JPH0622563A - 静電アクチュエータ - Google Patents
静電アクチュエータInfo
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- JPH0622563A JPH0622563A JP19622892A JP19622892A JPH0622563A JP H0622563 A JPH0622563 A JP H0622563A JP 19622892 A JP19622892 A JP 19622892A JP 19622892 A JP19622892 A JP 19622892A JP H0622563 A JPH0622563 A JP H0622563A
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- insulating
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Abstract
(57)【要約】
【目的】固定子と移動子との接する面の耐摩耗性を改良
して優れた耐久性を有する静電アクチュエータにを提供
する。 【構成】絶縁性支持体(1)に電極(2)を所定間隔で
並べた固定子(3)と絶縁性薄葉体(4)に正負の電荷
を付与した移動子(6)とが接するように配置されて成
る静電アクチュエータにおいて、固定子の移動子と接す
る側の表面および/または移動子の固定子と接する側の
表面に表面硬度が2H以上の硬質層を設ける。
して優れた耐久性を有する静電アクチュエータにを提供
する。 【構成】絶縁性支持体(1)に電極(2)を所定間隔で
並べた固定子(3)と絶縁性薄葉体(4)に正負の電荷
を付与した移動子(6)とが接するように配置されて成
る静電アクチュエータにおいて、固定子の移動子と接す
る側の表面および/または移動子の固定子と接する側の
表面に表面硬度が2H以上の硬質層を設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電アクチュエータに
関するものであり、詳しくは、優れた耐久性を有する静
電アクチュエータに関するものである。
関するものであり、詳しくは、優れた耐久性を有する静
電アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電アクチュエータは、絶縁性支持体に
電極を所定間隔で並べた固定子と絶縁性フイルムのよう
な絶縁性薄葉体に抵抗体層を設けた移動子とから成り、
当該固定子と当該移動子とが接するように配置されて構
成される。そして、静電気の作用により、移動子を瞬間
的に浮上させて摩擦を防止しながら移動させるものであ
る(平成元年度電気学会全国大会講演予稿集6−19
1、特開平2−285978号公報)。
電極を所定間隔で並べた固定子と絶縁性フイルムのよう
な絶縁性薄葉体に抵抗体層を設けた移動子とから成り、
当該固定子と当該移動子とが接するように配置されて構
成される。そして、静電気の作用により、移動子を瞬間
的に浮上させて摩擦を防止しながら移動させるものであ
る(平成元年度電気学会全国大会講演予稿集6−19
1、特開平2−285978号公報)。
【0003】静電アクチュエータは、電極やギャップの
寸法を小さくすることにより、力密度を大きくでき、ま
た、小型化し易いという特徴を有する。そのため、静電
アクチュエータは、ワードプロセッサーやファクシミリ
等における用紙搬送機構のような小型駆動装置、その他
の微小な機械システムの駆動装置として応用されること
が期待されている。
寸法を小さくすることにより、力密度を大きくでき、ま
た、小型化し易いという特徴を有する。そのため、静電
アクチュエータは、ワードプロセッサーやファクシミリ
等における用紙搬送機構のような小型駆動装置、その他
の微小な機械システムの駆動装置として応用されること
が期待されている。
【0004】図1(a)〜(d)は、移動子を絶縁性フ
イルムにて構成した静電アクチュエータ(静電フイルム
アクチュエータ)の駆動原理の説明図であり、図中、
(1)は絶縁性支持体、(2)は帯状電極、(3)は固
定子、(4)は絶縁性フイルム、(5)は抵抗体層、
(6)は移動子、(7)〜(9)は電線を示す。
イルムにて構成した静電アクチュエータ(静電フイルム
アクチュエータ)の駆動原理の説明図であり、図中、
(1)は絶縁性支持体、(2)は帯状電極、(3)は固
定子、(4)は絶縁性フイルム、(5)は抵抗体層、
(6)は移動子、(7)〜(9)は電線を示す。
【0005】先ず、図1(a)に示すように、電線
(7)に正、電線(8)に負の電圧を印加する。これに
より、電線(7)に接続した電極に存する電荷と電線
(8)に接続した電極に存する電荷の電位差により、
抵抗体層(5)に電流が流れ、移動子(6)の絶縁性フ
イルム(4)と抵抗体層(5)の境界に電荷が誘導され
て平衡状態となる。この電荷は、説明の便宜上、図1
(b)の点線で示した鏡像電荷、で置き換えること
が出来る。そして、この電荷、の極性は、それぞれ
電荷、の極性と異なるため、図1(b)の状態では
移動子(6)は固定子(3)に吸引されている。
(7)に正、電線(8)に負の電圧を印加する。これに
より、電線(7)に接続した電極に存する電荷と電線
(8)に接続した電極に存する電荷の電位差により、
抵抗体層(5)に電流が流れ、移動子(6)の絶縁性フ
イルム(4)と抵抗体層(5)の境界に電荷が誘導され
て平衡状態となる。この電荷は、説明の便宜上、図1
(b)の点線で示した鏡像電荷、で置き換えること
が出来る。そして、この電荷、の極性は、それぞれ
電荷、の極性と異なるため、図1(b)の状態では
移動子(6)は固定子(3)に吸引されている。
【0006】次に、図1(c)に示すように、電線
(7)に負、電線(8)に正、電線(9)に負の電圧を
印加する。これにより、電極内の電荷は、瞬時に移動で
きるが、移動子(6)の誘導電荷は、抵抗体層(5)の
抵抗値が高いために直ぐには移動できない。その結果、
移動子(6)と固定子(3)の間には反発力が発生す
る。反発力により、固定子(3)と移動子(6)の間の
摩擦が減少し、そして、電線(9)に電圧を印加した結
果生じる負の電荷と正の誘導電荷(鏡像電荷で言えば
)の吸引力により、移動子(6)には右方向の駆動力
が発生する。
(7)に負、電線(8)に正、電線(9)に負の電圧を
印加する。これにより、電極内の電荷は、瞬時に移動で
きるが、移動子(6)の誘導電荷は、抵抗体層(5)の
抵抗値が高いために直ぐには移動できない。その結果、
移動子(6)と固定子(3)の間には反発力が発生す
る。反発力により、固定子(3)と移動子(6)の間の
摩擦が減少し、そして、電線(9)に電圧を印加した結
果生じる負の電荷と正の誘導電荷(鏡像電荷で言えば
)の吸引力により、移動子(6)には右方向の駆動力
が発生する。
【0007】図1(d)は、上記の駆動力により、移動
子(6)が電極1ピッチ分右方向に移動した結果を示し
ている。移動子(6)を左方向に移動させる場合には、
電線(9)に正の電圧を印加すればよい。そして、上記
の電極1ピッチ毎の移動操作における印加電圧パターン
(図1(c)に示すパターン)は、図1(a)に示す状
態とは逆符号の電圧を電線(7)、(8)に印加するパ
ターンであることから、図1(c)における誘導電荷
(鏡像電荷で言えば、及び)は減衰することにな
る。
子(6)が電極1ピッチ分右方向に移動した結果を示し
ている。移動子(6)を左方向に移動させる場合には、
電線(9)に正の電圧を印加すればよい。そして、上記
の電極1ピッチ毎の移動操作における印加電圧パターン
(図1(c)に示すパターン)は、図1(a)に示す状
態とは逆符号の電圧を電線(7)、(8)に印加するパ
ターンであることから、図1(c)における誘導電荷
(鏡像電荷で言えば、及び)は減衰することにな
る。
【0008】従って、移動子(6)を右方向に電極1ピ
ッチ毎に連続移動させるには、電荷充電操作と移動操作
とを繰り返す必要があり、例えば、以下の表1に例示す
るようなパターンの電圧を繰り返し印加することが必要
である。表1に例示した電圧パターンは、1サイクルの
電圧パターンであり、(G)は電圧を印加してない状態
(アース状態)を示し、(C1 )〜(C2 )及び
(A1)〜(A3 )は、それぞれ、電荷充電操作、移動
操作を示し、(C1 )は図1(a)に示す状態、
(A1 )は図1(c)に示す状態である。
ッチ毎に連続移動させるには、電荷充電操作と移動操作
とを繰り返す必要があり、例えば、以下の表1に例示す
るようなパターンの電圧を繰り返し印加することが必要
である。表1に例示した電圧パターンは、1サイクルの
電圧パターンであり、(G)は電圧を印加してない状態
(アース状態)を示し、(C1 )〜(C2 )及び
(A1)〜(A3 )は、それぞれ、電荷充電操作、移動
操作を示し、(C1 )は図1(a)に示す状態、
(A1 )は図1(c)に示す状態である。
【0009】
【表1】 C1 A1 C2 A2 C3 A3 (1サイクル) 電線(7) + − G − − + (8) − + + − G − (9) G − − + + −
【0010】そして、駆動電圧のパターンは、例えば、
3相構造の電極の場合は、表1に例示するように、アー
ス状態を適宜のタイミングで設けて電荷充電操作と移動
操作とを繰り返し得るパターンであれば、各種のパター
ンを採用することが出来、例えば、表1に例示するパタ
ーンにおいて、(C2 )と(C 3)とを省略したパター
ンを採用することも出来る。斯かる変形パターンは、例
えば、ステッピングモータの駆動用ICを利用して容易
に達成することが出来る。
3相構造の電極の場合は、表1に例示するように、アー
ス状態を適宜のタイミングで設けて電荷充電操作と移動
操作とを繰り返し得るパターンであれば、各種のパター
ンを採用することが出来、例えば、表1に例示するパタ
ーンにおいて、(C2 )と(C 3)とを省略したパター
ンを採用することも出来る。斯かる変形パターンは、例
えば、ステッピングモータの駆動用ICを利用して容易
に達成することが出来る。
【0011】静電アクチュエータを電極1ピッチ毎に安
定に連続移動させるには、移動子(6)(抵抗体層
(5))の表面固有抵抗率は、1012〜1015Ω/□の
範囲でなければならないとされている。その理由は次の
通りである。すなわち、移動子(6)の表面固有抵抗が
大きい場合には電荷充電に比較的長い時間を要し、小さ
い場合には誘導された電荷が瞬時に減衰する。ところ
が、図1に示した静電アクチュエータの場合には、移動
子を構成する絶縁性フイルムの抵抗値が大き過ぎるため
に、上記のような抵抗体層を当該絶縁性フイルムに設け
て僅かな導電性を付与する必要がある。なお、当然では
あるが、図1に示した公知の静電アクチュエータにおい
て、絶縁性フイルム(4)の代わりに、これと同程度の
抵抗値を有する他の絶縁性薄葉体を使用してもよい。
定に連続移動させるには、移動子(6)(抵抗体層
(5))の表面固有抵抗率は、1012〜1015Ω/□の
範囲でなければならないとされている。その理由は次の
通りである。すなわち、移動子(6)の表面固有抵抗が
大きい場合には電荷充電に比較的長い時間を要し、小さ
い場合には誘導された電荷が瞬時に減衰する。ところ
が、図1に示した静電アクチュエータの場合には、移動
子を構成する絶縁性フイルムの抵抗値が大き過ぎるため
に、上記のような抵抗体層を当該絶縁性フイルムに設け
て僅かな導電性を付与する必要がある。なお、当然では
あるが、図1に示した公知の静電アクチュエータにおい
て、絶縁性フイルム(4)の代わりに、これと同程度の
抵抗値を有する他の絶縁性薄葉体を使用してもよい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、静電ア
クチュエータは未だ研究段階にあり、実用化のためには
各要素の詳細を検討しなければならない状況にある。そ
して、本発明者等の知見によれば、移動子を長時間連続
駆動させた場合、固定子と移動子との接する面が摩耗し
て摩擦力が大きくなり、その結果、脱調現象などを惹起
して移動子が駆動しなくなると言う問題が見出された。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目
的は、固定子と移動子との接する面の耐摩耗性を改良し
て優れた耐久性を有する静電アクチュエータにを提供す
ることにある。
クチュエータは未だ研究段階にあり、実用化のためには
各要素の詳細を検討しなければならない状況にある。そ
して、本発明者等の知見によれば、移動子を長時間連続
駆動させた場合、固定子と移動子との接する面が摩耗し
て摩擦力が大きくなり、その結果、脱調現象などを惹起
して移動子が駆動しなくなると言う問題が見出された。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目
的は、固定子と移動子との接する面の耐摩耗性を改良し
て優れた耐久性を有する静電アクチュエータにを提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、絶縁性支持体に電極を所定間隔で並べた固定子と絶
縁性薄葉体に正負の電荷を付与した移動子とが接するよ
うに配置されて成る静電アクチュエータにおいて、固定
子の移動子と接する側の表面および/または移動子の固
定子と接する側の表面に表面硬度が2H以上の硬質層を
設けたことを特徴とする静電アクチュエータに存する。
は、絶縁性支持体に電極を所定間隔で並べた固定子と絶
縁性薄葉体に正負の電荷を付与した移動子とが接するよ
うに配置されて成る静電アクチュエータにおいて、固定
子の移動子と接する側の表面および/または移動子の固
定子と接する側の表面に表面硬度が2H以上の硬質層を
設けたことを特徴とする静電アクチュエータに存する。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
静電アクチュエータの基本的構成は、図1において、移
動子(6)の構成材料が絶縁性フイルムに限定されず、
また、移動子の構成がこれに抵抗体層を設けたものに限
定されない点を除き、同図に示した公知の静電アクチュ
エータと同じである。従って、以下の説明においては、
便宜上、図1中の(4)を絶縁性薄葉体として図1を参
照する。本発明静電アクチュエータは、絶縁性支持体
(1)に電極(2)を所定間隔で並べた固定子(3)と
絶縁性薄葉体(4)に正負の電荷を付与した移動子
(6)から成る。
静電アクチュエータの基本的構成は、図1において、移
動子(6)の構成材料が絶縁性フイルムに限定されず、
また、移動子の構成がこれに抵抗体層を設けたものに限
定されない点を除き、同図に示した公知の静電アクチュ
エータと同じである。従って、以下の説明においては、
便宜上、図1中の(4)を絶縁性薄葉体として図1を参
照する。本発明静電アクチュエータは、絶縁性支持体
(1)に電極(2)を所定間隔で並べた固定子(3)と
絶縁性薄葉体(4)に正負の電荷を付与した移動子
(6)から成る。
【0015】先ず、固定子(3)について説明する。固
定子(3)を構成する絶縁性支持体(1)は、絶縁性材
料より成るフイルムやシート等より構成される。絶縁性
材料としては、特に制限はなく、絶縁性の良好な各種の
合成樹脂、セラミックス、ガラス等を使用することが出
来る。そして、合成樹脂の具体例としては、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。好ま
しい合成樹脂は、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂で
ある。
定子(3)を構成する絶縁性支持体(1)は、絶縁性材
料より成るフイルムやシート等より構成される。絶縁性
材料としては、特に制限はなく、絶縁性の良好な各種の
合成樹脂、セラミックス、ガラス等を使用することが出
来る。そして、合成樹脂の具体例としては、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。好ま
しい合成樹脂は、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂で
ある。
【0016】絶縁性支持体(1)に設けられる電極
(2)は、絶縁性支持体(1)の表面に並べて設けて
も、または、絶縁性支持体(1)の中に埋設して設けて
もよい。そして、電極の絶縁性を向上させるためには、
帯状電極(2)の表面に絶縁層を形成し、絶縁性支持体
(1)と絶縁層との間に電極(2)を埋設するのがよ
い。電極(2)の埋設は、絶縁性の合成樹脂を塗布する
方法、絶縁性合成樹脂フィルム(カバーフィルム)を積
層する方法が挙げられる。また、後述の架橋性樹脂より
成る硬質層をそのまま利用する方法も採用することが出
来る。更には、これらの各方法を適宜組み合わせて使用
することも出来る。しかしながら、高度な絶縁性を達成
するためには、少なくとも、二軸延伸された絶縁性合成
樹脂フィルム、例えば、ポリエステルフィルムをカバー
フィルムとして積層するのが好ましい。
(2)は、絶縁性支持体(1)の表面に並べて設けて
も、または、絶縁性支持体(1)の中に埋設して設けて
もよい。そして、電極の絶縁性を向上させるためには、
帯状電極(2)の表面に絶縁層を形成し、絶縁性支持体
(1)と絶縁層との間に電極(2)を埋設するのがよ
い。電極(2)の埋設は、絶縁性の合成樹脂を塗布する
方法、絶縁性合成樹脂フィルム(カバーフィルム)を積
層する方法が挙げられる。また、後述の架橋性樹脂より
成る硬質層をそのまま利用する方法も採用することが出
来る。更には、これらの各方法を適宜組み合わせて使用
することも出来る。しかしながら、高度な絶縁性を達成
するためには、少なくとも、二軸延伸された絶縁性合成
樹脂フィルム、例えば、ポリエステルフィルムをカバー
フィルムとして積層するのが好ましい。
【0017】帯状電極(2)の間隔は、特に限定される
ものではないが、通常0.1〜2mmであり、静電アク
チュエータの発生力、駆動電圧等の駆動性能を向上させ
るためには帯状電極間隔の微細化が望ましい。そして、
電極(2)としては、通常、帯状電極が採用されるが、
ドット型電極であってもよい。また、電極(2)の構造
は、通常、3相構造が基本的であるが、これに限られ
ず、3n(nは整数)構造であってもよい。また、電極
(2)の形成方法は、特に制限されないが、スクリーン
印刷方法が安価で好ましい。この場合、電極材料として
の導電性インクは、スクリーンメッシュに合うように適
宜の粘度に調整されて使用される。
ものではないが、通常0.1〜2mmであり、静電アク
チュエータの発生力、駆動電圧等の駆動性能を向上させ
るためには帯状電極間隔の微細化が望ましい。そして、
電極(2)としては、通常、帯状電極が採用されるが、
ドット型電極であってもよい。また、電極(2)の構造
は、通常、3相構造が基本的であるが、これに限られ
ず、3n(nは整数)構造であってもよい。また、電極
(2)の形成方法は、特に制限されないが、スクリーン
印刷方法が安価で好ましい。この場合、電極材料として
の導電性インクは、スクリーンメッシュに合うように適
宜の粘度に調整されて使用される。
【0018】次に、移動子(6)について説明する。移
動子(6)を構成する絶縁性薄葉体(4)は、好適に
は、固定子(3)を構成する前記の絶縁性樹脂と同様の
合成樹脂より構成されるが、斯かる合成樹脂と同程度の
抵抗値を有するガラス又はセラミックスにて構成するこ
とも出来る。そして、絶縁性薄葉体(4)を合成樹脂フ
イルムで構成する場合、特に好ましいフイルムは、密
度、曲げ弾性率、耐皺性等の点から、ポリエステルフィ
ルム、例えば、ポリエチレンテレフタレートフイルム、
ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムである。
動子(6)を構成する絶縁性薄葉体(4)は、好適に
は、固定子(3)を構成する前記の絶縁性樹脂と同様の
合成樹脂より構成されるが、斯かる合成樹脂と同程度の
抵抗値を有するガラス又はセラミックスにて構成するこ
とも出来る。そして、絶縁性薄葉体(4)を合成樹脂フ
イルムで構成する場合、特に好ましいフイルムは、密
度、曲げ弾性率、耐皺性等の点から、ポリエステルフィ
ルム、例えば、ポリエチレンテレフタレートフイルム、
ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムである。
【0019】絶縁性薄葉体(4)に正負の電荷を付与す
る方法は、図1に示した公知の静電フイルムアクチュエ
ータと同様に、絶縁性薄葉体(4)に抵抗体層(5)を
設ける方法が挙げられる。具体的には、例えば、絶縁性
薄葉体(4)の表面に帯電防止効果の弱い帯電防止剤を
塗布する方法等を使用し得る。この場合、抵抗体層
(5)の表面固有抵抗率は1012〜1015Ω/□の範
囲、好ましくは1014Ω/□前後にすることが必要であ
る。そして、抵抗体層(5)設ける方向は、移動子
(6)の固定子(3)と接する面または他方の面の何れ
であってもよいが、後者の面上が好ましい。
る方法は、図1に示した公知の静電フイルムアクチュエ
ータと同様に、絶縁性薄葉体(4)に抵抗体層(5)を
設ける方法が挙げられる。具体的には、例えば、絶縁性
薄葉体(4)の表面に帯電防止効果の弱い帯電防止剤を
塗布する方法等を使用し得る。この場合、抵抗体層
(5)の表面固有抵抗率は1012〜1015Ω/□の範
囲、好ましくは1014Ω/□前後にすることが必要であ
る。そして、抵抗体層(5)設ける方向は、移動子
(6)の固定子(3)と接する面または他方の面の何れ
であってもよいが、後者の面上が好ましい。
【0020】また、絶縁性薄葉体(4)に正負の電荷を
付与する方法は、上記の方法に限られず、当業者にとっ
て自明の各種の他の方法を採用し得る。例えば、絶縁性
薄葉体(4)を合成樹脂フイルムで構成する場合には、
カーボンブラック等の導電性物質を練り込んで絶縁性薄
葉体(4)自体を上記と同様の抵抗率を有する抵抗体と
する方法が挙げられる。更には、絶縁性薄葉体(4)に
帯状電極を設ける方法、イオン発生装置を利用する方
法、絶縁性薄葉体(4)にエレクトレット材料を利用す
る方法等が挙げられる。
付与する方法は、上記の方法に限られず、当業者にとっ
て自明の各種の他の方法を採用し得る。例えば、絶縁性
薄葉体(4)を合成樹脂フイルムで構成する場合には、
カーボンブラック等の導電性物質を練り込んで絶縁性薄
葉体(4)自体を上記と同様の抵抗率を有する抵抗体と
する方法が挙げられる。更には、絶縁性薄葉体(4)に
帯状電極を設ける方法、イオン発生装置を利用する方
法、絶縁性薄葉体(4)にエレクトレット材料を利用す
る方法等が挙げられる。
【0021】絶縁性薄葉体(4)に帯状電極を設ける方
法は、特に図示しないが、図1において、電線(7)及
び(8)に対応する2相構造の帯状電極を固定子の帯状
電極(2)と対応させて設け、これらの電線に常時正負
の電圧を印加する方法であって、各帯状電極に存する正
負の電荷を鏡像電荷及びの代わりに利用する方法で
ある。また、イオン発生装置を利用する方法は、固定子
(3)に接して絶縁性薄葉体(4)を配置し、電線
(7)、電線(8)に正負の電圧を印加して電荷を誘導
した後、除電器として知られているイオン発生装置(針
電極に交流電圧を印加してコロナ放電を起こさせ、生じ
た正負のイオン風を送風機にて帯電物体に当てるように
なされた装置)からのイオン風を絶縁性薄葉体(4)の
表面に当てる方法であって、絶縁性薄葉体(4)の表面
に形成されたイオン化空気層を鏡像電荷及びの代わ
りに利用する方法である。そして、イオン発生装置とし
ては、「静電気ハンドブック」(静電気学会偏、オーム
社出版、第1版819頁以降)に記載の各種の除電器を
使用することが出来る。
法は、特に図示しないが、図1において、電線(7)及
び(8)に対応する2相構造の帯状電極を固定子の帯状
電極(2)と対応させて設け、これらの電線に常時正負
の電圧を印加する方法であって、各帯状電極に存する正
負の電荷を鏡像電荷及びの代わりに利用する方法で
ある。また、イオン発生装置を利用する方法は、固定子
(3)に接して絶縁性薄葉体(4)を配置し、電線
(7)、電線(8)に正負の電圧を印加して電荷を誘導
した後、除電器として知られているイオン発生装置(針
電極に交流電圧を印加してコロナ放電を起こさせ、生じ
た正負のイオン風を送風機にて帯電物体に当てるように
なされた装置)からのイオン風を絶縁性薄葉体(4)の
表面に当てる方法であって、絶縁性薄葉体(4)の表面
に形成されたイオン化空気層を鏡像電荷及びの代わ
りに利用する方法である。そして、イオン発生装置とし
ては、「静電気ハンドブック」(静電気学会偏、オーム
社出版、第1版819頁以降)に記載の各種の除電器を
使用することが出来る。
【0022】絶縁性薄葉体(4)の厚さは、当該絶縁性
薄葉体に電荷を付与する方法によって静電アクチュエー
タの発生力が異なるために一概には決定できないが、通
常は10μm以上とされる。そして、電荷を付与する方
法として絶縁性薄葉体(4)に抵抗体層(5)を設ける
方法を採用した場合には、10〜200μmの範囲とす
るのが好ましい。また、電荷の付与が何れの方法で行わ
れる場合においても、絶縁性薄葉体(4)の厚さは、絶
縁性支持体(1)に並べた帯状電極(2)の間隔をPと
し、帯状電極(2)の表面と絶縁性薄葉体(4)と抵抗
体層(5)(絶縁性薄葉体(4)に帯状電極を設けた場
合は当該帯状電極、イオン化空気層を形成した場合はそ
れ自体)との境界面との距離をGとした場合、0.1<
G/P<0.4の関係を満足する範囲とするのが好まし
い。
薄葉体に電荷を付与する方法によって静電アクチュエー
タの発生力が異なるために一概には決定できないが、通
常は10μm以上とされる。そして、電荷を付与する方
法として絶縁性薄葉体(4)に抵抗体層(5)を設ける
方法を採用した場合には、10〜200μmの範囲とす
るのが好ましい。また、電荷の付与が何れの方法で行わ
れる場合においても、絶縁性薄葉体(4)の厚さは、絶
縁性支持体(1)に並べた帯状電極(2)の間隔をPと
し、帯状電極(2)の表面と絶縁性薄葉体(4)と抵抗
体層(5)(絶縁性薄葉体(4)に帯状電極を設けた場
合は当該帯状電極、イオン化空気層を形成した場合はそ
れ自体)との境界面との距離をGとした場合、0.1<
G/P<0.4の関係を満足する範囲とするのが好まし
い。
【0023】本発明の最大の特徴は、固定子(3)の移
動子(6)と接する側の表面および/または移動子
(6)の固定子(3)と接する側の表面に表面硬度が2
H以上の硬質層を設けた点にある。
動子(6)と接する側の表面および/または移動子
(6)の固定子(3)と接する側の表面に表面硬度が2
H以上の硬質層を設けた点にある。
【0024】上記の硬質層を構成する材料としては、特
に限定されず、例えば、各種の架橋性樹脂、金属酸化
物、硬質炭素材料などが挙げられるが、通常は、架橋性
樹脂が好適に使用される。架橋性樹脂の具体例として
は、アクリル系、ウレタン系、メラミン系、エポキシ
系、有機シリケート系の樹脂や含ケイ素化合物と含フッ
ソ系化合物との共重合体樹脂が挙げられる。これらの中
では、硬度、可撓性および生産性の点で活性エネルギー
線硬化型アクリル系樹脂が好ましい。
に限定されず、例えば、各種の架橋性樹脂、金属酸化
物、硬質炭素材料などが挙げられるが、通常は、架橋性
樹脂が好適に使用される。架橋性樹脂の具体例として
は、アクリル系、ウレタン系、メラミン系、エポキシ
系、有機シリケート系の樹脂や含ケイ素化合物と含フッ
ソ系化合物との共重合体樹脂が挙げられる。これらの中
では、硬度、可撓性および生産性の点で活性エネルギー
線硬化型アクリル系樹脂が好ましい。
【0025】活性エネルギー線硬化型アクリル系樹脂
は、通常、他の成分との組成物として使用され、当該組
成物は、活性エネルギー線重合成分としてアクリルオリ
ゴマーと反応性希釈剤とを含み、必要に応じて、光重合
開始剤、光増感剤、改質剤などを含有する。
は、通常、他の成分との組成物として使用され、当該組
成物は、活性エネルギー線重合成分としてアクリルオリ
ゴマーと反応性希釈剤とを含み、必要に応じて、光重合
開始剤、光増感剤、改質剤などを含有する。
【0026】アクリルオリゴマーとしては、アクリル系
樹脂骨格に反応性のアクリロイル基またはメタアクリロ
イル基が結合したオリゴマーを始めとし、ポリエステル
(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メ
タ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、
ポリブタジエン(メタ)アクリレート等のオリゴマーが
挙げられる。更にまた、イソシアヌール酸、環状ホスフ
ァゼン等の剛直な骨格に反応性のアクリロイル基または
メタアクリロイル基が結合したオリゴマーが挙げられ
る。
樹脂骨格に反応性のアクリロイル基またはメタアクリロ
イル基が結合したオリゴマーを始めとし、ポリエステル
(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メ
タ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、
ポリブタジエン(メタ)アクリレート等のオリゴマーが
挙げられる。更にまた、イソシアヌール酸、環状ホスフ
ァゼン等の剛直な骨格に反応性のアクリロイル基または
メタアクリロイル基が結合したオリゴマーが挙げられ
る。
【0027】反応性希釈剤とは、アクリルオリゴマーと
反応する基を有し、塗布工程において溶剤の機能を担う
と共に塗膜成分となるものである。反応性希釈剤の具体
例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシシラン、(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等
が挙げられる。
反応する基を有し、塗布工程において溶剤の機能を担う
と共に塗膜成分となるものである。反応性希釈剤の具体
例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシシラン、(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等
が挙げられる。
【0028】光重合開始剤としては、例えば、2,2−
エトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、p−クロロベンゾフェノ
ン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ア
セトフェノン、2−クロロチオキサントン、アントラキ
ノン、フェニルジスルフィド、2−メチル−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパ
ノン等が挙げられる。これらは、単独で使用する他、組
み合わせて使用してもよい。
エトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、p−クロロベンゾフェノ
ン、p−メトキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ア
セトフェノン、2−クロロチオキサントン、アントラキ
ノン、フェニルジスルフィド、2−メチル−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパ
ノン等が挙げられる。これらは、単独で使用する他、組
み合わせて使用してもよい。
【0029】光増感剤としては、例えば、トリエチルア
ミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタ
ノール等の3級アミン類、トリフェニルホスフィン等の
アルキルホスフィン類、β−チオジグリコール等のチオ
エーテル類が挙げられる。これらは、単独で使用する
他、組み合わせて使用してもよい。改質剤としては、例
えば、塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、無機粒子、有機
粒子、潤滑剤、界面活性剤、染料、顔料などが挙げられ
る。
ミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタ
ノール等の3級アミン類、トリフェニルホスフィン等の
アルキルホスフィン類、β−チオジグリコール等のチオ
エーテル類が挙げられる。これらは、単独で使用する
他、組み合わせて使用してもよい。改質剤としては、例
えば、塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、無機粒子、有機
粒子、潤滑剤、界面活性剤、染料、顔料などが挙げられ
る。
【0030】硬質層の形成方法には、硬質層を構成する
材料の種類に従って、塗布、ラミネーション、湿式メッ
キ、イオンプレーティング等の方法が適宜選択される。
例えば、アクリル系樹脂組成物を使用する場合は、当該
組成物を適当な手段によって塗布し、活性エネルギー線
を照射して架橋硬化させればよい。活性エネルギー線と
しては、アクリル系樹脂組成物の種類に応じ、紫外線、
可視光線、電子線、Χ線、α線、β線、γ線などが使用
される。活性エネルギー線の照射は、通常、塗布層側か
ら行われるが、密着性を高めるために、塗布層を設けた
固定子または移動子の両面から照射してもよい。
材料の種類に従って、塗布、ラミネーション、湿式メッ
キ、イオンプレーティング等の方法が適宜選択される。
例えば、アクリル系樹脂組成物を使用する場合は、当該
組成物を適当な手段によって塗布し、活性エネルギー線
を照射して架橋硬化させればよい。活性エネルギー線と
しては、アクリル系樹脂組成物の種類に応じ、紫外線、
可視光線、電子線、Χ線、α線、β線、γ線などが使用
される。活性エネルギー線の照射は、通常、塗布層側か
ら行われるが、密着性を高めるために、塗布層を設けた
固定子または移動子の両面から照射してもよい。
【0031】硬質層の厚さは、通常は0.01〜20μ
m、好ましくは0.1〜15μm、更に好ましくは0.
5〜10μmの範囲とされる。硬質層の厚さが0.01
μm未満の場合は、固定子と移動子との接する面の耐摩
耗性は十分に改良されず、20μmを超える場合は、硬
質層が脆くなりクラックが発生し易い。なお、固定子ま
たは移動子と硬質層との間には、易接着層、印刷層など
の中間層を設けることが出来る。
m、好ましくは0.1〜15μm、更に好ましくは0.
5〜10μmの範囲とされる。硬質層の厚さが0.01
μm未満の場合は、固定子と移動子との接する面の耐摩
耗性は十分に改良されず、20μmを超える場合は、硬
質層が脆くなりクラックが発生し易い。なお、固定子ま
たは移動子と硬質層との間には、易接着層、印刷層など
の中間層を設けることが出来る。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。なお、以下の諸例におい
て、硬質層の硬度測定、静電アクチュエータの作成およ
び駆動は、以下のようにして行った。 (1)硬度測定 JIS K5400(1990)に従い、各種硬度の鉛
筆を45°の角度で硬質層に当て、荷重1Kgの下で引
掻きを与え、傷が発生した際の鉛筆の硬度を硬質層の硬
度した。
するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。なお、以下の諸例におい
て、硬質層の硬度測定、静電アクチュエータの作成およ
び駆動は、以下のようにして行った。 (1)硬度測定 JIS K5400(1990)に従い、各種硬度の鉛
筆を45°の角度で硬質層に当て、荷重1Kgの下で引
掻きを与え、傷が発生した際の鉛筆の硬度を硬質層の硬
度した。
【0033】(2)静電アクチュエータの作成 厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(PETフィルム)の片面に帯電防止効果の弱い
帯電防止剤をスプレー塗布することにより抵抗体層を形
成して移動子とした。厚さ125μmのPETフィルム
の表面に、幅0.2mm、ピッチ0.4mmの帯状電極
を形成し、当該帯状電極の表面にポリエステル樹脂を乾
燥後の厚さが10μmとなるように塗布しての絶縁層を
設け、更に、その表面にカバーフィルム(厚さ25μm
の二軸延伸ポリエステルフィルム)を載置して固定とし
た。移動子および固定子を接するように配置して静電ア
クチュエータを構成した。配置は移動子の抵抗体層を形
成していない側と固定子のカバーフィルム側とが接する
ように行い、移動子と固定子の間に粒径約10μmの球
状ガラスビーズを散在させた。
ィルム(PETフィルム)の片面に帯電防止効果の弱い
帯電防止剤をスプレー塗布することにより抵抗体層を形
成して移動子とした。厚さ125μmのPETフィルム
の表面に、幅0.2mm、ピッチ0.4mmの帯状電極
を形成し、当該帯状電極の表面にポリエステル樹脂を乾
燥後の厚さが10μmとなるように塗布しての絶縁層を
設け、更に、その表面にカバーフィルム(厚さ25μm
の二軸延伸ポリエステルフィルム)を載置して固定とし
た。移動子および固定子を接するように配置して静電ア
クチュエータを構成した。配置は移動子の抵抗体層を形
成していない側と固定子のカバーフィルム側とが接する
ように行い、移動子と固定子の間に粒径約10μmの球
状ガラスビーズを散在させた。
【0034】(3)静電アクチュエータの駆動 以下の表2に示す駆動条件を採用し、図1(a)〜図1
(d)に示す要領に従って実施した。
(d)に示す要領に従って実施した。
【0035】
【表2】 <駆動条件> 初期充電時間:1s 充電時間 :9ms 移動時間 :1ms 駆動周波数 :100Hz 駆動電圧 :±500v 駆動時間 :3時間(連続)
【0036】実施例1 片面に硬質層を形成したカバーフィルムを使用した。硬
質層は、以下に示す組成物を硬化後の厚さが3μmとな
るように塗布し、照射距離150mmにて約15秒間、
120w/cmのエネルギーの高圧水銀灯を照射して硬
化することにより形成した。硬質層の硬度は3Hであっ
た。 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート :30重量部 4官能ウレタンアクリレート :40重量部 ビスフェノールA型エポキシアクリレート :27重量部 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン:3重量部 静電アクチュエータの駆動試験の結果、何ら問題なく3
時間連続駆動することが確認された。また、硬質層の摩
耗は全く観察されなかったが、移動子の表面が若干摩耗
した。
質層は、以下に示す組成物を硬化後の厚さが3μmとな
るように塗布し、照射距離150mmにて約15秒間、
120w/cmのエネルギーの高圧水銀灯を照射して硬
化することにより形成した。硬質層の硬度は3Hであっ
た。 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート :30重量部 4官能ウレタンアクリレート :40重量部 ビスフェノールA型エポキシアクリレート :27重量部 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン:3重量部 静電アクチュエータの駆動試験の結果、何ら問題なく3
時間連続駆動することが確認された。また、硬質層の摩
耗は全く観察されなかったが、移動子の表面が若干摩耗
した。
【0037】実施例2 片面に硬質層を形成したカバーフィルムを使用した。硬
質層は、以下に示す組成物を使用し、硬化後の厚さを2
μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法により形
成した。硬質層の硬度は2Hであった。 ペンタエリスリトールトリアクリレート :50重量部 6官能ウレタンアクリレート :20重量部 ビスフェノールA型エポキシアクリレート :27重量部 2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プ ロパノン : 3重量部 静電アクチュエータの駆動試験の結果、何ら問題なく3
時間連続駆動することが確認された。また、硬質層の摩
耗は全く観察されなかったが、移動子の表面が若干摩耗
した。
質層は、以下に示す組成物を使用し、硬化後の厚さを2
μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法により形
成した。硬質層の硬度は2Hであった。 ペンタエリスリトールトリアクリレート :50重量部 6官能ウレタンアクリレート :20重量部 ビスフェノールA型エポキシアクリレート :27重量部 2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プ ロパノン : 3重量部 静電アクチュエータの駆動試験の結果、何ら問題なく3
時間連続駆動することが確認された。また、硬質層の摩
耗は全く観察されなかったが、移動子の表面が若干摩耗
した。
【0038】実施例3 移動子の抵抗体層を設けていない側の面に、実施例1と
同様の組成物を硬化後の厚さが3μmとなるように塗布
し、実施例1と同一条件下で硬化することにより、硬質
層を形成した。得られた硬質層の硬度は3Hであった。
静電アクチュエータの駆動試験の結果、何ら問題なく3
時間連続駆動することが確認された。また、硬質層の摩
耗は全く観察されなかった。
同様の組成物を硬化後の厚さが3μmとなるように塗布
し、実施例1と同一条件下で硬化することにより、硬質
層を形成した。得られた硬質層の硬度は3Hであった。
静電アクチュエータの駆動試験の結果、何ら問題なく3
時間連続駆動することが確認された。また、硬質層の摩
耗は全く観察されなかった。
【0039】比較例1 硬質層の形成を省略したカバーフィルムを使用した。カ
バーフィルムの硬度はHであった。静電アクチュエータ
の駆動試験の結果、約30分程度経過した時点で移動子
は移動しなくなった。固定子および移動子の表面が著し
く摩耗しているのが観察された。摩耗の程度は固定子の
方が大きかった。
バーフィルムの硬度はHであった。静電アクチュエータ
の駆動試験の結果、約30分程度経過した時点で移動子
は移動しなくなった。固定子および移動子の表面が著し
く摩耗しているのが観察された。摩耗の程度は固定子の
方が大きかった。
【0040】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、固定子と
移動子との接する面の耐摩耗性を改良して優れた耐久性
を有する静電アクチュエータが提供される。よって、本
発明は、静電アクチュエータの実用化に寄与するところ
が大きい。
移動子との接する面の耐摩耗性を改良して優れた耐久性
を有する静電アクチュエータが提供される。よって、本
発明は、静電アクチュエータの実用化に寄与するところ
が大きい。
【図1】図1(a)〜(d)は、静電アクチュエータの
駆動原理の説明図である。
駆動原理の説明図である。
(1):絶縁性支持体 (2):帯状電極 (3):固定子 (4):絶縁性フイルム又は絶縁性薄葉体 (5):抵抗体層 (6):移動子 (7)〜(9):電線
Claims (1)
- 【請求項1】 絶縁性支持体に電極を所定間隔で並べた
固定子と絶縁性薄葉体に正負の電荷を付与した移動子と
が接するように配置されて成る静電アクチュエータにお
いて、固定子の移動子と接する側の表面および/または
移動子の固定子と接する側の表面に表面硬度が2H以上
の硬質層を設けたことを特徴とする静電アクチュエー
タ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19622892A JPH0622563A (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | 静電アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19622892A JPH0622563A (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | 静電アクチュエータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0622563A true JPH0622563A (ja) | 1994-01-28 |
Family
ID=16354335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19622892A Withdrawn JPH0622563A (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | 静電アクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0622563A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8384267B2 (en) * | 2007-09-26 | 2013-02-26 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Electrostatic generator comprising an electret film |
-
1992
- 1992-06-30 JP JP19622892A patent/JPH0622563A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8384267B2 (en) * | 2007-09-26 | 2013-02-26 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Electrostatic generator comprising an electret film |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990831 |