したものである。表3に示
されるように、本発明によれば新水の使用量を削減しつ
つ高いSV条件下で高い臭気除去率を得ることができ、SV
が高いので装置の小型化と、充填する担体量の削減を図
ることができる。なお、本実施例では2段の生物脱臭塔
を設けたが、悪臭物質の種類や量及び目標値により、2
段以上の生物脱臭塔を使用してもよい。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】以上に説明したように、第1の発明の生
物脱臭方法によれば、水の使用量を節減しつつ装置全体
としての脱臭性能を高めることができ、また第2の発明
によれば第1の発明による効果に加えて、薬品を使用せ
ずに生物脱臭塔のpHを制御できる効果がある。よって本
発明は従来の問題点を解決した生物脱臭方法として、産
業の発展に寄与するところは極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すフローシートである。
【符号の説明】
2 前段の生物脱臭塔 3 後段の生物脱臭塔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 悪臭物質を分解する微生物が固定化され
    た担体を充填した複数の生物脱臭塔を直列に接続してお
    き、後段の生物脱臭塔の散水排水を前段の生物脱臭塔の
    散水として使用することを特徴とする生物脱臭方法。
  2. 【請求項2】 直列に接続された複数の生物脱臭塔の散
    水のpH域を後段ほど高くなるように設定しておき、散水
    がpH域内にあるときには散水を同一の生物脱臭塔内で循
    環使用し、散水がpH域を下回るときには後段の生物脱臭
    塔の散水排水を前段の生物脱臭塔の散水として使用する
    ことを特徴とする生物脱臭方法。
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