JPH06224449A - 梁およびその製造方法 - Google Patents

梁およびその製造方法

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JPH06224449A
JPH06224449A JP5009467A JP946793A JPH06224449A JP H06224449 A JPH06224449 A JP H06224449A JP 5009467 A JP5009467 A JP 5009467A JP 946793 A JP946793 A JP 946793A JP H06224449 A JPH06224449 A JP H06224449A
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進 平田
Tetsuya Inui
哲也 乾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 途中工程のフォトリソグラフィ工程に支障を
きたさず、機械的に反り量を与える必要がなく、かつ大
量生産可能な制御された反り量を有するカンチレバーを
得る。 【構成】 マイクロマシンに用いられ、かつ一方端部が
微小変位可能で他方端部が固定されたカンチレバーにお
いて、少なくとも一方端部がシリコン基板1と、そのシ
リコン基板1の上に形成されたニッケル−鉄メッキ膜3
とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、梁およびその製造方法
に関し、特に微小な機械的動作を行なう装置に用いら
れ、かつ一方端部が微小変位可能で他方端部が固定され
た梁およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プレーナー技術を用いて作製される機械
的構造を有するもの(以下、マイクロマシンとする)に
は、たとえば静電マイクロリレー、加速度センサ、ター
ビンなどがある。このマイクロマシンの中でも、たとえ
ば静電マイクロリレーなどには、一方端部が微小変位可
能で他方端部が固定された梁(以下、カンチレバーとす
る)が用いられている。以下、マイクロマシンに用いら
れる従来のカンチレバーについて、特開平2−1002
24号公報に示されている静電マイクロリレーを例に挙
げて説明する。
【0003】図17は、従来のカンチレバーの構造を用
いた上記公報に示される静電マイクロリレーの構成を概
略的に示す分解斜視図である。また図18(a)は、図
17のC−C線に沿う概略断面図、(b)は図18
(a)のD−D線に沿う概略断面図である。図17およ
び図18を参照して、静電マイクロリレー300は、可
動部基体320、固定部基体340および棒状のスペー
サ351a、351bを備えている。
【0004】可動部基体320は、可動片311と、枢
支部315と、枠部317とを有している。枠部317
には、枢支部315を介在して可動片311が取付けら
れている。また可動片311の中央側部に枢支部315
が取付けられているため、枢支部315のねじれ変形に
よって可動片311はシーソ状に変位可能である。
【0005】可動片311は前片部311aと後片部3
11bとからなっている。前片部311aおよび後片部
311bは、その一方端部が枢支部315に固定され、
かつ他方端部が自由なカンチレバーの構造を有してい
る。また可動片311の前片部311aおよび後片部3
11bの各端部には可動接点313a、313bが各々
取付けられている。また可動片311、枢支部315お
よび枠部317の表面上には酸化膜303a、303b
が形成されている。それゆえ、酸化膜303aは、可動
接点313a、313bと可動片311との間に介在し
ている。
【0006】固定部基体340は、基体331と、固定
接点333a、333b、335a、335bと、固定
電極層337a、337bとを有している。基体331
の一方端部には固定接点333a、333bが、また他
方端部には固定接点335a、335bが各々形成され
ている。また基体331の中央部周辺には固定電極層3
37a、337bが形成されている。
【0007】可動部基体320と固定部基体340と
は、棒状のスペーサ351a、351bとを介在して対
向するように配置されている。また、この配置の際に、
可動接点313aが固定接点333aと333bとの対
向位置上方に位置するように、かつ可動接点313bが
固定接点335aと335bとの対向位置上方に位置す
るように配置される。
【0008】次に、上記の静電マイクロリレーの動作に
ついて説明する。図19および図20は、静電マイクロ
リレーの動作を説明するための図18(a)の断面に対
応する概略断面図である。まず図19を参照して、まず
可動片311と固定電極層337aとの間に電圧が印加
される。この電圧により可動片311と固定電極層33
7aとの間に静電吸引力が生じる。この静電吸引力によ
り可動片311は枢支部315を支点としたシーソ状に
変位する。これにより、前片部311aの端部に取付け
られた可動接点313aが固定接点333aおよび33
3bに接触して、固定接点333aと333bとを導通
させる。電圧の印加を解除すると、枢支部315のねじ
れ復元力によって図18(a)に示す元の状態に復帰す
る。これにより、固定接点333aと333bとの間が
解放される。
【0009】次に、図20を参照して、可動片311と
固定電極層337bとの間に電圧を印加すると、上述し
たと同様、静電吸引力により可動接点313bが固定接
点335aおよび335bに接触して、固定接点335
aと335bとを導通させる。また電圧の印加を解除す
ると、固定接点335aと335bとの間が解放され
る。
【0010】上記のように、前片部311aや後片部3
11bのカンチレバーの構造は、たとえば静電マイクロ
リレーに採用される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年における多種多様
なマイクロマシンの開発によって、カンチレバーも様々
な用途に用いられるようになった。これに伴って、制御
された反り量を有するカンチレバーの要望も大きくなっ
てきた。
【0012】ところが、マイクロマシンに用いられ、か
つ所定の反り量を有するカンチレバーは、その製造工程
において大きな問題点を有している。
【0013】まず製造の途中工程において基板や堆積膜
に反りがある場合、この反りは、マイクロマシンの加工
上最も重要なプロセスであるフォトリソグラフィ工程に
支障をきたす。一般に、フォトリソグラフィ工程におい
ては、基板や堆積膜上のフォトレジストを露光させる
が、基板などに反りがあると、露光光の焦点を定め難
い。結果として、フォトリソグラフィ工程によって形成
されるパターンに形状不良が生じる。具体的には、図1
7に示す静電マイクロリレーにおいて、可動接点部31
3a、313bがフォトリソグラフィ工程でのパターニ
ングによって形成される。しかし、可動接点313a、
313bにパターン形状の不良が生じた場合、固定接点
間が導通されない恐れがある。よって、カンチレバー形
成における途中工程では、基板などの反り量はできるだ
け小さくする必要がある。上記の理由により、途中工程
では基板などに反りを与えるのは困難であるという問題
点がある。
【0014】また、マイクロマシンに用いられるカンチ
レバーの寸法は小さい。このため、カンチレバーを反ら
せる力を与える装置とカンチレバーとを位置決めするこ
とが非常に困難である。さらにカンチレバーに与える力
を一定に制御することも困難である。したがって、カン
チレバーが完成した状態で外部より機械的に反りを与え
ることも困難である。
【0015】さらに、カンチレバーは、一般にウエハ上
に多数形成される。しかし、形成の途中工程で、ウエハ
に形成された多数のカンチレバーの各々に反りを与える
のは困難である。よって、途中工程で反りを与えるため
にはウエハ上に形成されるカンチレバーの数を少なくす
るか、もしくは1つずつ形成せねばならず、プレーナー
技術による大量生産ができるという長所が生かせなくな
る。
【0016】上記の製造工程上の問題より、従来におい
ては、マイクロマシンに用いられ、かつ制御された反り
量を有するカンチレバーを作製すること自体がほとんど
不可能に近いことであった。
【0017】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、途中工程のフォトリソグラフィ
工程に支障をきたさず、機械的に反り量を与える必要が
なく、かつ大量生産可能な、制御された反り量を有する
カンチレバーを得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の梁は、
微小な機械的動作を行なう装置に用いられ、かつ一方端
部が微小変位可能で他方端部が固定された梁において、
少なくとも一方端部が基板と、その基板の上に形成され
たニッケルと鉄とを主成分とするメッキ層とを含んでい
る。
【0019】請求項2に記載の梁の製造方法は、微小な
機械的動作を行なう装置に用いられ、かつ一方端部が微
小変位可能で他方端部が固定された梁の製造方法におい
て、少なくとも一方端部を構成する基板の上にニッケル
と鉄とを主成分とするメッキ層が形成される。
【0020】請求項3に記載の梁の製造方法は、微小な
機械的動作を行なう装置に用いられ、かつ一方端部が微
小変位可能で他方端部が固定された梁の製造方法におい
て、少なくとも一方端部を構成する基板の上にニッケル
と鉄とを主成分とするメッキ層が形成された後、熱処理
を施すことにより、一方端部に所定の反り量が与えられ
る。
【0021】
【作用】本発明の梁において、ニッケルと鉄とを主成分
とするメッキ層が基板上に形成されている。このメッキ
層は、所定の熱処理により体積が変化し、熱を除去した
後もその形状を実質的に維持する。このため、メッキ層
に熱処理を施すとメッキ層と基板とに反りが与えられる
こととなる。よって、梁の完成後に容易に反りを与える
ことができるため、途中工程でのフォトリソグラフィ工
程に支障をきたすことはない。また機械的に反りを与え
る必要もない。さらに、形成の途中工程で反りを与えな
いためウエハ上に多数形成することも可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例におけるカンチレバ
ーについて図を用いて説明する。
【0023】図1(a)は、本発明の一実施例における
カンチレバーの構成を概略的に示す断面図である。図1
(a)を参照して、カンチレバー10は、シリコン基板
1、ニッケル(Ni)−鉄(Fe)メッキ膜3、シリコ
ン酸化膜(SiO2 )5a、5bおよびニオブ(Nb)
膜7を備えている。シリコン基板1は、基体部1aとカ
ンチレバー部1bとを有しており、基体部1aでは厚み
が525μm、カンチレバー部では厚みが25μmであ
る。このシリコン基板1の表面全面にはパッシベーショ
ンや密着性向上用のシリコン酸化膜5aが厚み1〜2μ
mで形成されている。シリコン基板1の裏面であって基
体部1a上にも、シリコン酸化膜5bが厚み1〜2μm
で形成されている。シリコン基板1のカンチレバー部1
bのシリコン酸化膜5a上には密着性向上用の厚み50
0Åのニオブ膜7を介在して、ニッケル−鉄メッキ膜3
が40μmの厚みで形成されている。このニッケル−鉄
メッキ膜7の組成は、Fe/(Ni−Fe)wt%で1
5±5%である。
【0024】本発明の一実施例におけるカンチレバーの
構成は以下の知見に基づいてなされている。
【0025】すなわち、本願発明者らは図1に示すカン
チレバー10に一定量の熱処理を施すことにより、図1
(b)に示すようにカンチレバー10に反り量Xが発生
することを見出した。
【0026】図2は、カンチレバーに2時間の熱処理を
施した場合の熱処理温度と反り量Xの関係を示す図であ
る。図2を参照して、図1(a)のカンチレバー10の
長さLを1mmとし、室温から250℃の温度範囲で2
時間の熱処理をカンチレバーに施してその熱を除去した
後にカンチレバーの反り量Xを測定した。図2に示す結
果から明らかなように、熱処理温度が高くなるに従って
カンチレバーには大きな反り量Xが与えられることにな
る。またこの結果より明らかなとおり、反り量Xはカン
チレバーの構造および熱処理の条件に依存し、それらの
条件を変えることでカンチレバーの反り量Xを制御でき
ることが判明した。カンチレバー全体として反りが発生
するのは、一定量の熱処理によりNi−Feメッキ膜7
が、メッキ直後の粗な組織から密な組織へと変わり、そ
の分体積が縮もうとするからであると考えられる。
【0027】次に、図1に示すカンチレバー10の製造
方法について詳細に説明する。図3〜図12は、本発明
の一実施例におけるカンチレバーの製造方法を工程順に
示す概略断面図である。まず図3を参照して、面方位
(100)、厚み525μm、直径4インチの単結晶シ
リコン基板1が準備される。
【0028】図4を参照して、単結晶シリコン基板1の
表裏両面に各々2μmの熱酸化膜5a、5bが形成され
る。ここで、便宜上、熱酸化膜5aが形成される面を表
面とし、熱酸化膜5bが形成される面を裏面とする。
【0029】図5を参照して、シリコン基板1の裏面全
面にレジスト11が塗布される。このレジスト11に
は、フォトマスク31の裏面側溝パターン31aが転写
される。このパターンが転写されたレジスト11をマス
クとして熱酸化膜5bに裏面側溝パターンマスク孔41
が形成される。
【0030】図6を参照して、裏面側溝パターンマスク
孔41を用いて、シリコン基板1に裏面側溝パターン5
1がエッチングにより形成される。このエッチングは、
水酸化カリウム(KOH)を水(H2 O)に重量%で、
KOH:H2 O=40:60の割合で溶解させた溶液に
より行なわれる。
【0031】図7を参照して、シリコン基板1が反転さ
れる。またシリコン基板1の表面全面に密着性向上用の
ニオブ膜7とメッキ下地用ニッケル−鉄膜3aとが積層
して形成される。
【0032】図8を参照して、この後、表1に示す条件
でメッキが施され、ニオブ膜7の表面上にニッケル−鉄
メッキ膜3が形成される。
【0033】
【表1】 なお、ニッケル−鉄メッキ膜3のメッキ条件について
は、メッキ膜が反らないように、すなわちメッキ膜の内
部に応力が発生しないような条件を選ぶ必要がある。
【0034】このメッキ条件により、メッキ膜3の組成
は、Fe/(Ni−Fe)wt%で15±5%となる。
【0035】図9を参照して、ニッケル−鉄メッキ膜3
の表面全面にレジスト13が塗布される。このレジスト
13にフォトマスク33のメッキパターン33aが転写
される。このパターンが転写されたレジスト13をマス
クとしてニッケル−鉄メッキ膜3がパターニングされ
る。
【0036】図10を参照して、レジスト13を残した
状態で、パターニングされたニッケル−鉄メッキ膜3を
マスクとして、このニッケル−鉄メッキ膜3の下側以外
のニオブ膜3がイオンミリングにより除去される。
【0037】図11を参照して、レジスト13の剥離が
行なわれる。この後、厚膜レジスト15が塗布される。
この厚膜レジスト15にフォトマスク35のカンチレバ
ーパターン35aが転写される。このパターンが転写さ
れたレジスト15をマスクとして熱酸化膜5aにカンチ
レバーパターン孔53が形成される。このカンチレバー
パターン孔53を有する熱酸化膜30aをマスクとして
KOHによるエッチングが施される。これにより、図1
2に示すカンチレバー10が形成される。
【0038】このように形成されたカンチレバー10
に、上述した熱処理を施すことにより、図1(b)に示
す反り量Xを与えることができる。
【0039】次に、図1に示すカンチレバー10の構造
を用いた製品の一例として静電マイクロリレーについて
説明する。
【0040】図13は、本発明のカンチレバーの構造を
用いた静電マイクロリレーの構成を概略的に示す分解斜
視図である。また図14(a)は、図13のA−A線に
沿う概略断面図、(b)は、図14(a)のB−B線に
沿う概略断面図である。図13および図14を参照し
て、本発明のカンチレバーの構造を用いた静電マイクロ
リレー100は、可動部基体120、固定部基体140
および棒状のスペーサ151a、151bを備えてい
る。
【0041】可動部基体120は、可動片111と、枢
支部115と、枠部117とを有している。枠部117
には、枢支部115を介在して可動片111が取付けら
れている。この可動部111の中央側部に枢支部115
が取付けられている。このため、枢支部115のねじれ
運動によって、可動部枢支部115を支点としてシーソ
状に変位可能である。
【0042】この可動片111は前片部111aと後片
部111bとからなっている。前片部111aおよび後
片部111bは、その一方端部が枢支部115に固定さ
れ、かつ他方端部が自由なカンチレバーの構造を有して
いる。特に、前片部111aは、本発明のカンチレバー
の構造を有している。すなわち、前片部111aには、
シリコン酸化膜105とニオブ膜107とを介在してニ
ッケル−鉄メッキ膜103が形成されている。また前片
部111aおよび後片部111bの端部には、たとえば
シリコン酸化膜のような絶縁膜を介在して可動接点11
3a、113bが形成されている。
【0043】この可動部基体120が、固定部基体14
0と棒状のスペーサ151a、151bを介在して対向
するように配置されている。
【0044】なお、固定部基体140の構成について
は、図17に示す固定部基体340の構成とほぼ同様で
あるためその説明は省略する。
【0045】次に、本発明のカンチレバー構造を有する
静電マイクロリレー100の動作について説明する。
【0046】図15および図16は、本発明のカンチレ
バー構造を有する静電マイクロリレーの動作を示す図1
4(a)の断面に対応した概略断面図である。まず図1
5を参照して、本発明のカンチレバー構造を有する静電
マイクロリレー100の前片部111aには熱処理によ
り所望の反り量が与えられている。これにより、可動接
点113aは予め固定接点133aと133bとを導通
している。すなわち、固定電極層137aと137bと
に制御電圧が無印加の状態で、固定接点133aと13
3bとが導通状態(ON状態)となる。また、固定接点
135aと135bとは、制御電圧が無印加の状態では
解放状態(OFF状態)となる。
【0047】次に、図16を参照して、固定電極層13
7bに制御電圧を印加すると、可動片111と固定電極
層137bとの間に静電吸引力が生じる。これにより、
枢支部115がねじれ変形して、可動接点113bが固
定接点135a、135bに接触し、固定接点135a
と135bとは導通状態となる。また、可動片111が
シーソ状に変位するため、可動接点113aと固定接点
133a、133bとの接触状態は解除され、固定接点
133aと133bとは解放状態となる。
【0048】このように、固定接点133aと133b
とは、制御電圧無印加時のみON状態となる、いわゆる
NC(Normal Close)接点となる。また、
固定接点135aと135bとは、制御電圧印加時のみ
ON状態となる、いわゆるNO(Normal Ope
n)接点となる。
【0049】なお、固定電極層137bの制御電圧を除
去すると、可動片111は元の状態に復帰し図15に示
す状態となる。
【0050】この静電マイクロリレー100は、図17
に示す静電マイクロリレー300と比較して以下の利点
を有する。
【0051】従来の静電マイクロリレー300では、い
ずれかの固定接点間(たとえば固定接点333aと33
3b)を導通状態にするためには、必ず可動片311と
いずれかの固定電極層(たとえば固定電極層337a)
との間に電圧を印加しなければならない。このため、従
来の静電マイクロリレー300では多量の電力が消費さ
れることとなる。これに対して、本発明における静電マ
イクロリレー100では、前片部111aが反っている
ため、予め可動接点113aが固定接点133a、13
3bと接触している。すなわち、制御電圧無印加時に固
定接点133aと133bとは導通状態となる。このた
め、固定接点133aと133bとを導通状態にするの
に制御電圧を印加する必要がなく、従来に比較して消費
電力の節減を図ることが可能となる。
【0052】また、従来の静電マイクロリレー300で
は、一方の固定接点間(たとえば固定接点間333aと
333b)から他方の固定接点間(たとえば固定接点間
335aと335b)へ導通状態を切換えるためには、
一方の固定電極層(たとえば固定電極層137a)から
他方の固定電極層(たとえば固定電極層137b)へ印
加する電圧を切換えなければならない。これに対して、
本発明における静電マイクロリレー100では、固定電
極層137bに制御電圧を印加するか否かによりいずれ
かの固定接点間の導通状態を選択することができる。こ
のため、制御の困難な固定電極層間相互の切換えを行な
う必要はない。
【0053】さらに、可動接点と固定接点間で安定した
接触状態を実現すべく従来の静電マイクロリレー300
では、一方の固定電極層137aには吸引電圧を印加
し、他方の固定電極層137bには反発電圧を印加する
ことがある。この場合、他方の固定電極層137bでは
吸引電圧(たとえば+100V)から反発電圧(たとえ
ば−100V)への切換えを行なう必要が生じる。
【0054】これに対して、本発明における静電マイク
ロリレー100でも、固定電極層137bに吸引電圧を
印加し、固定電極層137aに反発電圧を印加すること
で可動接点113bと固定接点135a、135bとの
間で安定した接触状態が得られる。しかし、通常の動作
時では、可動片111のシーソ状の変位は固定電極層1
37bへの印加電圧の制御のみで行なわれる。このた
め、固定電極層137aは安定した接触状態を実現する
際にのみ制御電圧が印加されればよい。よって、固定電
極層137aには反発電圧のみ印加できるように設定す
れば足り、吸引電圧から反発電圧への切換えを行なう必
要はない。
【0055】このように、本発明における静電マイクロ
リレー100は、従来の静電マイクロリレー300に比
較して、消費電力の節減を図ることができ、制御の困難
な固定電極層間の相互の切換えが不要で、さらに固定電
極層に吸引電圧から反発電圧への切換えも不要という利
点を有する。
【0056】上記のように、本発明のカンチレバーは、
静電マイクロリレーに用いることができるが、これに限
定されるものではなく、多種多様なマイクロマシンに適
用することも可能である。
【0057】
【発明の効果】本発明の梁においては、ニッケルと鉄と
を主成分とするメッキ層が基板上に形成されている。こ
のメッキ層は、所定の熱処理により体積が減少し、熱を
除去した後にもその形状を実質的に維持する。このた
め、メッキ層に熱処理を施すとメッキ層と基板とを備え
る梁に反りが与えられることとなる。このように梁の完
成後に反りを与えることができるため、フォトリソグラ
フィ工程に支障をきたすことはない。また、梁に機械的
に反りを与える必要もない。さらに、梁をウエハ上に多
数形成することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるカンチレバーの構成
を概略的に示す断面図(a)、本発明の一実施例におけ
るカンチレバーに反り量が与えられた状態を概略的に示
す断面図(b)である。
【図2】本発明の一実施例におけるカンチレバーに熱処
理を施した場合の熱処理温度と反り量Xの関係を示す図
である。
【図3】本発明の一実施例におけるカンチレバーの製造
方法の第1工程を示す概略断面図である。
【図4】本発明の一実施例におけるカンチレバーの製造
方法の第2工程を示す概略断面図である。
【図5】本発明の一実施例におけるカンチレバーの製造
方法の第3工程を示す概略断面図である。
【図6】本発明の一実施例におけるカンチレバーの製造
方法の第4工程を示す概略断面図である。
【図7】本発明の一実施例におけるカンチレバーの製造
方法の第5工程を示す概略断面図である。
【図8】本発明の一実施例におけるカンチレバーの製造
方法の第6工程を示す概略断面図である。
【図9】本発明の一実施例におけるカンチレバーの製造
方法の第7工程を示す概略断面図である。
【図10】本発明の一実施例におけるカンチレバーの製
造方法の第8工程を示す概略断面図である。
【図11】本発明の一実施例におけるカンチレバーの製
造方法の第9工程を示す概略断面図である。
【図12】本発明の一実施例におけるカンチレバーの製
造方法の第10工程を示す概略断面図である。
【図13】本発明のカンチレバーの構造が適用される静
電マイクロリレーの構成を概略的に示す分解斜視図であ
る。
【図14】図13のA−A線に沿う概略断面図(a)、
図14(a)のB−B線に沿う概略断面図(b)であ
る。
【図15】本発明のカンチレバー構造が適用される静電
マイクロリレーの動作を説明するための概略断面図であ
る。
【図16】本発明のカンチレバー構造が適用される静電
マイクロリレーの動作を説明するための概略断面図であ
る。
【図17】従来のカンチレバー構造を有する静電マイク
ロリレーの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図18】図17のC−C線に沿う概略断面図(a)、
図18(a)のD−D線に沿う概略断面図(b)であ
る。
【図19】従来のカンチレバー構造を有する静電マイク
ロリレーの動作を説明するための概略断面図である。
【図20】従来のカンチレバー構造を有する静電マイク
ロリレーの動作を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 3 ニッケル−鉄メッキ膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 賢司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微小な機械的動作を行なう装置に用いら
    れ、かつ一方端部が微小変位可能で他方端部が固定され
    た梁において、 少なくとも前記一方端部が基板と、その基板の上に形成
    されたニッケルと鉄とを主成分とするメッキ層とを含む
    ことを特徴とする、梁。
  2. 【請求項2】 微小な機械的動作を行なう装置に用いら
    れ、かつ一方端部が微小変位可能で他方端部が固定され
    た梁の製造方法において、 少なくとも前記一方端部を構成する基板の上にニッケル
    と鉄とを主成分とするメッキ層を形成することを特徴と
    する、梁の製造方法。
  3. 【請求項3】 微小な機械的動作を行なう装置に用いら
    れ、かつ一方端部が微小変位可能で他方端部が固定され
    た梁の製造方法において、 少なくとも前記一方端部を構成する基板の上にニッケル
    と鉄とを主成分とするメッキ層を形成した後、熱処理を
    施すことにより、前記一方端部に所定の反り量を与える
    ことを特徴とする、梁の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0834243A4 (en) * 1995-06-07 1998-08-12 Xerox Corp PHOTOLITHOGRAPHICALLY PATTERNED SPRING CONTACT
EP1698905A3 (en) * 1999-09-15 2007-07-18 Capres A/S Nano-drive for high resolution positioning and for positioning of a multi-point probe
JP2012063225A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Dainippon Printing Co Ltd 力学量センサ及び力学量センサの製造方法

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