JPH06225441A - 事故回線判定方法 - Google Patents

事故回線判定方法

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JPH06225441A
JPH06225441A JP2608493A JP2608493A JPH06225441A JP H06225441 A JPH06225441 A JP H06225441A JP 2608493 A JP2608493 A JP 2608493A JP 2608493 A JP2608493 A JP 2608493A JP H06225441 A JPH06225441 A JP H06225441A
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JP
Japan
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zero
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phase
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Application number
JP2608493A
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English (en)
Inventor
Toshinobu Ebizaka
敏信 海老坂
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 共架上位系統が存在する電力系統での事故発
生に際し、事故発生後に事故形態が変化した場合、もし
くは事故発生中に共架上位系統の状態が変化した場合で
も正確に事故回線を判定できるようにする。 【構成】 平行2回線で、自回線の逆相電流変化分を他
回線の逆相電流変化分で除算する機能(ステップ61)
と、この除算結果を事故発生後に比較判定する機能(ス
テップ71,81)を合わせて利用する事で、事故形態
の変化を把握し、これに応じて、事故電流分のみを抽出
して事故該当の回線を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は零相循環電流が存在す
る送電線に関し、零相循環電流の影響を受けずに事故発
生該当回線を検出する事故回線判定方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】同一鉄塔に上位系統が共架される送電線
では、上位系統からの電磁誘導のアンバランスの影響を
受けて、下位系統の送電線に、常時、零相循環電流が存
在している。この様子を図7に示す。図7において、7
aは共架される上位系統、7bは零相循環電流ICが流
れる保護対象送電線である。この零相循環電流は送電線
で事故が発生した場合、事故該当回線を判定する保護継
電方式にとっては誤判定の原因となる。とりわけ、回線
選択保護継電方式においては影響が大きく、従来は、三
菱電機技報Vol.46.No.6.1972に記載さ
れている様に、事故発生時、事故発生前に存在していた
零相循環電流を無視して判定し変化分を導出して判定す
る方式が採用されていた。従来の変化分導出装置の一例
を図8に示す。図8において、8a,8b,8cはそれ
ぞれa,b,c相の判定ブロック回路、81aはチョッ
パパルス発生回路、82はサンプリングパルス発生回路
で零相電流Ioを基準電圧Vbcに基づいて発生するサ
ンプリングパルス発生回路、83はサンプリングパルス
発生回路、82aからのパルスでサンプリングするサン
プリング回路、84aはこのサンプリング回路84aか
らの出力を記憶するメモリ回路、85a,86aはチョ
ッパ回路、87aはチョッパパルス発生回路81aとチ
ョッパ回路85a,86aからの制御で零相電流の変化
分を導出する変化分導出回路、9aは各相出力の合成値
を得る合成回路、10はフィルタリングを行うフィルタ
である。
【0003】次に、この従来の変化分導出回路における
動作について説明する。今、a相に着目すると、メモリ
回路84aには事故発生前のa相入力が一定時間記憶さ
れている。チョッパ回路85aから出力される現時点で
のa相入力とチョッパ回路86aから出力される事故発
生前のa相入力とが変化分導出回路87aで導出され、
各相合成回路9aに出力される。各相合成回路9aでは
各相成分を合成の上、フィルタ回路10aを介して出力
する。このフィルタ回路10aからは事故発生により変
化した電流値Ifの1.5倍の出力を理論的に出力する。
従って、事故発生した場合、純粋に事故電流分のみを抽
出できるので、零相循環電流の影響を受けることなく、
正確に事故該当回線を判定し得ることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の事故回線判定方
法は、以上のような原理で構成されているため、例えば
図6に示す様に事故がF1点で発生後、F1点事故が消
滅してF2点事故に移行する進展事故が発生すると、F
1点事故発生による事故電流と事故発生前の零相循環電
流の合成値からの変化となり、純粋にF2点事故電流を
抽出できず、事故該当回線の判定を誤る問題があった。
一方、事故発生中に、上位系統の状態が変化し、零相循
環電流が変化した場合にも影響を受けて同様に事故該当
回線の判定を誤る問題も有った。
【0005】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、第1回目の事故の直後に別の
事故が発生する進展事故、もしくは第1回目の事故中に
上位系統の状態が変化し、零相循環電流が急変した場合
でも、事故該当回線を正確に判定する事故回線判定方法
を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この第1の発明に係る事
故回線判定方法は、図1で示すように、零相循環電流が
存在する電力系統で、自回線の逆相電流及び零相電流に
おける現時点の大きさとこの現時点よりも前の時点の大
きさを比較して零相電流の第1の変化分(ステップ32
の変化分“A”)を演算し、系統事故が発生した時に、
自回線の逆相電流に変化分が発生すれば、自回線逆相電
流の変化分と隣回線逆相電流変化分との除算を実行して
現除算値を求め、この現除算値と前回に求めた除算値と
を比較し、両者が等しいときは、上記零相電流の第1の
変化分を用いて事故該当回線を判定し、両者が等しくな
ければ、系統事故前の零相電流と現時点の零相電流との
大きさの比較から零相電流の第2の変化分(ステップ9
1の変化分“B”)を演算し、この零相電流の第2の変
化分を用いて事故該当回線を判定するようにした。この
第2の発明に係る事故回線判定方法は、図2で示すよう
に、零相循環電流が存在する電力系統で、自回線の零相
電流における現時点の大きさとこの現時点よりも前の時
点の大きさを比較して零相電流の第1の変化分(ステッ
プ32の変化分“A”)を演算し、系統事故が発生した
時に、自回線の零相電流に変化分が発生すれば、自回線
零相電流の変化分と隣回線零相電流変化分との除算を実
行して現除算値を求め、この現除算値と前回に求めた除
算値とを比較し、両者が等しいときは、上記零相電流の
第1の変化分を用いて事故該当回線を判定し、両者が等
しくなければ、自回線の零相電圧における現時点の大き
さとこの現時点よりも前の時点の大きさとを比較して変
化分を演算し、この零相電圧の変化分がなければ上記零
相電流の第1の変化分で事故該当回線を判定し、上記零
相電圧の変化分があれば、系統事故前の零相電流と現時
点の零相電流との大きさの比較から零相電流の第2の変
化分(ステップ91の変化分“B”)を演算し、この零
相電流の第2の変化分を用いて事故該当回線を判定する
ようにした。
【0007】この第3の発明に係る事故回線判定方法
は、図3で示すように、零相循環電流が存在する電力系
統で、自回線の逆相電流と逆相電圧とを演算し、この逆
相電圧を基準に上記逆相電流の流れる方向を判定すると
ともに(ステップ302)、自回線と隣回線との逆相電
流の大きさを判定し(ステップ303)、これらの両判
定結果により、上記逆相電流の流れる方向が自回線の方
向であり、かつ自回線の逆相電流が隣回線の逆相電流よ
りも大きいときに、自回線の事故と判定するようにし
た。この第4の発明に係る事故回線判定方法は、図4で
示すように、零相循環電流が存在する電力系統で、自回
線の逆相電流における現時点の大きさとこの現時点より
も前の時点の大きさを比較して逆相電流の第1の変化分
(ステップ31の変化分“A”)を演算し、系統事故が
発生した時に、自回線の逆相電流に変化分が発生すれ
ば、自回線逆相電流の変化分と隣回線逆相電流の変化分
との除算を実行して現除算値を求め、この現除算値と前
回に求めた除算値とを比較し、両者が等しいときは、上
記逆相電流の第1の変化分を用いて事故該当回線を判定
し、両者が等しくなければ、系統事故前の逆相電流と現
時点の逆相電流との大きさの比較から逆相電流の第2の
変化分(ステップ92の変化分“B”)を演算し、この
逆相電流の第2の変化分を用いて事故該当回線を判定す
るようにした。
【0008】
【作用】この第1の発明による事故回線判定方法は、始
めに零相循環電流が存在する電力系統で、自回線の逆相
電流及び零相電流における現時点の大きさとこの現時点
よりも前の時点の大きさを比較して零相電流の第1の変
化分を演算する。次に、系統事故が発生した時に、自回
線の逆相電流に変化分が発生すれば、自回線逆相電流の
変化分と隣回線逆相電流の変化分との除算を実行して現
除算値を求める。この現除算値と前回に求めた除算値と
を比較し、両者が等しいときは、上記零相電流の第1の
変化分を用いて事故該当回線を判定し、両者が等しくな
ければ系統事故前の零相電流と現時点の零相電流との大
きさの比較から零相電流の第2の変化分を演算し、この
零相電流の第2の変化分を用いて事故該当回線を判定す
る。この第2の発明に係る事故回線判定方法は、始めに
零相循環電流が存在する電力系統で、系統事故が発生し
た場合に事故が発生した回線を判定する事故回線判定方
法であって、自回線の零相電流における現時点の大きさ
とこの現時点よりも前の時点の大きさを比較して零相電
流の第1の変化分を演算する。次に系統事故が発生した
時に、自回線の零相電流に変化分が発生すれば、自回線
零相電流の変化分と隣回線零相電流変化分との除算を実
行して現除算値を求める。この現除算値と前回に求めた
除算値とを比較し、両者が等しいときは、上記零相電流
の第1の変化分を用いて事故該当回線を判定し、両者が
等しくなければ、自回線の零相電圧における現時点の大
きさとこの現時点よりも前の時点の大きさを比較して変
化分を演算して零相電圧を条件として用いる。そして、
この零相電圧の変化分がなければ上記零相電流の第1の
変化分で事故該当回線を判定し、上記零相電圧の変化分
があれば、系統事故前の零相電流と現時点の零相電流と
の大きさの比較から零相電流の第2の変化分を演算し、
この零相電流の第2の変化分を用いて事故該当回線を判
定する。
【0009】この第3の発明に係る事故回線判定方法
は、始めに零相循環電流が存在する電力系統で、自回線
の逆相電流と逆相電圧とを演算し、この逆相電圧を基準
に上記逆相電流の流れる方向を判定するとともに、自回
線と隣回線との逆相電流の大きさを判定する。そして、
これらの両判定結果により、上記逆相電流の流れる方向
が自回線の方向であり、かつ自回線の逆相電流が隣回線
の逆相電流よりも大きいときに、自回線の事故と判定す
る。この第4の発明に係る事故回線方法は、始めに零相
循環電流が存在する電力系統で、自回線の逆相電流にお
ける現時点の大きさとこの現時点よりも前の時点の大き
さを比較して逆相電流の第1の変化分を演算する。次に
系統事故が発生した時に、自回線の逆相電流に変化分が
発生すれば、自回線逆相電流の変化分と隣回線逆相電流
の変化分との除算を実行して現除算値を求める。この現
除算値と前回に求めた除算値とを比較し、両者が等しい
ときは、上記逆相電流の第1の変化分を用いて事故該当
回線を判定し、両者が等しくなければ、系統事故前の逆
相電流と現時点の逆相電流との大きさの比較から逆相電
流の第2の変化分を演算し、この逆相電流の第2の変化
分を用いて事故該当回線を判定する。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて説明
する。図5はこの第1の発明の実施例(実施例1)を説
明するために用いた図で、1線地絡事故時の対称分等価
回路である。図5において、501,502は電源、5
03は正相分等価回路、504は逆相分等価回路、50
5は零相分等価回路、506は事故点抵抗である。正相
分等価回路503において、Z1a,Z1b,Z11
a,Z11b,Z12a,Z12bは発電機もしくは送
電線のインピーダンス、CT11a,CT11b,CT
12a,CT12bは保護装置にCT比に応じた電流を
入力する変流器である。また、逆相分等価回路504に
おいて、Z2a,Z2b,Z21a,Z21b,Z22
a,Z22bは発電機もしくは送電線のインピーダン
ス、CT21a,CT21b,CT22a,CT22b
は変流器である。更に、零相分等価回路505におい
て、Z0a,Z0b,Z01a,Z01b,Z02a,
Z02bは発電機もしくは送電線のインピーダンス、C
T01a,CT01b,CT02a,CT02bは変流
器である。また、RNa,RNbは中性点抵抗である。
今、1L側で1線地絡事故が発生すると図5のインピー
ダンスZ0a等ならびに中性点接地抵抗RNa,RN
b、更には事故点抵抗506(RF)によって決まる電
流が流れる。この等価回路の中で零相分等価回路505
では、前述のごとく、上位系統からの電磁誘導を受け
て、常時、循環電流が存在する。一方、逆相分等価回路
504では負荷のアンバランスが有れば事故発生前に、
常時、逆相分電流が存在するが、通常はこの値は無視し
得る程度に小さいものである。
【0011】A端側1Lの逆相電流は変流器CT21a
に流れる電流より、2Lの逆相電流は変流器CT22a
に流れる電流より取り出される。又、1Lの零相電流は
変流器CT01aにより、2Lの零相電流は変流器CT
02aにより取り出せる。ここで、A端子側1Lの変流
器について、変流器CT11a,CT21a,CT01
aが別々に存在する形で描かれているが、図5は動作説
明の為に用いており、CTとして3種類存在している事
を意味している訳ではない。つまり、実際にはCT21
aから取り出せる逆相電流としては対称座標法の基本式
で示すことができ、1Lに流れるa相CT電流をIa,
b相CT電流をIb,c相CT電流をIcとすると、 逆相電流=(1/3)(Ia+a・a・Ib+a・I
c) で示せる。ただし、ここでは、a=−(1/2)+j
(√3/2)、a・a=−(1/2)−j(√3/2)
のベクトルオペレータである。一方、零相電流は、 零相電流=1/3(Ia+Ib+Ic) で示せる。
【0012】次に、この実施例1の動作について説明す
る。図1はこの実施例1の事故回線判定方法による処理
を示すフローチャートである。まず、このフローチャー
トにもとづいて処理の概要を説明する。ステップ21で
は自回線CTより逆相電流分を導出する。次に、ステッ
プ22ではステップ21で演算された逆相電流演算デー
タを数サイクル間記憶する。ステップ31ではステップ
21の処理で算出された現時点の逆相電流値とステップ
22の処理による演算値から、数サイクル前の逆相電流
値との差を演算する。一方、ステップ23では自回線C
Tより零相電流分を導出する。次にステップ24ではス
テップ23で演算された零相電流演算データを数サイク
ル間記憶する。ステップ32ではステップ23で処理さ
れた現時点零相電流値とステップ24で記憶された演算
値から、数サイクル前の零相電流値との差を演算する。
ステップ41では逆相変化分がある時には次ステップへ
と進み、無い時には始めに戻り、ステップ21,23の
処理を行う。ステップ52ではステップ31の処理によ
る変化分を隣回線へ伝送する。ステップ51では隣回線
に存在する保護装置で演算された隣回線のステップ31
で処理された隣回線の変化分を受信する。次に、ステッ
プ61では、自回線の逆相電流変化分を隣回線からの逆
相電流変化分で除算をする。ステップ62では事故が発
生する前の零相入力値をステップ24による処理後にシ
フトしてテーブル“1”に記憶する。ステップ63では
ステップ32による処理で算出された演算値をシフトし
てテーブル“2”に記憶する。ステップ71ではステッ
プ61で処理された除算結果を受け、その除算結果がテ
ーブル“3”に入ってなければ、テーブル“3”に除算
値を記憶するステップ72の処理後、零相変化分Aを用
いて事故該当回線の判定を行って、ステップ101の処
理にシーケンスが進む。一方、ステップ71によりテー
ブル“3”に除算結果が入っていれば(ステップ71で
YES)、すでに存在する除算値と、現除算値とをステ
ップ73の処理で比較し、その比較結果をステップ81
で処理する。ステップ81の処理では、その比較結果が
等しければ(YES)、ステップ101による処理にシ
ーケンスが進み、等しくなければ(NO)、ステップ6
2の処理により記憶されている零相入力記憶の記憶値か
ら零相変化分を演算する零相変化分“B”を演算するス
テップ91に進む。次に、ステップ102により、事故
該当回線を判定する。
【0013】更に、この実施例1の事故回線判定方法に
ついて、図1,図5,図6を参照して説明する。今、1
Lで1線地絡事故が発生すると対称分等価回路は図5の
様になる。この場合、事故該当回線では、逆相,零相電
流が共に変化するため、図1のステップ41の処理後、
ステップ61の処理において、自回線逆相電流変化分と
隣回線逆相電流変化分との間で除算が行われる。この
後、ステップ71の処理では除算テーブル“3”に除算
値が入ってないため、除算テーブル“3”に除算結果を
入れ、ステップ101の処理で零相変化分“A”を用い
て、事故該当回線の判定が行われる。なお、この場合は
従来の保護方式と同等のシーケンスとなる。一方、図6
で示す様に、F1点で1線地絡事故が発生し、この事故
の消滅直後にF2で1線地絡事故が発生した場合は、図
1のステップ71の処理後の除算テーブル“3”には、
すでに除算値が入っているため、除算テーブル“3”の
除算値と現除算値との比較が行われる。この結果、ステ
ップ81の処理では「等しくない」との結果が出て、従
来判定ルートであるステップ101の処理を動作ロック
すると共に、ステップ91の処理による零相変化分
“B”を演算するルートを介して、ステップ102での
処理により、事故該当回線の判定が行われる。すなわ
ち、図6のF1点事故の影響を受ける事なく、F2点事
故のみが単独で発生した状態として、事故該当回線の判
定が可能となる。尚、81の判定部で除算結果が等しい
場合は図5における事故点抵抗506が事故途中で変化
したケースと考えられ、この場合は、従来ルートと同じ
形でステップ101の処理により零相入力変化分“A”
を用いて事故該当回線が判定される。
【0014】第1の発明による上記実施例1では事故回
線判定の為に、逆相回路電流の変化分の自回線と隣回線
との除算を判定シーケンスの条件としたが、この第2の
発明の実施例(実施例2)では零相回路電流の変化分の
除算を判定シーケンスの条件とする。図2は、この実施
例2による事故回線判定方法を説明するフローチャート
である。この実施例2では零相入力のみで演算している
ため、図1で示すような、ステップ21,22,31の
逆相入力による演算処理の必要がなくなる。また、この
実施例2では、零相回路電流の変化分を判定するため
に、まず、ステップ201では入力した零相電圧を演算
し、ステップ202ではその演算値を記憶する。次に、
ステップ501ではステップ202で記憶された記憶演
算値と現入力の演算値との変化分“B”を演算する。次
に、ステップ401ではステップ501により演算され
た変化分“B”が存在すれば(YES)、ステップ50
2による零相電圧をテーブル“4”に記憶する処理、お
よび実施例1で説明したステップ91の処理を行い、そ
の変化分“B”が存在しなければ(NO)、実施例1で
説明したステップ101の処理を行う。以上の様に、こ
の実施例2では、進展事故の際には通常、零相電圧が変
化する事を利用して、確実に事故該当回線を判定する様
にしている。この方法することにより、全て零相入力の
みで演算対処できるので実施例1の方法よりも逆相や零
相の電流を検出する検出装置の入力回路部分がシンプル
になるメリットがある。
【0015】図3はこの第3の発明による実施例(実施
例3)による事故回線判定方法を説明するフローチャー
トである。この図3に示す実施例3では、図5における
逆相回路のみに着目した。図3において、ステップ21
では逆相電圧を演算し、ステップ301ではその演算し
た逆相電圧を基準に、逆相電流の方向を判別するととも
に、その判別結果を隣回線にも伝送する。次に、ステッ
プ302では、その逆相電流が自回線方向か否かを判断
し、自回線方向でなければ(NO)、ステップ21,3
0の処理に戻り、自回線方向であればステップ304の
処理によるアンド(AND)の入力条件となる。一方、
ステップ30の演算値では逆相電流を演算し、ステップ
303では自回線逆相電流と隣回線からの逆相電流の演
算値との大きさを比較する。ステップ303では、ステ
ップS303の処理による大きさを判断し、自回線逆相
電流が大きければ(YES)、ステップ304の処理に
よるANDの入力条件となり、隣回線逆相電流が大きけ
れば(NO)、ステップ21,30の処理に戻る。最後
に、ステップ304では、ステップ302、かつステッ
プ303との入力条件の時に、自回線事故と判定する。
このように、この実施例3では、事故時に発生する逆相
電圧を基準にして逆相電流の流れる方向を判定し、逆相
電流の大きさを判定し、この両判定結果から事故該当回
線を判定する様にしている。すなわち、逆相電圧に対し
て逆相電流が送電線側へ流入している量の多い側の回線
を事故回線と判定する方法である。逆相回路は上位系統
からの電磁誘導を受けず、しかも、変化分を使わずに、
現時点の入力のみの演算で対処するため、進展事故に対
しても問題の無い事になる。上記の実施例1,2と比較
して、シーケンスがシンプルとなり演算も簡単なため、
演算時間の短縮も可能となる。
【0016】図4はこの第4の発明による実施例(実施
例4)による事故回線判定方法を説明するフローチャー
トである。実施例2では零相電流にもとづいて事故回線
を判定したが、この実施例4では逆相電流にもとづいて
事故回線を判定するようにした。実施例2による零相電
流が逆相電流に変更された結果、この実施例4による図
4においては、ステップ64による事故前逆相電流をテ
ーブル“1”に記憶する処理、ステップ65による逆相
変化分“A”をテーブル“2”に記憶する処理、ステッ
プ92によるテーブル“1”の逆相入力と現逆相入力と
の変化分“B”を演算する処理、逆相変化分“A”を用
いて事故該当回線を判定する処理が実施例2の処理と異
なる。以上のように、この実施例4は実施例2の変形例
として考えられるものであり、事故該当回線の判定演算
に逆相変化分を使う様にすることで入力としては逆相入
力おみで演算対処できるため、構成がシンプルとなる他
に、実施例1,2よりも上位系統からの影響を受けにく
いと言うメリットもある。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この第1の発明に
よれば、系統事故が発生した時に、自回線の逆相電流に
変化分が発生すれば、自回線逆相電流の変化分と隣回線
逆相電流の変化分との除算を実行して現除算値を求め、
この現除算値と前回に求めた除算値とを比較し、両者が
等しいときは、演算した零相電流の第1の変化分を用い
て事故該当回線を判定し、両者が等しくなければ、演算
した零相電流の第2の変化分を用いて事故該当回線を判
定するようにしたので系統事故発生直後に別の事故形態
に移行する進展事故の場合や、系統事故発生中に上位系
統の状態の変化で零相循環電流値が変化する場合でも事
故該当回線を正確に判定できる効果がある。この第2の
発明によれば、系統事故が発生した時に、自回線の零相
電流に変化分が発生すれば、自回線零相電流の変化分と
隣回線零相電流の変化分との除算を実行して現除算値を
求め、この現除算値と前回に求めた除算値とを比較し、
両者が等しいときは、演算した零相電流の第1の変化分
を用いて事故該当回線を判定し、両者が等しくなけれ
ば、自回線の零相電圧を演算し、この零相電圧の変化分
がなければ上記零相電流の第1の変化分で事故該当回線
を判定し、上記零相電圧の変化分があれば、演算した零
相電流の第2の変化分を用いて事故該当回線を判定する
ようにしたので、第1の発明の効果に加えて、除算等の
演算を第1の発明より簡単に演算時間を短くすることが
できる効果がある。
【0018】この第3の発明によれば、零相循環電流が
存在する電力系統で、系統事故が発生した場合に、自回
線の逆相電流と逆相電圧とを演算し、この逆相電圧を基
準に上記逆相電流の流れる方向を判定するとともに、自
回線と隣回線との逆相電流の大きさを判定し、これらの
両判定結果から事故回線を判定するようにしたので、第
1の発明の効果に加えて、第1,2の発明よりも更に演
算時間を短くできる効果がある。この第4の発明によれ
ば、第1の発明で事故発生直後又は事故中の変化後の零
相変化分を用いて事故該当回線を判定したのに対し、上
記零相変化分の代わりに逆相変化分のみを用いたため、
第1の発明の効果に加え、演算時間を短くすることがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この第1の発明の実施例による事故回線判定処
理を説明するフローチャートである。
【図2】この第2の発明の実施例による事故回線判定処
理を説明するフローチャートである。
【図3】この第3の発明の実施例による事故回線判定処
理を説明するフローチャートである。
【図4】この第4の発明の実施例による事故回線判定処
理を説明するフローチャートである。
【図5】この発明の実施例における1線地絡事故時の対
称分等価回路を示す図である。
【図6】この発明の実施例における進展事故発生を示す
図である。
【図7】従来の技術における事故回線判定方法において
上位系よりの誘導が存在する状態を示す図である。
【図8】従来の技術における事故回線判定方法を説明す
る変化分導出回路を示す図である。
【符号の説明】
501,502 電源 503 正相分等価回路 504 逆相分等価回路 505 零相分等価回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 零相循環電流が存在する電力系統で、系
    統事故が発生した場合に事故が発生した回線を判定する
    事故回線判定方法であって、自回線の逆相電流及び零相
    電流における現時点の大きさとこの現時点よりも前の時
    点の大きさを比較して零相電流の第1の変化分を演算
    し、系統事故が発生した時に、自回線の逆相電流に変化
    分が発生すれば、自回線逆相電流の変化分と隣回線逆相
    電流の変化分との除算を実行して現除算値を求め、この
    現除算値と前回に求めた除算値とを比較し、両者が等し
    いときは、上記零相電流の第1の変化分を用いて事故該
    当回線を判定し、両者が等しくなければ、系統事故前の
    零相電流と現時点の零相電流との大きさの比較から零相
    電流の第2の変化分を演算し、この零相電流の第2の変
    化分を用いて事故該当回線を判定するようにしたことを
    特徴とする事故回線判定方法。
  2. 【請求項2】 零相循環電流が存在する電力系統で、系
    統事故が発生した場合に事故が発生した回線を判定する
    事故回線判定方法であって、自回線の零相電流における
    現時点の大きさとこの現時点よりも前の時点の大きさを
    比較して零相電流の第1の変化分を演算し、系統事故が
    発生した時に、自回線の零相電流に変化分が発生すれ
    ば、自回線零相電流の変化分と隣回線零相電流の変化分
    との除算を実行して現除算値を求め、この現除算値と前
    回に求めた除算値とを比較し、両者が等しいときは、上
    記零相電流の第1の変化分を用いて事故該当回線を判定
    し、両者が等しくなければ、自回線の零相電圧における
    現時点の大きさとこの現時点よりも前の時点の大きさと
    を比較して変化分を演算し、この零相電圧の変化分がな
    ければ上記零相電流の第1の変化分で事故該当回線を判
    定し、上記零相電圧の変化分があれば、系統事故前の零
    相電流と現時点の零相電流との大きさの比較から零相電
    流の第2の変化分を演算し、この零相電流の第2の変化
    分を用いて事故該当回線を判定するようにしたことを特
    徴とする事故回線判定方法。
  3. 【請求項3】 零相循環電流が存在する電力系統で、系
    統事故が発生した場合に事故が発生した回線を判定する
    事故回線判定方法であって、自回線の逆相電流と逆相電
    圧とを演算し、この逆相電圧を基準に上記逆相電流の流
    れる方向を判定するとともに、自回線と隣回線との逆相
    電流の大きさを判定し、これらの両判定結果により、上
    記逆相電流の流れる方向が自回線の方向であり、かつ自
    回線の逆相電流が隣回線の逆相電流よりも大きいとき
    に、自回線の事故と判定するようにしたことを特徴とす
    る事故回線判定方法。
  4. 【請求項4】 零相循環電流が存在する電力系統で、系
    統事故が発生した場合に事故が発生した回線を判定する
    事故回線判定方法であって、自回線の逆相電流における
    現時点の大きさとこの現時点よりも前の時点の大きさを
    比較して逆相電流の第1の変化分を演算し、系統事故が
    発生した時に、自回線の逆相電流に変化分が発生すれ
    ば、自回線逆相電流の変化分と隣回線逆相電流の変化分
    との除算を実行して現除算値を求め、この現除算値と前
    回に求めた除算値とを比較し、両者が等しいときは、上
    記逆相電流の第1の変化分を用いて事故該当回線を判定
    し、両者が等しくなければ、系統事故前の逆相電流と現
    時点の逆相電流との大きさの比較から逆相電流の第2の
    変化分を演算し、この逆相電流の第2の変化分を用いて
    事故該当回線を判定するようにしたことを特徴とする事
    故回線判定方法。
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