JPH0622366U - 水溶性洗浄剤用洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車部品等の金属部品の脱脂・切粉除去洗浄
において洗浄剤として水溶性洗浄剤を使用し、フロンを
用いた洗浄機と同様に小型コンパクトで高性能な階層型
洗浄機を提供する。 【構成】一連する少なくとも搬入部ａとアルカリ洗浄室
部ｂと乾燥室部ｃと搬出部ｄとに亙って途中アルカリ洗
浄室部ｂと乾燥室部ｃを通り抜ける入シャッター口２Ａ
と共通中シャッター口２Ｂと出シャッター口２Ｃとを経
て被洗浄物βを運搬給送する搬送コンベヤ１群を一貫す
る洗浄機αを設ける一方、被洗浄物βを運搬給送し、洗
浄液槽４Ｂで浸漬揺動洗浄する下階の浸漬洗浄室Ａと洗
浄液４を上面・側面洗浄ノズルパイプ８Ａ，８Ｂ群で噴
射洗浄する上階のスプレー洗浄室Ｂで吹抜け階層してア
ルカリ洗浄室部ｂを構築し、他方、前記浸漬洗浄室Ａと
前記スプレー洗浄室Ｂとの間を前記被洗浄物βを搬送コ
ンベヤ１の並行回動ローラ１ｂ群上に載置したまゝ上下
限位置決め昇降自在に上下駆動するリフタ３を備えたこ
とを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、主として自動車部品等の金属部品の焼戻し前、浸炭後等の脱脂、切粉 除去洗浄において洗浄剤として水溶性洗浄剤を使用する洗浄機に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来における洗浄機は、種々提案されているが最近のフロンの使用禁止のため にこのフロンを用いたコンパクト洗浄機は使えなくなるため、フロンに代る新た な洗剤とコンパクト洗浄機を開発しなければならなくなった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上のような洗浄機では水溶性洗浄剤としてアルカリ洗浄剤に界面活性剤を混 ぜて使用するが、構成はベルトコンベア式の直線流れ作業で浸漬洗浄やスプレー 洗浄や熱風ブローをするため、どうしてもスペースの大きいものになってしまう のである。

【０００４】 なお、フロンの場合は乾燥作業は特にいらず、油脂もそのままとかして取り除 くので、加熱蒸発後の冷却回収装置以外はコンパクトに構成されていた。 ここにおいて、本案は前記従来の技術の課題に鑑み、フロンを用いた洗浄機と 同様に小型で高性能な水溶性洗浄剤用洗浄機を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記課題の解決は、本案が次に列挙する新規な特徴的構成手段を採用すること により達成される。 即ち、本案の第１の特徴は、一連する少なくとも搬入部とアルカリ洗浄室部と 乾燥室部と搬出部とに亙って途中当該アルカリ洗浄室部と乾燥室部を通り抜ける 入シャッター口と共通中シャッター口と出シャッター口とを経て被洗浄物を運搬 給送する搬送コンベヤを一貫する洗浄機を設け、前記アルカリ洗浄室部内を通貫 仕切る当該搬送コンベヤを境に下階に洗浄液槽で浸漬揺動洗浄する無天浸漬洗浄 室をかつ上階に洗浄液を噴射洗浄するスプレー洗浄室を吹抜け階層する一方、前 記アルカリ洗浄室部内の前記搬送コンベヤを下受支えするリフターフレームを当 該搬送コンベヤと一体に上下昇降動するリフター駆動シリンダを前記アルカリ洗 浄室部外上端に搭設し、他方前記洗浄液槽内にはエアーバブリングノズルパイプ 群と水溶性洗浄剤噴流ノズルパイプ群を、かつ前記スプレー洗浄室内天井面には 上面洗浄ノズルパイプ群と両側面には側面洗浄ノズルパイプ群をかつ前記乾燥室 部内には熱風ブローノズルパイプ群をそれぞれ配してなる水溶性洗浄剤用洗浄機 である。

【０００６】 本案の第２の特徴は、前記第１の特徴における共通中シャッター口が、スプレ ー洗浄室側の上下にエアーブローノズルパイプ群を対臨させてなる水溶性洗浄剤 用洗浄機である。

【０００７】 本案の第３の特徴は、前記第１又は第２の特徴における洗浄液槽が、浸漬洗浄 で発生する浮遊油を分離除去するオイルオートセパレータと接続してなる水溶性 洗浄剤用洗浄機である。

【０００８】

【作用】

本案は、前記のような手段を講じて浸漬揺動する浸漬洗浄室とスプレー洗浄室 とを吹抜け状に立体的に階層配置させるので、横にそのまま並べるよりも小型化 を実現する。

【０００９】

【実施例】

本案の第１実施例を図面につき詳説する。 図１は本実施例の平面図、図２は同・一部破断側面図である。 図中、αは本実施例の水溶性洗浄剤用洗浄機、ａは搬入部、ｂはアルカリ洗浄 室部、ｃは乾燥室部、ｄは搬出部である。

【００１０】 Ａは浸漬洗浄室、Ｂはスプレー洗浄室、Ｃは乾燥室、１は搬送コンベヤ、βは 被洗浄物、１ａ〜１ｄは並行回動ローラ、１Ａはプッシャー駆動部、１Ｂはプッ シャードッグ１Ｃ付コンベヤ、２Ａは入シャッター口、２Ｂは共通中シャッター 口、２Ｃは出シャッター口、２Ａ’，２Ｂ’，２Ｃ’はそれぞれ入シャッター、 中シャッター、出シャッターである。

【００１１】 ３はリフタ、３Ａはリフタフレーム、３Ｂはリフタ駆動シリンダ、４は洗浄液 、４Ｂは洗浄液槽、５はスプレーポンプ、５Ａは導管、５Ｂは逆止制御弁、６は 二段分岐噴流管、７はエアバブルノズルパイプ、８Ａは上面洗浄ノズルパイプ、 ８Ｂは側面洗浄ノズルパイプ、９Ａはフィルター、９Ｂはオイルセパレータ、９ Ｃはメッシュストレーナー、１０は排気ファン、１１は熱風ブローノズルパイプ 、１２はヒータ、１３は熱風循環ファン、１４は上下エアーブローパイプである 。

【００１２】 本実施例の水溶性洗浄剤用洗浄機αは、図１、２に示すようにプッシャー駆動 部１Ａより無端駆動されるプッシャードッグ１Ｃ付コンベヤ１Ｂを並行回動ロー ラ１ａ群の並行間に無端張架し、搬入部ａの並行回動ローラ１ａ群終端に臨む入 シャッター口２Ａからスプレー洗浄室Ｂ内へ被洗浄物βをプッシャードッグ１Ｃ に後押しされて搬入する。

【００１３】 上階のスプレー洗浄室Ｂの下階に浸漬洗浄室Ａを上下に吹抜け状に階層し、か つリフタ駆動シリンダ３Ｂにより内挿したピストンロッド３Ｃの上下駆動と一体 的にリフタフレーム３Ａを連設し、下階の浸漬洗浄室Ａの洗浄液４に下降浸漬ま たは上階スプレー洗浄室Ｂで原状復帰位置決め自在にリフタ３で上昇駆動するよ う内部に異なる上下階洗浄室Ａ，Ｂを有するアルカリ洗浄室部ｂ、さらに途中上 下エアブローパイプ１４群間を通り、アルカリ洗浄室部ｂと乾燥室部ｃの共通中 シャッター口２Ｂを介して被洗浄物βの水分を脱水乾燥する乾燥室部ｃに運搬し 、出シャッター口２Ｂから排出部ｄへ排出して洗浄動作を一貫する。

【００１４】 この浸漬洗浄室Ａは、洗浄液槽４Ｂにリフタフレーム３Ａごと被洗浄物βを並 行回動ローラ１ｂ群上に載置したまま浸漬し、また洗浄液槽４Ｂからメッシュス トレーナー９Ｃを通して洗浄液４を吸上げるスプレーポンプ５からフィルタ９Ａ 、導管５Ａや逆止制御弁５Ｂを途中設けて噴流管６を介して二段枝分かれし、水 や洗浄剤の混合比をかえて噴出する。

【００１５】 側面や底部から複数エアバブルノズルパイプ７群により洗浄液４中に空気を噴 射して泡を起生し、エアバブリング撹拌対流させ、こびりついた油を効果的にピ ールアップさせ、この浮遊油はオイルセパレータ９Ｂで除去する。このとき洗浄 液４は高粘度熱処理油用の特殊アルカリクリーナでほぼ６０〜８０℃程度に温め て活性化させ、図示しない液面計を設けて洗浄液槽４Ｂの液量を一定に保ちつつ 再成して循環使用される。

【００１６】 十分に洗浄されたらリフタフレーム３Ａを並行回動ローラ１ｂ群ともども持ち 上げて、そのままスプレー洗浄室Ｂで同様に洗浄剤の混合比をかえて下方向や水 平方向に指向させた上面・側面洗浄ノズルパイプ８Ａ，８Ｂ群により液射し洗浄 剤を高圧で吹きつけ、排気ファン１０からアルカリ洗浄室部ｂ内の蒸発湿気を排 気する。

【００１７】 スプレー洗浄処理が終ると、中シャッター２Ｂ’を上昇して共通中シャッター 口２Ｂを開き、被洗浄物βをこの液切りのための上下エアブローパイプ１４群間 を通りアルカリ洗浄室部ｂより乾燥室部ｃに入る前に十分エアーブローをおこな い、共通中シャッター口２Ｂを閉じ、被洗浄物βを乾燥室部ｃに移動して１００ 〜１２０℃にヒータ１２で加熱温調された空気をブローノズルパイプ１１群より 熱風ブローをおこない、熱風循環ファン１３でまんべんなく対流させ加熱乾燥を する。

【００１８】 この浸漬とスプレーの二段脱脂洗浄と液切りと加熱乾燥仕上げをコンベヤ方式 で連続処理自在かつコンパクトに形成されたアルカリ洗浄室部ｂと乾燥室部ｃで 順次行いその容積を著しく縮小された構造になっている。 この一連の手順を、タイマ等やコンピュータ制御の電気的制御装置を付設して 自動的な定時間の洗浄作業をおこなうことができる。

【００１９】 本実施例の仕様はこのような具体的実施態様を呈し、次にその洗浄手順を説明 する。 まず、目的とする被洗浄物βを搬入部ａの並行回動ローラ１ａ群上に載置する 。そして、図示しない操作盤によりプッシャー駆動部１Ａを駆動し、プッシャー ドッグ１Ｃ付コンベヤ１Ｂを無端回動する。

【００２０】 入シャッター２Ａ’を上昇し入シャッター口２Ａを開き、まずスプレー洗浄室 Ｂ内で高さが整合されて位置決めされているアルカリ洗浄部室ｂ内の並行回動ロ ーラ１ｂ群上に被洗浄物βを移載し、入シャッター２Ａ’を下降して入シャッタ ー口２Ａを閉じ、リフタ３を下に駆動して、その下の浸漬洗浄室Ａの洗浄液槽４ Ｂに被洗浄物βとリフタフレーム３Ａと並行回動ローラ１ｂ群ともども浸漬する 。

【００２１】 この洗浄液槽４Ｂは、エアバブルノズルパイプ７群のエアー噴出により絶え間 無く対流撹拌されていて、被洗浄物βの油脂は界面活性作用により親水基をまと い、水に溶け出しピールアップされて、被洗浄物βから遊離浮上する。この浮遊 油をオイルセパレータ９Ｂで除去しつつ、被洗浄物βからほとんどの油脂を取り 除く。

【００２２】 そして、リフタ３を作動し並行回動ローラ１ｂ群を上に引き上げ、スプレー洗 浄室Ｂで原状整合高さに復帰位置決めし、上面・側面洗浄ノズルパイプ８Ａ，８ Ｂ群から洗浄液を高圧噴射し、結合の弱くなった油脂を吹き飛ばす。この後、上 下エアーブローパイプ１４群で空気のみを噴射し、表面についた液滴のほとんど を吹き飛ばす。

【００２３】 次いで、共通中シャッター口２Ｂを通り、乾燥室部ｃに被洗浄物βを搬入し、 中シャッター２β’を閉じ、高温熱風で液分を加熱乾燥させ完全に液分を取り除 く。そして、出シャッター口２Ｃから搬出部ｄの並行回動コンベヤ１ｄ群上に脱 脂洗浄乾燥されて出てくるので、出終ると出シャッター２Ｃ’を閉じ、操作盤で 止めるなり、タイマが切れて止まる。

【００２４】 なお、一日の全作業が終了したら洗浄液槽４Ｂ底部の図示しない排水口から洗 浄液４を排出し、共通中シャッター口２Ｂを開けたままブローノズル１１群より 熱風を吹き出して内部を乾燥する。またリフタフレーム３Ａその他の素材は錆び ないステンレス等で構成しておくことはいうまでもない。また、被洗浄物βによ ってはアルカリ洗浄部室ｂと乾燥室部ｃ間にアルカリ洗浄室部ｂと同構造の湯水 洗浄室部を介結し上階をシヤワー室、下階を湯浸漬洗浄室とを吹抜け階層しても 良い。その場合上下エアーブローパイプ１４群は前記湯水洗浄室部のシャワー室 側共通中シャッター口上下に対臨することとなる。

【００２５】

【考案の効果】

かくして、本案によれば、従来の技術では対応できなかった吹抜け階層構造の アルカリ洗浄室部を構成することにより、コンパクトで高速な洗浄作業を実現し 得る。 場合により、乾燥室部とアルカリ洗浄室部のあいだに湯水洗室部を設けた洗浄 装置が構成でき、現在使用しているフロンを用いた洗浄装置のスペースに充分収 まり、新たに機械配置を変更することもない等優れた実用性、有用性を具有する 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案の実施例を示した平面図である。

【図２】同上、一部破断側面図である。

【符号の説明】

ａ…搬入部 ｂ…アルカリ洗浄室部 ｃ…乾燥室部 ｄ…搬出部 Ａ…浸漬洗浄室 Ｂ…スプレー洗浄室 α…水溶性洗浄剤用洗浄機 β…被洗浄物 １Ａ…プレッシャー駆動部 １…搬送コンベヤ １ａ〜１ｄ…並行回動ローラ １Ｂ…コンベヤ １Ｃ…プッシャードッグ ２Ａ…入シャッター口 ２Ａ’…入シャッター ２Ｂ…共通中シャッター口 ２Ｂ’…中シャッター ２Ｃ…出シャッター口 ２Ｃ’…出シャッター ３…リフタ ３Ａ…リフタフレーム ３Ｂ…リフタ駆動シリンダ ４…洗浄液 ４Ｂ…洗浄液槽 ５…スプレーポンプ ５Ａ…導管 ５Ｂ…逆止制御弁 ６…二段分岐噴流管 ７…エアバブルノズルパイプ ８Ａ…上面洗浄ノズルパイプ ８Ｂ…側面洗浄ノズルパイプ ９Ａ…フィルター ９Ｂ…オイルセパレータ １０…排気ファン １１…熱風ブローノズルパイプ １２…ヒータ １３…循環ファン １４…上下エアーブローパイプ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一連する少なくとも搬入部とアルカリ洗浄
   室部と乾燥室部と搬出部とに亙って途中当該アルカリ洗
   浄室部と乾燥室部を通り抜ける入シャッター口と共通中
   シャッター口と出シャッター口とを経て被洗浄物を運搬
   給送する搬送コンベヤを一貫する洗浄機を設け、前記ア
   ルカリ洗浄室部内を通貫仕切る当該搬送コンベヤを境に
   下階に洗浄液槽で浸漬揺動洗浄する無天浸漬洗浄室をか
   つ上階に洗浄液を噴射洗浄するスプレー洗浄室を吹抜け
   階層する一方、前記アルカリ洗浄室部内の前記搬送コン
   ベヤを下受支えするリフターフレームを当該搬送コンベ
   ヤと一体に上下昇降動するリフター駆動シリンダを前記
   アルカリ洗浄室部外上端に搭設し、他方前記洗浄液槽内
   にはエアーバブリングノズルパイプ群と水溶性洗浄剤噴
   流ノズルパイプ群を、かつ前記スプレー洗浄室内天井面
   には上面洗浄ノズルパイプ群と両側面には側面洗浄ノズ
   ルパイプ群を、かつ前記乾燥室部内には熱風ブローノズ
   ルパイプ群をそれぞれ配したことを特徴とする水溶性洗
   浄剤用洗浄機。
2. 【請求項２】共通中シャッター口は、スプレー洗浄室側
   の上下にエアーブローノズルパイプ群を対臨させたこと
   を特徴とする請求項１記載の水溶性洗浄剤用洗浄機。
3. 【請求項３】洗浄液槽は、浸漬洗浄で発生する浮遊油を
   分離除去するオイルオートセパレータと接続したことを
   特徴とする請求項１又は２記載の水溶性洗浄剤用洗浄
   機。